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2002,4/27 全日本プロレス後楽園大会ルポ


註:高倉仮面氏のルポは、「会場周辺の観光案内」と「試合そのもののルポ」のふたつが
絶妙に融合し構成されている。私は便宜上、前者のほうに重点を置きコーナーにおいているが
そこだけに注目するのはあまりにもったいないと言えよう。
両者ともにご注目いただきたい。ただし読者の便宜のため、実用性の高い観光案内を太字にした。


お疲れ様です。
高倉です。

一般的な会社は本日よりGWに入ります。
ちなみに今年のGWは、僕は奇跡の10連休です。羨ましかろうて(笑)。
んで、僕はその半分以上を観戦に当てる予定なのですが、
その一番最初として、全日本プロレスを観て来ました。

全日本プロレスは、昭和47年の設立以来、
今日まで約30年の歴史のあるプロレス団体です。
設立からの70年代は、社長でもあった故・ジャイアント馬場選手、
80年代は、プロレス史上最強のレスラーと言われる故・ジャンボ鶴田選手、
90年代は、テレビ等でも有名な三沢 光晴選手(現 プロレスリングNOAH)が、
それぞれエースとして団体をエースとして牽引して来ました。

全日本の30年…というのは、波乱の30年です。
アメリカにNWAなる巨大プロレス組織の傘下にいた全日本は、
NWAの権威が強いときこそ、アメリカでもビッグネームの選手を次々に招聘して、
ライバル団体である新日本に差をつけていましたが、
やがてNWAは、WWF(現・WWE)の全米侵攻の影響を受けて衰退。
80年代中盤から終盤の全日本は日本人レスラーによる抗争に力を注ぎます。
また、外国人選手を自分の団体で育てるように勤めるようにもなりました。
これにより、選手が再び充実する事により人気を回復した全日本でしたが、
90年代初頭、日本人レスラー抗争の牽引車的存在だった天龍 源一郎選手を始め、
約半分近い選手が、SWS(現在は崩壊)に大量移籍。
今度は団体が崩壊しかねないピンチに陥ります。

しかし、全日本は再生します。
今度は若手選手を思い切ってメインに起用する等、団体の若返りを図ります。
これが見事に成功し、団体の人気は減るどころか益々大人気になります。
そんな中1999年2月、全日本の象徴的存在であったジャイアント馬場選手が死去。
社長であった馬場選手の後を継いだのは、90年代のエースであった三沢選手でした。
2000年、今度は怪物・ジャンボ鶴田が死去。
新世紀を前に、全日本のエース達は次々にこの世を去りました。

だが、それ以上のショックが全日本を襲います。
2000年のあくる日、馬場選手の奥さんである元子夫人とのイザコザから、
三沢社長を始めとした所属選手達が大量離脱したのです。
全日本に残ったのは、川田 利明選手と渕 正信選手の2名のみという前代未聞の大量離脱に、
ファンからも「今度こそダメか…」と噂されました。

しかし、しかしなのです。社長となった元子夫人は、
それまでの他団体の力を借りない「鎖国路線」を解禁し、インディー団体の選手を大量に起用。
これにより、全日本を離れてインディーの勇となっていた、
”ミスタープロレス”こと天龍選手が再び所属選手となりました。
また、長くライバル団体であった新日本プロレスと提携し、「夢のカード」を次々に実現。
更には今年始め、新日本プロレスの大看板選手であった武藤 敬司選手を始め、
3名の人気選手が全日本プロレスへ移籍。
これにより現在の全日本プロレスは、再び人気が上昇し始めています。

尚、今回は選手の名称欄に、各選手が流れてきた団体を簡単に書きました。
今の全日本に、いかに昔からの所属選手がいないのかが、これで一目瞭然です(笑)。

ルール…なのですが、プロレスなので、あってないようなものです。
普通にプロレスを思い浮かべていただいて結構です。

では、観戦記です。

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16:00
買い物の為に、上野を徘徊。

上野といえばアメ横である。
海外軍服の放出店として有名な「中田商店」にてバッグを購入したり、
帽子屋をハシゴしつつ新しい帽子を探したりと、ボヤボヤと買い物を楽しんでいた。

