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2002,5/2 新日本東京ドーム大会(三沢vs蝶野)ルポ


註:高倉仮面氏のルポは、「会場周辺の観光案内」と「試合そのもののルポ」のふたつが
絶妙に融合し構成されている。私は便宜上、前者のほうに重点を置きコーナーにおいているが
そこだけに注目するのはあまりにもったいないと言えよう。
両者ともにご注目いただきたい。ただし読者の便宜のため、実用性の高い観光案内を太字にした。


※注意:今日の観戦記はメチャ長です!

お疲れ様です。
高倉です。

さて、本日はプロレス界では今年のGW最大のイベントとなる、
「新日本プロレス30周年興行」を観に行きました。

新日本プロレスは、昭和47年の設立以来、
今日まで約30年の歴史のあるプロレス団体で、
さらには、プロレス界のみならず、現在の格闘技界の母体にもなっている団体です。
そして、その団体の歴史は、まさに波乱の連続。
70年代〜80年代の『絶対的』エースは、
当時は社長も兼任していた「燃える闘魂」こと「アントニオ猪木」。
猪木がセミリタイアしてからの新日本は、複数エース制を取っています。
80年代終盤あたりは、
「長州 力 蝶野 正洋 橋本 真也 武藤 敬司」。
90年代序盤〜90年代中盤は、
「蝶野 正洋 橋本 真也 武藤 敬司 佐々木 健介 馳 浩」。
90年代終盤は、
「蝶野 正洋、橋本 真也 武藤 敬司 佐々木 健介 中西 学 永田 祐志」。
あたりが、エースになったり、エースを奪われたりを繰り返しています。

ざっと新日本の歴史を紹介。微妙な違いはカンベンね。

旗揚げ当初、ライバル団体である全日本プロレスの圧力により、
アメリカの巨大プロレス組織であるNWAに加盟出来なかった新日本。
大物外国人の招聘が期待出来ないこの団体は、独自の路線でファンを獲得します。

社長でもあり、『絶対的エース』でもあった猪木は、
「メインは『外国人vs日本人』」という図式が絶対だった日本プロレス界に、
別団体である国際プロレスのエースだったストロング小林(金剛)をリングに上げ対戦。
これにより、日本プロレス界に「日本人対決」の概念を取り入れます。

さらに猪木は、自身が他の格闘技の選手と闘う「異種格闘技戦」という独自路線を展開。
中でも「アントニオ猪木vsウィリー・ウィリアムス(極真空手)」と、
「アントニオ猪木vsモハメッド・アリ(ボクシング)」の2戦は、現在でもマニアの語り草です。
また、手薄である外国人選手については、無名の外国人選手を自身の団体で大物に育てます。
こうして、全日本に比べると、新日本は苦労して団体を大きくしていきました。

そして80年代中盤に入ると、新日本はアニメ番組「タイガーマスク二世」のタイアップとして、
リング上にタイガーマスクを登場させます。これが空前の大ヒット。新日本は黄金期を迎えます。

しかし、プロレスラーとしてだけではなく、
事業家としての成功も視野に入れていた猪木は、自身が育ったブラジルにて、
食物連鎖のリサイクルを研究する「アントン・ハイセル」なる事業を立ち上げます。

これがまずかった。「食物連鎖のリサイクル」という、
現在のNASAが研究しても成し得ない「人類の夢」を、当時の人間が実現できる訳もなく、
「アントン・ハイセル」は多額の借金だけをを作り大失敗に終わります。
この「猪木個人の借金」の返済には、新日本の会社のお金が使われた…らしいのです。
そして、これが引き金になり、新日本に大分裂を起こします。

資金繰りが難しくなった新日本は、
前田 日明、藤原 喜明を始め多くのレスラーを、
「UWF」なる新団体の設立して移籍させます。
この時、突如引退したタイガーマスクこと佐山 聡もUWFに移籍したのは、
新日本にとっては誤算だったでしょうが。
ちなみにこの団体、最初は「猪木も移籍する」という話で、
レスラー達は「それなら…」と移籍したのですが、結局は猪木の移籍はナシ。
ようは、UWFは「新日本のリストラ集団の団体」ですな。
ちなみに、そんなUWFではありましたが、
独自のプロレスで熱狂的なファンを獲得していきます。

また、これとは別に、
自分の稼いだお金が「アントン・ハイセル」の借金返済に使われる事を不服とした、
長州 力を筆頭とする「維新軍団」の選手達は、
自分の会社を作って全日本へと行ってしまいます。

外国人の招聘ルートとして提携していたWWF(現・WWE)も、
エンタメ路線による選手の貸し渋りを始めてしまい、
只でさえ人気選手が他団体へ流出した新日本は大ピンチに陥ります。

だが数年後、まずはUWFが崩壊、所属選手の半数が帰ってきます。
これにより、UWFの熱狂的ファンを取り込みます。
そして長州以下、全日本に行った選手も新しいファンを引き連れて帰ってきます。
これにより新日本は、再び安泰…と思われましたが、
一度、他団体でのプロレスを経験した人間達の感情は、もう元には戻りません。
80年代終盤、前田 日明は、藤原 喜明、高田 伸彦(現・延彦)を引き連れ、
再びUWFを旗揚げします。世に言う「新生UWF」です。

ちなみに、旧UWFの崩壊後は、
佐山は独自の格闘技である「シューティング」を創作。
これが後に「修斗」になります。

更に「新生UWF」は、一世を風靡するもやはり崩壊。
「RINGS」「UWFインター」「藤原組」の三派に分裂します。
「藤原組」は後に「PANCRACE」や「格闘探偵団バトラーツ」を生み出し、崩壊。
「UWFインター」は「KINGDOM」を経て「高田道場」を生み出し、崩壊
「RINGS」は「正道会館」と業務提携していた時期があり、
ここで興行のノウハウを得た石井 和義館長が「K−1」を創立。
「RINGS」自体は、三派の中では一番長く続きましたが、今年の二月に崩壊。

…とまあ、これらの団体を見れば、
現在の格闘技興行に新日本がいかに貢献しているかがわかりますね。

新日本に話を戻しましょう。
いろいろな流れの中で、さすがに歳を取ってしまった猪木に変わって、
新日本の実権を握ったのは長州でした。
「『猪木のワンマン会社』としての新日本」の辛酸をイヤと言うほど舐めた彼は、
「もう、こういう経験は自分だけで沢山だ」と思ったのか、エース選手の持ち回りを始めます。
この時、エースに若い選手を起用したお陰で、新日本は新しいファンの獲得に成功します。

順風満帆に思われた新日本…でしたが、予期せぬ方向から思わぬ『黒船』が出現します。
「K−1」や「UFC」といった、大型格闘技団体の出現です。
これに対して、長州はこれらの団体の動きを完全に無視、
プロレス界内の話題のみで団体を盛り上げて行きます。
しかし、新日本は、元を正せば「異種格闘技戦」で人気を得た団体。
古くから残っていたファンは、この新日本の動き愛想を尽かしてしまいます。

