TOP PAGE  日本語版表紙  格闘技会場案内

大道塾「WARS」

お疲れさんです、高倉仮面です。

前回送ったTHE BESTと日付が前後しますが、
7/17に大道塾を観戦して来ました。

大道塾とは何ぞや・・・というのは、観戦記の内容を見て下さい。

この団体は、UFCよりも先に「総合」の概念を取り入れており、
日本の総合格闘技界を語る上では、外せない団体なのです。

という訳で、早速、観戦記です。

---

19:00
後楽園ホール到着。
今日は思いの他、仕事が早く終わったので、
前から一度観戦したかった「THE WARS」を観戦する。

大道塾は、1981年、極真空手で輝かしい実績を残した東孝師範が、
「安全性・実戦性・大衆性を備えた格闘空手」として創立した道場。
しかし、大道塾の空手はただの空手ではない。
何故なら大道塾には、従来の空手にはない「投げ」や「関節技」の概念があるからだ。

以下、大道塾HP(http://www.daidojuku.com/f.html)より引用

---

世間一般において『空手とは突き蹴り(のみ)の武道である』との認識が強い。
しかし本来の人間の闘争(護身)の場では、所謂『何でもあり』が当たり前であり、
元々の古武術ではそのような技があったが、
現代武道が高度に専門分化されていく課程において、
それらの技は失伝若しくは形骸化してしまった。

大道塾では近代空手道の打撃技をベースに、投げや逆もその技術体系に取り入れて、
現実の闘争(護身)の場で真に有効な実戦性のある空手を探求している。

しかし、大道塾の「空手」は、誤解、曲解された事もあった。
そこで大道塾では「柔道」における「柔(やわら)」のような、
自らのルーツを語る為の表現として、
「空手道」あるいは「格闘空手」という言葉は残しながら、
その一方で、自らのアイデンティティ、オリジナリティを示す為、
オフィシャルな名前を新たに作ることにした。

その名前を「空道」と呼ぶ。

「空道」の「空」には、「空手道を元に発展派生した新たな武道」という意味、
そしてまた仏法における「色即是空、空即是色」から来る哲学が表現されている。

---

思えば、世に「なんでもあり(≠総合格闘技)の大会」としてUFCが誕生した時、
日本で真っ先にこの大会に食らいついたのはプロレス団体ではなくこの大道塾だった。

後にPANCRACEやUFCやPRIDEで活躍するセーム シュルト選手を排出する事になる、
大道塾の「北斗旗」、その1990年度無差別の優勝者である市原 海樹選手は、
他の団体が「格闘世界一決定戦」であるUFCの誕生にダンマリを決め込む中、
UFC史上最も凄惨な大会となった第二回大会に出場。
一回戦で当たったのは、あのホイス・グレイシー。

結果は惨敗。
市原は一発のパンチを当てる事なく三角絞めの前に敗れ去ったのだ。
この大会を機に市原は表舞台に立たなくなってしまったが、
大道塾はこれを機にルール内にマウントの概念を導入したりと、
市原の敗北を無駄にはせず、さらに「空道」を極めるべく精進する。

そして「THE WARS」は、「空道」や格闘空手の可能性と適応力を実験する大会である。
3年ぶり、6回目の開催となった今回の「THE WARS」は、
フランスの「天下一武道会」こと「ゴールデン・トロフィー」との対抗戦。
いち早く「総合格闘技」というジャンルに手を染めた団体としては、
後進団体には負けたくないところだ。
(ちなみにゴールデン・トロフィーは、
 ドラゴン・ボールの「天下一武道会」がモデルになっているらしい)



・・・ってな訳で、能書きはこの辺にして早速チケットを購入。
へっ、2000円?!これは安い!素晴らしい!

19:05
パンフレット500円を購入し、会場入り。
これまた安い。

会場の入りは4割〜5割。その殆どは関係者なのだろう。
まあ、あんまり宣伝はなかったし、あんまり営利目的っぽくない大会だから、
多分、これでも良いんでしょう、選手も殆ど仕事持ちの人だしね。

それにしても、会場の作りがいつもの格闘技団体とは違う。
試合はリングではなく試合場。コーナーもロープもなく、四隅には四人の副審。
なるほど、中央にいる人はレフリー・・・ではなく主審と呼ぶべきだな。
そして選手が入場してきたが、「ゴールデン・トロフィー」系の選手は全員赤い空手着を着用。
対する日本人側は全員白い空手着を着用していた。
今日は空手の大会を観に来たんだなぁ・・・としみじみ実感。

