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お台場案内 & 2002・7/20 THE BEST掣圏道大会ルポ

註:高倉仮面氏のルポは、「会場周辺の観光案内」と「試合そのもののルポ」のふたつが
絶妙に融合し構成されている。私は便宜上、前者のほうに重点を置きコーナーにおいているが
そこだけに注目するのはあまりにもったいないと言えよう。
両者ともにご注目いただきたい。ただし読者の便宜のため、実用性の高い観光案内を太字にした。


今回は、DSE主催のPRDIEファン感謝興行であるThe BESTを観戦しました。

前回のThe BESTは、マニアックなPRIDE出場選手の招聘やら、
ジャイアント落合選手vs西田操一選手の「デブ対戦」やら、
ジョー・サン選手のヌード・ショーやら、
よくわからない方向性で話題を呼びました。
果たして、今回はちゃんとファンに感謝する興行になるんでしょうか(笑)。

ルールは、現在のPRIDEとほぼ同じです。PRIDEのルールをおさらい。
・4ポイント(四つん這い)状態の選手へのヒザ攻撃が、一部例外を除いて反則にならない。
・体重分がかなり大雑把(93kgを境に、以上がヘビー、未満がミドル。これだけ。)。
 体格差だけで決着がつく事もしばしば。
・膠着ブレイクがない。したがって、他の総合系に比べて膠着しやすい。
 膠着した場合は、その原因となる方に注意が与えられる。
・ヒジや前腕部を使った打撃は反則。
・ロープをつかむ行為は反則、注意が与えられる。
・その他の行為は、おおよそOK。

んで、PRIDEと違うところは、
・1Rは5分間、2R制。(PRIDEは1R10分、2R〜3Rは5分)
・リングは八角形。金網はなく、周りにはロープが張られている。
 これにより、コーナーでの膠着(いわゆるガイ・メッツァー膠着)が少なくなる。
と、こんな所です。

では、観戦記です。

---

14:00
平賀源内の策略に日本中が嵌ってしまって以来、
今日は鰻を食べる日、すなわち「丑の日」である。

全く迷惑な話だ。

「ある鰻屋が商売がうまくいかず、
 その事を平賀源内にもちかけたところ、
 源内が『本日土用丑の日』という看板を店先に出した。」

諸説ある「丑の日」のルーツだが、一般的に有名な説は、ただこれだけの話なのだ。
だと言うのに、江戸時代に売り出されたこの「根も葉もないキャッチコピー」に、
時代を超えて平成の人々までが見事に騙されている。嘆かわしい話だ。

嘆かわしい・・・と言えば、僕は今、友人である小龍氏と共に神田の街にいる。
そしてウンザリする程の長蛇の列の中でんでいる。
列の先は、普通の日なら絶対に来ないであろう、鰻の名店「神田・きくかわ」。

「1時間も前から並んでいるのに、未だに店の中に入れない。」

この一文で、僕がどれだけウンザリしているかを悟って欲しい。
こんなに待っているのに鰻が食べられない。全くもって嘆かわしい話だ。

14:10
やっとの思いで店内に。早速、鰻重を注文。もちろんビールも注文する。

雲一つない程の迷惑な快晴、北海道人には耐え難いほどの茹だるような暑さ、
しかも、その状況を1時間も耐え抜いた末のビールはウマイ・・・と誰もが思うであろうが、
僕は前日に会社の付き合いで散々アルコールを入れていたので、
このビールのウマさを、向かいで満足げにゴクゴクと飲み干している小龍氏程には味わえない。

・・・って言うか、何でビールを注文するのか?
ウーロン茶にしてくれよ、小龍氏。
長年の付き合いだろ、それぐらい察して欲しいものだ。

14:40
鰻を注文して30分、未だ鰻は現れず。

どういう事だと言うのか?
『鰻屋の漬物は美味い』(※注1)という位だから、
鰻を焼くのに時間が掛かるのはわかるとして、
その肝心な漬物の一つも出ないのは、どう説明を付けるのか?

