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「プレミアムチャレンジ」2002年5月6日

お疲れ様です。
高倉です。

え〜、GWも最後の日を迎えましたが、
皆さん、悔いのない休みを過ごせたでしょうか?

僕は…、と言えば、
やっぱり最後の日も興行観戦してしまいました。
もはや病気ですな。
と言う訳で、本日は『プレミアム・チャレンジ』を観戦して来ました。

『プレミアム・チャレンジ』とは、
『「ガーディアン」達の持つ「プレミアム」の称号を、
 「エクスプローラー」達が挑戦して奪い取る』
のを売りとした興行です。

う〜ん、字で見ると何だか良くわかんない…のですが、
興行のカードを見て「ピン」ときました。
早い話が、既に格闘技界で有名選手になった選手(ガーディアン側)に対して、
まだまだ無名の実力者(エクスプローラー側)がチャレンジする興行なのです。

この興行の面白い所は、選手を応援する「お客さん達」も戦う所。
客席は「『ガーディアン』応援シート」と「『エクスプローラー』応援シート」に分かれていて、
それぞれ、「赤勝て」「青勝て」と応援合戦をします。
そして、「ガーディアン」と「エクスプローラー」の闘いにはポイントが付き、
最終的には、各試合毎についたポイントを全て集計し、得点を争い勝敗を決めます。
さらには、勝利者側の席に座っていた人には、主催者より「お土産」が配布されるという、
何だか至れり尽せりな大会です。素晴らしい。

そんな、一見ゲーム性が強い大会なのですが、その中身はいたって真剣。
何と行っても、試合のルールが世界でも久々となる、
『顔面パンチ&ヒジ攻撃&頭部へのヒザあり』の興行なのです。
しかも、興行の性質から考えると、選手間の実力差が甚大なカードが潜んでいるでしょう。
呑気に応援していたら、大変凄惨なシーンに出くわす可能性も大なのです。

ちなみに、今日出場するメンバーは、中々面白いです。
ヤノタク&今成の「『寝技の達人』揃い踏み」や、
勢力拡大中の禅道会の選手の大挙出場、PANCRACE人気選手やRINGS外国人勢の参戦。
他にも修斗のランカーや、プロボクサー、元キックボクシング・チャンピオン等。
興行自体は派手な宣伝こそ打ってませんでしたが、この興行、かなり侮れないです。

さて、今回の『プレミアム・チャレンジ』は2つのルールがありまして、
しかもどちらもちょっとややこしいです。それについてチョット説明。

STANDARD RULE
・オープンフィンガーグローブの着用は任意。着けない場合は首から上の打撃禁止。
・パット着用時の膝攻撃、肘攻撃が可能。

F&G RULE
・オープンフィンガーグローブの着用は禁止。
・打撃は顔面へのキックとニーパット着用時の膝攻撃のみ。
・ヒールホールドは禁止

両ルール共通項
・試合は10分1本勝負。
・胴着の着用は禁止。
・勝敗はギブアップ、KO、TKO、ポイント判定、ジャッジ判定により決する。
・スタンド時の打撃で相手を倒すと「ダウン」で、4ポイント加算。
 ダウン時に10カウント以内にファイティングポーズが取れないとKO。
・締め技や極め技は、形に入ると「ロック」という状態になる。
 「ロック」状態を30秒保つと「ホールド」となり、4ポイント加算。
 但し、掛けた技は一旦ブレイクとなる。
・投げ技がキレイに決まると「スロー」となり、2ポイント加算。
・試合の中でポイントが8ポイントになると、ポイントアウトにて勝利者となれる。
・膠着ブレイクあり。タイミングは結構早いです。
・「ドント・ムーブ」の概念はなし。「ドント・ムーブ」が必要になった時点でブレイクになる。
・10分以内に決着が付かない場合は判定。まずはお互いが奪ったポイントが判定対象になり、
 両者同点の場合はジャッジ3名による判定となる。ドローあり。

という訳で、観戦記です。

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15:30
渋谷の某ネットカフェにて、WEWの観戦記を執筆終了。
ほっと一息いれつつ、時間を見る。現在は午後15:30。

「プレミアム・チャレンジには間に合いそうだな。
 確か、開始は午後17:00だったはず。
 ここから、東京NKホールのある舞浜は遠いけど、この時間なら間に合うでしょ。」

と思いつつ、先々週発売のSRS-DXにて、興行開始時間を確認する。

15:35
目の前、真っ青。
何と試合開始は午後16:00と書いてある!
何てこった!ここから舞浜は、どう考えても1時間はかかるだろ!
どうしよう、どうしよう、どうしよう…もない!
「あ〜あ、やっぱり今日は観に行くの、やめようかなぁ…。」。

…と一瞬思ったが、考えを改める。
「まあ、今から行けば二試合位落とすだけか。
 やっぱり、気になる興行だから、観に行こうっと。」。
善は急げ。JR山の手線に乗り込む。

それにしても、僕とNKホールは相性が悪い。
僕が観戦記を書く切欠になった「バトラーツ・東京NKホール興行」も見事に遅刻してたし。
嗚呼、あの時の悪夢が頭をよぎる…。

16:00
試合開始時間、僕はまだ広い広いJR東京駅の中。
山の手線から京葉線を求め、走る、走る、ひた走る。

知らない人も多いでしょうが、遠いんだよぉ、京葉線のホームって。
確か、山の手のホームから800mはあったと思ったが。

16:20
JR京葉線にて舞浜駅到着。

舞浜と言えば「ディズニーランド」である…って、
今日はそんなものを紹介する暇などない!

何も迷わず、ミッキーのモノレールにて、
東京NKホールのある「ベイサイド・ステーション駅」を目指す。

16:30
NKホール到着、
予想通りの「30分遅れ」、ヤレヤレ。

チケットを購入すべく売店へ走る…が、ダフ屋に引っかかる。
「お兄ちゃん、チケット安いよ〜っ、半額だよ〜っ!」

今回の大会は、チケット代は結構割高だったんだよなぁ。ここは、安く買うか。
「スイマセン、10000円のを1枚ください!」
ダフ屋の兄ちゃん、「アイヨッ!」とニッコリ笑ってチケットを渡してくれた。

しかしチケットを見ると、これは「エクスプローラー」のチケット。
「スイマセン、これは『エクスプローラー』ですね。
 僕、『ガーディアン』が欲しいんですけど。」

ダフ屋の兄ちゃんやっぱりニッコリ「『ガーディアン』もあるよ〜っ」。
ウム、無くては困る。カードを見る限り、今日はガーディアン席に座れば、
商品は「持って帰れるも同然」だしね。

と言う訳で、カーディアン側の応援席を5000円で購入。
そして驚いた。これ、15000円の席のチケットじゃん!
これを5000円で買えたのか!