そして、その「ひらめき」は、回転寿司を食っていた時に起きた。

「北斗の拳」の敵役・フォックスの名台詞の中に、
「人を殺すと小便がしたくなるぜ〜っ」というのがある。
その心境は、人殺しはおろか、まともに喧嘩すらした事のない僕には全然わからないのだが、
ちょっと単語を変えたものなら、僕は毎回のように考える。

「PRIDEの前日には、フッとプロレスの事を考えたくなる」

最近は格闘技観戦が中心で、まともにプロレスを見る機会はガクンと減った。
そんな僕でも、PRIDEの会場に行くと気が付けばプロレスラーを応援する。
PRIDE4ではアレクの奇跡の勝利に泣き、
PRIDE・GP決勝ではグレイシーを倒した桜庭に感動し、
PRIDE14のプロレスラー決戦では藤田よりプロレスラー寄りの高山を応援していた。
PRIDE19に至っては、入場してくる田村の姿を見ただけでボロボロ泣き崩れる始末。
思えばプロレスラーに背を向けたのは、PRIDE13のシウバvsサクぐらいであろうか。
(この時は、それまで大変待遇の悪かったシウバに肩入れしていた)
そして、今日はPRIDE20の前日。いつものようにプロレスの事が気になり始める。

…のだが、壁にブチ当たった。

「最近のプロレス、全然わからない…」

一応は毎週週プロを買っているので、ある程度は何をやっているか知っているが、
今思い出しても、ノアのレスラーのライバル関係の話や、新日本のドームのカードも全然知らない。
ダメだ、ダメすぎる。今の僕にはプロレスの事なんか考える資格も能力もない…。
このままではイカン!

そして、心は決まった。
「久々にプロレス観戦でもするかっ!」と、手元にあった週プロを探る。
…おお、後楽園で「全日本プロレス」があるじゃないですか!
「それはアナタ、行くでしょう!観るでしょう!応援するでしょう!」

水道橋へ向かう。
ちなみに上野からは秋葉原乗り換えで4駅。結構近いです。

18:00
後楽園ホール到着。立見チケットを2500円で購入。
かつては「入手超困難」と言われ、こんな時間では絶対に入手不可能だと言われた、
全日本プロレスの立見席をあっさり購入できた事に驚く。

「やはり、プロレスブームは過去の物なのか…?
 最近は新日本の看板選手である武藤、小島、カシンの参入で、
 人気が盛り返したと言われているのに…。」

と、ちょっと不安になりつつ会場入り。

懸念は一蹴された。
時間が経つ毎に客足が伸びていき、最終的には超満員である。
少なくとも、後楽園でのプロレス人気はまだまだ根強い。
それにしても、同じ後楽園で開催される興行でも、
いわゆる格闘技とプロレスでは、こうもファン層が違うものなのか?
頭の色を見てみても黒一色、ファッションもおとなしめである。
そして何より、人間性そのものが非常におとなしそうな人が多かった。

「観る側とやる側の分別がキッチリついていると、客層もこうなるのかなぁ」
…等と、あれこれ分析しつつ観戦開始。

それにしても、今日の試合には渕も川田もいないのね。川田はしょうがないけど。
これじゃ、どこの団体かわからんよ。

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第一試合
○平井 伸和(185cm/110kg/元SWS-WAR)
 嵐(190cm/146kg/元全日-SWS-PWC-SPWF-WAR)
 vs
●土方 隆司(175cm/95kg/元バトラーツ)
 ジム スティール(190cm/120kg/生え抜き外国人)

選手入場、土方の小ささに驚く。王道・全日本で生き残るにはちょっと小さいなぁ。
あれ?ジム スティールって、確か「バーチャファイター」の、
「ウルフ・ホークフィールド」やってなかったけ?いつの間に元に戻ったの?
嵐…190cmは嘘だろうが、それにしてもアンコ型の体型がすごいな。
ちょっとした力道山かドン荒川って感じだ。

先発は平井と土方。全日本らしい腕の取り合いの攻防から、
首投げから首を極めた相手の頭を足で挟んでホイップする、
いわゆる「全日攻防」が出る。ほほ〜、こういうのはちゃんと受け継がれているのね。

嵐が登場。土方、小さい体で嵐を攻め込みコーナーへ追い詰める。
ここでホイップしようとするも、嵐はそれを簡単にさせない。
ここで嵐に声援が…、って、あんなアンコ型の選手でも黄色い声援浴びちゃうのね。
なるほど、あるキックボクサーが「プロレスラーは、その肩書きだけでモテるからね…」、
とボヤいていた事があったが、その気持ちがわかる。