「鰻は焼くのに時間がかかるから。まぁ、待とうや」
と小龍氏は言うが、この人はこの人で、別な事を怒っている。
「しかしまあ、関東の名店の給仕さんというのは、何故ああも態度が悪いのかね。
 浅草の天ぷらの老舗「大黒屋」の給仕さんもそうだったが、
 いつも怒ったような態度で、愛想がすこぶる悪い。
 関西じゃ、ああ言う態度は通用しないだろうね。」

まあ、お互い今は文句を言っても、肝心要の鰻が出れば機嫌は直るだろう。

・・・2年前、新宿の某店にて鰻を注文し、1時間待たされた挙句、
「鰻はもうおしまいなんですよ。」とサラッと言われた時の我々の荒れ方は凄かった。

---

※注1:「鰻は出るのに大変に時間が掛かるので、
     先に出す漬物の味が美味くないと客が怒って出ていってしまう」という事

---

14:50
小説家・池波正太郎の小説を読んでいると、
「鰻はその昔は下賎な食べ物として、丸焼きにして食べていた。
 ところが、高級料亭がこれを開いてタレを付けて出したところ、
 『これは、乙なものではないか』という事になり・・・。」
だの、
「鰻の蒲焼きには、関東風と関西風がある。
 関東では背開きで頭を落とし、白焼きしてから1度蒸し、再びタレをつけて焼く。
 関西では、腹開きで頭はそのまま、蒸さずに焼きだけである。」
だのという話が、ヘタしたら5冊に1冊は書かれている。

北海道在住の頃に読んだこれらのフレーズを思い出しつつ、
「鰻は北海道にはない食文化だよなぁ」と感じながら、出てきた鰻重を食べる事にする。

あまりの大きさに、重箱の端で尻尾が折られて出てくる鰻は、肉厚でこってり。
焼きあがった鰻には、薄くタレが掛かっていて、
これにテーブル毎に用意されているタレの小ビンから、
好みの量だけタレを掛けて食べるのがこの店のスタイルらしい。

北海道生まれの僕は、そのタレを気持ち多めにかけて、『ワシワシ』と食べる。
関西生まれの小龍氏は、タレなどかけずに、やはり『ワシワシ』と食べている。
やはり、この手のモノは大口を開けて、掻っ込むように『ワシワシ』と食うに限る。
そのように食べないと失礼である。

我々の隣に座った家族連れの親父が、
「まあ、鰻重はご飯は少なめなのが良いんだよなぁ。」と浸り顔で家族に話す。
厚顔無恥とはまさにこの事、親父さんよぉ、よくよく周りを見渡してみろ。
来店のご婦人方々が、セッセとタッパに残ったご飯と鰻を詰めている光景が見えないのか?
この店は大きな鰻が一匹開いた状態で丸ごと入っているのだ、
尻尾を折りたたんでいるとはいえ、下にあるご飯はお重の厚みも手伝い相当な量である。

「この親父、後でブツクサ言いながらセッセとタッパに詰め物をする事になるな。」
等と思いつつ、相変わらず『ワシワシ』と鰻重を食する。
さすがに1時間30分以上も待たされた上に、
3000円以上も払わされただけあって、鰻重はかなり旨かった。
こりゃ、来年の丑の日もここかねぇ?

15:30
食事を終え、外に出る。

この後は、神田にある老舗のフルーツパーラー「万惣」のホットケーキを食べるのが、
今日の「流れ」だったのだが、残念ながら店はシャッターで閉じており、
「毎週日曜日と毎月第三土曜日は定休日」と書いている。
ならば、と、やはり老舗の甘味処「竹むら」に行ってみたが、これまた休み。

デザート難民、神田の街をウロウロ。

・・・等と言っていたら、もう16:00だ。
仕方がなく、格闘技は一切観戦しない小龍氏は神田に残して、
一人JR秋葉原駅へと向かう。ここから電車に乗車、JR新橋駅へ。