やがてK−1やUFCの存在感は、プロレスファンが無視出来ない程に巨大化。
さらには「PRIDE」も出現。特に日本で開催されるK−1やPRIDEは、
一般層を視野に入れたマーケッティングで新規のファンを開拓していきます。
反対に、プロレス界内の話題提供のみに力を費やした新日本は、
これらの格闘技団体の波に押される形で求心力を弱めていきます。

この動きを見た猪木は、緊急に新日本の団体の動きに介入。
猪木はUFOなる独自の団体を築き上げ、
その刺客として、柔道界の大物、小川 直也を新日本に招聘します。
さらにはPRIDEと関係を結び、独自の選手ルートを築きます。
これにより、新日本に再び格闘技路線が復活。
猪木は事実上、長州から新日本の実権を奪い返します。

そんな中、
まず長州との関係がこじれた当時のエース、橋本が新日本を離脱。
さらには、格闘技路線に愛想をつかした、
武藤選手を始めたとした三名の人気選手が全日本に移籍。
これらの動きに対して、猪木は残ったエースとなった蝶野に全権を委任します。

今回の興行は「新日本プロレス30周年興行」であると同時に、
「蝶野が始めてその手腕を振る大興行」としても注目を集めました。

そして蝶野は、長い間全日本プロレスのエースとして活躍していた、
現・プロレスリングノア社長、三沢 光晴との対戦を発表。
もはや実現不可能と思われていた対戦が、今日ついに実現します。

ルール…なのですが、プロレスなので、あってないようなものです。
普通にプロレスを思い浮かべていただいて結構です。
が、選手によってプロレスの方向性が違うのが現在の新日本の特徴です。
その辺のスタイルにも注目して下さい。

では、観戦記です。

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16:30
東京ドーム到着。で、早速チケットを購入しようと売店へ。
この時間、3000円のチケットは売り切れていたが、
5000円のチケットはまだまだ沢山ある様子だった。
とりあえず5000円払って会場入り。

●元チャイナvsシン!?(多分、外国人ヒール選手表彰式)
既に会場内で30周年記念セレモニーが行われており、
リングの中では猪木と見知らぬデカい女が何やら会話をしている。
ん?「お前のようなデカい女が何処にいる?」(by「北斗の拳」)、あれは元チャイナだ。
ブルーの衣装に身をつつみ幾分細くなったその体からは、
WWF時代の怪物性はちょっと薄れた印象。

モニターを見ると、若手に抑えられ、サーベルを持った男がリング内に向かって何か言っている。
おおっ、タイガー・ジェット・シンだ!しかも数十年前から何も変わらないギミックだ!
それにしても、この一週間でブッチャーとシンの両方を見れるとは思わなかった。

いいなぁ、プロレスって。

元チャイナ、マイクを持って何かアピール。
通訳曰く「何かあるなら、私を倒してから言え!」。
ヌゥ、まさか新日本でチャイナとシンの遺恨が見れるとは…。

…さすがに、この遺恨は展開しなさそうだな。

●パラオ大統領他、パラオの偉い方々の挨拶
PRIDE17に登場したパラオ大統領が挨拶。
「元気デスカァーッ!元気ガアレバぱらおニ行ケル!」と日本語でアピール。
どよめく会場。PRIDE17の時に比べて、日本語が巧くなったんじゃないのかな。
でも、その後は外国語でしゃべってました。残念

この挨拶の中で、大統領は猪木をパラオの親善大使に任命。
なにやらパラオ民族の証である、木彫りのレリーフをプレゼントしていました。
そして最後に「一つだけ約束して下さい。近いうちにパラオでプロレス興行を開いて下さい。」。
新日本パラオ興行ねぇ…。選手の保養にもいいんじゃないの?

●外国人表彰式
先日、新日本で発表された外国人選手の表彰式が行われた。
MVPのスコット・ノートン、格闘部門のドン・フライ、
そして、ベストバウト部門のビル・ロビンソンがリングイン。

ロビンソン、若手に担がれて階段を昇っています、
そしてリングの中では補足機を使っていました。
その姿は痛々しかったですが、とりあえず元気でなによりです。

そして、モニターには上田馬ノ介選手がVTRで挨拶。
しかし、かつてのような鋭い眼光はなく、
その目線と口調は、あからさまにカンペを読んでいるのがバレバレでしたが、
声自体は元気そうでした。安心です。

ここでノートンがMVP選手として挨拶。
その通訳は猪木vsアリ戦などの通訳で活躍したケン田島氏。
この人、さすがにその道のベテランなだけあって、通訳にも味があります。
「今まで、弛まぬ声援を送っていただいたお客様に」とか、
「チーム・にせん(T2000の事)の皆様に」とか、今時の通訳とは訳し方が一味違います。
声にも張りがあるし、また何かの機会に見てみたい人でしたね。

●猪木挨拶、そしてビック・サプライズ!
猪木の挨拶は、やっぱり「元気ですかぁーッ!」からでした。
「元気があれば何でもできる。元気があれば30周年もアッという間に過ぎる。
 今日は特に何も言うことはありません。一言、ありがとーッ!」

ありゃ、意外にアッサリ味でしたが、ここでビック・サプライズ。
リング上の司会進行を勤めていたケロ(田中秀和リングアナ)が一言。
「今日は、猪木さんにも内緒にしていたゲストがいます!」
サンバ調の「炎のファイター」が流れ、入場してきたのは…。

な、なんと、
「ミッコ」こと倍賞美津子・元・猪木夫人!!!
これは何のシュートのつもりだ、ケロ!?

猪木が苦笑いし、会場が騒然とする中、倍賞さん挨拶。
「何十年ぶりかのリングインです!懐かしい!
 いいものですねぇ。昔は毎日のように上がっていたんですけどねぇ。

〜(中略)〜

 これからも新日本プロレスを宜しくお願いします。」
会場からは暖かい拍手が。

ケロに促されて、猪木がさらなる挨拶。
「人生はいつもハプニング。俺も思わぬハプニングを起こしてきましたが…。」
会場爆笑。「ミッコ」の前でそれはマズイだろ!

最後は二人で「1・2・3、ダーッ!」。
この瞬間だけは気持ちいい。

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●本日の対戦カード発表
声が大きかったのは「小川・橋本組 vs 天山・ノートン組」と、
今日のメインでもある「三沢 vs 蝶野」。
やはり、新日本を巣立った選手やメジャー団体選手の対抗戦のコールが大きかった。

●第一試合 大日本プロレス ”若武者見参”
○金村 キンタロー vs 関本 大介●

僕はこのカードの期待は大きかったんです。
両者には新日本の試合を喰ってしまうようなファイトを期待したのですが…。

金村はテーブル持参で入場。
ブリブラダンスに拍手が起きる。今日の観客はかなり暖かい印象。
対する関本、体は小さいが筋肉はなかなか凄い。

さて試合。金村は早々と花道にて関本をブレンバスターで投げ捨てる。
場外にて関本を鉄柵に打ち付けると、持ち込んだテーブルの上に関本を寝かせて、
テーブルごと真っ二つにするボディプレス。
リング内へ戻っても、テーブルの破片で関本の頭をメッタ打ち。
さらには胴締めスリーパーで仕留めにかかる。
対する関本、反撃のラリアットで金村の体を一回転させる。
続いてのジャーマン2連発は、相手を持ち上げるタイプのアマレス式だ。