ちょっとした攻防の後、土方タッチでジム登場、歓声が起こる。
嵐とのショルダータックル合戦の後、フライングショルダーで嵐を倒すと大歓声が。
やはりプロレスは体の大きい人がやった方が見栄えが良いね。

と、ジムはここで土方にタッチ。
全員の顔見せが終わったところで、ここからは本格的な攻防が始まったのだが、
やはり体の小さい土方が捕まってしまった。
嵐が体格差にまかせたボディスラムで叩きつけると、リングからは凄い音が。会場がどよめく。
土方はこの後、嵐のラリアット、
平井のフライング・エルボーやバックドロップ等で攻め立てられたが、
どうにかキックで反撃、ジムにタッチ。

ジムはここから、パワースラムやダイビング・ショルダーでWAR組を攻める。
ここからタッチを受けた土方も先ほどのお返しとばかりにキックの嵐を叩き込む。
そして両軍分断、リングに残ったのは平井と土方。
攻め込む平井はWARスペシャル、嵐との高角度合体パワーボム(かなりヤバイ角度でした)、
羽折り固めで土方を攻め込む。これをよく凌いだ土方だったが、
最後は平井のロックボトム風の技(名前知らんなぁ)で3カウント。

ま、こんなもんでしょうな。

第2試合 「保坂 試練の5番勝負」
○マイク バートン(194cm/120kg/元WWF)
 vs
●保坂 秀樹(180cm/115kg/元FMW)

おいおい、全日本の伝統・「試練の5番勝負」に選ばれた選手が、よりによって保坂かよ!
見るからにショッパイ体に、こちらはもう萎え萎えである。
対するバートン、大人気です。
リングサイドを一周して観客とスキンシップを楽しんでいます。

あとは基本的にはバートンの一方的な攻めだけが印象に残ってしまいます。
ボディアタックを受けてのブロックバスター、強烈な鉄柵攻撃、大変キツいチョップ、
持ち上げてから、長い長い溜めを作って四方に見せるブレンバスター。

キックからのDDTで保坂反撃、
ラリアット、雪崩式フランケン、トップロープからの肘。
よく見ると、流れも何もあったもんじゃないな。

結局バートンとの実力差はいかんともしがたく、
コーナーラリアット、パワースラム、フライングエルボーの畳み掛けは何とか凌いだものの、
最後はバートン・ディザスター(BTボムだが、レザーズ・エッジの方が近いな)でピン。

保坂、ダメです。
もっと知恵を絞ったプロレスをして欲しい。

第三試合
〇アブドーラ・ザ・ブッチャー(186cm/150kg/久々の全日参戦)
 ケンドー・カシン(181cm/92kg/元新日)
 vs
 愚乱 浪花(178cm/98kg/元みちのく)
●奥村 茂雄

試合前には浪花と奥村のカラーボール投げ。
こういうファンサービスは好きですね。

それにしても…、
ブッチャーですよ、ブッチャー!21世紀に「呼べよ風 吹けよ嵐」ですよ!
ホーガンが復帰して、予期せぬ「ホーガン人気」にとまどっているWWFを見るまでもなく、
会場はブッチャーコール一色!当り前です、僕だってブッチャーコールですよ!
もうね、浪花の体が公式プロフィールより全然小さいこともね、
このメンバー(ブッチャーも含む)の中にいるとカシンが大きく見えるのもね、関係ないですよ!

浪花と奥村の奇襲から始まったこの試合、ブッチャーの地獄突き一つで会場は大爆発だ。
すかさず巻き起こるブッチャーコール。気を良くしたブッチャー、さらに先発の奥村を攻める。

ここでカシン登場、奥村とエルボー合戦。
しかしさすがにカシンが一枚上手、自軍コーナーへ追い詰めブッチャーとの連携で攻める。
いや〜、心なしかカシンもブッチャーとのタッグを楽しんでいる様子。
カシンはここで、ロープにぶら下がり両足で奥村の顔面を攻める。
全日に転出しても、カシンの「らしさ」は健在だ。