ちなみに、会場へは多少遅刻した為に、試合は既に第四試合。
ちょっと残念に思いつつ観戦開始。

---

「THE WARS」のルール
・空手着の着用は義務。
・オープンフィンガー・グローブはトロフィー側が準備したものを着用。
・6秒以上のダウン、10秒未満の一方的加撃でKOとする。
・以下の攻撃にはポイントが与えられる。
 ・5P=3秒以上6秒未満のダウン、6秒以上10秒以内の一方的加撃
 ・3P=3秒未満のダウン、3秒以上6秒未満の一方的加撃
 ・1P=腰が落ちる、屈む、足を引きずる、よろめく、鮮やかな投げ。
・規定ラウンド以内に決着のない場合は引き分け。
 ここで言う「決着」は、KO・ギブアップ・TKO・ポイント差・失格。
・グラウンドでの打撃は一切なし。
・肘うちは例外を除いてなし。頭突きもなし。
・有効な絞め技は「裸締め・十字締め・送り襟締め・片羽締め・三角締め」の5種類。
・有効な関節技は「各種腕絡み・膝十字固め・アキレス腱固め」。
・選手が場外に出た場合は「待て」となり、両者中央に戻って試合再開。
・寝技は、3分3Rの場合は1Rにつき30秒間×2回、
 5分+3分による2R制の場合は、1Rは30秒間×3回、2Rは30秒×2回とする。
 また、回数制限外の寝技は許されず、グラウンドの状態になった時点で「待て」が掛かる。

「北斗旗」のルール
上記ルールに、以下のルールを足す。
・顔面にはスーパーセーフを着用する。
・肘うちあり。
・試合は3分2R、延長1Rあり。グラウンドは1Rにつき30秒×2回まで。
・グラウンド状態での打撃は有効。
・グラウンドで有効な関節技
 裸締め・十字締め・送り襟締め・片羽締め・三角締め・腕ひしぎ十字固め・
 腕ひしぎ膝固め・腕ひしぎ脇固め・腕ひしぎ腕固め・腕がらみ・膝十字固め・アキレス腱固め

---

第四試合 グラントロフィー対抗戦 WARSルール -70kg契約 5分1R+3分1R
△八隅 孝平(169cm:70kg:パレストラ東京/修斗ウェルター級)
△ディディエ リュッツ(178cm:71kg:パンザ・アンドレ)
[判定 0−0]

1R、白い空手着の八隅も、赤い空手着のディディエも、
一度は相手を倒してグラウンドになるが、
お互いに決め手に欠き、グラウンド30秒ルールに逃げられる。
このラウンドの最後のグラウンドは、八隅の出した前蹴りをキャッチしたディティエが、
八隅を倒して上になり、サンビストらしく足を取って脚関節を極めに来るも、
八隅もこれを極めさせず逆にインサイド・ガード、このまま時間が過ぎて30秒。

ここからはグラウンドはなし。お互い、ポイントを奪うべく打撃を繰り出す。
ディティエが前蹴りを出せば、これをキャッチして八隅が倒す。
ディティエが得意のハイキックを出せば、ムエタイにも挑戦経験のある八隅はミドルで対抗。
ディティエがローキックから組みつき、
ボディに膝をめり込ませれば、八隅はこれを投げてしまう。
この後も、ディティエのソバット、八隅の打撃やタックルが飛び出したが、
有効打のないまま1Rは終了。

2R、組みついてきた八隅を裁いてディティエはテイクダウン、
ハーフガードを奪うが、30秒。

ここから八隅は打撃で攻める。ミドルキック、ストレート2発をヒットさせたが、
これにはディティエからキツいローキックのお返しが。
しかしながら、さらに打撃にこだわった八隅のストレートがディティエにクリーンヒット。
グラ付くディティエだったが、八隅にストレートとローキックのお返し。

攻めきれない八隅は、
組み付いて足を刈りテイクダウンを奪うもディティエに逆転される、ここは「待て」。
尚も八隅はタックルで組みつくも、サンビスト・ディティエはこれを裁いて八隅を亀の状態へ。
グラウンド顔面打撃なしルールなので、ここから亀をこじ開けて攻めるしかないディティエは、
どうにかインサイド・ガードを奪うも、ここで試合終了。ポイント差なし、ドロー。