でもこの試合、あまり盛り上がりませんでした。
二人の動きに全く弾けた所がなく、
技はそれなりに凄い事をしてるはずなのですが、
どこか「普通のプロレス」になってしまっていました。
試合にテンポがないのが原因でしょう。

試合はパワーボムから、ダイビング・セントーンに繋いだ金村が3カウント。

第二試合 ヤングライオン ”新日原点”
○柴田 勝頼 vs 井上 亘●

井上、花道を全力疾走でリングイン、観客ウケてます。
柴田、花道を全力疾走でリングイン、観客ウケてます。

見せ場はここまで。

序盤はじっくりとしたレスリング、バックの取り合いなどしていたが、
ここで急に柴田は「腕力」(「かいなぢから」ね)で井上を持ち上げ、そのままパワーボム。
柴田はここから攻勢を続けるが、井上はパンチで逆転、逆片エビ。
これを返した柴田、アームホイップ、ギロチン、チンロック、首四の字。
再び井上が攻める、アキレス腱固め、逆エビ、水車落とし。

気迫も何もなく、淡々と続く試合。
ここで僕の周りの観客の声をお聞き下さい。
生のプロレスは初観戦らしい隣のネーチャンは、
「どうして二人とも黒いパンツなの?」と彼氏に尋ねています。
反対の隣に座っている、観戦歴は結構ありそうな若いお兄さん達は、
「入場しか盛り上がらないなぁ。」。
先ほど駆けつけた若い男性グループは、
「どっちがどっちかわかんねぇ。どっちでもいいけど。」。

色々と、推して知るべし。

試合は柴田がニールキックから逆エビを仕掛け、
最後はスリーパー、井上からタップを奪った。

隣のネーチャン「面白くないねぇ。」。
オイオイ、ヤングライオン達、言われているぞ!

ちなみにこの試合、レフリーは柴田のお父さんである柴田勝久レフリーが勤めました。
息子の試合は、お父さんの目にどう映ったのでしょうか?


●第三試合 30th ANNIVERSARY ”猛虎共闘”
○三代目 タイガーマスク  ブラック タイガー(三代目)
 四代目 タイガーマスク vs エル サムライ       ●

ブラックとサムライの入場時には、何の流れも関係なく爆発が起きる!
この野郎!TAKAの興行の事故の事を知らないとは言わせないぞ!(ノミの心臓)

対するタイガーコンビは、トップロープに昇ってお揃いの「タイガーポーズ」。
今日の金本(三代目)はあくまでタイガーに徹する様子。
思えば、今日のメインは何の因果か「二代目タイガーマスク」の三沢光晴が勤める。
これで「初代タイガーマスク」がいれば完璧なのだが…。今の佐山を呼ぶのは、チト無理か。
(何のことかわからない人は、「掣圏道観戦記」を参照の事)

先発は四代目とブラック…と来れば、ルチャでしょう。
腕を取ってもクルクル回り、両者ともヘッド・スプリングも綺麗に決める。
観客はルチャの動きに慣れていないのか、歓声が起きている。

両者タッチで三代目とサムライ、こちらは新日本Jrの動き。
暖まりかけていた観客が、再び黙ってしまっている。

今日の三代目は、初代の動きをなるべく再現しようとしている。
回転してのレッグ・シザースは、初代を知るものには懐かしい動きだったが、
隣のネーチャンは「あれ、効いているの?」。
いつも以上にソバットを連発しているのはいいが、全体的にどこか動きが堅くなっている印象。
雪崩式フランケン・シュタイナーは、相手の頭がすっぽ抜けて自分が先に落ちてしまった。
オイオイ、これじゃ本当に「三代目タイガーマスク」だよ。

※注:その昔、三代目タイガーマスクになった金本は、初代の動きを意識するあまりミスを連発、
   そのプレッシャーから、タイガーのマスクを脱いだ経緯がある。

ブラックはケンドーばりのヘッド・スプリング連発やら、
三角飛びプランチャーやら、その大きな体からは考えられない身軽な動き。
パフォーマンスの動きも大変キビキビしていて素晴らしい。
実はこの人、僕はユニバーサル時代からファンだったりするんだけどね。

四代目は特にプレッシャーを感じている所もなく、いつも通りの動きなのだろう。
細い体なだけあって、さすがに動きが軽い軽い。
サムライ、今日出した得意技は雪崩式裏DDTと正調裏DDTのみ。省エネにも程がある。

試合は四代目のソバットがサムライのみぞおちにもろにヒット。
その後、四代目は場外にいたブラックにプランチャを慣行。
その間に三代目がサムライをタイガー・スープレックス・ホールドで仕留めた。
「タイガー・夢の競演」らしい終わり方だな。

「やったぁ〜、これで阪神タイガース優勝だぁ〜っ!」、
はぁ!?なんだこの場違いな声援は!?

あっ、後ろに「トラキチ」っていうか、
見るからにヤバそうな「トラ電波」がいる…。

●第四試合 全日本女子プロレス ”女帝闘魂”
○中西 百重  堀田 裕美子
 伊藤 薫  vs 豊田 真奈美●

僕はこのカードの期待は全くありませんでした。
「今更、豊田や伊藤じゃないだろ!」って思っていたんです。

この試合のリングアナは、全日本女子プロレスの今井 良晴リングアナ。
この人の声だけで、観客は大歓声でした。
今にして思えば、客席を最初に「温めた」のは、この人の声だと思います。
それでも僕は、大歓声の中入場する選手たちに対して、
「中西はともかく、他の三選手は見ていて辛いだろうなぁ…。」と思っていました。

試合は開始直後からいきなりの大空中戦に!
堀田に対して伊藤が、その伊藤に豊田が、そして最後に中西が飛ぶ!
それが、観ている人間の心の準備が出来る、
そのタイミングを見計らったようなテンポの良さで繰り出される。
その流れの良さに、早くも観客は全女の試合に釘づけ。

だが、試合は「こんなの序の口だ」と言わんばかりの事が次々に起きていく。

豊田の突き刺すような、容赦のないドロップキックが中西に決まる。
攻める豊田も攻めたり、受ける中西も受けたりだ。
特に、中西がロープにもたれかかっているときに、
豊田が背中に突き刺した一撃は、まさに「鬼の一撃」。
観客はそのあまりにも容赦のない攻撃に騒然となる。
大型モニターに、先ほどの「鬼の一撃」がスロー再生されると、
会場から再びどよめきが起こる。

伊藤が豊田をチョークスラム。
しかもハイアングルの投げ捨て式2連発。
リングから発せられたもの凄い音に、再び客席は騒然。

中西、先ほどのお返しとばかりに、
堀田(豊田だったかも)に強烈、本当に強烈な張り手を頬に喰らわせ、
相手を持ち上げるタイプのジャーマンを繰り出す。

「温まり」が最高になったとき、
出ました、豊田が伊藤にローリング・クレイドル。
いかにもプロレスらしいこの技に、観客からはヤンヤの歓声。

伊藤は堀田(豊田だったかも)にキツいパワーボム。
高角度も高角度。容赦なさすぎです。

とまあ、かなりキツイ技の連続に会場は沸きっぱなしです。
隣のネーチャンが「興奮するねぇ!」と彼氏に聞けば、
「今までの試合で一番面白いねぇ」と彼女に答えています。