奥村脱出、浪花とタッチ。場内から「カニ!」という声が交差する。
カシンをコーナーへ追い詰めると、ロープにぶら下がり両足でカシンの顔面を攻める。
先ほどカシンが見せた技をまんまトレースの攻め、場内ヤンヤの歓声だ。
そして今度は、ブッチャーの地獄突きのフォームを真似てのサミング。
浪花も今日の一戦を楽しんでいるなぁ。

ここでカシンはなんとか脱出、ブッチャーとタッチ。
ブッチャーは浪花を捕まえ、お返しのサミング、そして地獄突き。
またまた起こるブッチャーコール。ここから場外に出され、待っていたカシンの鉄柵を食らう。
戻っても、ブッチャーに攻められ続ける浪花だったが、
タッチして出てきたカシン攻めを凌いでスイングDDT、
さらにカシンを攻めようとコーナーからのスイングDDTを決めようとしたが、
ここは逆にカシンのアトミックドロップで返される。

それでもどうにか反撃した浪花は奥村とタッチ、カシンもブッチャーとタッチ。
ここから分断が始まる、リングに残ったのは試合権のある二人。
奥村はブッチャーにモンキーフリップ(このムーブ、懐かしいね)を決め、
ここから無謀にもエクスプロイダーで投げようとする!
試みや良し!だが、これはやっぱり返される。

ここで奥村はロープの反動を利用した技を出そうとしたが、
ここはカシン、場外からナイスな足とりで奥村を転ばせる。
「分断・相手がダウン・仰向け」
お膳立ては整った。一度コーナーに戻ったブッチャーのエルボーが爆発!
もちろん3カウント、「ブッチャー・『カ』シン組」(週プロ風)の激勝だ。

勝ったブッチャー・カシンはかなり気分が良さそうです。
そりゃそうと、今日のカシンは脇役に徹していたなぁ。

第4試合
○安生 洋二(180cm/100kg/元UWF-UWFインター-キングダム)
 マイク ロトンド(192cm/110kg/元WWF-NWA(WCW)-WWF-WCW)
 スティーブ ウィリアムス(188cm/123kg/元WCW-新日-全日-WWF)
 vs
●ザ セッドマン(191cm/110kg/全日デビューの若手外国人)
 長井 満也(187cm/108kg/元RINGS キックボクシングの経験アリ)
 ジョニー スミス(180cm/112kg/全日の生え抜き外国人)

何だよ、このやっつけ仕事なマッチメイクは!?
ロトンドとスミスぐらいしか、試合運びに定評のあるレスラーがいないじゃないかよ!

…気を取り直して、各レスラーの印象を。
安生、U-COSMOSのチャンプア戦の時の減量した姿もどこへやら。
ロトンド、僕はマイケル・ウォールストリートやIRSの時の姿の方が好き。
ウィリアムス、体が萎んじゃったなぁ…。
入場曲はKISSの「勇士の叫び」、さすがにこれにあわせて叫ぶ人はいなかったが、
この曲を聴くのは久しぶり。懐かしかったなぁ。
そういえばウィリアムスの正パートナーのゴディは、
もう雲の上の住人になってしましましたね…。

セッドマン、おっ、この人VTも辞さずみたいです。
トレイ・テリグマンやアンソニー・マシアスとトレーニングしているそうな。打撃系か?
長井、ハゲちゃったなぁ…。苦労が頭に出ている印象だよ。
ジョニー、やっぱり生え抜き外国人ですな、
試合運びの巧さに対する信頼も手伝って、人気が絶大です。
入場曲はTKの「スピード2」。サクのテーマ曲として有名だが、
この曲はスミスの入場曲でもある。
PRIDEの事を考える為に見たこの興行で、PRIDEを象徴するこの曲を聴く事になろうとは。

先発はセッドマンとロトンド。ここで場内はセッドマンコール。へ〜っ、会場人気が高い人なのね。
セッドマン、胸を叩くような変なアピールで気を良くしてます。
ロトンドはまずボディスラム、ロープに飛ばしてアームホイップ。
これをそのままお返しするセッドマン。そして一度足を抱えてからのギロチン。
この流れ、ロトンドは試合開始のムーブを試合を通して教えているのだろう。

それにしても、変なギロチンだった。
その変な出し方に一部観客はセッドマンコール。タチが悪いな。
そしてそれに呼応し、先ほどの変なアピールを繰り返すセッドマン、もっとタチが悪い。

