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格闘技会場案内

高倉です。
PANCRACEの観戦記です。

今回の興行は、ウェルター級王者決定トーナメントの1回戦の第2試合〜第4試合、
烏合会の矢野選手 vs MAキック王者佐藤選手、等、やや通好みなカードが揃いました。
が、僕はこれらのカードを見ても、最初はあまり観戦する気になれませんでした。

ひょんな事(文中参照)から、結局は観戦する事になったのですが、
チケット購入後に、追加カードとして陰の実力者・佐々木選手の出場、
前回興行では禅道会の百瀬選手に苦汁を舐めさせられた、
エースの一人・美濃輪選手の再出発試合が決まり、
これで僕自身のこの興行への注目度は俄然増しました。

ルールについては、現在のPRIDEを思い浮かべていただいて、
・4ポイント(四つん這い)状態の選手への、ヒザ攻撃は反則。
・基本的には1Rは5分間。2R又は3R制。
・体重分が細かい。したがって、体重差判定のようなものはない。
・膠着ブレイクが早い。
ような感じだと思ってください。

では、観戦記です。

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18:00
後楽園ホール横にある、
黄色いビル前ゲームセンター前にて、この掲示板の常連である「フク」さんと合流。
「フク」さん、相変わらず体は大きくて愛想が良い。
この人は万人に愛されるだろう、いや、愛すべきである。
こういう人に誘われてのPANCRACE観戦、「人財」とは良く言ったものだ。

実は、今回のPANCRACEは、僕は観戦するつもりは全然なかったのだ。
最初のカード発表時のメインは、鈴木のキャッチ戦、5分1R。
誰が好き好んで、現在のPANCRACEの主流から遠くはかけ離れたこのカードを、
メインとしてマッチメイクした興行を観に行くというのか?
それに、菊田、郷野、近藤、美濃輪といった「PANCRACE四天王」を始め、
佐々木、石川、石井という「PANCRACE注目株」すら、
最初の発表では1人も出ていないというカード編成。
確かに、ヤノタク vs 魔人・佐藤あたりは僕も気にはなったが、
どうしてもチケットに手を伸ばすほどの食指はそそられなかった。

そんな僕を、今回の興行に誘ってくれたのは「フク」さんだ。
「今日の第4試合に出場する『岩崎』って、僕の友達の友達なんですよ。
 一緒に応援しに行きませんか!?」
「ほほぅっ、面白い!!それなら、一丁、応援しますかぁ!」
と二つ返事でOK。晴れて、今日の観戦となった訳だ。

一度腹が決まると、事態は意外に好転するもの。気に入らなかったカードも変更。
鈴木のメインは中止になり、代わりに人気者の美濃輪と実力者の佐々木が出場、俄然面白くなった。
何だよ、最初からこのカード編成であれば、迷わずチケットを買ったのに。
でも、密かにプレミアム・チャレンジで気に入ったRJWの芹沢の欠場はちょっと残念だ。

18:15
…遅い。来ない。
来る気配もない。

実は、今日はもう1人、
この掲示板でもおなじみ「斑牛の伊達」さんとも待ち合わせをしていたのだが、
どんなに待っても、いつまで経っても現れないのだ。

流石に、試合開始15分前になっても来ないとなると色々不安になってくる。
平日興行と言えど、人気の高いPANCRACE。
立見席の身分としては、この時間に外にいるのは心細い。
結局、「フク」さんを促し会場入り。

実はこの時「斑牛の伊達」さんは、
後楽園敷地内の別のゲームセンター前で、
僕達の事を「遅いなぁ」と待っていたそうな。あらら。

18:30
3000円の立見席にて会場入り。
既に会場内では「パンクラスゲート」の試合が行われていた。

幸い、平日興行と言う事もあり、この時間でも立見席は空いていた。
はぁ、助かった。今日はゆっくり観戦出来るぞ。
「フク」さんに、僕がメモ中の時の試合の状況を解説してもらいつつ観戦開始。

ありがとう、「フク」さん。あんた、良い人だぁ〜っ!