心の中が「お徳感」に満ち溢れる。

16:35
会場入り。ビックリだ。

まずは客の入りだが、これは約500〜600人程度。
でも、これ自体は予想通り。

大会コンセプトはかなり目を引くものがあったにもかかわらず、
この興行は雑誌等による事前の告知が弱すぎた。
出場選手も、メインクラスの出場選手はいずれ劣らぬ一線級ではあるものの、
この国の総合格闘技の最上位である「PRIDE」に比べると、どうしても一枚格が落ちる。
すなわち、「大会がマニアックであるにも関わらず、宣伝を打たなさすぎた」のだ。

驚いたのは、
思った以上に気合の入った「会場作りの『力』の入れ方」である。

もう新生UWFの興行で死滅したと思われていた、
『バブル期興行の象徴』のレーザーライトが、この大会では惜しみなく使われている。
試合の合間の会場内には、幻想的な光のアートが常に会場中を交差している。
さらに、もともとコンサート用の会場なだけあって、音響も最高。
照明の使い方もかなり工夫していて、
ガーディアン席とエクスプローラー席が見分けがつくようになっている。
舞台には古代パルテノンの柱のようなオブジェがX字になって12本ほど描かれていて、
その真ん中に備え付けてある大型モニターには、ちゃんと出場選手の紹介も映し出されている。
試合中には、試合の模様がモニターに映し出され、
その上にレーザーによるポイント表示が、TVゲーム画面の様に映し出される。

勿体無い。実に勿体無い。
「会場作りだけで『一見さん』を魅了できるような興行なのに、
 肝心のお客さんが少ないのでは…。本末転倒だよなぁ。」
等と、ちょっと口惜しくなりつつ観戦開始。

ちなみに試合は第一試合が終わっただけでした。

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第一部 PRE MATCH
選手は両者ともエクスプローラー。

第二試合 PRE MATCH (STANDARD RULE)
○渡邊 将広(171cm/60kg/フリー/レスリング)
●出口 直樹(164cm/60kg/ストライプル/総合格闘技)
[判定 ジャッジ3-0]

出口の打撃に苦戦するシーンもあったが、
グラウンドでは、終始渡邊が圧倒していた。
執拗なバックを取ってのスリーパー狙いが評価されてジャッジで優勢勝ち。

第三試合 PRE MATCH (STANDARD RULE)
○佐々木 恭介(170cm/83kg/U-FILE CAMP/総合格闘技)
●森 素道(174cm/80kg/SKアブソリュート/サンボ)
[判定 ジャッジ3-0]

佐々木は、序盤ではチキンウィングで攻勢を取り、
中盤ではテイクダウンから頭部へのヒザ、スタンドでのフロント・スリーパー等で森を攻める。
終盤には佐々木はマウントを奪ってパンチを連打、と、終始優勢に試合を運んだ。
ポイントは奪えなかったが、ジャッジで優勢勝ち。

第四試合 PRE MATCH (STANDARD RULE)
○割田 佳充(167cm/72kg/チームPOD/グラップリング)
●加藤 泰貴(172cm/72kg/ロデオ・スタイル/総合格闘技)
[判定 ポイント4-0]

加藤は「RINGS軽量級最強の男」小谷の所属するロデオ・スタイルの代表。
さすがに小谷の上司だけあって、終始優位に試合を進めていた。
パンチやミドルで割田のスタミナを奪う。
組み付かれても、上手く距離を離してのパンチや、テイクダウンからのグラウンド顔面パンチ、
相手を倒しておいての猪木アリからのローで攻めまくり、
バックを取られれば桜庭ばりの腕取りを見せる。
試合終盤まで、誰もが「もはや加藤の勝ちは動かないだろう」と予想していた。

大番狂わせが起きる。
試合も残り1分を切ってから、割田は加藤に大振りなパンチで攻め始める。
これに対抗して、加藤も大振りなパンチで対抗、試合は大乱打戦に。
そして、何と割田の大振りなパンチが加藤の顔面にクリーンヒット、さらに追い打ちの一撃。
これで加藤は痛恨のダウン、割田に「ダウン」による4ポイントが加算される。
加藤は何とか立ち上がったが、試合時間が残り30秒では何も出来ない。
結局このまま試合は終了、割田が4ポイント先取による大逆転勝ちを収めた。
これには、会場から驚きの歓声が上がる。

もったいないなぁ、加藤。
でもこの人はまた観たいなぁ。ロデオ・スタイルは強いね。

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10分休憩の後、第二部へ。

突然、場内にMCが「それでは、ここで実況席の状況をお願いします。」と実況席に振る。
実況席は「ハイハイッ!」と答え、本日の解説者にコメントを促す。

おっ、解説は週プロや格通で有名な小森アトム氏でしたか。
「先ほどの割田氏の試合は、中々エキサイティングでしたね。
 そして、ここからはガーディアンvsエクスプロラー。好ファイトを期待したいと思います。」
月並みと言えば月並みだが、まぁ、こんなものか。

実況席からMCに戻し、ここでMCが抽選会。
「では、ここでFIFAワールドカップの抽選会を行いたいと思います。」
ハァ、ワールドカップのチケットですか!?