16:30
新橋にて「ゆりかもめ」に乗車、
東京湾を眺めつつ、いざディファ有明へ。

思えば、今日は「海の日」である。海の日は、
「明治天皇が、明治9年に東北ご巡幸の帰途、灯台視察船「明治丸」で、
 青森から函館を経て横浜にご安着された日に由来。」
するのだそうな。まんざら意味のない日でもなかったんだな、知らんかった。

それにしても、流石にもうこの海も見飽きた。
最近は格闘技系の興行はディファでの開催も多くなった為、
何かと言うと船に乗ったり「ゆりかもめ」に乗る事が多い。
その度に東京湾を眺める事になるのだが、年に1回〜2回ならともかく、
月に1回〜2回見るようになると、さすがに東京湾の悪いところも見えてくる。

何かのTV番組で、どこかの柳川屋の親父が、
「どじょうは、やっぱり東京湾のでないと駄目なんだよ。
 他の所じゃ駄目、東京湾でとれたどじょうでないと旨く焼きあがらないんだよっ!」
と江戸っ子たっぷりに啖呵を切ってきたが、あの親父はこの東京湾の現状、
場所によってはどこか緑色に見える東京湾を見て、同じ事が言えるのだろうか?

17:00
「ゆりかもめ」終点、有明に到着。
今日は「THE BESTの日」、興行は17:00の開始、見事な遅刻だ。
脂たっぷりの鰻を食った腹に無理を強いつつ必死に走る。

17:05
あらかじめ買っていた5000円のチケットを見せて会場入り。
・・・と、会場に入る前にパンフレットを渡される。
ほほぅ、客の足元を見る興行ばかり打つDSEが、
事前にパンフの無料配布とは驚いた。

中に入ると、流石にPRIDEの下部興行、久々に見る「ディファ有明・超満員の図」。
PRIDEのGOLD会員には2000円というサービス料金、
一般客にも5000円と、前回の1万円という設定とは大違いの好料金設定。
総合格闘技は、団体の大小に関わらずチケット代が高いと思うが、
PRIDEを主催するDSEにしては、
今日出場するメンバーの事を考えても、この料金設定は安いと思う。

「全ての総合格闘技が、
 この客の三分の二でも良いから入ってくれれば、
 総合格闘技ブームは『本物』だと思えるんだけどねぇ」
等と思いつつ観戦開始。

---

第一試合 5分2R
○柔圭(183cm:82kg:日本/寺尾道場)
●ジョー サン(165cm:88kg:米国/ジョー・サン・ドー)
[1R 54秒 TKO]

相変わらず、第一試合から濃いメンバーが登場するのがTHE BESTである。

ジョーは今回は三度笠姿で登場、
しかし前回のような「具がはみ出そうなビキニのパンツ」に比べるとインパクトが低い。
リングに上がっても、前回のような「セクハラ腰振り」もなし。
大人しくなったジョー、魅力が半減だ。

対する柔圭、かつては井筒部屋で寺尾に鍛えられた元・力士だそうな。
空手三段、柔道二段、柔術三段、棒術二段、先陣組討教士三段(何でしょう、これ?)。
それだけの格闘技に手を染めながら、総合格闘技のデビュー戦がジョーとは・・・。

試合開始、ジョーはタックルに行くも柔圭はこれを切り、
逆に組みつき、ジョーを場外まで押し込んでパンチを連打する。
一旦ブレイクで試合再開、柔圭は組みつき首投げからテイクダウン。
と、ジョーの様子がおかしい。レフリーが様子を伺い・・・。

アッサリと試合終了。左肩の負傷だそうな。

う〜ん、ジョーは何しに来ているんだろうか?
客に楽しんで欲しいのなら、強くなるなり、腰を振るなり、
客にインパクトを与える何かやって欲しいものだ。

第二試合 5分2R
○中村 大介(178cm:74kg:日本/U-FILE-CAMP)
●シャノン “ザ・キャノン” リッチ(175cm:78.5kg:米国/ファイターズハウス)
[1R 4分28秒 腕ひしき十字固め]