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第1試合 ヘビー級 5分2R
○ジェイソン ゴドシー(アメリカ/I.F.アカデミー:188cm:106k)
●多田尾 秀樹(RJW/CENTRAL:183cm:98kg)
[1R 1分37秒 チョークスリーパー]

ゴドシーの復帰戦は一方的展開に。

軽い打撃戦から始まったこの試合、
組み合ってからゴドシーはテイクダウンを奪い、
そのままあっさりサイドポジションへ移行。
一度多田尾にガードポジションを取られるも、
オープンガードを掻い潜り、再びサイドポジションを奪ったゴドシーはそのままマウントへ。
上から落とされるパンチを嫌がる多田尾が背を向けると、そのままスリーパー。
これが綺麗に決まって試合終了。

ゴドシーがどうのこうのって言うよりは、多田尾が何も出来なかった印象。
ちょっと体格差があったかな?

第2試合 初代ウェルター級王者決定トーナメント一回戦 5分2R
○長岡 弘樹(ロデオ・スタイル:170cm:80kg)
●太田 洋平(A3:183cm:78kg)
[判定 3−0]

「太田はこの階級でやるにはちょっと細いなぁ。パワー負けちゃうぞぉ」
なんて話を「フク」さんとしながら観ていたら、本当にその通りになった。

1R、コーナーで組み合う両者。
コーナー際で体制を入れ替えたり、投げを打ち合ったりするも決まらない。
ずうっとコーナーで組み合ったままの両者。至近距離からの打撃がわずかにあるだけ。
膠着だ。残り時間も少なくなったところで長岡がテイクダウンを奪ったが、
猪木アリからのキックが目立ったくらいで、有効な攻撃もなくゴングを迎えた。

2R、やはりコーナーで組み合う両者。
長岡が別コーナーまで運んでいったりもしたが、やはり膠着。
と、ここで長岡がテイクダウンを奪った。
インサイドガードから、上半身を起こして打撃を入れる長岡。
太田は隙をみて立ちあがったが、立ち上がり際に顔面キックを食らってしまう。
再びコーナー際で組み合う両者。長岡、今度はバックを奪ってテイクダウン。
そのまま、後ろから太田にパンチを落とす。太田はここから何とか立ちあがったが、
慌てて打撃に行ってしまい、長岡にカウンターのタックルをモロに決められる。
必死にガードポジションから逃げようとしたものの、長岡は最後まで逃がさずにパンチを落とした。

この2Rでポイント差が付き、判定は3−0で長岡。
懐に飛び込まれるとどうしてもパワー負けする太田の姿が印象に残った。

第3試合 初代ウェルター級王者決定トーナメント一回戦 5分2R
○大石幸史(パンクラスism:171cm:75kg)
●割田佳充(チームPOD:167cm:72kg)
[判定 2−0]

「フク」さん、思い出したよ、割田の事。
この人、プレミアム・チャレンジに出場して、
RINGSでお馴染み小谷の師匠格である加藤に大逆転勝利した人だよ。
対する大石は、ツリパン姿通りのアマレスタイプのファイター。

1R、打撃戦から大石は得意のタックル。
割田も下から首を取るもののすっぽ抜ける。
ここからあっさりとサイドポジションを奪う大石。
割田、今度は下から腕を取るも、やはり逃がしてしまう。
今度はオープンガード、大石は足を取って極めにかかるがバランスを失ってしまい、
逆に割田に足を取られる。しかし、割田はこの足にこだわらず、亀になった大石の上になる。
割田は打撃を加えたが、大石はこの体制から立ちあがる。
スタンドでバックを奪った形になった割田ではあったが、大石は体を向きなおしてしまった。

そのまま両者コーナー際で組み合っていたが、大石はここでテイクダウン。
一度目は逃げられてスタンドになったが、
二度目の時は、インサイドガードから上半身を起こしてパンチを落としていく。
しつこくパンチを落とすが有効打にならず、ゴング。