でも、沸いたのは、なにも技のヤバさのせいだけではないです。
豊田は空中技を使う度に「ハイハイハイ、いっくぞ〜っ」と観客を煽っていました。
僕はTVで見ていた時に「なんか、生理的に受け付けないなぁ…」と思っていたのですが、
その後に続く技があまりにも容赦がないので、ついつい乗せられちゃうんですよね。
いやぁ、こういうのって生で観ないとわからないものですね。
また中西も、その小さな体を一杯に使って叫んでいたり、
若さから来る動きの良さで、相手の体の上で地団駄踏んでみたり。
僕の席はスタンド席だったので、声はわずかにしか届きませんでしたが、
その気迫はしっかり僕のところに届いていました。

本当は、これってヤングライオンあたりの仕事だと思うんですがね…。

さて、思わぬ熱戦となったこの試合、その結末も大波乱。
まず豊田が一度目の、
ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールド
(長いなオイ、以下JOSSH)で中西をフォール。
これは豊田のブリッジを、伊藤が全体重を乗せたフットスタンプでカット。容赦なさすぎ。
しかし豊田、めげずに二度目のJOSSH。これがガッチリ決まって、もはや万事休すか!?
と思われたが、中西は自力で返した!これには客席から大歓声が起きる!

なれど豊田、三度目ののJOSSH。
しかし、これを切り替えした中西、
そのまま丸め込み、なんと3カウント奪取!
思わぬ番狂わせに、客席は今日一番の大歓声だ!
隣のネーチャンもスッカリ大満足のようです。

いやいや、僕は全日本女子プロレスに土下座しなくてはいけませんねぇ。
全女の皆様、熱戦をありがとうございます。僕の見識眼もまだまだでした。

隣の若いお兄さん達曰く「これの後は大変だぞ〜っ。」、
ごもっともでございます。

●第五試合 BEST OF THE SUPER Jr. TAG ”頂上決戦”
○獣神サンダーライガー  邪道
 田中 稔       vs 外道●
(チャレンジャー)     (チャンピオン)

この試合の前には、金丸、菊池、KENTA等の、NOAH・Jr.勢5名が入場。
代表して金丸が挨拶。「今日は新日本のJr.を見にきました」。
こんだけ。アクションは試合終了後か?

今日のライガーの入場は派手。
「獣神サンダーライガー」の前身である、
「獣神ライガー」と「獣神ファイアーライガー」を引き連れての入場だ。
いやいや、この二つの前身、初めて見たときは「カッコ悪いなぁ」と思っていたのですが、
やはり今見てもカッコ悪いですなぁ。
ちなみに今日のライガーは全身赤色。遠くからでも見易くて良かったです。

試合開始。外道とライガーの力比べ。客沸かず。
試合はズズンと進み、負傷した外道の肩を攻めるチャレンジャー組。
隣のネーチャン、文字通りの冷たい一言「寒くない?」。
王者組、ライガーの脚に絞った攻撃、なんともまったりとしたプロレス。
隣のカップル、仲良く「あくび」してます、先ほどの女子プロの話で盛り上がってます。
大きな動きもなく、客はすっかり退屈しています。

それでも後半部の大技オンパレードはそこそこ盛り上がった印象。
田中の飛びつき膝十字、邪道のクロスフェース・オブ・JADO、
ライガーの掌打&ライガーボム、外道のフロッグ・スプラッシュ&外道クラッチ、
一通り出たところで最後は結局、
問答無用の垂直落下式ブレンバスターでライガーが外道からピン、
田中と共にIWGP・Jr.タッグ王者となった。

試合後、ライガーはNOAH勢を挑発。
これに乗ったNOAH勢が全員リングインで大乱闘。
隣のネーチャンは、そんな事おかまいなしに「女子プロ、もう一回観たいなぁ」。
まぁ、あれだけのものを観せられるとね。

---

●6:53 休憩
ここから生中継の時間調整の為に、7時まで休憩時間となった。

リング内からケロが煽る。
「あと6分30秒しかありません。え〜っとね、トイレに行ける人は行って、
 列が出来ていたら、あきらめて下さい。…ハイ、あと6分しかありませんよ〜っ。」
切羽詰った状況では、笑いも取り易い。ズルイよ、ケロ。

ここで、テレ朝新日本中継の顔になりつつある乙葉がリングイン。
この人、顔から声から何もかもが典型的な「巨乳タレント」だよなぁ。

そして、乙葉と共に生中継までのMCを勤めるのは…。
うわ〜っ、テレビ朝日・真鍋 由アナウンサーかよ!
やめてくれ〜っ!

「まぁ、このままここにいてもウザったい煽りを聞くだけだ。
 食い物でも買ってくるかぁ…。」。
と、売店にてピザ&ドリンクを購入。
ドーム内の食べ物にしては680円と、意外に安かった。

購入帰り、通路を歩いていてビックリ!
nWo・Tシャツって、まだ着ている人がいるのねっ!

●生中継までのカウントダウン
ケロが、生中継一分前に突然、
「じゃあ、これから十秒前になったら、
 皆さんで『10、9、8…』ってカウントダウンして、
 『東京ドームがこんなに盛り上がっているんだぞ!』
 って言うのを、全国の皆さんに伝えましょう。」
と言い出した。

ムリだ。それならもっと事前に客をしっかり暖めないと。
客って言うのは、思いのほか思う通りにはならないもんだよ。
一度乗せちゃうと、いくらでも思いの通りになるんだけどね。

ちなみに仮面は、昔、素人イベントの司会をしていた事があったので、
ここら辺の事はちょっとは分っているつもりです。

…ほら見ろ、客席の半分しかカウントダウンしてないよ。

●猪木&蝶野の入場
ここは、多分TVの方が面白かったと思われる部分。
猪木と蝶野、花道を並んでリングイン。
距離があった方が面白いのにね。

特に大きなアクションもなく、
蝶野が次の試合を煽るために小川&橋本を挑発。

それにしても、新日本の選手はハキハキしゃべって欲しい。
生で観てると、本当に何を喋っているのかわからんよ。

いや、TVで見てても、テロップが入らない限り変わらないか。

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●第6試合 INOKIイズム ”闘魂凄惨”
○小川 直也  天山 広吉
 橋本 真也 vs スコット ノ−トン●

格闘技ファンにはやや見放された印象のある小川だが、
プロレスではまだまだ大人気。姿が現れるだけで大歓声だ!
そして、それ以上の人気を集めていたのが橋本。
オープニングテーマがちょっと流れてきただけで小川以上の大歓声だ!
つくづく、プロレスファンは暖かいよなぁ。
その暖かさは、マット界は大事にするべきだと思うのだけどねぇ。

今日の天山はいつも以上にプロレスしてましたねぇ。
小川に対してはTTD(ツームストン・パイルドライバー)や、
ダイビングヘッドバット、ノーモーションからのヘッドバット。
もう無理やりでも小川をプロレス付き合わせようとしてましたね。
僕は今日の天山は良かったです。