この試合はパンフレットにも載っていなければ、事前発表も遅れた試合。
突然のボーナス・トラックは嬉しいが、
それが桜庭やフランク、臼田に惨敗したシャノンじゃなあ・・・。
まあ、THE BESTっぽいと言えばTHE BESTっぽいのだが。
ちなみに入場時のシャノンは柔術衣にイノキマスクという、なんとも奇妙な姿だった。

試合開始、シャノンは牽制のキックを数発、
組みついてはパンチを放ち、バックを奪って相手を亀にする。
おお、シャノン、慣れた動きじゃない!
・・・って言うよりは、中村が緊張しているのか。

それでも中村は下から腕を取っていた。
これを嫌うシャノンは中村の顔面にパンチを入れるも、中村はこの腕を外さない。
しかし試合はこのまま膠着。他の総合系の興行ならブレイクになるのだろうが、
DSEの興行であるTHE BESTはこんな膠着ではブレイクにならない。
それが良い事なのか、悪い事なのかはわからないが、
見る側のワガママを言えば「退屈」の一言である。

膠着しつつも、次第に両者はリング端へ移動、ここはドントムーブが掛かり両者は中央へ。
試合再開、ここから一気に試合は動く。
中村が体制を強引に入れ替え、インサイド・ガードでシャノンの上になったのだ。
U-FILE応援団の歓声の中、シャノンのクロス・ガードを断ち切り、
パンチをガツガツ落とした中村は、ここから体制をハーフ・ガード、サイドと移行、最後は逆十字。
シャノン、これをどうする事も出来ずにタップ。
中村のセコンド陣からは、シャノンを「弱ぇ〜っ」とバカにする大爆笑が聞こえた。

U-FILE CAMPの選手が、
ネームバリューのある選手に勝つという事は良いことなんじゃないですかね?
まあ、ネームバリューにも色々あるのは事実でしょうが。

第三試合 5分2R
○ファティフ “ザ・テラー” コカミス(185cm:93kg:ドイツ/ゴールデン・グローリー)
●アングロサクソン 大場(177cm:86kg:日本/AODC)
[判定 3−0]

大場は、AODC所属で分かる通り、アレクサンダー大塚の弟子。
しかし、総合はこれがデビューという訳ではなく、
「ReMix 2001」のトーナメントでロシア人2人を打撃でKOしている。
対するコカミス、ヒーリング・アイブル・オーフレイムが所属する、
ゴールデン・グローリーの選手だ。キック・ボクシングでは8戦7勝。
成程ねぇ、両者については僕は詳しくないけど、この試合は打撃対決になるのかな?
コカミスのセコンドにはアイブルが、大場のセコンドにはアレクが付いていた。
この両者の対戦も観てみたいけど、アレクはPRIDE20の菊田戦という『前科』があるから、
もうPRIDEじゃ観れないかな?

1R、大場は組みつきコーナーへ押し込みテイクダウン、
ハーフ・ガードの体制で上になりパンチ連打。
ここで足を取り、一気に極めに掛かるが、コカミスも大場の足を取る。
脚関節の極めっこになったが、ここは両者持ちこたえ、再び大場がインサイド・ガードの体制へ。
この試合の流れに、会場から歓声が起こる。

しかしながらこの後、両者はこの体制から全く動かず膠着状態、
お互い上から下からわずかにパンチを入れるのみ。
最後に大場がコカミスの首を両腕で抱えネックロック気味に捕らえたが、
これが外れたところで1R終了。

2R、大場はタックルに行くも、これにあわせてコカミスは膝を出す。
再び両者スタンド状態、大場は組みつきに行くも、
今度はコカミスがテイクダウン、ハーフガードで上になる。