2R、1R開始時と同じく打撃戦から、大石はタックルでテイクダウンを奪う。
サイドポジションを奪うも、割田は体を横にして防御。お構えなしに殴る大石。

この体制、かなり長い時間変わらなかったのだが、
この時、何故か割田の背中には大量の赤い筋が流れていた。
「何だろうねぇ、アレ?」と「フク」さんと話していたが、
試合はドクターによって一時中断。背中の血の正体は、上になっている大石の血だったのだ。
恐らく、2R開始早々の打撃戦で出たものだろう。続行が危ぶまれたが、ひとまず試合再開。

大石、再開直後から割田に片足から胴へ移行する変則タックルでテイクダウン。
インサイドガードになるも、割田も下から首を取っている。
これを抜いた大石、上半身を起こしてのパンチ連打。
割田はグラウンドのまま逃げるも、アマレスがベースにある大石はこれを逃がさない。
結局大石は、試合終了までこの体制のままパンチで殴り続けた。

2Rでの攻勢が評価され、判定は2−0で大石。

第4試合 初代ウェルター級王者決定トーナメント一回戦 5分2R
○國奥 麒樹真(パンクラスism/ミドル級王者:174cm:79.3kg)
●岩崎 英明(ストライプル:172cm:73kg)
[判定 3−0]

僕達が応援するまでもなく、岩崎には大声援が起きてました。
今日は、ストライプル関係者も多く詰め掛けていたのかな?

さて、我々二人にとってのメインイベントは、残念ながら一方的な展開に。

1R、打撃戦から組み合い、コーナー際へ移動していく両者。
オイオイ、今日はこういう展開が多すぎるよ。
國奥が足を刈ろうとするのだが、岩崎は粘っている。
長い時間、この状態が続いたが、國奥は投げを打ってテイクダウンを奪う。
これを岩崎はクロスガードで防いでいた、長い時間防いでいた。本当に長い。
おかげで、試合はすっかり膠着。僅かに、國奥が上からコツコツとパンチを落とすのみ。
しかし、試合時間も残り20秒になった時、國奥がハーフガードになった。
この体制からガツガツとパンチを落としたが、ここでゴング。

2R、またまたコーナーで組み合う両者。
ここから國奥は足を刈ってテイクダウン、
ハーフガードの体制から、コツコツと打撃を落とす。
これをガードポジションの状態へ戻した岩崎、
下から逆転の三角締めを狙うも失敗。両者はスタンド状態へ。

再び組み合う両者だったが、國奥は又してもテイクダウン。
ハーフガードを奪い足を取りに行ったが、ここで岩崎が逆転。
体制を入れ替えて、逆にインサイドガード。
今日始めて上になった岩崎に、応援団の、そして僕と「フク」さんの歓声が起こる。
岩崎は上からのパンチ、離れての猪木アリ状態からのローキックと、
残り少ない時間を利用して攻撃したものの、試合終了。
判定は3−0で國奥が勝利。

それにしても、このトーナメントはイマイチな試合が続くなぁ。

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10分の休憩の後、近藤がリング上に。7月28日の後楽園興行のメインにて、
プレミアム・チャレンジで敗れた禅道会の百瀬との再戦が決定した事を報告。

おっ、これは観たいね!
あの試合は百瀬も近藤も良かったからなぁ。

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第5試合 ライト級 5分3R
●佐藤 堅一(士道館ジム/MAウェルター級王者:172cm:68.9kg)
○矢野 卓見(烏合会:171cm:65kg)
[2R 55秒 三角絞め]

この所は、あまりパッとした試合内容のないヤノタク先生、
本日の相手は、MAキックの魔人・佐藤。
打撃のスペシャリストとの対戦、DEEPでのランバー戦の二の舞にならなければ良いのだが…。

ヤノタク入場時に掛かるのは、いつものように「骨法のテーマ」。
「フク」さんはこれが聴くのが始めてらしく、大爆笑している。
確か、このテーマってシングルCDにもなっていたような…。