両者タッチで長井とウィリアムス。お互いに打撃を繰り出す。両者共にチョップが重い。
ここからコーナーに振った長井は、突き刺すようなジャンピング・ニー。
これ、中々いいじゃない。長井も随分プロレスに馴染んだなぁ。

ウィリアムス、ここで安生とタッチ。
安生、長井を捕まえてのヒール殺法、コーナーで長井の顔面を足で押さえつける。
久々に見たレスラー安生は、すっかりプロレスが板についている。
長井はキックで脱出、ここでスミス登場だ。

腕をとっての、じっくりとした攻めを見せるスミス。
スミスの良さは、こういう地味な攻めをちゃんと魅せる術を持っていることだ。
日本人でもこういう選手はいなくなった。場内からは歓声が起こる。
安生も思わず「ジョニー、厳しいじゃねぇか!」と一声。ドッとウケる。

試合は進みセッドマン登場、カニ挟みなどの渋い技も出していたが、
体は大きくともさすがに若手、捕まってしまった。
ここで、彼の長い髪を掴んでの攻めが見られた。
髪を足で踏んでからの金本式の拷問逆エビ、髪を掴んでの首投げ(髪投げ?)等など。
特に安生の攻めのバリエーションが素晴らしく、つくづくプロレスに馴染んだことを痛感。

ロトンド&ウィリアムスのダブル・ブレンバスターの後、
ウィリアムスはパンツを掴んでのパイルドライバー。
なんとここで、セッドマンのパンツがズレてしまう。
よろけるセッドマンのパンツはさらにズレていき、
藤波社長ばりの「尻見せ」なるかと思わせたが、それはナシ。残念…でもないか。

長い間捕まっていたセッドマンだったが、安生に対してフライング・ラリアットで反撃、
ようやくスミスとタッチ。スミスはここで大暴れ。
ブリティッシュ・フォール(変形裏DDT)も大放出で長井とタッチ。
長井、今度は安生に向かってトップロープからのダイビング・ニーだ。
ここで長井は、RINGS仕込みのキックを見せれば、安生はその親団体であるUWF仕込みの打撃で応戦。
ところが、不用意に出した安生のミドルキックをキャッチした長井は、
そのまま安生を後ろに投げる。
師匠・前田日明直伝のキャプチュードだ。さり気なく出ていたが。

ここでセッドマン登場、フライング・エルボーで安生を攻める。
ここで安生もタッチ、ウィリアムス登場。
ゴディ式のコーナー・ラリアット2連発からドクター・ボムで一気に試合を決めにきた。
ここから試合は分断、タッチを受けた安生とセッドマンがリング上。
体の大きいセッドマンをバックドロップで投げると、
最後はコーナーに振ってのレッグラリアット。
これがかなりエグい入り方をし、安生はそのままフォール、3カウントだ。
必殺技としては、中々いい技じゃないかな?

勝ったウィリアムス組は、セッドマンの敗因である髪を「切ってしまえ!」とアピール。
コーナではTOPのトライアングルを作っていました。
そういえば、TOPの一人だったオブライトも雲の上ですね…。

第5試合 セミファイナル
 天龍 源一郎(189cm/120kg/元全日-SWS-WAR)
○荒谷 信孝(185cm/120kg/元WAR)
 vs
●宮本 和志(181cm/96kg/デビュー9ヶ月。期待の新人)
 太陽 ケア(185cm/106kg/外国人ながら全日所属。生え抜き)

サンダー・ストームを聴くのは何年振りか?
「風雲のぼり龍」のノボリを見るのは何年振りか?
久々に見る天龍の姿は、幾分萎んで見えはしたものの、威圧感は十分だ。

対するケア組、特に女性に大人気だ。
それにしてもケア、BATT入り時には坊主頭だったのにいつの間に髪の毛生えたんだろ?