ノートン、この人はTVで見るより生で観た方がいい選手です。
ボディスラムは橋本の体が弾んでましたし、チョップは重そうでしたしね。

橋本のミドルは、若い時に比べてやや破壊力を失った印象がありますね。
小川は柔道技を色々出しました。払い腰、腕がらみ(チキンウィング・アームロック)、逆十字。
会場は普段は見る事が難しくなった二人をプレミア付きで見ていたようです。
おかげで、二人が何か出す毎に「ワァーッ」と盛り上がっていましたよ。

でも、試合全体の印象はバタバタしていましたね。
レフリーの山本 小鉄の腕の振りの小さいカウントも、
試合の印象の悪さに拍車をかけた感があります。
そして、唐突の小川&橋本のバックドロップ+STOの合体技で、
ノートンからフォールを奪った時はさすがに会場もちょっとキョトンとしていました。

いや〜っ、それでも試合の内容の微妙さに比べると、
会場はものすごく盛り上がったと思います。
「プロレスって、まだまだこんなに盛り上がれるんだ!」と思いました。

●第7試合 格闘イデオロギー ”闘魂決着”
×安田 忠夫 vs ドン フライ×

安田、花道を歩いていますが、全く歓声があがりません。
去年の12月31日の、ジェロム・レ・バンナ戦の劇的勝利の大ブレイクもどこ吹く風。
まだ半年も経ってないのにねぇ…。

フライ、花道を歩く安田の後ろから襲っています!
安田、ダウン。…立てません、全然立てません、担架が来ました、運ばれています。

ここで、場内アナウンス。
「安田選手が意識を失なった為、安田選手が回復してから試合を再開します」。

隣のネーチャン「サイテーッ!こういうのって嫌い!」。
後ろのトラ電波「5000円も払って観に来ているのに…、金返せ!」。
周りが不満をブーブー言う中、僕だけ大爆笑。

●第8試合 STRONG STYLE ”格闘衛星”
○バス ルッテン vs 中西 学●

試合開始、ルッテンのストレート掌打で中西はいきなりのダウン。
これを見て、ルッテンの衝撃のデビュー戦となった、
PANCRACEでのvs柳沢龍志戦を思い出したのは何人いるのだろうか?
隣のお兄さん達は「中西、もう立つな!」、
僕もそれが面白いと思ったが、中西は立ち上がってしまった。

それにしても、中西はねぇ…。
パワーファイトが売りの中西が、ルッテンが掌打を出すからって、
腰の入らない掌打で対抗する必要は全くないと思うんですがねぇ。
自分のスタイルを信じて、打撃のカウンターのタックルなりスピアーなり攻めた方が、
いい試合になったと思うんですがねぇ。

ルッテンは途中、「何をされても絶対に離さないスリーパー」、
昔、ハンセンvs小橋でこういう試合がありましたね。

中西が「UWFスタイル」に対してもう少し理解があればもっとスイングしたと思うこの試合、
最後はルッテンが三角絞めで中西からタップを奪った。

ここでルッテンがマイクアピール。
英語は無学な僕にはちょっとわからなかったけど、声はハキハキしていました。
やっぱり、役者経験のある人は違いますね。
この試合のセコンドについていたフライも、ここでマイクアピール。
プロレス用のがなり声は聞き取りにくい。

妙に長々続く、外国人二人のマイクアピール。
隣のネーチャンは「英語じゃ、何言ってるのかわかんな〜いっ!」と、
すっかり「おかんむり」のご様子。

何故かルッテン、フライ、そしてジャスティン・マッコリーが加わってのカウントダウン。
と、物凄いスピードで走ってくる男が。安田だ。

●第7試合 格闘イデオロギー ”闘魂決着”(再試合)
○ドン フライ vs 安田 忠夫●

安田、今度は先ほどのお返しとばかりにフライを後ろから襲っています。
あっ、今度はフライが立てません!…って、こんなところでゴング鳴らすの!?

何とか回復したフライに、
安田は尚もギロチンチョーク、ダブルアーム・スープレックスで攻め立てます。
…が、反撃するフライが変形の四の字固めを極めました、ガッチリ極まってます!
ああっ、長いこと耐えていた安田選手ですが、ついにギブアップです!

怒ってますっ!隣のネーチャン、本気で怒ってますっ!
「こういう試合はキライ!」「もう、ホントにガッカリ!」。

●第9試合 RESURRECTION ”新生転生”
 リック スタイナー   棚橋 弘至 ●
○スコット スタイナー vs 佐々木 健介

レフリーとして元WWFの元チャイナが入場…って、
あれは「ママ・シータ」時代のボンテージ・コスチューム。
「ゴールデンの生放送に『網タイツ』」、いいのか!?僕は大賛成だが。

スタイナー・ブラザーズは本当に見た目が変わりましたねぇ。
個人的には、今のスタイナー・ブラザーズの方がカッコ良くて好きなんですが。
それにしても、弟スコットの筋肉は凄すぎです。
「黙っていても血管が浮き出ている腕」、色々とヤバいでしょう。

対する「ニュー・タナケン」、棚橋は僕も期待しているのですが、
改めて健介を生で見ると…、センス悪いです。
個人的には、棚橋の入場とは距離を置いて入場した時が一番ムカつきましたね。
「その距離の違いは、格の違いかぁ!?勘違いしてるんじゃねぇよ!」って感じです。

試合自体はなんとも散漫。

以前の爽やかなタッグ屋のイメージもどこ吹く風、
すっかり筋肉オバケになったリックとスコットは、
もっぱらパワーに任せた試合ばかりしてました。
確かにパワーは凄いし、色々なスープレックスも急角度で落ちるので、
観ている側も声を上げる程にヒヤッとはさせられるんですが、
何せ試合が間延びしているものだから、気が散ってしょうがありません。
また、元チャイナのレフリーとしての動きもぎこちなく、
これがまた間延びした印象を増長するのを手伝っています。

棚橋、今日はこれだけのプロレス下手を相手に、色々技を受けてご苦労様でした。
対する健介、散々棚橋が相手の技を受けていたのに、
タッチを受けた後に、自分の技だけ出して直ぐにタッチする事はないだろ!
「最悪だよ、最悪!」。

試合は筋肉兄弟にすっかり捕まってしまい、パワフル殺法を散々喰らってしまった棚橋が、
懐かしの合体ブルドッキングヘッドロックから、
最後は「幻の必殺技」SSDでスコットにピンを許してしまった。

ただ、正調SSDはブレンバスターを前方に持ってきて、
そのまま落とす危険極まりない技だが、
今回のバージョンは、ブレンバスターから、
一度ツームストンの状態まで相手の体を下ろして、それから落とすという、
やや安全になったバージョン。まあ、前のバージョンは危険すぎるわな。

ここでレフリーの元チャイナ、何やらマイクでアピールしてます。
そして、唐突にタイガー服部をリフトアップ!?さすがにパワーは凄いね。
ここで、先ほどは素晴らしい試合をしてくれた全女勢がリングイン、
元チャイナと睨み合ってます。

これは「元チャイナの全女参戦」を意味するのか?
違うなぁ、ここは「新日本に全女の選手が時折参戦する」と見た!