1R、ヤノタクは自ら佐藤に組み付き、ヘッドロックに捕らえる。
…イヤ、マジなんだって!本当にプロレスで言う所のヘッドロックなの!
その体制のままコーナーへと持ちこんでいったヤノタク。
ここで佐藤は後ろからヤノタクの細い腿へ膝を突き立てる。
ヤノタクはこれを嫌がり、前に組替えなおした。

コーナーで組み合う両者、
ここでヤノタクにテイクダウンを奪われないように、
佐藤が両手をロープにフックする。
これに対して、コーナーを背にしたヤノタク、
佐藤の首を捕らえて、そのままぶら下がってしまった。
その間抜けな姿に会場爆笑。この人の試合には笑いが絶えない。
そして、この体制が長い時間続いてしまった。ここから、何の展開があると言うのか?
レフェリーがブレイクする。遅いよ。

両者スタンド、組み付くヤノタクをかわした佐藤は、打撃を入れるべく逆に近づく。
これは自ら寝転がってかわしたが、佐藤はグラウンドのヤノタクを蹴り始める。
ヤノタクはいつものようにタイミングを見て立ちあがり、
出ました、ブルース・リー風の半身の構え。ここからサイドキックやら浴びせ蹴りを出す。
相変わらず、この人の打撃はのらりくらり、会場はヤンヤの歓声。
とりあえず、試合はここでゴング。
「フク」さんも、すっかりヤノタクが好きになっている様子。
そうなのよ、最初はこれで良いんだけど、最近はここからが苦しいんだよねぇ…。

何て思いながら迎えた2R、ヤノタクの全然鋭くないソバットが炸裂したが、
佐藤はこれを無視してヤノタクにストレートパンチだ。
これがクリーンヒットし、よろめくヤノタクにさらに打撃を加えようと接近する佐藤。
両者もつれて、グラウンドへ。

その時!下になっているヤノタクの三角絞めが極まったのだ!
この早業には、観客から驚きの大歓声が起きる。
これですよ!これこそ、長らく見ていなかった「東洋の神秘」の早業ですよ!
長い間耐えていた佐藤ではあったが、結局タップ。
大歓声の中、ヤノタク、久々のスッキリ白星だ!

いや〜っ、こういうヤノタクが観たかったんだよねぇ!

セミファイナル ライトヘビー級 5分3R
○佐々木 有生(パンクラスGRABAKA/3位:182cm:85kg)
●ジョン グローバー(アメリカ/I.F.アカデミー:185.5cm:84kg)
[2R 1分19秒 腕ひしぎ十字固め]

実は陰の実力者、実は陰の人気者、佐々木の登場。
この選手が出場する時は、何故かISMファンも佐々木を応援するのだ。
う〜ん、人気の秘密は、見た目の良さかなぁ。
今日の相手は、UFCでファビアノ・イハから一本勝ちも奪っている強豪。
この試合が、本日の「陰のメイン・イベント」かも知れない。

1R、いきなり牽制のハイキックを出すジョン。
おおっ、これまでの試合とは何かが違うぞ。
本格的な打撃が出たのは、今日はこれが始めてか?
さらに、コンビネーションからのハイキックを繰り出すジョン。
これを掻い潜って組み合う両者、佐々木はここからテイクダウン。上手い。
ここからアッサリとサイドポジションを奪った佐々木は、更にマウントも奪った。
「な〜んだ、打撃はイケるがグラウンドはダメなのかな?」
と思っていたら、ジョンは潜り込んだ佐々木を下から肩固めに捉えた!?
そしてこの体制からスイープ、インサイドガードで上になる!?
しかし、この体制からジョンは自ら立ちあがり、佐々木にスタンドを促す挑発。
客席からは歓声が起きる。佐々木の今日の相手は強敵だ。

試合は両者の打撃戦に、ここで優位に立ったのはなんと佐々木だ。
接近戦からパンチのラッシュを仕掛け、ジョンからダウンを奪った。
すかさず潜り込む佐々木、またまたサイドポジションを奪い、
腕を取ってチキンウィングを極めにかかる。
これがダメと見るや、今度は逆十字へ移行するが、これまた失敗。
両者スタンドになるが、やはりパンチで押してしまう佐々木。
1Rはこれで終了。ひょっとして佐々木って、僕が思っているよりもまだまだ強いのか!?

