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2002,1/27パンクラス後楽園大会


註:高倉仮面氏のルポは、「会場周辺の観光案内」と「試合そのもののルポ」のふたつが
絶妙に融合し構成されている。私は便宜上、前者のほうに重点を置きコーナーにおいているが
そこだけに注目するのはあまりにもったいないと言えよう。
両者ともにご注目いただきたい。ただし読者の便宜のため、実用性の高い観光案内を太字にした。


さて、現在は東京・横浜両道場とグラバカ所属選手の対抗戦が、
大きな人気を呼んでいるPANCRACEですが、今回の興行はちょっと趣旨が違います。

今日の興行は二部構成で行なわれました。
第一部は、週刊ヤングジャンプで連載中の「高校鉄挙伝タフ」にちなんだ「タフ祭り」。
この漫画には実際の格闘家をモデルとした格闘家が何人も登場するのですが、
今回は原作者の猿渡氏とも馴染みの深い選手が集まるらしいです。
まあ、詳しい事は良くわからんのですが。

第二部は、いつもと同じく試合です。今回は5カードと少なめ。
ルールについては、現在のPRIDEを思い浮かべていただいて、
・4ポイント(四つん這い)状態の選手への、ヒザ攻撃は反則。
・基本的には1Rは5分間。2R又は3R制。
・体重分がルール改正により前回以上に細かくなった。
 当然、ますます体重差判定のようなものはなくなった。
・膠着ブレイクが早い。
ような感じだと思ってください。

では、観戦記です。

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11:30
後楽園ホール到着。
今回は、前々から会う約束していた、
「紙のプロレス応援団」の書き込み常連・フクさんと友達のシロさんも一緒でした。
フクさんはこれが「後楽園初体験」らしいので、
後楽園名物「落書き」を見せながら階段で5階まで登る。
ここで息が上がらなかったのは、僕自身が最近スクワットで鍛えているからかな?
三十路を前に、良い傾向だ。

11:40
後楽園ホールの3F立見席へ。
「あ、やっぱり…」、既に見やすい場所は他人にガッチリキープされている。
立見席をウロウロしながら「これじゃ、全然見えないねぇ」と、三人は軽いパニック状態に。
と、良く見ると南口の一番後ろの方の立見席(正面の一番後ろ)なら若干だが空いている。
早速移動し、この場所をキープ。リングまではかなり遠くなってしまったが、
これなら試合はグラウンドの展開でもちゃんと見れそうだ。ホッと一安心である。

12:00
興行開始。
会場は最初から超満員でした。「遅れて会場入りしてしまった」と思い込んでいる僕達の後ろにも、
立ち見の人が何人もいた事を考えると「少しでも早めに来ておいて良かったなぁ」と思います。
まあ、このところのPANCRASE人気を考慮すればこうなってしまうのは当然の話なのですが。
「おそらく、これからは一時間前には入ってないとキビシイだろうねぇ、
 いや、今後は所属選手のPRIDE参戦で『PRIDE特需』による観客数増員がが予想されるので、
 これから先は一時間前でもキビシイかもなぁ…」と、
今後後楽園の立見席でPANCRASEを見ようと考えている人に警告しつつ観戦開始。

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◎第一部:タフ祭り

○ROUND1:「チーム・タフ」集結
噂では藤田選手も登場すると聞いていて、結構期待したんだけど…。
実際には、高橋、朝日、エンセンの3選手がリング上に集結。
「トークショーでもやるのかな?」と思っていたら…、ただのおざなりな挨拶だけ。
おざなりだ、おざなりすぎだ、やる気なさすぎ!
こういう小イベントは「ちゃんとやる」か「全くやらない」かのどっちかにしてくれ!
この手のイベントをやらせると、PANCRASEは本当にヒドイね。

さて、ここで久々に船木氏が登場。
「『タフ』とは全然関係ないじゃん!」と思っていたら、
アニメ版「タフ」で主人公の父親・通称「おとん」の声優をやるらしい。
船木氏の声優としての資質はCMや他のアニメ映画で既に実証済み。
少なくとも佐竹選手よりは信用できるだろう。
…そういえば藤田選手も、オタクアニメの声優に挑戦していたなぁ。

ここで船木氏、初主演の(一応)ハリウッド映画「シャドー・ヒューリー」をPR。
備え付けのスクリーンに映画の予告編が上映される。
目に映る映像自体は洗練されていて「さすがハリウッド」とは思ったものの、
ストーリーやアクションやノリ自体はどうみても香港映画だった。
この映像を観客は黙って見ていたが、
出演俳優の中にバス・ルッテン選手の名前を見ると大きなどよめきが起きる。

○ROUND2:チームタフ提供ドリームマッチ/3分
鈴木みのる vs 宮沢喜一(「タフ」の主人公。「喜」の字は本当は違います)

皆さん、素朴な疑問として「この試合、どういう風にやるんだろ?」っていうのがあると思います。
フクさんは、
「あのスクリーンに、
 『ロジャー・ラビット』みたいにアニメを取り込んだ実写映像が出るのでは?」
と予想していたのですが…。
その実体は、我々の想像の遥か上を飛んでいた!