この二人なら、グラウンドは無制限の方が良かっただろうなぁ。

第五試合 北斗旗ルール 3分2R
○伊賀 泰司郎(164cm:65kg:大道塾関西本部)
●佐藤 繁樹(166.5cm:63.4kg:大道塾東北本部)
[1R 45秒 一本勝ち]

赤いスーパーセーフの佐藤の入場曲がジグソーの「スカイ・ハイ」。
これだけで結構ヤラれたのだが、
白いスーパーセーフの伊賀の入場曲はジェームス・ブラウンの「セックス・マシーン」。
かなりヤラれた。この曲は名曲だ。

日本人同士の対戦は、セーフの色は違えど、
空手着の色は両者共に白。やはり胴着は白が良いね。
試合前には両選手が3方へ礼。おお、まさに空手の試合だ。

試合開始、佐藤は下段蹴りで牽制するが、伊賀は組みついていく。
しかし、佐藤はこれを逆にテイクダウン、インサイド・ガードを取る。

ところが、である。

この時、上から胴着を掴んで押さえ込んでしまった佐藤。
これで伊賀の胴着が解けてしまい、それでも佐藤は伊賀の胴着を掴み続けた為に、
体が自由になった伊賀の攻撃を逆に一方的に食らうことになる。
ガード・ポジションで下にいるまま、胴着から半身を上にずらした伊賀は、
ここから下からの逆十字狙い、下からの突き&膝攻撃の連打、さらに下から腕を極める。
ここは30秒ルールでブレイクになったが、
上になりながらもこれらの攻撃を一方的に受けた佐藤は肩を脱臼し、なんと試合終了。

成程ねぇ、胴着があるとこんな事もあるのね、目からウロコです。

第六試合 グラントロフィー対抗戦 WARSルール+肘あり -70kg契約 5分1R+3分1R
△飯村 健一(172cm:70kg:大道塾吉祥寺支部)
△ファド エズベリ(176cm:70kg:パンザ・アンドレ)
[判定 0−0]

この試合だけ肘ありです。肘あり、大好きです。

1R、赤い空手着のファドは、
フランスのキック界で四度世界王者に輝いた得意の打撃で攻める。
ストレートとローキックのコンビネーション、鋭いハイキック、
重いミドルキック、ストレートを放って再びハイキック。
これらの攻撃に、白い空手着の飯村は防戦一方、場外に足が出て「待て」が掛かっても、
ファドは尚も飯村を攻めつづける。

両者中央から試合再開、ここで一旦ファドは飯村との距離を開けて間合いを取り、
周り込んで様子を伺っていたが、ここでハプニングが。
間合いを開けすぎたファドが試合場の端に気づかずにさらに後に下がったため、
場外にもんどり打って倒れてしまったのだ。しかも、ほとんど何にも受身を取らずに。
危ないなぁ、後楽園の北口の客席は木製のヒナ段だから、頭打つとメチャメチャ危険だよ。
観る側が気持ち良くなるほどに思いっきりコケていたファドに、
会場は笑いも起きない程に騒然としたが、約3分の後ファドは回復、試合は再開。
良かった、これで試合終了なんてシャレにならんよ。

試合再開、ここで飯村が出た、ファドも応戦して乱打戦に。
お互いに大振りなパンチとキックを連打するが、押していたのはファドか。
一回の「場外、待て」を挟んで、
ファドはローキックからストレートのコンビネーションを出せば、
飯村も単発ながら重い中段蹴りを2発ヒットさせる。1Rはここで終了。ポイント差なし。

2R、又しても序盤からファドの打撃が冴える。
ミドルキックからストレート、ソバット、
パンチ・肘・ローキックと繋ぐコンビネーション、さらにソバット。
飯村は下段蹴りで対抗するが、これに対してファドはノーガードで挑発。
これに怒った飯村、接近して肘一閃。押され気味の飯村が意地の一撃、場内から歓声が。
ファドがミドルキックから組みつくと、今度はお互い膝の入れ合いに。
「待て」の後、ファドがストレート&ローキックを出せば、飯村は中段と下段の蹴りで対抗。
再び両者が組みつくと、今度は肘の入れ合いに。