2R、片足タックルでテイクダウンを奪った佐々木は、
ポジションをサイド、マウントとまたまたスイスイと移行、
ここでパンチを連打した後に、逆十字へ移行。
大歓声の中、この逆十字がガッチリ極まってジョンはタップ。
大歓声は、更に大歓声になった!

いや〜っ、実はパンクラスから一番飛び出して行く選手はこの人かも!?
年齢的にもこれからの人なので、この人にはもっと注目して欲しいですね。

メインイベント ライトヘビー級(-90kg) 5分3R
●美濃輪育久(パンクラスism/2位:175cm:83kg)
○佐藤光芳(パンクラスGRABAKA/4位:180cm:89kg)
[判定 0−2]

前回のPANCRACEでは、百瀬に負けてしまい(試合結果はドローだが、試合内容は完敗)、
その爆勝ロード(古い表現だな)にブレーキが掛かってしまった美濃輪。
この一戦に、観客は単純な勝利だけではなく「美濃輪らしい勝利」を求めていただろう。
かく言う僕も、そういった勝利を彼に求めていた。だが…。

今日の美濃輪の登場はド派手。
新テーマ曲が会場中に響き渡る…、というよりは、
スピーカーも割れんばかり、耳も塞ぎたくなる程の超大音量で「がなりひびく」中、
美濃輪は南口観客席から、客にもみくちゃにされながらも走って入場していった。
観客の度肝を抜く演出に、会場は騒然とする。

試合開始。
1R、打撃を繰り出す美濃輪を、佐藤は組み付いてテイクダウン。
しかし、いつものように美濃輪は下から横になって腕を取る。これは美濃輪の得意な体制。
そんな美濃輪に対して、佐藤はパンチを当てつつポジションをサイドへ移行する。

その不意を付いて、体を回転させた美濃輪は足を取って裏十字を極めにかかる。
客席からは歓声が起こる。一瞬極まりかけたが、
佐藤はこの足を抜き逆にグラウンドで上になり首を取る。
この首を難なく抜いた美濃輪は再び下から腕を取るも、佐藤にバックを許してしまう。
が、こういう体制になっても、美濃輪の試合には信頼感がある。
立ちあがってコーナーへ体を持っていくと、逆にバックを奪う。

体制はもつれて、グラウンドで佐藤が上になり、再びサイドを奪っている。
美濃輪は下から横入り式の三角絞めで対抗するが極まらない。
佐藤はこれを外して美濃輪を亀にしてのガブリ状態へ。
しかし、ここで美濃輪の無謀ファイト魂が。
この体制から、佐藤の腰を掴んで持ち上げようとする。
いつもなら持ち上がって、観客が大歓声を送るのだが、今日は失敗。
体制が崩れて、佐藤はインサイドガードを奪いパンチを落とし、立ちあがってローキック。
その足を取って再び足関節を狙った美濃輪だが、これまた失敗。
立ち上がった瞬間には佐藤のタックルが来たが、これを切っているうちにゴング。

2R、ローキックを打っていくのは美濃輪、
組み付いて倒しに来た佐藤には顔面キックを放つも、
踏ん張りが効かずにテイクダウンを奪われた。

佐藤はグラウンドでバックからサイドポジションを奪う、
美濃輪は相変わらず下からの腕取りにこだわる。
佐藤はこの腕を抜いてフロントのサイドポジションを奪うも、体制は崩れて両者スタンド。
組み合ってコーナーに押し込んだ佐藤、ショートレンジからパンチを放ち、
バックを奪ってテイクダウン、試合は再びグラウンドへ。