こういう、
「一般客は喜ばせられても、格闘マニアは喜ばない」ようなプレゼントを準備していたのなら、
マニア層にではなく、もっと一般層に訴えかけた大会にすれば良かったのに。
場所もNKなんてマイナーな会場でなく、代々木第二体育館とか使って、
もっと一般の人でも簡単にアクセス出来るような場所にしてさぁ。

やっぱり、宣伝が弱すぎたんだよなぁ。

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第二部 CHALLENGE MATCH
G:ガーディアン
E:エクスプローラー

第五試合 CHALLENGE MATCH (STANDARD RULE)
○E:熊谷 真尚(170cm/73kg/禅道会/禅道会空手) 絞め殺し道場長
●G:港 太郎(180cm/74kg/クロスポイント/キックボクシング) 帰ってきた天才ストライカー
※両者共にグローブ、肘パット、膝パットあり
[判定 ジャッジ3-0]

いくら港が元MA日本キックのチャンピオンだからと言って、
総合格闘技の舞台でガーディアン側にするのはどうだろう?
RINGSとPANCRACEで一試合づつ試合して、両方とも負けてるでしょ?
昔から知っている人としては頑張っては欲しいし、多少は寝技の防御法も覚えたみたいだけど、
総合格闘技の技術はまだまだだと思うんだけどなぁ。

対するエクスプローラーの熊谷は、格闘技歴として「弓道」を持つ変り種。
しかし、禅道会主催の大会を軽量級で三連覇する等、実力は十分のようです。

試合開始、港に対して熊谷はタックルでテイクダウンを奪う。
港はクロスガード等を利用しグラウンドで粘るが、熊谷は立ちあがりローキック。
港もここはうまく立ち上がりハイキックを繰り出したが、タックルを合わせられてしまう。
これで熊谷がテイクダウン、あっさりとサイドポジションを奪うと、
ここから時間をかけてニー・オン・ザ・ベリーのような状態になり顔面パンチを落とす。
港も必死に逃げるが、結局は総合慣れしている熊谷にマウントを許してしまう。
熊谷はここから、狙いすましたマウントパンチを2連発、さらに3連発と落として行く。

されど、港も寝技の技術が日々上達しているのは、前回のPANCRACEでの伊藤戦で証明済み。
港はここからスイープ、インサイド・ガード状態となる。客席からは判官贔屓の歓声。
それにしても、ガーディアンに判官贔屓とはねぇ…。
でも、やっぱりグラウンドは熊谷が上。下から逆十字を狙っている。
ここは港、冷静にスタンドになり猪木アリ、キックボクサーのローを熊谷に叩き込む。

だが、ここで港の「悪い癖」が。
猪木アリのままで良いのに、港はここから寝技に入ろうとする癖があるのだ。
今日もその悪い癖が爆発。潜りこんでくる港を裁いてしまった熊谷は、
逆に港を倒したまま自らは立ちあがり、お返しの猪木アリ状態。
両手を広げて客席を煽る熊谷、禅道会応援団からは大歓声が。

ここからハーフガードになる熊谷、港もおりを見て立とうとするも、
逆に頭部に熊谷のミドルを食らってしまう。
再び相手を倒し猪木アリ状態にした熊谷、港の顔面めがけてキック一閃!
さらには、怒涛のマウントパンチの連打だ!
ここは港、どうにか持ちこたえてガードポジションに収まるが、
上のポジションをキープしている熊谷は上半身を起こしてさらにパンチ、
そして、ルールで認められているヒジを落として行く。

港、ここを何とか耐え切りブレイク。
しかし、熊谷の勢いは止まらず。組み付いてコーナーへ押し込んでいく。
と、不意に相手に潜り込んだ港、なんと脚を取ってグラウンドへ持ちこもうとしている。
チャレンジ精神は買えるが、如何せん経験不足、あっさり熊谷に粘られブレイクに。
最後も港は猪木アリ状態に持ちこまれてしまった。
立っている熊谷が何発か蹴りを入れて、試合終了。

判定は3−0で熊谷。これにて次回から熊谷がガーディアンに昇格。
でも、頑張れ港!総合で勝利を掴む日を、僕は待っているぞ!

第五試合 CHALLENGE MATCH (STANDARD RULE)
○G:芹沢 健一(180cm/75kg/「RJW/CENTRAL」/レスリング) ミサイルランチャー搭載レスラー
●E:佐藤 伸哉(177cm/77kg/P'sLAB東京/総合格闘技) ハイブリッド・こんにゃくファイター
※両者共にグローブ、肘パット、膝パットあり
[7分17秒 タオル投入]

芹沢はRJWの代表。レスリングがベースだが、打撃もかなりいけるらしい。
試合前にはリラックス用のゴロ寝。これって、流行りかね?

対する佐藤は、この人、なかなか良い選手ですよ。
僕はDEEPで彼のファイトを観た事があるのですが、
流れるような動きから次々に関節を狙っていくんですよねぇ。
「こんにゃく」というとイメージが湧きませんが、
「和製・『カーロス・ニュートン』」と言うと、イメージは掴めるでしょ?

試合開始から佐藤はトリッキー。横に構えて、妙な間合いを作る。
ここからキック等を出していたが、不意に芹沢の脚に組み付く。
ここからは組んだり解れたりで、もはや書いていて説明のつかないような流れる動き。
ボールのように転がる両者、そして気がつけばサイドを取っていたのは芹沢だが、
佐藤もガッチリと下から首を取っている。

佐藤はここから、再びボールのように動いて芹沢をスイープ、インサイド・ガードになる。
このまま押し込んでコーナーまで動いた両者、
オープン・ガードから隙を見た芹沢が、下から三角締めを極めた。
「ロック」のコールと共に、大型モニターには「ホールド」へのカウントダウンの数値表示。
しかし、これは佐藤はどうにか凌ぎ、「ロック」の表示は「リリース」と共に消える。

さらに佐藤は動きつづけ、バックを奪って半身を起こす芹沢の背中に組み付くのだが、
ただでバックを取っているのではない、逆さになって頭がマットについていてる。
いわば「逆おんぶ状態」。ホントにこの人の試合は観戦記泣かせだ。

しかし芹沢は、だいぶ佐藤の動きに慣れてしまった。
試合は前記の状態からさらにボールのように動いたが、
芹沢は佐藤からニー・オン・ザ・ベリーを奪う。
ここから得意の「ミサイル・ランチャー」、パンチ&肘を容赦なく連続で落として行く。
これにより、佐藤は大ダメージを受けてしまうが、
この体制からもさらに動いて、下から組み付き三角締め、さらには下からの逆十字を狙っていく。
…が極まらず。諦めないその姿勢自体は素晴らしい。

インサイド・ガードになった芹沢、下からキックを出す佐藤に対して、
一旦スタンド状態になってから改めてパスガードを狙う。そして、ズバリこの作戦が的中。
ニー・オン・ザ・ベリーを奪った芹沢は、またまた得意の「ミサイルランチャー」を落とす。
嵐のような顔面パンチと肘を落とされた佐藤はもうグッタリ。
「ダウン」が取られて、芹沢は4ポイント獲得だ。
佐藤はカウント8で立ちあがるも、もはや素人目にもダメージは明らか。
個人的には、レフリーはここで止めるべきだったように思える。

だって、ここから僕は凄惨なシーンを見ることになったからだ。

立ち上がった佐藤は力なく芹沢に向かっていくが、
芹沢は上から覆い被さってガブリ状態、パンチ&ヒジの嵐。
さらにはバックを奪い、パンチ&ヒジ。
佐藤は最後の力を振り絞り、必死にポイントをずらすのだが…。

待っていたのは…、芹沢のニー・オン・ザ・”ヘッド”だった!
膝で相手の頭を固定した芹沢、垂直に膝を佐藤のテンプルに落としています…!