飯村の怒りが試合をシーソーゲームにしたが、ここで両者に疲れの色が見え始める。
しかしながら、ここまで試合を優勢に進めているファドはストレート&ローキック、
ハイキックと繰り出し、組みついて飯村をテイクダウン。
そしてマウントを奪い逆十字の体制へ。
飯村、絶体絶命だったが、ここは半身を起こして逃れて、逆にインサイド・ガード。
ここで2R終了、飯村に再び歓声が起こる。ここまでもポイント差はなし。

3R、やはりファドのペース。
前蹴りからバックに回り飯村がを崩すが、ここは「待て」。
まだまだ攻勢、ミドルキック連打から、
膝攻撃、得意のストレート&ローキック、飯村押され気味で「場外、待て」。
尚も攻勢、ストレート、前蹴り、飯村が下段蹴り、しかしミドルキック、膝。
一方的展開、飯村の疲労度がさらに増す。
飯村はストレートを返すが、ファドは膝、ミドルキック。
飯村がローキックを返すが、ファドは肘、膝・・・、ここで試合終了。

手数は圧倒的に多かったファドではあったが、結局は有効打がなく試合はドローに。
ファドはこの判定が不満だったらしく、夢枕獏が手渡した参加賞を蹴り飛ばしていた。

第八試合 グラントロフィー対抗戦 WARSルール -87kg契約 3分3R
○藤松 泰通(178cm:87kg:大道塾総本部)
●デニス フランソワ(183cm:86kg:パンザ・アンドレ)
[判定 1−0]

1R、試合開始早々、
いきなり白い空手着の藤松の右フックが、赤い空手着のデニスの顔面にモロにヒット!
これで足に来てしまっているデニス、この攻撃には藤松に1P。
秒殺ムードが高まる会場から歓声が起こり、
この隙に乗じて藤松はデニスに組みつきテイクダウン、
マウントを取るが、30秒ルールに逃げられる。

今度はデニスがハイキックを披露、両者組みつき、再び藤松がテイクダウン。
マウントから逆十字をを極めに掛かるが、これをデニスが返してしまう、
逆転して上になるデニス、下から腕を極めにかかる藤松だったが、
ここは崩れて両者組みスタンド、藤松は鮮やかな払い腰から袈裟固め、
さらにはマウントを奪う。しかし、やはり30秒ルールに逃げられ、ここで1R終了。
デニスが意外に粘っているのか、藤松が決め手に欠けるのか。

2R、両者、間合いを開ける。中々打ち合わなかったが、
藤松は下段蹴りから組みつく、ここはデニスの方が引き込んでグラウンドへ。
藤松がインサイド・ガードになったが、
デニスは藤松の両腕を閂に極めた上にクロス・ガード。
ガチガチの展開のまま30秒。

藤松は下段蹴りからのフックで攻めたてるが、
デニスはバックを奪って藤松をテイクダウン。
グラウンドになるが、特に展開なく30秒経過。

ここからはグラウンドはなし、藤松は大振りな突きの連打でデニスを攻めたてる。
この攻撃でデニスは圧力で思わず倒れてしまった。
再開後、さらに藤松が下段蹴り一発入れたところで2R終了。
デニスの表情には疲れの色が見える。

3R、お互いのローキックvs下段蹴りからスタート、
藤松は組みつき大外刈りから袈裟固めの体制、しかしながら30秒。
ここでデニスが反撃、パンチとハイキックをヒットさせるも、
一度傾いたペースは簡単には覆らない。藤松は逆に重い下段蹴りを一発浴びせた。
デニスは組みついて行き、何とか藤松をテイクダウンするも、やはり30秒ルールに逃げられる。
終盤には、どうにか体制の崩れたバックドロップのような投げも見せたが、
あくまで試合は一方的、試合終了まで藤松の上段蹴りと投げを面白いように食らっていた。

判定は1Rのフックが効いて、藤松が勝利。
でも欲を言えば、すっきりした一本勝ちが見たかったかな?