…な、なんと、キー坊(「宮沢喜一」の通称)風のマスクを被った小柄な男が登場!
しかし、遠目に見るキー坊マスクは「逆立った金髪に白塗り顔、目の周りに黒い隈取」という、
「お前、それはどう見ても『デーモン小暮』だろ!」と突っ込みたくなるような代物。何なんだ?!
対する鈴木は、黒いタオルを被って登場。
誰が相手でも自分の入場スタイルを変えないのは「らしさ爆発」である。
初めてこの入場を見たときは心底怖かったなぁ。眼が怖いんだよ、眼が。

試合はプロレスの一種と言えるでしょう。
スタイルは、アマレスを主体としたグラウンドでの地味な「決めっこ」。
キー坊小暮からは「灘神影流」の技は出なかった、
っていうかこの漫画、たまにしか読んでないので出ていたとしてもわからん。
フロント・ネックロックとかスリーパーを出して気はするのですが…。
まあ、少なくとも目茶目茶派手な技とかは出なかったです。
鈴木は試合終了間際に片エビ・逆エビを出していました。
最後は鈴木がキー坊小暮のマスクを剥ぐ暴挙に出たが、ゴングに救われる(???)。

鈴木はマイクで「マスクの中身の奴、今度PANCRACEに上がって来い!」とアピール、
「…体重がちょっと合わないけど」とオチをつけるのも忘れない。
また「この度東京道場と横浜道場が統一になりました」と発表。
新しい道場の名前は『パンクラス・ISM』だそうだ。
最近は、東京道場と横浜道場はまとめて扱われていたので、
こういう動きがあっても不思議はないですね。

ちなみにキー坊の中身は「修斗王者を返上しUFCで活躍中」の「あの人」であるという噂。
もしこの噂が本当だとしたら、このカードは結構「ドリーム・カード」だと思う。

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◎第二部:試合

第一試合 チームタフ提供・エキシビジョンマッチ(3分1R)
△菊田 早苗(176cm 91kg) vs 岩崎達也(175cm 95kg)△ (1R ドロー)

菊田は入場するも、手にはオープンフィンガーグローブを嵌めていない。
「これは…、元極真空手の岩崎に対して、菊田はグラウンドのみで勝負する気だ!」
…と思ったら、ただ忘れていただけだった。慌てて取りに行く菊田に場内爆笑。
本人曰く「空手家が相手なので素手での試合だと思っていた」、本当かね?

試合は菊田のグラウンドでのポジション取りの上手さ、関節の狙い方の上手さが光る。
しかし岩崎、タックルに来た菊田を何度もつぶして、総合格闘家としてアピールしつつも、
上段後ろ回し蹴り、上段蹴り、浴びせ蹴り等、空手家としての自分もアピール。
お互いの良いところが出ていた良い試合だったので、もう少し見ていたかったなぁ。
でもまあ、エキシビジョンだからこんなもんですかね。

それにしても菊田のグラウンドでのポジション取りは凄いねぇ。あれは金が取れるよ。
PRIDEへの再参戦も決定したらしいし(「PRIDE20での参戦」説が濃厚)、
実力は十分なんだから、もっと有名になってほしい選手だね。

第二試合 ライトヘビー級(5分2R)
○渋谷 修身(185cm 87kg) vs 久松 勇二(177cm 83kg)● (2R 46秒 ヒール・ホールド)

久松は「11PM」のテーマ曲で入場。…ここで爆笑した人、年がバレるよ!

1R、開始早々の打撃戦から、久松のミドルと渋谷のフックがクリーン・ヒット。
ここから組み付いていった久松、ガード・ポジションへ渋谷を引きずり込む。
渋谷は下から腕関節で逆転を狙うが、
これを振り切った久松はグラウンド打撃を当てつつポジションを移行。
この状態から長い時間が経過したが、久松はここで決め手に欠けて、結局は崩れて組四つの状態へ。
ここで再び倒した久松、再びガード・ポジションからコツコツと打撃を当てる。
ラウンド終了間際、下から渋谷は足関節を狙うも、ここはゴング。
何も出来なくても、とりあえず上になっている印象の強い渋谷が、
ここまで下になっているのは珍しいか?久松はいいペースで試合を進めているね。