うわ〜っ、今、書いていてもスゲー怖いシーンだなぁ、コレ!
こんなの見たら、温かい血の通った人間なら、誰だって「止めろ〜っ!」って叫びますよっ!
会場中が騒然とする中、佐藤のセコンドがタオル投入、試合終了。

佐藤は自力では立てず、両肩を若手に担がれて退場。
意識はあるようだったのが、せめてもの救いです。

第六試合 CHALLENGE MATCH (STANDARD RULE)
○G:今成 正和(165cm/67kg/チーム浪剣/総合格闘技) 流浪の足関アーティスト
●E:岩間 徳三郎(172cm/65kg/禅道会/禅道会空手) 禅道会のヒットマン
※両者共にグローブ、肘パット、膝パットあり…だった気がする
[3分24秒 ヒールホールド]

格闘技マニアの一部では既に有名な、
「足関十段」こと今成がついに総合格闘技のマットを踏んだ。
坊主頭に不精髭、野武士のような独特の風貌。
それもさる事ながら、「技師」の肩書きの割には意外なほどの筋肉質の体。
「関節職人」を思わせる風貌に、他の観客の期待も大きいようだ。

対する岩間、禅道会空手7年のキャリア、同会主催の大会では2度の優勝経験のあるそうな。
入場時には、禅道会応援団の熱い声援をうけていました。

試合開始、今成はローとミドルで軽い牽制、ここから組みつきテイクダウン。
サイド、マウントと、寝技師の本領発揮のポジション取りを見せる。
ところが、岩間はこれをあっさりスイープし上になる。
これには僕も「何だよ、『足関十段』って肩書きは伊達かよ?」と、
ちょっとガッカリしてしまう。

ところが、岩間のスイープが決まった瞬間、
レフリーは「ロック」をコールしていました。
「いったい、何の『ロック』だぁ?」。

スイープした岩間の首に、
今成の下からの三角締めがガッチリ極まっていたのだ!
しかも、これが本当にガッチリで、下から極めている今成は、
既にノゲイラ張りの「三角微調整」の段階に入っていた。

この、余りの早業にして余りの強さに、会場は騒然!
ひたすら、興奮した「つっ、強え〜っ!」という声が、あちこちから飛び交う。
そして、この三角締めは30秒間「ロック」を保って「ホールド」が成立。
今成に4ポイントが加算され、ブレイクになる。
しかし、観客からは「ブレイクがなければ極まっていたよ、アレ!」。
観客は未だに興奮状態。

試合再開、さすがに「寝技ではかなわない」と見たのか、
岩間は今成を寝かせてから、自分は立ち上がってローを放っていく。
「猪木アリ」状態を自分から作ってダメージをこつこつ与えていく作戦だ。

しかし今成は、寝ている状態から岩間の蹴り足を取って、グラウンドへ引きずり込む。
そして「足関十段」の本領発揮、ヒールホールド炸裂だ。
またしてもガッチリ極まってしまい、もはやどうにもならない状態。
岩間はここでタップアウト。今成、圧勝。
会場からはその強さに敬意を表した大歓声が上がる。

いや〜、日本にはまだこんな「凄い人」がいたんですねぇ〜。
これからもどんどん総合格闘技の舞台に立って欲しい人ですよ。

第七試合 CHALLENGE MATCH (STANDARD RULE)
○G:今泉 堅太郎(170cm/63kg/SKアブソリュート/サンボ) 修斗からやってきた男
●E:ラサール☆おさみ(165/67g/烏合会/骨法) 反骨の格闘偏差値
※両者共にグローブ、膝パットあり。今成は肘パットなし、おさみは肘パットあり
[判定 ポイント2-0]

今泉は修斗では6戦4勝1敗1分。修斗の現役ランカーでもある。
一本勝ちはないが、一本負けもないという、非常に厄介なタイプの選手だ。

対するおさみは、アマチュア・キングダムで優勝経験があるらしい。
見た目はただの「おっさん」、非常に人を食ったような顔をしているが、
本業は「工業用ロボットの開発」なのだそうな。本当かね?
ちなみにこのリングネームは、格通恒例の「選手名艦」に掲載される際に、
ヤノタクが勝手に書いて付けられたそうな。ヤノタクらしいわ。

さて、試合開始…なのだが、おさみは全く構えるそぶりを見せない。
両腕を下げて、ぼんやりと今泉を眺めている。
今泉、いぶかしげにこれ見つつも、
ミドル一発から組みつき、コーナーまで詰め寄る。

ここで、お互い組み付きながらの細かい打撃の打ち合い。
一旦離れて、今泉はローが出す。おさみも牽制の打撃をぼんやりと単発で出している。
再び組みつく両者、気がつけばバックを奪っていたのはおさみの方。
う〜ん、なんだか不思議な人だなぁ。

しかし、今泉はここからおさみをダウンさせ、
インサイド・ガードの体制。
おさみは下から足を組み付かせてのクロス・ガードでこれを防いでいたが、
今泉、なんとこの体制から立ち上がった。
「あっ、駅弁固めだ!」、総合でこんなシーンが見れるとは。
さらに組み付いたままのおさみをマットへ叩きつける。スパインバスター。
再び上になった今泉、パスガードでサイドを奪い、
ギロチン・チョークとパンチで攻めるが、おさみに粘られブレイク。

相変わらず脱力の構えを見せるおさみに対して、今泉はタックルにて組みつき、
高々とおさみを持ち上げてマットに落とす。
この投げには、今泉に「スロー」による2ポイントが与えられた。

後ろに組み付いた今泉、スリーパーを極めにかかるがここはおさみに逃げられ失敗。
スタンドで組み合う両者、おさみが自ら今泉を引きこんでガード・ポジションへ。
しかし、おさみは何も出来ず、逆に、パンチやら、
今泉が立ち上がっての猪木アリ状態からローをもらうハメに。
結局、おさみはタイミングを見て立ち上がる。
何がしたいのか、イマイチ良くわかんない選手だなぁ。

組み合ったり離れたりする両者、気が付けばおさみが今泉をコーナーに追い詰めた。
しかし、今泉は飛びついてのフロント・チョーク。長い間この状態が続いたが、
おさみは前に組み付いた今泉をマットに叩きつけた。おさみ、ついにチャンス到来!