第八試合 グラントロフィー対抗戦 WARSルール -82kg契約 5分1R+3分1R
○山崎 進(172cm:84kg:大道塾総本部)
●パトリック フォートリー(180cm:83kg:パンザ・アンドレ)
[判定 3−0]

大道塾の名物男、山崎の登場だ。
過去の「THE WARS」では、修斗ルールで中尾受太郎に勝利し、
PANCRACEの美濃輪 育久とは「パンクラチオン・マッチ」
(頭突きアリのかなりヤバい総合ルール)で壮絶な激闘を繰り広げた。
「北斗旗」では、98年・99年と重量級で2年連続優勝。
無差別級では、99年・2000年と2年連続準優勝。
アマチュアでありながら、プロ顔負けの闘いとパフォーマンスで観客を魅了する公務員、山崎。
今日の対戦相手は、グラントロフィー85kgトーナメント3年連続優勝、
柔道教師でもあるパトリックだ。相手に不足なし。

1R、赤い空手着のパトリック、やはり組み技が得意なだけあり、
早速、白い空手着山崎にタックルを仕掛ける。
しかしこれをつぶした山崎、亀になるパトリックをサイドから押さえるが、ここは30秒。

不慣れながら豪快なパンチやキックを繰り出しながらも、
何とか山崎に組み付いて寝技に付き合わせようとするパトリックだが、
場外に出てしまったり、スタンドで10秒以上掴んでしまったり(「待て」になる)で、
不慣れなルールに翻弄されてしまう。

何とかテイクダウンを奪うべく片足タックルに行ったパトリック、
しかしこれを潰した山崎は、グラウンドで上になり逆十字を仕掛ける。
お株を奪われた形になったパトリックは、これを外して面目躍如、
逆に上になってチキンウィングを仕掛けるが、ここで30秒。
又してもタックルに行くパトリック、山崎はこれを潰して、
亀の状態になったパトリックのバックを奪い、襟絞めや裸絞めを狙っていく、ここで30秒。

これでこのラウンドはグラウンドなし、
パトリックはパンチを繰り出して行ったが・・・。

山崎のフックがガッチリとヒット!
ストンと腰から崩れ落ちるパトリック。

見事な一撃に沸き起こる大歓声、
ダウンカウントが進んだが、パトリックは何とか立ち上がった。
山崎は、ダウンによる3Pを獲得だ。
試合再開、パトリックは大振りなパンチと投げでポイントを取りに来たが、
ことごとく山崎に攻撃を阻まれ、ここで1Rが終了。

ここで山崎、手を大きく振って観客にアピール。
山崎さん、まだ、試合中です(笑)。

2R、パトリックは相変わらず積極的に組みに来るも、山崎は距離を開ける。
が、パトリックのパンチを切欠に、山崎がこれに応じ、試合は乱打戦に突入。
歓声が起きたが、ここでパトリックは山崎を掴んで投げを打つ、しかしこれは場外、「待て」。

試合再開、山崎は再びフックをヒットさせる。
パトリックがパンチで返すと、さらに山崎はキツい下段蹴りを放つ。
積極的に攻めるパトリックだが、攻めれば攻めるほど大きな反撃に遭う。
そして、その反撃が効いていて、動き全体に疲れが出始めている。
それでも組み付いて投げようとしたが、やはり山崎に簡単に崩され、
しかもバックに回られた上にスリーパーまで狙われてしまった。
寝業師ながら、自分自身が30秒ルールに助けられるとは思っていたのだろうか?
パトリックはこの後も組み付いて打撃を放つなど色々な手段に出たが、
終始落ち着いている山崎を最後まで崩すことが出来なかった。
試合終了、判定、1Rにダウンを奪っている山崎の勝利だ。

山崎は試合後にマイク。

「皆さん、今日はご来場、誠にありがとうございます!

 今日は一本取りたかったのですが、相手が強かったです。
 まあ、ダウンは奪ったので、勘弁して下さい(場内笑)。

 さて、この後は、達人・小川が登場します!
 目を凝らして見てあげて下さい!」

成程ね。噂どおり、とても公務員とは思えない程にマイク慣れしているなぁ。
それにしても、メインの選手にプレッシャー与えてどうする(笑)。

第九試合 グラントロフィー対抗戦 WARSルール -66kg契約 3分3R
○小川 英樹(160cm:69kg:大道塾中部本部)
●ブノワ ドゥロ(168cm:64kg:パンザ・アンドレ)
[2R 2分40秒  ヒールホールド ]

メインイベントに出場の小川は、93年〜97年に「北斗旗」中軽量級優勝、
2001年空道世界大会軽量級優勝。軽量級では敵なしの強さだ。
カウンターの突きにはキレがあり、スープレックスも使いこなす。
グラントロフィーにも出場、相手選手にタックルを仕掛けられた上に持ち上げられてしまったが、
小川はその体制のまま空中で絞め落とすという荒業を成し遂げた。
天才肌の小川は「自分にしか出来ない技を披露していきたい」と意気込みを語るが、
今日の試合前には、
「ドゥロ選手が雑誌に載っているのを見た友人に、『お前より男前だ』と言われた。
 悔しい思いでいっぱいなので、試合には勝ちたい」
と、言いがかりのようなコメント。