●第10試合 闘魂記念日メインイベント ”闘魂象徴”(IWGPヘビー級選手権試合)
○永田 祐志    vs 高山 善広    ●
 (チャンピオン)   (チャレンジャー)

高山入場、前の方に座っている高山応援団が「高山〜っ!」と声援を送る。
高山のセコンドについた藤田がいることを知ると、その声援は「藤田〜っ!」に早代わり。
後ろのほうに座っている、良識派のファンだと思われるサラリーマンが、
「ああ言うバカがいるから、プロレスは…。」と友達に愚痴ってます。
いや、それにしても体の大きな人が二人並んで花道を歩く姿は、
会場が何処であろうとも見た目が生えるものですな。

永田入場、隣のネーチャンが笑ってます。
「何で、あの人は敬礼してるの!?可笑しくない!?」。
「何で、あの人だけ青いパンツなの!?」。

試合開始、序盤から試合はプロ格の試合へ。
高山応援団は、試合の流れに関係もなく高山コール。
しかし大型モニターに藤田が写ると、すかさず鞍替えの藤田コール。
そして、後ろの良識派サラリーマンの苛立ちはますます募る。

永田はバックドロップ・ホールドからミドルを高山に叩き込むが、
高山はジャーマン・スープレックスから、ハイキック。
これをもろに食らった永田はダウンするが、高山は追い討ちの逆十字。
何とか逃れたものの、今度はもたれかかってダウンする永田の体にミドルを打ち込んでいく。

この一連の攻撃に永田はグッタリして動けない。
あまりにもダメージの大きそうな永田を見た隣のネーチャンは、
「あの人、全然チャンピオンらしくないジャン!」

しかし永田、ナガタロックUからアンクルロックで反撃。
先ほどのグッタリしたイメージがインプットされた客席から、
永田イケイケの大歓声が。もちろん隣のネーチャンも興奮状態だ。
さらに永田はミドルで高山を追い込む。
しかし、ロープを使っての一撃は高山のキチンシンクの餌食に。
今度は高山応援団の大歓声が起こる。もちろんこれも会場中からだ。

ここから高山は怒涛の攻撃。
チキンウィングからアームバーへの連携、会場中が「アッ!」と驚いたドロップキック、
巨体から繰り出されるジャンピング・ニー、豪快なダブルアーム・スープレックス、
スリーパーで体力をじわじわ奪い、出ました得意技・高さのあるギロチン・ドロップ。

またしても何の反撃も出来ずにへたり込む永田に、隣のネーチャンはすっかりご機嫌斜め、
「あの青いパンツの人、全然同等に闘えてないジャン!」
反対に高山応援団は「イケイケッ」の声援を送っている。

ここから永田は反撃、敬礼からのナガタロックT、
延髄切りからニールキックと繋ぎ、本日二度目のバックドロップ・ホールド、カウント2。
会場中の永田ファンの「あ〜っ」と、高山ファンの「お〜っ」が交差する。
高山逆転のヒザ蹴り、こちらも二度目のジャーマン・スープレックス、カウント2。
先ほどとは反対に、永田ファンの「お〜っ」、高山ファンの「あ〜っ」が会場中から起こる。
客席は、もの凄い大興奮状態だ!

死力を尽くした二人は、最後の力を絞っての打撃戦。
ここで高山はヒザを永田に突き立てる。
しかし、永田はハイキックを連打、これがヒットし高山はダウン。
そのまま覆い被さりフォールの体制、3カウント。永田、王座防衛。
客席の興奮は最高潮に達した。隣のネーチャンも大満足の様子。

僕としては「あのハイキックで決着ついちゃうのは、どうもなぁ…。」とか、
「試合終了時間は8時50分かぁ。予定通りじゃん。」とか思ったのですが、
でも良いんです。プロレスでこれだけ興奮したお客さんを観れたので、僕は満足です。

ここで真鍋アナがリングに登場。勝利者インタビューだ。
マイクを持った永田は「藤田〜っ!」を連呼。期せずして沸き起こる「藤田コール」。
王者からこの名前が出たとたんに、会場は一気に盛り上がる。

しかし永田、ここで「佐々木健介〜っ!」と、
この場面で一番言ってはならない名前をコール。一気に白ける会場。
そして「ルッテンっ!フライっ!俺は誰の挑戦でも受けるっ!」と絶叫。
この呼び出しに呼応して、リング上に集まる選手たち。
藤田はTシャツを脱いで早くも臨戦体制だ。

次の瞬間!藤田はボディスラムで永田を叩きつけた!
再び興奮する会場。藤田はそのままリングを後にする。存在感十分だ。

次の瞬間!健介がタイミングが絶妙に最悪なマイクアピール!
すっかり白ける会場。こちらも存在感は十分だ、色々な意味で。

ここで、順番待ちしていたフライが永田に襲いかかろうとするが、
会場は「いい加減にしろっ!」の意思表示を三沢コールに変えて叫ぶ。
スゴスゴと退散する選手たち。先ほどまで、あんなに興奮していたのにねぇ…。

●「真のメインイベント」を前にして、PRIDE戦士達の紹介

招待席に座っていたマリオ・スペーヒーとノゲイラ兄弟が紹介される。
どよめく会場。そういえばBTTの人が新日本にあがるって噂もあったねぇ。
ノゲイラ兄に至っては、プロレスにK−1にと大人気だねぇ。

しかし、隣のネーチャンは「ねぇ、今日は猪木はもう出ないの?」、
ここで出なけりゃ、もう出ないだろうなぁ。

●試合前の煽り映像
蝶野と三沢がこの一戦について、
独白形式で語っている所が、大型モニターに映し出される。
モニターに三沢が映るだけで、客席は大歓声だ!

…長い、長すぎる、いつ終わるんだこの映像。
もう9時5分も過ぎちまったぞ。客も飽き始めてるし。

どうにか終わる。
客席の高鳴る興奮が”超”大歓声に変わる。

●第11試合 新日本vsNOAH 世紀の一戦 ”闘強導夢”
△蝶野 正洋 vs 三沢 光晴△

○入場
「スパルタンXのテーマ」が掛かると、大・大・大の三沢コール。
そしてその姿が会場に現れると、大・大・大歓声が巻き起こる。
さすがにこのシーンには震えがきた。何せ僕はプロレスは全日本育ち。
花道を颯爽と歩くその姿には、かなりの興奮を覚えた。
個人的には「これに若林アナの実況がつけば最高なんだけどなぁ」と思っていました。

つぎに蝶野の入場。
テーマ曲の序盤部では、あれほど沸き返っていた客席がシーンと静まり返る。
煽りのシャウトから、お馴染みのあの曲が流れると、今度は大・大・大の蝶野コール。
入場には特大の爆発が何連発も起こる。会場の興奮は最高潮に。
蝶野はバックにT2000のメンバーを従えての入場。
この男が、今の新日本の象徴なのだ。