…ではあったが、この体制も崩れてしまい、
今度は下からの三角締めを狙われる。これを阻止したおさみ、
一度スタンド状態に戻ってから、もう一度今泉からインサイドを奪う。
ここから自らは立ちあがったおさみは、寝ている今泉にローを打ちこむ。

が、今泉はタイミングを見て立ちあがり、スキを見てタックル。
おさみに下から首を取られたものの、これを外してインサイド、
一度、おさみと離れた上でパスガードし、流れるようにサイド、バックと奪っていく。
最後にバックからのスタンド・スリーパーを極めるが、ここで試合終了。

判定はスローによる2ポイントを稼いだ今泉の勝ち。
おさみは、ひょっとしてスロースターターだったのかな?

第八試合 CHALLENGE MATCH (STANDARD RULE)
○E:所 英男(170cm/64kg/チームPOD/グラップリング) 癒し系ファイター
●G:矢野 卓見(171/66g/烏合会/骨法) ご存知!東洋の神秘
※所はグローブあり、肘パットなし、膝パットなし。
 矢野は右手はグローブなし、肘パットあり。膝パットあり。
[判定 ポイント3-0]

「東洋の神秘」ことヤノタクも、最近はどうも試合内容があまり芳しくない。
総合格闘技をやるには、あまりにも打撃に対する対応力が低い気もするし、
さらには絶対的なパワー不足も苦しい材料。果たして、今日は勝てるのか?
ちなみに選手紹介映像では、弓矢固め〜スリーパーなんていう連携を披露していた。
映像の締めくくりの一言は「骨法で勝つ!」。うそつけ。

所は、ヤマケンが主催していた「パワー・オブ・ドリーム」の元エース選手。
同団体の突然の閉鎖には驚いたが、所の心の本籍地は未だ「パワー・オブ・ドリーム」。
入場時には、団体のロゴ入りタオルを大きく広げるパフォーマンス。

試合開始、いつものようにブルース・リーの構えを見せるヤノタク。
会場からは、今日始めてヤノタクを見る人も多いためか、この動きに笑いが起こる。
しかし、所はまったくお構いなしに、重そうなローを無防備なヤノタクの腿に叩き込んでいく。
さらにヤノタクが背を向けると、所は今度は尻を前蹴り。会場からはさらなる笑いが。

しかし、続いて出した所のハイキックに合わせて、ヤノタクは何と水面蹴り!
その反応の良さに、会場がどよめく。隣にいたお兄ちゃん曰く、
「ああ見えて、ちゃんと相手のキックを見ているんだなぁ」。
う〜ん、単なるウケ狙いだと思うのだが。

ヤノタクの牽制のステップインからのサイドキック、所の重そうなローが交差する中、
不意に自ら寝てしまうヤノタク。これに遠慮なく所が入っていき、試合はグラウンドへ。
サイドからマウントとポジションを奪っていくが、そこで所はパッと立ち上がり重いローを放つ。
これにはヤノタクもすかさず立ち上がり再び背を向けるが、
今度はその背中に前蹴りを貰ってしまった。
所はヤノタクのペースに、とことんまで「付き合わない」つもりなのだろう。

「この相手には背向け戦法が効かない」と見たのか、ヤノタクはここからは接近して組み付く。
ところが、所はヤノタクを逆に倒してインサイド・ガード、
ここから上半身を起こして、グラウンドのままコーナーまで押し込んだ。
この状態からパンチを振り落とすも、体制は崩れて両者は再びスタンド状態に。

ヤノタクは、大技・浴びせ蹴りが出る…が、いつもの様に空振り。
倒れたヤノタクの腿には、所はすかさず重そうなローが打ちこまれる。
所はさらに潜り込んでグラウンド、あっさりサイドを奪う。
が、ここでヤノタクは「さすが!」のスイープで逆転、インサイド・ガードだ。
会場からはヤンヤの歓声。

しかしパワーに勝る所は、インサイドを取ったヤノタクを下から持ち上げた。
今日二度目の「駅弁固め」。この状態から逆コーナーまで運んでテイクダウン。
逆にインサイドを奪うも、深追いはせずに自らは立ち上がり、猪木アリ状態からローを打っていく。
今日の所は、寝技でヤノタクに深入りせず、距離を開けての打撃で勝つ戦法なのだろう。

ここで寝ているヤノタクに近づいた所、上からパンチを浴びせるも、
下からヤノタクが脚に組み付いた。そして、ヒール・ホールドを極める。
これが不発に終わると、今度は膝十字、アキレス腱固めと次々に狙いを変えていく。
東洋の神秘の本領発揮、会場からも歓声が起きる。これは所が外し、もつれて両者スタンドへ。

所、打撃からタックルでヤノタクを倒し、上四方を奪う。
が、ヤノタクはグラウンドで所をコントロール、下からの三角締めを狙っていく。
これは崩れて、所が立ち上がり猪木アリになるが、ここは何故かタイミングの早いブレイクに。

ヤノタク、スタンドから再び浴びせ蹴りを打つもやはり不発。
所は寝ているヤノタクに重いローを打っていき、ポジションを奪うべくグラウンドへ。
両者が絡み合い、69状態などを挟んで、最後の最後に極まったのはヤノタクの三角締めだ。
電光掲示板に「ロック」の表示、「ホールド」へのカウントダウンが進むも、
5秒進んだところで…、試合終了のゴング。

判定は決め手には欠けたものの、試合を優位に進めていた所にジャッジが3ポイント。
でも、今日のヤノタクは後半は良かった。
次回はPANCRACEに出場、魔人・佐藤には勝てるかな?