さて試合、先発は宮本と荒谷。
宮本はドロップキック、おお、中々打点が高くて活きが良いじゃないですか!
なんて思っていたら、天龍、何の流れも関係なく乱入する。
会場が騒然とする中、いきなり宮本に張り手一閃!
その容赦のない「音」に会場はさらに騒然となる。
これに呼応して、荒谷は宮本をロープに振って立て肘を入れる。
宮本はこの一連の技で多量の鼻血が出ている。

こうなると、この試合のアングルは決定的だ。
予想通り、天龍の不機嫌な攻めが宮本を容赦なく襲う。
ダウンする宮本を顔面蹴りでさらなる流血に追い込むと、
今度は容赦のない張り手&天龍チョップ(とにかく音が重くて凄い!)を浴びせていく。
荒谷も天龍に呼応しての攻めを見せている。
宮本もなんとか反撃するが、単発に終わってしまう。
そしてその直後には、容赦のない、本当に容赦のない顔面への攻撃。
これまでの試合では比較的おとなしめだった観客の声援や罵声が、この試合で一気に爆発だ。

長い間、捕まってしまった宮本だが、荒谷とのブレンバスター合戦に勝った。
ここでタッチか…、と思ったが荒谷は簡単に逃がさない。
タッチで天龍登場、天龍チョップ一閃。何回聴いても凄い音だなぁ。
荒谷登場、ロープに飛んでラリアットしようとするも、ここは宮本は脇固めで切り返す。
巧い攻撃だったが、天龍乱入、顔面蹴りでこれをカット。容赦なさすぎです。ブーイングが起こる。

長い…、本当に長い間捕まっていた宮本は、
荒谷の攻撃の隙をついてキック、ここでようやくケアとタッチだ。すかさず、沸きまくる観客。
もちろんケアは、期待通りの大反撃を見せる。
天龍とは張り手&チョップ合戦、ケアのチョップも負けずに重い。
得意のキック連携から、大サービスのハワイアン・スマッシャー(変形エース・クラッシャー)だ!
フォールの体制、しかしこれは荒谷がカット。大ブーイングだ。

ここで宮本登場、ここでも打点の高いドロップキックを繰り出す。
「先ほどの『いじめ』への反撃」を誰もが期待したが、
天龍は出会い頭の張り手一発で宮本をダウンさせる。
巧いなぁ、つくづく天龍は試合作りが巧いなぁ。

ここで再び天龍組の「宮本いじめ」が始まった。
相変わらず容赦のないチョップが宮本を襲う。もう宮本はボロボロだ。
ここで天龍、バックドロップの後に繰り出したのはテキサス・クローバーだ!
懐かしい攻めだったが、ここはケアがキックでカット。ケアの打撃も厳しいねぇ。

ここで試合は分断、リング上は宮本と荒谷だ。
場外ではケアと天龍が激しくやりあっている。
この二人、ホントに激しいです。イスを容赦なく投げ合ってます…。
リング上では宮本がジャーマンで投げ捨てた!
会場は金星を期待する大歓声、しかし荒谷はカウント2で返す。
そして変形ノド輪落しから、最後は垂直落下式ブレンバスター(僕、この技嫌いです)。
宮本ピクリとも動けず3カウント。

僕の周りの客からは「お前みたいなしょっぱい体の男が3カウントとるな!」とか、
「帰れや!出来損ない!」と、先ほどまでおとなしそうだった人々が本気で怒ってます。怖いなぁ。

負けた宮本・ケア組が挨拶、そしてバッタリと倒れる宮本、これを担いで帰るケア。
大歓声でこれを送る観客。こういう光景は良いですね。

いや、それにしても天龍組は、
プロレスを見慣れた人が、
「ここで宮本がタッチか?」と思わせるタイミングを綺麗にずらしていましたね。
そして直後に容赦のない攻め、これで観客は益々宮本に肩入れする。
たったこれだけの事なんですが、
観客の本気度を見ればわかるとおり試合のリアリティが俄然増していました。
荒谷も宮本も、こういう天龍の良さをもっともっと吸収すると良いですね。
…まあ、直ぐには無理でしょうが。

第6試合 メインイベント ジャイアント馬場杯争奪6人タッグマッチ
 カズ ハヤシ(173cm/83kg/元みちのく-WCW)
○ジョージ・ハインズ(186cm/110kg/全日本生え抜き外国人)
 武藤 敬司(188cm/110kg/元新日看板選手が全日へ電撃移籍)
 vs
 ジミー ヤン(175cm/88kg/元WCW)
●本間 朋晃(181cm/102kg/元大日-IWAジャパン)
 小島 聡(183cm/112kg/元新日。女性人気絶大)

小島の登場時にはノボリが。それにしても白地にオレンジ色の文字のノボリはどうなのか?
そして、それを振っているのが20代と思われる女性2人というのも、どうなのか?