ここからコカミス、ハーフガードの体制から半身を起こしパンチを落とす。
大場がどんなに逃げようとも、コカミスは上の状態をキープしたままだ。
そして重そうなパンチが落ちていく。
ラウンド終盤には上四方を奪われてしまい、
ここから膝を何発か食らってしまった。
そして、この体制は変わることなく試合は終了。

判定は3−0でコカミス。1Rを優位に進めていただけに大場は無念であろう。

第四試合 5分2R
○ジョン アレッシオ(175cm:77kg:カナダ/ミレニア柔術)
●光岡 映二(171cm:79kg:日本/RJW/central)
[2R 3分13秒 TKO]

光岡はPRE-PRIDE.2の優勝者。KOTC.9で総合プロデビューを飾り、ここまで3戦無敗だ。
そしてそのKOTC.15で前王者を下してミドル級チャンピオンに君臨するのがジョン。
入場時にはそのミドル級のベルトをやたらと誇示していた。
光岡が入場すると、試合前から両者はやたらと睨み合う。
今日はちょっと低めの会場の興奮も、この睨み合いにはかなり反応していた。

1R、両者見合って、中々距離を詰めない。両者踏み込まず、パンチの出し合い。
こうなると、アマレス出身の光岡は持ち味を出せない。
何度かタックルに行ったものの、ジョンはこれをことごとく切ってしまう。

ここで光岡はローキックで攻める戦法に切り替えた。
ジョンは相変わらず、長い腕を生かしたパンチで光岡を攻める。
光岡は打撃を放ちつつ組に行くが、ジョンはグラウンドには入り込ませず光岡を突き放し、
離れ際にパンチや膝を入れようとする。しかし光岡のローキックも効いているらしく、
そのローが腿に入る度に、ジョンの体がブレる。
光岡は尚もローを入れようとするが、今度はそのカウンターのストレートを食らってしまう。

どうも、この一発で光岡にジョンの打撃に対して苦手意識が付いてしまったのか、
光岡はここからローキックを放つ事を止めてしまった。
次第にジョンのパンチが光岡を押し始めた。1Rはこのまま終了。

2R、距離を置いてからジョンパンチのコンビネーションで光岡を攻め立てる。
が、ここで光岡、会心のカウンタータックル、ついにテイクダウンを奪い、
上からパンチを落とす・・・が、この体制になりながらもジョンはちょっとした隙を逃がさず、
体を逃がしてスタンド状態に戻してしまった。
しかし光岡、めげずに片足タックルで再びテイクダウン、
ハーフ・ガードまで持ち込んだものの・・・、
またしてもジョンはこの体制からスタンドに戻してしまう。
う〜ん、こりゃ今日の光岡は難敵を迎えているぞ。

さらにパンチで押してくるジョンに対して、再び片足タックルで組みついた光岡だったが、
これを外されると、顔面にパンチの連打を浴びる。しかもこの時、運悪く目の下からは流血が。
試合中断、ドクターやレフリーが中に入っていく。・・・と光岡がなにかアピールしている。
ああ、あれは「まだやれる!」という意思表示だな・・・って事は・・・。
ゴングが打ち鳴らされ、試合終了。光岡、無念の初黒星だ。

まあ、たとえ試合が続いていても、光岡に勝ち目はなかったように思える。
素人意見だが、1Rに放っていたローキックを続けていれば、
もっと違う展開が観れた気がするのだが。

第五試合 5分2R
○ジャイアント 落合(185cm:112kg:日本/怪獣王国)
●橋本 友彦(182cm:103kg:日本/DDT)
[1R 2分10秒 KO]

THE BEST名物「デブ対戦」、とは言え橋本はそこまで太っているイメージはないのだが。
橋本はこれがVT2戦目、1戦目はPANCRACEの謙吾と対戦、敗れている。
それでも、普段はプロレスで頑張っているだけあって、
会場内にはインディーファン達の黄色い声援が。セコンドには高木三四郎の姿が見えた。
対するジャイ落、歓声少な目。俺は大歓声だったが(僕はジャイ落ファンなのだ)。
それにしてもジャイ落、デビュー当時から観ると随分と痩せたよなぁ、まだデブだけど。