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10分休憩の後、第三部へ。

第二部の時にも登場したMCが、再び登場。
「それでは、ここで実況席の状況をお願いします。」
ここで振られた実況席は、
「本日は、ここの実況席にスペシャルゲストがいます!前田 日明さんですっ!」
と、実況席にいた前田を紹介。

前田曰く、
「そうですねぇ、なかなか面白い試合も目白押しで、いい大会なんじゃないですか?
 正直、試合を見たことのない選手が多いんですが、新しい才能を見て行きたいですね。」
ファンへの一言は「楽しんでいって下さい」。
どことなく元気がない。第二期RINGSの話を、その片鱗だけでもいいから聞きたかったなぁ。

そして、MCの「これから、所属選手の登場が期待される…」という煽りと共に、
日本テコンドー連盟会長、森喬伸氏が挨拶。

ところが、このオヤジの挨拶…、最悪!

冒頭の煽りに対して、
「今、所属選手が上がるような事を司会の方が言われましたが、訂正させてください。
 今回の大会を見る限り、このような大会に、アマチュアである
 我々どもの選手が上がる事はありませんっ。」
と強調。かなりイヤミな口調でしゃべっていたが、これはまだ許せる。

しかし、次に飛び出したのは、
「今、司会の方に『挨拶を一分でまとめてくれ…』と、言われたのですが…、」。
もちろんここは、「俺の喋りが一分で纏まる訳がねぇだろ!」と言わんばかりの口調だ。

さらには、
「私はマイク タイソンの試合は、いつも来日する度にリングサイドで見ているのですが、
 この大会を見て思ったのは「素人の大会」だと言う事です。
 その素人っぽさがいいです。これからはこういう大会が世間を席巻するでしょう。」
いかにも人をコバカにした口調だ。

ムカツク。

別に「タイソンと比べて、この大会は素人だ」と思うのは良い。
実際、この大会を観てそう思う人もいるだろう。

まかりなりともアマチュア格闘技の会長が、他の格闘技に全く敬意を払わない言葉を、
場所をわきまえずに、何のフィルターも通さずに発言するのはどうか?
自分の大会でこんな発言をされたら、自分はどう思うのか考えもしないのか?
しかも、発言の内容は、「素人の大会」に喜んでいる観客を明らかにバカにしている。
オヤジの面したガキの発言に、心底腹が立った。

…まぁ、「人間性がド素人の会長」の発言だから、しゃあないか。

んで、「こんなオヤジが会長の団体が、揉めない訳はない!」
と思って調べてみたら、やっぱり揉めていた。
http://www.asahi.com/sports/etc/K2002050800028.html

展開、見え見え。
他人の団体をガタガタ言う前に、自分の団体を何とかしろや。

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第三部 PREMIUM MATCH
G:プレミアム・ガーディアン
E:プレミアム・エクスプローラー

第十試合 PREMIUM MATCH (F&G RULE)
○G:クリストファー ヘイズマン
   (180cm/100kg/リングス・オーストラリア/総合格闘技) 南半球のパイオニア
●E:小澤 幸康(172cm/100kg/チーム風/サンボ) 先生はサンビスト
※両者共に膝パットあり
[6分24秒 チキンウィング・アームロック]

KOK以降のRINGSでは、
強豪アレシャンドラ カカレコやカーロス バヘットを倒しているヘイズマン。
アブソリュート級王者トーナメントでも、
「投げて良し、極めて良し」のトータルバランスの良さで決勝進出。
キャラは地味でも、RINGS内では人気の高い選手だ。

対する小澤は、何と中学校の教師。
サンビストとしての戦跡は中々輝かしく、
サンボ世界選手権 シニア90kg級5位(2000) / サンボ全日本選手権 シニア-90kg級優勝(2001)。
体格と肩書きを買われてのプレミアム・エクスプローラーとしての出場だ。

リングに小澤が登場、Tシャツを脱ぐと場内は騒然。
…いや、良い体なのではなく、ポッテリ気味なのだ。
まあ、教師と選手の「二束の草鞋」では、
練習時間も少なさそうだよなぁ。ご苦労様です。

試合開始、ヘイズマンはローキックとハイキックで、
打撃は苦手そうな小澤を積極的に攻めて行く。
小澤はタックルに突破口を見出すも、
ヘイズマンは難なく裁いてバックを奪いスリーパー。

これがガッチリ極まって「ロック」、小澤はここから何も出来ない。
「30秒たって「ホールド」によるブレイクが先か?小澤がタップするのが先か?」
となったが、ここは「ホールド」が先だった。
ヘイズマンに4ポイントが入りブレイク。
しかし、あわや秒札の勢いに、会場は騒然となる。

両者スタンド、小澤は再び組み付いていき、今度はコーナー際でテイクダウン。
インサイド・ガードになるも、ヘイズマンは下から腕を取っていく。
これを嫌った小澤は腕を必死に逃がし、両者のポジションが崩れる。
ここで小澤の首を取ったヘイズマン、
グラウンドで上になり、マウント、サイドとポジションを移行。
関節を狙うも、ここは一旦離れて寝ている小澤の腿にローキック。
スキを見て小澤も立ち上がり、再び両者スタンド。

小澤、またまた組み付き、ヘイズマンをコーナーに押し込んだが、
ヘイズマンは相手の首を取って膝を叩き込む。
しかし小澤は体を密着させて膝を防御、膠着、ブレイク。

再び両者は組み合っていったが、何故かここで試合ストップ。
仕切りに目を気にする小澤、どうやらコンタクトがズレてしまったらしい。
何だか危ないなぁ。まあ、この試合は顔面パンチなしのF&Gルールだから、
通常の総合格闘技よりは安心して目にコンタクトが入れられるのかねぇ?

試合再開、組み付いたヘイズマンは再び膝攻撃。
一旦離れたて、今度は小澤が組み付きコーナー際へ持ち込み、
テイクダウンを奪ってインサイド・ガード。
ところが、ヘイズマンが下から小澤の腕を取り、そのままチキンウィングの体制へ。
ガッチリ極まって「ロック」の宣言。

さらにこのままスイープするヘイズマン。
体制も入れ替わり、上になったヘイズマンがさらに小澤の腕を絞りあげると、
小澤はたまらずタップ。ヘイズマンの圧勝だ。

やっぱり、体がちょっと違いすぎたなぁ。
小澤さん、イヤイヤ、お疲れ様です。
明日の職員会議も頑張って下さい。

第十一試合 PREMIUM MATCH (STANDARD RULE)
○G:石井 大輔(183cm/90kg/パンクラスism/ハイブリッドレスリング) タコ殴りクラバー
●E:富士 大輔(184cm/82kg/U-FILE CAMP/ボクシング) ハードコア拳士
※両者共にグローブ、膝パットあり。石井は肘パットあり、富士は肘パットなし
[3分23秒 肩固め]

PANCRACE会場に行くとわかるのだが、石井は中々人気が高い。
その人気は、活きの良さと、相手を殴り倒すアグレッシブなファイトスタイルから来ている。
今日の相手は現役プロボクサー。石井は殴り勝てるか?