両者リングイン。ケロがこの一戦を煽る。
「K−1、PRIDE、プロ野球、Jリーグ。見ていろよっ、これがプロレスだ!」
この煽りに大歓声、三沢のコールに大歓声、蝶野のコールに大歓声。
そのネームバリュー一つで、プロレスでもドームはこんなに元気になるのだ。

試合開始のゴングがなる。
両選手への大歓声が交差しすぎていて、何を言っているかわからない。


○試合:序盤、主導権攻防戦

まずは距離を取った二人。その微妙な距離に緊張感が走る。三沢が右手をヒラヒラさせている。
三沢がよく序盤戦に選手間に距離があくと見せる癖である。

この均衡を破ったのは蝶野。不意にケンカキック一発。これは三沢の顔面を直撃。
すかさず二発目、三沢のブロックを押しのけての一撃だ。
しかし三発目は三沢のエルボーの反撃にあう。ダウンする蝶野。ドームは再び大歓声だ。

蝶野のバックを取る三沢。これを返した蝶野は腕を取って、スタンディング・アームロック。
観客から両者へのコールが再び爆発する。

ここは三沢が更に返してのボディスラム、
そしてバックに回り、スタンド状態で蝶野の腕を取って攻める。
長い時間極めていたが、蝶野はがら空きの三沢の脚にカニバサミを仕掛けてダウンを奪う。
続いて、寝ていた三沢の半身を起こして、バックを取ってのスリーパー。
じっくりとスタミナを奪っていたが、三沢が立ち上がってこれを逃れて両者コーナーへ。

この試合、最初のブレイク。
プロレスのブレイクは「クリーンに行くかラフで攻めるか」の神経戦。
仕掛けたのは三沢、バックエルボーを蝶野へ叩き込む。さらには得意のスピンキック。
そして倒れた蝶野をカバーでフォールの体制、カウントは2。

三沢、今度は蝶野をスタンド・スリーパーに捉える。
これを今度は蝶野がコーナーに逃がれる。
ブレイクになると、すかさず蝶野は三沢を攻撃。
蝶野にしては珍しい、ノーモーションのヘッドバットだ。
そして再び距離があく両者、再びコールが交差する。

三沢はここからエルボーを顔面に連打。
ふらつく蝶野を首投げで投げると、
倒れた蝶野の上半身を起こしてサーフボード・ストレッチの体制。
地味な技だが、この技も三沢の大事な技の一つ。
蝶野は立ち上がり体を反転させて腕力でこれを返そうとするが、三沢はそれをさせない。
長い時間極まっていたが、蝶野は強引に外して、後ろの三沢にエルボーの一撃。
しかし三沢、今度はフロント・ネックロックで蝶野の爆弾である首を攻める。
これは蝶野、コーナーまで押し込みブレイクに。

しかし、ブレイクした瞬間、
蝶野は三沢にノーモーションのヘッドバットを連打で叩き込む。
頭に、腹にと、場所を問わず打ち込んでくるこのヘッドバッドの連打を前に、
思わずコーナーにヘタリ込んでしまう三沢。
すると蝶野は、今度はへたり込んだ三沢の体にストンピングの嵐を打ち込む。
レフリーが制止してブレイク、再び距離があく両者、そして起こる大歓声。

三沢、蝶野に力比べを望む。これに蝶野が応じた。
両者の両手がガッチリと組まれて力比べが始まる。
ここで優勢だったのは、力では見た目にも蝶野より一回り大きい三沢だった。
劣勢になった蝶野だが、ここは体を潜らせてダブルリスト・サルトで三沢を後方へ投げる。
倒れた三沢の腕を極め、フォールの体制に入るがカウント2。
尚も蝶野が三沢の腕をチキンウィング・アームロックで攻める。
そして、ここで"10分経過"のアナウンス。
蝶野のアームロックから立ち上がった三沢、コーナーに逃げてブレイク。


○試合:中盤、まさかの「花道の一撃」

両者のエルボー合戦。お互いに一発づつ入れていきながら、別なコーナーへ動いていく両者。
コーナーを背にした三沢に対して、一旦距離を取ってから走りこむ蝶野。
しかし三沢はコーナーを利用した両足キックで迎撃する。
さらにはコーナーにもたれかかる蝶野にドロップキック。これで蝶野は場外に逃れた。
「さあ、飛ぶか!?」というシーンに、三沢は迷いもなくロープへ走る。
蝶野は逃れようとするが、三沢は飛ぶ間際にロープを鉄棒代わりに使って一回転。
フェイントを挟み、よく狙いを定めて、エプロンからエルボー・スイシーダの一撃だ。

ここで先に起きたのはなんと蝶野。先にリングに戻る。
後から上がって来た三沢には、トップロープからのダイビング・ショルダー・アタックだ。
そしてここで、蝶野はコーナー最上段の金具を外してしまう。
おかげでトップロープはだらんとしてしまった。
立ち上がってきた三沢にケンカキックからフォールの体制、カウント2。
諦めの悪い蝶野は、エルボーからさらにフォール、カウント2。

試合の主導権を握った蝶野は三沢を起して花道へ引きづり込む。
そして「花道・ドリル・ア・ホール・パイルドライバー」。
これは三沢も効いた様子。しかし蝶野は尚も三沢を攻めようと体を起こすが、
三沢はエルボーで反撃、そして…、まさかまさかの「花道・エメラルド・フロージョン」だ!
これには客席も驚きの大歓声。
大型モニターにそのシーンがもう一度映されると、客席からはため息も出てきた。

両者共ダメージが大きく、なかなか立ち上がる事が出来なかったが、
まずは三沢が立ち上がりリングイン。蝶野がフラフラとリングに戻った所で"15分経過"。
リング上で蝶野ダウン、三沢がカバー、カウント2。
しかし、両者共ダメージが大きく、そこからなかなか立ち上がれなかった。

何とか立ち上がった両者、今度は三沢のエルボーと蝶野の張り手による打撃戦だ。
しかし、やはり年季の入ったエルボーの威力は如何ともしがたく、
三沢が押し始める。最後は怒涛のエルボーの連打で蝶野はダウン。

しかし三沢、この程度では許さない。さらに蝶野を起こしてエルボーを決めるが、
ここで蝶野は、三沢の爆弾である右ヒザにストンピングの一撃。
これで一気に三沢の動きが止まった。これで今度は三沢が右足をおさえながらダウン。
ここから蝶野は右ヒザへの関節技で三沢を攻める。
蝶野にしては珍しい監獄固め、これが崩れると四の字固めへ移行。
沸き起こる三沢コールの大合唱。
随分と長い時間極まっていたが、ここは三沢がロープエスケープ。

しかし蝶野は、倒れている三沢の右ヒザに執拗なキックを叩き込んでいく。
さらにレッグロックを極めるが、これは三沢が逆の足で蹴って脱出。
再び距離があく両者。蝶野は距離を詰め、エルボーの連打で三沢を攻めるが、三沢は動じない。
さらにはエルボー一撃で形勢を逆転、観客大歓声、"20分経過"。