試合開始、挨拶代わりのローキックを打つ橋本、中々スジが良い。
両者組みつき、柔道出身者であるジャイ落はここから足を刈りに行くも、橋本は倒れない。
コーナー際までもつれる両者、ジャイ落はここで橋本に膝を打つが、これがまた重そう。
しかし、試合は膠着、ブレイク。寝技の膠着はブレイクが遅いのに、
コーナー際のスタンド膠着のブレイクはやたらと早いのがDSE系興行の特徴。
これってなんか変だよね。

試合再開、ここで両者はパンチ連打、試合は乱打戦に突入。
ここで良いのを入れたのはジャイ落、橋本の膝がガクッと落ちる。
ジャイ落は組みつきコーナーへ押し込んだが膠着、ブレイク。

試合再開、またまた両者はパンチ連打、試合は乱打戦に突入。
今度は良いのを入れたのは橋本、ジャイ落の体制が崩れる。
ここで橋本、追い打ちを掛けるべく組みつくもジャイ落の逆襲にあい、亀の状態になってしまう。
上からパンチを浴びせたジャイ落だったが、橋本が巧く逃げて両者スタンド。

しかし、次の瞬間だった。ジャイ落が放った右ストレートがモロに橋本の顔面を捕らえた!
それもハンパではない。パンチに込められた衝撃が全て橋本の顔面に吸い込まれたかのような一撃。
ガツーンと入ったこの一発で、巨体の橋本が脆くも崩れ去る。素人が見てもわかる完全なKOだ。
思わぬ大迫力のKO劇に沸き起こる大歓声!そして、ジャイ落はコーナーに登って叫ぶ!

「次は、ボブ・サップとやるぞぉ〜っ!」

イヤ、それは無理。

まあ、頑張っては欲しいどね。

第六試合 5分2R
○アリスター オーフレイム(194cm:92kg:オランダ/ゴールデン・グローリー)
●今村 雄介(170cm:90kg:高田道場)
[1R 44秒 TKO]

RINGSなどにも出場したアリスターは、何故かヘルメットと大木槌を持って入場。
そのヘルメットとサングラスを外してみると、おおっ、中々良い男じゃないですか。
こりゃ、PRIDEに出場すれば人気出るだろうな。強ければ、の話だけどね。

対するイマム、THE BESTで弱すぎるジョー・サンに勝ち、
PRIDE20では強すぎるアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラに負け。
これでは、イマムの実力がどこにあるのか、サッパリわからん。
今回の試合で、何となく実力が見えてくるかな?

・・・と思っていたら、両者の身長差がむごい。
24cmの身長差では、イマムもどうにもならんだろう。
まあ、組みつけばイマムの方がパワーで圧倒するのだろうが。

試合開始、組みつくしか勝ち目はないイマムは組みつきテイクダウンを奪うも、
これをアリスターに逃げられてしまう。イマムはこれが唯一の勝ち目だったのだが、
ここからは、至近距離にいるアリスターの、膝、ミドル、パンチを一方的に食らってしまう。

そして立ち上がるイマムに、アリスターはさらにミドルを一発、
倒れたイマムには上からパンチ連打。余りに一方的な展開の上に、イマムは目のあたりから流血。
レフリーじゃなくても、これでは試合を止めるであろう。

アリスターの白星に、ゴールデン・グローリー勢が沸き返る。
そしてアイブルがアリスターに大木槌を手渡す。ヘルメットもちゃんとかぶってガッツポーズ。
だから、その姿はなんなのさ!