対戦相手のドゥロはフランスの色々な大会で優勝している猛者。試合前には、
「小川選手の試合は今までにも見ているが、
 非常に動きが速く、また強い。自分の全てを出して闘うつもりです」
と殊勝なコメント。

成程、コメント一つで「モテる男」と「モテない男」の差を見た気分だな(笑)。
ま、格闘家は強くでナンボ、ひがみなさるな、小川選手。

赤い空手着のドゥロの入場、おお、噂に違わずいい男だね。
入場前には片腕をサッと前に出し、
もう片腕は後ろに組んだままの「西洋式の礼」のポーズで3方に礼。
色男がこういう事をやると絵になるねぇ、チクショウめ!
対する白い空手着の小川は・・・、
何故か「忍風戦隊 ハリケンジャー」の主題歌で入場。下品だねぇ。
ま、格闘家は強くでナンボ・・・。
ちなみに小川のセコンドには、SBの後藤 龍治選手の姿が。
へ〜っ、後藤って色んな選手のセコンドについているねぇ。

1R、腰を落として低く構える両者。
ドゥロは接近して組み付き、投げを放とうとするも、小川はこれを潰してしまう。
しかしながら、ヒール・ホールドが得意なドゥロは、下から小川の脚を取りにいく。
これに対して、逆に上から脚を取った小川はそのままアキレス腱固めを狙う。
思わぬ展開に場内が沸いたが、ここは30秒ルールによりブレイク。

ドゥロはパンチから再び組み付き、又しても脚を狙ってこれを取り、ヒール・ホールドの体制だ。
一瞬、極まったかと思われたが、
小川はドゥロごと体を横に2回転させ場外へ逃げる、これで「待て」。
UWFばりの逃れ方、場内がまたまた沸き返る。

そして、ここから小川の怒涛の反撃が始まる。
上段蹴り、前蹴り、素早い突きの連打で一方的に攻めまくると、
これらの攻撃にドゥロは防戦一方、ラウンド終盤には膝も入れられてしまう。
1Rはこれで終了。

2R、組み付いた小川はバックを奪ってドゥロを崩しグラウンド。
サイド、マウントと素早くポジションを移行し、逆十字を仕掛けたが30秒。

ここで両者、距離を置いての打撃戦、ドゥロはハイキックやローキックを見せるが、
打撃ではやはり小川が上だ。重そうな下段蹴りを口火にして、突きの連打がドゥロを襲う。
ここでドゥロは接近してきた小川を引き込み、得意のグラウンドに誘う。
そして脚を取り、ヒール・ホールドを極めにかかる。

しかし。ここで小川は逆にドゥロの足を取って、掟破りの逆ヒール・ホールドだ!
そして、この逆襲にドゥロが堪らずにタップ!
相手の得意技で勝つ小川、噂に違わぬ天才だ!

勝った小川は、入場曲である「忍風戦隊 ハリケンジャー」の主題歌がバックに流れる中、
後藤を含めたセコンド二人を試合場にあげて、三人でドラゴンボールのような決めポーズ。
決ってるねぇ!そうです、格闘家は強くてナンボなんです!

・・・そりゃそうと、このルールってヒール・ホールドは禁止じゃなかったっけ?
まあ、今となってはどうでも良いんですが。

---

全試合終了、全選手による記念撮影。

全選手が入場してきたが、一番最後に入場してきた小川が足を引きずっている。
恐らくは、1Rにドゥロに極められたヒール・ホールドによるものだろう。
負傷した足を押してあのファイト、大した男ですね。

---

雑感:
胴着による戦いの変化、リングじゃない場所で戦う事によるアクシデント、
アマチュアながらもプロ意識を持った選手の戦いぶり、
そしてケガを押して勝利をもぎ取る男の執念・・・。
2000円で観戦した割には、かなりお腹いっぱいです。

大会の進行に遅い部分があったりはしましたが、
グラウンドの30秒の進行具合、掴みの10秒の進行具合といった細かいものが、
電光掲示板に表示されたり、複雑なルールを明快にする細かい配慮には好感を持ちました。

これを機に、大道塾には再び総合マットへの参戦を期待したいですね。

---

以上、長文失礼。

Ads by TOK2