○試合:終盤、ストロング・スタイル vs 王道

ロープに飛んだ蝶野は、これまた珍しいラリアットで三沢を攻める。
二発目を決めようとロープに飛んだが、これはなんと三沢のケンカキックに返される。
ならばと、今度は蝶野が三沢に意地の「元祖」ケンカキック。

しかし、さらなる反撃に三沢が繰り出した技は、
何と「ストロングスタイル」の象徴的な技、卍固めだ!
これには観客も驚きの色を隠せない大歓声、されど体制が崩れてブレイク。
ここで蝶野が三沢に返すのは、やはり卍固めだ。これもガッチリ極まって大歓声。

これが崩れると、今度は蝶野が三沢に「王道」の技を仕掛けた。かわず落とし!
もちろんこれに三沢が黙っている訳がない。蝶野にかわず落としのお返しだ。

そして三沢がロープに飛ぶ。
起き上がってきた蝶野に向かって、なんと、ランニング・ネックブリーカー・ドロップ!
「王道」の究極の技、ジャイアント馬場の必殺技に会場が大興奮状態に!
すかさずカバー、カウント1、2、オーッ!
さあ始まった、「1、2、オーッ!」だ。

長い間倒れていた両者だが、先に立ち上がった三沢は蝶野にエルボー、
そしてロープに飛んでのフライング・エルボーの一撃。
そして、この一撃でふらついた蝶野の腕をダブルアームに捕らえる。
「出るか!?タイガードライバー!?」、沸き起こる大歓声!!

持ち上がるか、上がらないか…、上がるか…、やっぱり上がらないか…、
ここは蝶野が踏ん張ってこらえた。ブレイクだ。

先に立ち上がった蝶野、起き上がってくる三沢にケンカキックの連打を浴びせる。
三沢はエルボー二連発で形成を逆転、再び蝶野の腕をダブルアームで極める。

持ち上がるか、上がらないか…、上がるか…、やっぱり上がらないか…、
うおおおぉぉぉっ、持ち上がったあああぁぁぁっ、タイガードライバーッ!
蝶野の上半身がマットに叩き付けられ、カウントが進む。
「1、2、…アーッ!」、決まらない。
一斉に足踏みするドームの客。大歓声が、さらなり大歓声に変わっていく。

もちろん三沢は、この一撃程度では諦めない、すかさずトップロープに昇る。
倒れている蝶野めがけて、膝を一回叩いてのフロッグ・スプラッシュだ。
カウントは進む、「1、2、…アーッ!ドドドドドッ!」。

決め技が多いのが全日本系選手の持ち味、
三沢は鶴田をギブアップさせたフェースロックをここで蝶野に仕掛けた。
ドーム中から沸き起こる蝶野コール、ここで"25分経過"。
夢の対決は、泣いても笑ってもあと5分で終焉だ。
三沢はフェースロックを自ら振りほどき、蝶野をフォール。
「1、2、…アーッ!ドドドドドッ!」。

先に立ち上がった三沢、蝶野の体を起こして持ち上げてボディスラムで…、
違う!蝶野の体を反転させて横に抱えた!エメラルド・フロージョンだ!
…いや、蝶野はこれをさらに体を回転させて三沢のクラッチを振りほどき、
ロープに飛んでケンカキックだ。これに呼応して、ロープに飛んだ三沢はエルボーを返す。
ケンカキックvsエルボー合戦。これに勝利したのは…、蝶野だ!
そしてここまで温存してきたSTFをここで極めたぞ、ガッチリ極めたぞ!

沸き起こる大歓声。両者へのコールが交差する。
しかし、この大歓声に水を差す場内アナウンス、「残り時間、3分!」。
周りの大歓声は、時間切れに対する焦りの色を加えて、さらに大きくなる。
そんな中、三沢はどうにかロープブレイク。観客からは安堵と落胆の歓声。

両者立ち上がり、三沢は蝶野にエルボー二連発から、
ロープに飛んでのランニング・エルボー。
すかさずダウンする蝶野をカバーするが、
カウントは「1、2、…アーッ!ドドドドドッ!」、「残り時間、2分!」。

三沢は蝶野にさらなるエルボー、しかし蝶野は組み付いて三沢の体を抱え、
ドリル・ア・ホール・パイルドライバーの体制。
しかし…、ここで出た、三沢の「一瞬の切り替えし」。
逆にウラカン・ラナで蝶野を投げ捨てた!
「残り時間、1分!」、観客は大騒ぎである!

しかし蝶野も、直後にウラカン風ヘッドシザースで三沢を投げ捨てた!
もう時間はない、両者フラフラになりながら最後のケンカキックvsエルボー合戦だ。
「残り時間、30秒!」、三沢が倒れた!カバーする蝶野、カウント2.9。
「残り時間、20秒!」、今度は蝶野が倒れた!三沢が押さえ込む、カウント2.9。
「残り時間、10秒!」、またしても蝶野を倒した、カバー…、時間切れを告げるゴングだ。

○闘い終わって…

観客は暖かい拍手で両者を称えていました。
一部で延長コールが起きたものの、大部分の観客はこの勝敗に納得した様子です。

個人的には、首の悪い蝶野に対して、
全てのスープレックス技を封印して戦っていた三沢の優勢勝ちでしょうかね。

「オエッ、三沢!次は俺と勝負しろ!」、
ここで天山がタイミングの悪いマイク。

観客大ブーイング。余韻も何もあったもんじゃないなぁ。
もう少し良いタイミングで言ってくれ、天山。

それにしても、この試合とドームの大歓声を、
この国の「プロレス信仰」を、スペーヒー・ノゲイラ兄弟はどう感じたのだろうか?

---

雑感:
まずは、ここまで書くのが長かった…。
読んでいただいている人、お疲れ様です、ありがとうございます。

んで、個人的に印象に残ったのは「プロレスファンの元気の良さです」。
「楽しませてもらう」という意識ではなく「自ら楽しもうとする意思」を、
今日の観客からは感じましたね。

プロレスにこういう「ファンの土壌」があるのなら、
プロレスラーがそれに答える試合が出来れば、
時の勢いこそあれど、ファンは全く空洞化している「K−1」なんか、
アッという間に吹っ飛ばせるのではないか?と思います。
…まあ、吹っ飛ばしてどうする、って意見は置いといて(笑)。

そして、やはり今日の大成功は全女の存在が大きいと思います。
彼女達にしてみれば、普段通りの試合なのかもしれませんが、
今日の一戦で、この先の女子プロレスが気になり出した人も多いはずですよ。

結論、プロレスはまだまだ元気です。

---

21:00
腹も減ったので、メシを食う事にする。

今日は、台湾料理・天道門に行きました。
営業時間は午後4時から12時、土日祝は休みという、
水道橋にしては随分な「省エネ営業」ですが、ここの「おこげ」は旨い旨い。
アツアツに焼いた石鍋に、具をあとから入れる、あの「ジューッ」って音がいいですねぇ。
味はあっさり、でも下味はしっかりなので、いくらでもお腹に入るおいしさです。

また、ここはシューマイも大変美味しいです。
特に黒豚シューマイがお勧め。豚肉がぎっしり詰まったシューマイ、旨いの何のって。

でも、料金はちょっと割高。要注意。


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以上、超、長文失礼。


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