そう、富士は現役のプロボクサーなのだ。戦跡も7戦5勝と、決して悪くない。
にもかかわらず、富士はボクシングを捨てて総合の世界へと転出。
「もっと華やかな場所で戦いたい。」んだそうな。
ちなみに、本業はパンクバンドのボーカルだと公言している。
ライセンス剥奪をされてまで上がる総合のマットは、甘いか、辛いか?

開始早々から、石井は飛ばしまくり。
ボクシングにはないローキックを富士に叩き込むと、富士は早くも苦悶の表情。
この一発でノッてしまった石井は、富士に組み付きコーナー際でテイクダウン。
ここから半身を起こすと、待っていたのはパンチと肘の雨あられ!
派手な展開に会場は大歓声だ!

富士は何も出来ず、ただ半身を横にして嫌がるのが精一杯。
「あわや、決着か?」と思ったが、ここはなんとかブレイク。
しかし、既に富士のダメージは大きそうだ。対する石井は余裕の表情。

石井は先ほどと全く同じ展開。ローキックから組み付き、コーナー際でテイクダウン。
ここで下になった富士はオープン・ガードで石井の攻めを防ごうとするが、
石井は冷静にハーフ・ガードからマウントとポジションを移行。
ここから再びパンチと肘の雨を降らせると、
さらにはニー・オン・ザ・ベリーに移行、パンチと肘に膝も加えての嵐状態。
そして最後は肩固めに移行、タップを奪った。

やはり、ボクサーには総合の敷居は高かったかな?
それにしても石井は相変わらずアグレッシブだね。
もっと人気が出るように、
雑誌社の皆さんもPRしていけばどうですかね?

第十二試合 PREMIUM MATCH (F&G RULE)
○G:イリューヒン ミーシャ(180cm/93kg/リングス・ロシア/コマンドサンボ) ロシア製重装甲車
●E:藤井 克久(184cm/97kg/スタンド/総合格闘技) さすらいの格闘無頼
※両者共に膝パットあり
[5分45秒 フロント・チョーク]

「アブソリュート大会」では、あのイゴール ボブチャンチンも倒している、
リングス・ロシアの強豪、イリューヒン ミーシャ。
リングインの後、その上半身が露になると、
その素晴らしい背筋に場内は騒然となる。

対する藤井、PANCRACEにはちょこちょこ顔を出しているし、
RINGSの最終興行でも横井と対戦している。
PANCRACEのヘビー級トーナメントでは何気に準優勝している…のだが、
まだまだ知名度が低いのは、戦跡に勲章らしいものがないからか?
ここはミーシャに勝って、名を上げたいところだ。

試合開始、お互いにローを繰り出していく両者。
…組まない、まだ組まない。ずうっとローを出し合っている。
ここで数の上でもダメージでも圧倒していたのは、藤井の方。
重そうなローをミーシャに連打している。
藤井は、ローキックの練習をみっちりとやって来たんだろうなぁ。

業を煮やしたミーシャ、
組み付きに行ったが、藤井はこれを難なく裁いてしまい、
離れ際に重いローを一発叩き込み、更にもう一発。
再びミーシャがタックルに来るが、藤井はやはり裁いてローだ。
おお、今日の藤井は中々強いな。

ミーシャ、愚直なまでにタックルに拘る。
藤井、今度は上から押さえ込みにかかりグラウンドへ。
サイドを奪ってボディへパンチや前腕を落としていく。
さらにはギロチン・チョークによる嫌がらせ。
嫌がったミーシャが逃げるも、藤井は体制をガブリ状態へ持って行き、
フロント・チョークの体制。体を起こして逃れようとするミーシャに膝をガンガン叩き込む。
さらに嫌がったミーシャが体を突き放して両者スタンド状態に戻ったが、
藤井の強さに会場からはざわめきが起きている。

ミーシャはまたまたタックルに行くが、藤井はこれを巧みにコントロール、
優位な体制を作ってから、頭部へ膝を2連打する。
しかしミーシャは強引なタックル、藤井を場外へ落としそうになる。これはブレイク。
が、ここで試合は一時中断。藤井のニーパットが破れてしまったのだ。

試合再開、藤井はローを打つ。ミーシャの腿が真っ赤になっている。
嫌がるミーシャはタックル、これを藤井はまたまたガブる。
開始直後から続いたこの展開が飽きもなく続いたが、何故か試合は再び中断。
今度は藤井の反対側のニーパットが破れてしまったのだ。
二度の試合中断、この間にミーシャはややスタミナを回復したか?

試合再開、またまたのまたまた、ミーシャはタックル。
これに合わせて膝とローを叩き込んだ藤井だったが、ついに捕まってしまった。
組み付いたミーシャはフロント・チョークを仕掛け、これがガッチリ極まる。
この態勢から自ら藤井を引き込んで下になり、さらに藤井の首を絞り上げると、
藤井はたまらずタップ。ミーシャの大逆転勝ち、会場から歓声が起こる。

う〜ん、藤井にとっては「もったいない」の一言なのだが、
極める所で極めようとせずに、ひたすら点数稼ぎに徹したのだから、
正直、敗因は「気の緩み」としか思えない。更なる精進を求める。

第十三試合 PREMIUM MATCH (STANDARD RULE)
○E:百瀬 善規(172cm/88kg/禅道会/禅道会空手) 美濃輪を苦しめた男
●G:近藤 有己(180cm/88kg/パンクラスism/ハイブリッドレスリング)
                              ファイティング・ジェントルマン
※両者共にグローブ、肘パット、膝パットあり
[ジャッジ判定 2−0]

「不動心」近藤は、この所はPANCRACE・GRABAKA勢を4試合連続の病院送り。
癒し系を標榜しているが、打撃に拘るそのファイト・スタイルは冷酷そのもの。
この試合の向こうに見えるのは、GRABAKA総大将の菊田か?PRIDEのリングか?