インサイドガードになった佐藤、美濃輪にクロスガードを取られたりと粘られたが、
なんとかパスガード。サイドポジション、上四方とポジションを移行、打撃を落とす。
美濃輪は逃れようともがいたが、佐藤はこれを完全にコントロール。
佐藤はポジション取りや崩しで、完全に美濃輪を圧倒している。
観客からは「美濃輪、負けてるぞ!」という野次が飛ぶ。

長い間、優位な体制を保っていた佐藤だが、
美濃輪は不意に体を回転させての足取りを見せた。
これがドンピシャに決まり、佐藤の足を膝十字に捕らえる。
客席からは「美濃輪らしい逆転劇」を期待しての大歓声が起きたが、
佐藤はなんとかこの足を抜いてしまい、逆にインサイドガードを奪う。
これも下からの逆十字狙いで切り返そうとする美濃輪だったが、
これが失敗したところでゴング。
「美濃輪、負けてるぞ!」の野次はさらに大きくなる。

3R、組み合う両者、足をすくって佐藤がテイクダウン。
ハーフガード、バックとポジションを移行しつつ、打撃を落としていった佐藤だが、
美濃輪は体を動かしてバックを取られたまま上になり、体を反転させてインサイドガードになる。
今までの試合内容だけでは美濃輪は判定で負けてしまう事を知っている観客は、
この有利な体制に大歓声で答える。
ここから美濃輪は、パスガードすべく必死になるが、佐藤のガードは固い。
今度は美濃輪、半身を起こしてのパンチを落としていくが、佐藤はこれにも良く対応。
インサイドガードという優位な体制を奪いながらも、美濃輪はやる事が全て封じられている。

もう時間がない!この体制から、低いガードポジション・スパインバスターが2回決ったものの、
こんな攻撃ではダメージにはならない。最後の望みを掛けた足取りも…失敗。
寝ている美濃輪に佐藤がローキックを落としたところで、試合終了。

実は、僕はこの時、嫌な予感がしていた。
「美濃輪には優位な判定を付けがちなPANCRACEなら、ひょっとして、ドロー裁定になるかも」と。
ところが、判定は2−0で、無事佐藤の勝利。
う〜ん、意外だ。百瀬戦ではあんなに美濃輪有利な点を付けたのに。
観客は、がっかりしながらも納得の拍手を佐藤に送る。

そして佐藤がマイクを持ったぞ!GRABAKA得意の憎まれ口か!?

「俺が負けると思っていた奴!

 ・・・。

 俺も思っていたっ!」

観客がドッと受ける。

さて、今回の美濃輪の敗北の意味は、前回以上に重いと思う。

前回の百瀬戦は「『美濃輪らしさ』を全て封じ込めた百瀬、強し」の印象が深いのだが、
今回の敗北は「『美濃輪らしさ』を出しながら、それが勝ちに結びつかなかった」
というのが正直な感想だからだ。

自分のワールドを発揮しながらの敗北が意味するもの。
「GRABAKAには、もう美濃輪攻略法が完成しているのではないか?
 美濃輪はこのリングで勝てなくなるのでは?」
そう思えて仕方がない。

美濃輪に今必要なのは、勝つことに徹する気持ちではないだろうか?

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雑感:
個人的には、前半戦と後半戦のレベルの差が気になった興行でした。
特に前半戦は、観戦記のテンポの妨げになるので書きませんでしたが、
コーナー際での膠着や、ドント・ムーブになる場面が多く、
今までのPANCRACEに比べると、テンポの悪さが気になりました。

もっと言わせてもらうと、
以前は早かった膠着ブレイクへの基準が今回はやや遅かった気がします。
PANCRACEの試合のテンポの良さは興行の売りの一つだと思うので、
その辺はちょっと気をつけて欲しいです。

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20:45

「フク」さんと共に、「斑牛の伊達」さんとも無事合流。
水道橋の隠れた名店『かつ吉』にて食事会。
色々、お仕事の話をする。楽しかったが、詳細は内緒。

お二人とも、昨日はお疲れ様でした。

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以上、長文失礼。

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