武藤組入場。あっ、3人共武藤と同じ黒いタイツだ。
おかげで、公式プロフィールでは武藤と同じくらいだが、
実際は武藤より1周り小さいハインズが「中武藤」と言いたくなるような風貌だ。
後ろから見るとホントに武藤と見分けがつけにくいなぁ。お互い坊主頭だし。
それにしても、カズは何でマスク被っているんだろう…って、もうミエミエか。

選手コール、カズがマスクを脱ぐと…、やっぱり出てきましたよ、坊主頭が!
これで晴れて、カズを「小武藤」と呼べますな。
それにしても、あれだけの長い髪を切るには、それなりの覚悟が必要だっただろうに。
イイ男がこんな事して、もったいないなぁ。まぁ、イイ男は髪を坊主にしてもイイ男か。

レフリーは和田京平さん。「京平コール」は健在でした。
和田さんのボディチェック、ここでおもむろに自分のツルツル頭をナデナデする武藤。
これに呼応して、「中武藤」「小武藤」もナデナデ…。会場大爆笑。
こんなコント、見たことあるなぁ。

試合開始、いきなりの小島vs武藤(いや、これは本物ね)に場内大爆発だ。
それにしても小島には黄色い声援しかない。ホントに女性人気高いよなぁ。

最初はジックリとプロレスしていたが、
倒れた小島に武藤はいきなりのシャイニング・ウィザードだ!
すると本間が乱入、これをカットするハインズ、いや「中武藤」。
そして、本間にシャイニング・ウィザードを叩きこむ!
当然、ヤンも登場、「小武藤」がカット、
シャイニング…、おっ、ニールキックに変更して自己アピールですか。
そして3人は「プロレスLOVE」ポーズ、頭ナデナデ。会場は大歓声だ。

こうなっちゃうと、後の攻防がどうあれ、試合の流れは完全に武藤組のもの。
「小武藤」はヤンに打点の高いドロップキックから、なんとフラッシング・エルボー。
するとすかさず武藤登場、本家フラッシング・エルボーで会場を沸かす。
6人入り乱れての乱戦になれば、武藤は小島に四の字固め、「中武藤」は本間に四の字固め、
その合間を練って、「小武藤」…いやカズはヤンにトペ・コンヒーロだ。
カズは風貌は武藤に似せても、何気に自己アピールはちゃんとしている。
それに比べると、ハインズは完全に「中武藤」というキャラに飲まれてしまっているなぁ。

小島の「いっちゃうぞ、バカヤロー」を挟んで試合はさらに進み、両軍は分断される。
それにしても小島のこのアピールに会場中が声を合わせていたのにはビックリだった。
浸透度が高いのね、「継続は力なり」か…。

残ったのは本間と「中武藤」、本間の思わぬ反撃にダウンする「中武藤」。
しかし、ここで武藤は「中武藤」を場外に無理やり押し出しリングイン、
本間にシャイニング・ウィザードを叩きこみフォールの体制に入る。
しかし和田レフリーはちゃんと見切っています。
武藤に「お前は本物の武藤だろ!試合の権利があるのは『中武藤』だ!」
と言わんばかりのアピール。
会場大爆笑。「マスクなしの『入れ替え作戦』」って、初めて見たよ。
そして「中武藤」登場、駄目押しのシャイニング・ウィザードで3カウント。

それにしても、なんだかルチャみたいな試合だったなぁ。
まあ、今のファンにはこういうギミックがかえって新鮮なんだろうなぁ。
家に帰って、「トリオ・ロス・ブラソス」の試合が見たくなったよ。

---

雑感:
やはりインディー系の選手には、全日本の敷居は高いなぁ…と思いました。
前半の試合は歓声もかなり散漫で、目の肥えた全日ファンは、
まだまだ試合を組み立てられないインディー選手を許していないようです。

反面、既に試合スタイルや応援の仕方を確立させている天龍・小島・武藤に対する声援は絶大です。
やはり、プロレスにはTVの力が必要だ…と思わずにはいれませんね。

また、天龍や武藤がらみの試合のように、
「たとえバックストーリーがなくても、試合そのものにストーリー性を出せば、
 ジャパニーズ・スタイルも捨てたものじゃない」
という確認も出来たし、中々面白い興行観戦になりました。

ただ、年齢的には既にピークを過ぎている、
武藤や天龍がいなくなった後の全日本プロレスが、かなり心配ですね。

---

以上、長文失礼。

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