対する百瀬は、「美濃輪を苦しめた男」ではなく「美濃輪に勝った男」。
本当に、美濃輪に何もさせなかったそのファイトは、観ている者に「百瀬強し」を印象付けた。
これで極めっけなり、打撃なり、得意な攻めが出てくれば、
日本人の中でもかなり上位に行けるのでは?という期待も出てくる。
今日、近藤のプレミアムを奪って、美濃輪戦で勝ち得た評価を不動のものに出来るか?

試合開始、本格的な打撃は苦手そうな百瀬にローキック&ハイキックを見せる近藤。
しかし、百瀬は落ち着き払って組み付き、近藤からテイクダウンを奪う。

「百瀬、ゆっくりっ、ゆっくりっ、ゆっくりっ!」と叫ぶのは禅道会応援団。
出たぞ、出た出たっ!前回の美濃輪戦でも、
百瀬の応援で叫けばれていたのは「ゆっくりっ、ゆっくりっ、ゆっくりっ!」。
この単語、百瀬の攻め方のキーワードになりそうだな。

応援団の指示通り攻める百瀬は、
「ゆっくり」とインサイド、ハーフ、サイドとパスガードしていき、
この間、パンチを近藤の顔面にどかどかと落としていく。
じっくり時間を掛けての、柔道出身者の重厚な攻め。
総合の世界ではまだまだ新人だが、百瀬の攻めには貫禄がある。

腰の重い百瀬の攻めがかなり長い時間続いたが、
近藤はどうにか体制を崩して逃れ、今度はタックルで百瀬に突っ込んでいく。
このタックルを自ら組み付いて潰した百瀬はバックを奪う。
いや〜、やっぱり百瀬は強いね。攻めにも守りにも、重心の重さから来る安定感があるよ。
対する近藤も、あのグラウンドから良く逃げられたな。大したもんだ。

体勢崩れて両者スタンド。近藤、今度はパンチに活路を見出すが、
百瀬は接近して組み付き、再び近藤からテイクダウンを奪ってしまう。
インサイドから近藤をコントロールし、今度はグラウンドでバックを奪う。
立ち上がると、その体制のまま後ろへ投げ捨てた。
隣の兄ちゃんが「ジャっ、ジャーマンだっ!百瀬、強え〜っ!」と驚いていた。
更にグリップを外さずバックを取ったままコーナーに押し込むも、
百瀬はここから何も出来ず、結局は両者は再びスタンド状態へ。

ここまでは押されっぱなしの近藤だったが、いよいよ反撃開始。
スタンド状態は自分の庭、落ち着いてキックやパンチをヒットさせ、
起死回生の飛び膝蹴りを出すがこれは不発。
すかさず組み付きに行った百瀬だが、ここは近藤が逃れてスタンド状態をキープ、
今度はローキックの連打で百瀬を苦しめる。
嫌がった百瀬はタックルで突進するも、これは近藤にガブられて首を取られてしまう。
「ここからグラウンドか?」と思われたが、百瀬は腰の強さで立ち上がり、
そのまま首を引っこ抜いた。禅道会応援団の大歓声が会場に響く。

しかし、近藤は打撃でまだまだ攻勢をキープ。
パンチの連打で攻める近藤、ストレートが顔面にヒット。
百瀬の顔に、近藤の打撃を嫌う表情がありありと出ている。
さらには組んでから膝蹴り、テイクダウンを奪ってハーフガード、
この体勢から、近藤はいつものようにパンチを顔面へ叩き込んでいく。

打撃を嫌がる百瀬は、何とかこれを防ぐものの、
近藤は不意に百瀬の脚を取り、ヒール・ホールドを極める。
「ロック」のコールも掛かったが、これは9秒で外されてしまう。
そのまま体制は崩れて、ここで百瀬が反撃に出る。
グラウンドのままサイドからマウントを奪い、マウントパンチを落としていく。
ところが、近藤はこの体制をスイープ。
インサイドとなった近藤は、最後のあがきにパンチを落としていくが、
ここで試合終了のゴング。

判定は、個人的には「決めに繋がる積極的な攻めがあった近藤の勝ちかなぁ」と思っていたが、
実際には百瀬が2ポイントを上げ判定勝ち。会場には禅道会応援団による百瀬コール。

う〜ん、百瀬の勝ち…とはあまり思わないなぁ。
引き分けか、わずかに近藤の勝ちだと思うのだが。

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これにて全試合終了。
で、お楽しみの勝利者席の発表会。

そう、待っていた。僕はこの時を待っていたのだ。
僕が応援していたのはガーディアン側の選手、今日はガーディアン側の7勝2敗。
楽勝でしょうっ、圧勝でしょうっ、商品ゲットでしょうっ!

それにしても、何が入っているんでしょうなぁ?
まあ、この後、その商品のレポートもしますから、ご心配なく。

「…以上の結果、勝者、エクスプローラー!

 エクスプローラー側のお客さんは、
 チケットを持って商品交換所で商品を受け取ってください。

 ガーディアン側のお客さんは、お忘れ物のないよう、
 速やかに退場して下さい。」

へっ!?何でっ!?勝ったのはガーディアン側でしょ!?
何でよっ!?何でなんだよっ!?ふざけるなよっ!!
ふざけてるんじゃないよっ!!何しに来たと思っているんだっ!!
こんな大会、「ボッタクリ」だよ「ボッタクリ」っ!!

何かくれ!!!ムガーーーッ!!!!!!

※注:高倉は、この大会の選手の勝率により客席勝利が決まると思っていたが、 
   実際には一試合毎の客席の声援等で決まっていたようだ。

教訓:商品が欲しい人は、禅道会の応援団がつく方の客席を買いましょう。

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雑感:
会場からはとにかく、
「一般客をリピーターにしよう」
という雰囲気がヒシヒシと伝わってきました。

非常に凝った会場作りや、選手紹介映像、
パンフレットの無料配布等、結構、お金も掛かっていそうです。
また、リングに上がった格闘家達も、いずれ劣らぬ一級戦の選手達。
今後の運営次第では、非常に大きな大会になる予感もあります。

それだけに、観客の少なさが勿体無い。
今度は宣伝などにももっと力をいれて、
マニアよりも一般層にアピールすると良いのではないでしょうか。

個人的には、非常に良い興行だったと思います。

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以上、長文失礼

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