第七試合 5分2R
○ニーノ “エルビス” シェンブリ(174cm:80kg:ブラジル/グレイシー・バッハ・アカデミー)
●高瀬 大樹(180cm:76kg:日本/和術慧舟會東京本部)
[判定 2−1]

PRIDE14での衝撃以来、再来日が望まれながらも中々来日しなかったニーノがついに再来日だ。
「ヒクソンの再来」と言われ、アブダビではモスト・テクニカル・プレイヤーに選出された男。
試合前のエルビスのコスプレも中々キマッている。今大会のパンフの表紙も「ELVIS ON STAGE」。
DSEの、彼に掛ける期待の高さが伝わる。今日の対戦相手は、慧舟會の曲者・高瀬だ。
ちなみに、高瀬のセコンドには宇野の姿が。
僕、何気にこの人の格闘技の試合を生で観た事ないんだよね・・・。

1R、ニーノのミドルキックをキャッチした高瀬、
高瀬がこれを前に倒し、ニーノはこれ引き込み、お互い呼応するように試合はグラウンドへ。
高瀬がインサイド・ガードで上になった体制だ。

ところが。
試合はこの体制から全く、全く、本当に全く動かない。
ニーノは下から高瀬を崩すべく、足を使って背中を攻撃したり、
オモプラッタを狙うべく肩に足を伸ばそうとするが、高瀬は絶対にそれをさせない。
高瀬は上から至近距離のパンチをこつこつ当てる。

そして、この攻防がラウンド終盤まで続いてしまった。
ニーノは下から逆十字を狙ってきたが、これを難なく外してしまった高瀬、
両者コーナーで組み合うも、ここはブレイク。
ニーノがまた組みつき、引き込んでグラウンドになったところで1Rは終了。

2R、両者組みつくと、再び両者呼応するようにグラウンドへ。
相変わらず、高瀬がインサイド・ガードで上になった体制だ。

ここから高瀬、今度はパンチを繰り出すと、その一発がニーノにクリーンヒット。
さらにパンチを落としつつハーフ・ガードをとるが、ニーノはこれを身を起こして防御、
立たせまいとする高瀬に再びグラウンドに戻されたが、
結局はインサイド・ガードの体制に戻ってしまった。

ニーノは下から2度に渡って腕を取ろうとしたが、これを高瀬は許さない。
そして上からこつこつとパンチを浴びせる。
しかし、1Rからのこの展開に郷を煮やしたレフリーが、
DSE興行の悪しきルールである「グラウンド膠着・イエローカードブレイク」を適用。
どうもこのルールは好きになれないね。
両者のモチベーションだけで膠着が無くなるものでもないだろ。

試合再開、高瀬はニーノに組み付くが、
ニーノは膝とパンチを入れる。しかし高瀬もパンチで応戦。
さらにニーノは膝を入れていくが、放った体制が悪かったのかコケてしまう。
この中に高瀬が入ってインサイド・ガード。残り時間が少ない事もあって、
高瀬はここからガツン・ガツンとパンチを落とすが、ここで試合終了。

判定、個人的にはどう見ても高瀬の勝ちのように思えたし、
周りの空気もそんな感じだったのだが、勝者はニーノ。
高瀬はこの判定が大変不服だったらしく、足早に会場を後にしていた。

第八試合 5分2R
○江 宗勲(183cm:95kg:日本/和術慧舟會東京本部)
●ボブ シュライバー(181cm:108kg:オランダ/チーム・シュライバー)
[判定 2−1]

THE BESTのエースである江の登場、会場はファンによる大歓声に包まれる。
均整の取れた体に甘いマスク、そして実力も中々のもの。
僕としては、早くPRIDEでその姿を見てみたいものなのだが。

しかし、江の噛ませ犬役のシュライバーの入場に、僕は思いっきりヤラれてしまった!
セコンドにはチーム・シュライバーの面々もさる事ながら、
これにゴールデン・グローリーの面々も陽気に全員参加したからタマラナイ。
ウィリー・ピータース、ボブ・シュライバー、
ギルバート・アイブル、そしてアリスター・オーフレイム。
これは、つかの間の「RINGS HOLLAND」の復活である!
久々に見るシュライバーは幾分お腹がポッコリ出てしまったが、
それが逆に喧嘩屋っていう雰囲気を醸し出しているじゃないですか!
いや〜、こういう体形の選手に僕がメロメロになるのは、
タンク・アボットが好きだからかなぁ?