2R、久松の冴えるミドルが再びヒット。
それでも渋谷はふんばって、組み合ってから上手投げ気味に投げを狙うも、スッポ抜けて失敗。
逆にガード・ポジションを奪われてしまう。久松は1Rと同じくここから打撃を当てていく。
ここで久松は、より効果的にパンチを当てる為にガードポジションのまま立ち上がる。
…その瞬間、ガード・ポジションの下から足を取った渋谷が相手を倒して、
そのままヒールホールドを仕掛けた!そしてこれがガッチリ決まって久松はタップ、試合終了。

久松は試合全般を優勢に進めながらも、その慢心からミスを犯した印象。
試合運び自体は悪くないし、あの渋谷に何度もタックルから上なった事もあり、
今後にも期待したい選手だ。
対する渋谷は久々のスッキリ白星。これからもスッキリ勝ちつづけてほしいね。

第三試合 ライトヘビー級(5分2R)
○石井 大輔(183cm 89kg) vs 秋山 賢治(176cm 89kg)● (2R 3分2秒 TKO)

1Rから石井が一方的な打撃技で圧倒していく。
秋山は組み付いて相手をコーナーへ押し込むのがやっとの状態。
それですら、コーナーで入れ替えられて腿への膝蹴りを食らってしまう。
そして距離が離れると、
胴へ膝蹴り・パンチ・猪木アリからのローと石井は多彩な打撃を当てていく。
詳しい人の話だと、この日の秋山は調整不足で動きが良くなかったらしい。

そして2R、またまたコーナーでの四つ状態での攻防が続いていたが…。
グラウンドでコーナー際で後ろを取った秋山。ここでドント・ムーブがかかり、中ほどに戻される。
その体制はより秋山がバック・マウントを狙い易い状態。
微妙なドント・ムーブだが、とにかくチャンスをつかんだ秋山。
ここからバック・マウントを奪い、逆転のスリーパーを狙うが決まらない。
しかもこの絶対有利な状況から、石井に脱出されてしまう。
ここから無理矢理寝ている秋山の上になった石井は、コーナー際でガードポジション。
下になった秋山に対して「とどめだ!」と言わんばかりの、
もの凄い「弓を引いたストレートパンチ」の一撃を食らわせる!
この一発でグロッキーになった秋山からマウントを奪うと、今度はマウントパンチの連打!
これにて秋山万事休す、見かねた秋山セコンド陣がタオルを投入して試合終了。

いや〜、石井は強いわ。もっと対外的な人気が出て欲しい選手だね。

セミファイナル ライトヘビー級(5分3R)
○佐々木 有生(182cm 85kg) vs KEI山宮(180cm 84kg)● (1R 4分29秒 腕ひしぎ逆十字)

この試合は…、のっけから大波乱!
なんとなんと、開始早々の山宮のパンチがクリーンヒット!佐々木は早くもダウンだ。
恐らくPRIDEなら島田レフェリーが両手を振りながら、
「No!No!No!」と叫んでいそうな一撃だったが、
試合は続行。倒れている佐々木からガード・ポジションを奪う山宮だったが、
僅かな打撃を当てるのみで佐々木に逃げきられブレイク。両者、一旦スタンドポジションへ。
この時、佐々木は立てるのか?…と思っていたが、見る限りではダメージは少ないようだ。

その直後、再び山宮は打撃に活路を見いだし、そしてまたしてもこれがクリーンヒット!
ダウンによるKO負けを嫌った佐々木は、ここからタックルを仕掛けるもあっさり切られてしまう。
山宮はここからガード・ポジション。しかし、またしても決め手に欠けてブレイク。
しかし三度目のガードポジションからは、再び試合は大きく動く!
グラウンド状態からの、スイープ合戦になったのだ。
お互い上になったり下になったりで、上になるとマウントパンチやスリーパーを狙っていく。
もの凄い動きのあるグラウンドの展開に会場は沸きに沸いたが、
最後は上になった佐々木がサイドポジションからの逆十字を決め、山宮はタップ。

ラウンド最初のKO寸前のダウン劇を考えると、信じられない大逆転劇に会場は大興奮!
それにしても、あの展開から佐々木が勝つとは…これまた強いねぇ。

メインイベント ライトヘビー級(5分3R)
○近藤 有己(180cm 86kg) vs 佐藤 光芳(180cm 89kg)● (2R 32秒 TKO)