1R、お互いにお見合い。江がローキックを出すと、シュライバーはパンチをカウンターで打つ。
さらにお互いのローキックが交差した後、江はパンチを一発放ってタックルへ。
この一発をモロに食らったシュライバーを江は場外に押し出そうとする。
ここはブレイクになったが、幸先の良い攻撃に江の応援団から大歓声が巻き起こる。

試合再開、江はタックルに行くも、シュライバーはこれを切ってしまう。
江は尚もしつこく組みつきコーナーへ押し込むが、逆にシュライバーのパンチや膝を食ってしまう。
しかし、結局はテイクダウンに成功、ここからは江の時間だ。
サイド・マウントとスイスイとポジションを移行、顔面パンチを食らわせる。
嫌がるシュライバーが背中を向けると、
バックマウントから横からのパンチを何発も何発も食らわせる。
「あとはスリーパーに入るだけ」というムードが高まっていく中、尚も江はパンチを打つ。

しかし。ここからスリーパーに入ろうとした、
その隙を見てシュライバーはなんとこのマウント地獄から脱出、
逆にインサイド・ガードで上になる。
これには江の応援団からの落胆のため息が。反対に「RINGS HOLLAND」からは大歓声。
江はめげずに下からの逆十字で攻めたが、これを外され上からパンチを浴びたところで1Rは終了。
勝ちを目の前にしながら、江は勿体ない事をした。

2R、距離が開いての打撃戦。江がローキックやパンチを出せば、
シュライバーはミドルキック、ローキック2発で対抗。
そして大振りなフックを見せれば、今度は江がローキック。
さらにはパンチを出すが、これがシュライバーのカウンターパンチの餌食となる。

江は尚もローキックでペースを握ろうとするが、
何故か、徐々にシュライバーのプレッシャーが江を襲い始める。
シュライバーはややスタミナを切らしつつも、この後もストレートやフックで江を追い立てる。
これらの攻撃を前に江は得意の打撃も出てこない、1Rの活きの良さは何処へやら。
タックルに行っても、シュライバーに難なく切られてしまう。試合のペースが変わった。

さらにローキックやフックで江を攻めたシュライバーだったが、
江は何かを振り切ったかのように再びタックル、これをシュライバーは切れずにテイクダウン。
ここからハーフ・ガード、マウントと移行していった江だったが、全ては「後の祭り」、試合終了。

判定は2−1で江が勝ったものの、1Rをあれだけ優勢に試合を進めていた江が、
2Rに攻められなくなったのは何故だろう?
シュライバーの圧力に押されてしまった2Rの江の動きは、まるで別人だった。
「ベテランならではのプレッシャー」にやられてしまったのだろうか?
そうだとしたら、こういう圧力に勝てないと、江はPRIDEでは勝てないだろう。

江にとっては、課題の残る一戦となったのではないだろうか?

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雑感:
第二回のTHE BESTは「普通の格闘技興行」になってしまった印象です。
そうなると、目立ってしまうのは、
やはり「他の総合の興行に比べて、膠着する試合が多いなぁ」という事でした。
僕はどうも「グラウンド膠着・イエローカードブレイク」ルールは好きになれませんね。
レフリーには、試合が膠着していると判断したら、即ブレイクするくらいの権限を持たせた方が、
観る側にとっては退屈しないと思うのですが、いかがでしょうか?

それにしても、あまりにも普通すぎた。
僕としては、第一回の「いかがわしさ」は興行に残しておいて欲しかったなぁ・・・と思います。
まあ、ジャイ落が勝ったから、そこそこ満足はしているんですがね(笑)。

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以上、長文失礼。



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