1R、開始早々近藤は膝を繰り出すがこれに合わせて佐藤はタックル。
試合はガード・ポジションへ移行するが、上になった佐藤も、
下になった近藤も、お互いに打撃を繰り出す。一旦ブレイク。
再び佐藤はタックルを決めてグラウンドへ、試合もまたまたガード・ポジションからの打撃戦へ。
それにしても近藤は下からの打撃も上手い。テンプルへ掌打を繰り出し相手の脳を揺すっていく。
ラウンド終了間際には近藤の下からの三角締めが決まる…って、
これにしても締めが目的ではなく打撃が目的っぽい。何も出来ない佐藤の頭に打撃を連打。
そしてここでゴング。近藤は何気にやる事がエゲツない。

2R、やはり開始早々近藤は膝を繰り出すと、今度はこれが佐藤にクリーンヒット!
大歓声の中、ダウンした佐藤の上になると近藤にマウントパンチの雨あられ。
佐藤がバックになっても近藤は横からの顔面パンチ連打、う〜んエゲツない。
そして見かねたグラバカ・セコンド陣がタオル投入。近藤、激勝だ!

ちなみにこれは、前回の郷野戦のフィニッシュ・パターンと全く同じ展開。
敗れた佐藤が病院送りになったのも含めて一緒。グラバカにとっては屈辱だろうね。
それにしても近藤は…、入場曲は「エンヤ」なのに試合後は必ず相手を破壊している…。
どこかの破壊王より、よっぽどタチの悪い破壊王だなぁ。

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雑感:
気が付けば、エキシビジョンマッチ以外は全て10分以内のスッキリ決着!
沸きっ放しの会場からは、現在のPANCRACEの勢いを感じましたね。
春には選手のPRIDE参戦も決定したみたいですし、この先のPANCRACEに未来を感じます。

反面、「タフ祭り」におけるイベントのおざなりさや、
休憩時間がたったの5分しかなかった等、
「観る側の事を考えていない」「興行的に『息抜き』をさせてくれない」
等の興行的な問題点ついては相変わらずですね。
ここさえ良くなれば、もっと手放しに楽しめる興行になるのですが。

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13:45
な、な、なんと、今日の興行はたったの1時間45分!なんちゅう短かさだ!
本日は12:00からの興行、いつも夜の興行しか観ていないせいか、
後楽園から外に出た時の空が明るい事にかなりの違和感を覚える。

「…なにわともあれ、とりあえず腹が減った」という話になり、飯を食う事に。
フクさんが「中華好き」という事もあり神保町の某中華屋に向かったが、
どういう訳かシャッターが降りているではないか。
ここの「おこげ」は値段は高いが大変美味しい、
しかし店がやっていないのではどうしようもない。
仕方がないので、仲間内では常識になっている
「困った時には『ちゃんこ』を食え!」
の法則に則り、JR水道橋駅から総武線にて両国へ移動。

14:30
JR両国駅到着。この日は大相撲の千秋楽があった為、両国国技館の前は大混雑していた。
まあ、僕らが向かっていく「ちゃんこ・江戸沢」は駅を挟んで反対方向にあるので、
この大混雑に翻弄される事はないのだが。

「江戸沢」は、この時間ならランチタイム料金で「ちゃんこ」が楽しめる。
ランチのメニューは、鶏肉をベースに白菜・あぶらげ・ネギ等が入っている上、
締めのうどんもセットでついて650円という格安値段。
出汁の利いた薄味のちゃんこ汁に鶏肉の肉汁が染み出して、野菜達がその味を整える。
このバランスが、なんともいい味を出すんですねぇ。

んで、我々は一度この鍋を有難く頂戴するのですが、この時スープと野菜を少し残して、
「延長戦」として、自分達のお好みの具を入れてまた食べるのです。
この時、肉類等のメイン食材は人数分注文し、
野菜のようなサブ食材は常に「一人前」分しか注文しないようにします。
これにより余計な支出を押さえる事が出来ます。

ちなみに本日は、
ROUND1 ランチセットの具(鶏肉ベース)
ROUND2 豚肉ベース
ROUND3 おもち
ROUND4 鰯のつみれベース
ROUND5 鶏肉・鰯のつみれのみ
ROUND6 締めのうどん
おまけ デザートを各人一品づつ
という流れでした。「食った、食った」って感じだなぁ…。

まあ、この時点でかなり「幸せ」なのですが、ここで脅威なのが最後の「料金請求」。
今回は「酒飲み」がいなかった事もあるのですが、最終的には一人2700円になりました。
我々は何度もここを使っているけど、改めて「これは安い!」と思いますね。
「江戸沢初体験」のフクさんも、これにはビックリしてました。
というわけで、我々は18:00になるまで散々食っていたのでした。

…今日のPANCRACE興行の倍の時間だけ食っていたのね。
逆ハイブリッドボディへまっしぐらだな。

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