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極真「一撃」2002年8月10日

お疲れ様です。
高倉です。

今回の観戦記は「一撃」です。

今年の一月に一回目の興行が行われた「一撃」、
極真勢の活躍が期待されましたが、
蓋を開けてみると、出場した極真選手は、
K−1に酷似したルールの前に敗れて行ってしまいました。

んで、今回のカードを見る限り、残念ながら、
一回目の興行の流れは殆ど引き継いではいないようです。
個人的には「極真の逆襲」的な興行を期待したのですが・・・。

ルールは、見ている限りはK−1と何ら変わりはないようです。

では、観戦記です。

---

13:20
東京ベイ・NKホール到着。本日は「一撃」の観戦。

さて、このところ「極真」というブランドは地に落ちた気がするのだが、
気のせいだろうか?

93年にK−1が誕生した時、石井館長はよく、
「『空手vsキックボクシング』の異種格闘技戦」
という売り文句でK−1を売り出していた。
頻繁に行われたこの対抗戦だったが、
顔面パンチのない空手という技術はキックボクシングに惨敗する事になる。
(まあ、全ての空手が「顔面パンチなし」ではないけど)

この流れに対して、参戦が期待された「極真」はあえてダンマリを決め込んでいた。
・・・実際には、94年に亡くなられた創始者・大山倍達の後継者問題で、
それどころではなかったのだろう。

やがて全てのK−1出場選手が「K−1用」の練習をするようになり、
「空手vsキックボクシング」
という図式が意味を成さなくなった、丁度その頃だった。
ついに「極真(松井派)」の看板を背負って、
フランシスコ・フィリョがK−1へ参戦。
彼の参戦に、「空手」の復権を願った人も少なくないだろう。

しかし、参戦当初は一撃KOの嵐を築いたフィリョだったが、
段々と研究され始めると、KOはおろか判定に持ち越される事も増えてきた。
それどころか、今度は待って闘う消極的な戦い方が非難されるようになってしまう。
K−1での戦跡自体は決して悪くないフィリョだが、
今の彼を「強い!」と思う人は少ないだろう。
さらには、同時期に参戦した、
極真の怪物グラウベ・フェイトーザはK−1では伸び悩み、
青い目のサムライ・ニコラス・ペタスは、体の小ささも災いし勝ち星に恵まれない。
こうしてK−1を通して空手の強さをアピールする筈だった「極真(松井派)」は、
逆にK−1を通して世界の強さを思い知らされる事になる。

そんな中、「極真(松井派)」は今年になってから、
「時代に迎合してはいけないが、適応していかなければならない」
という理念を中心に、極真空手の実践性を試す場として「Kネットワーク」を設立。
今年一月には、「一撃」なる興行名で、「極真」初となるプロ興行を開催した。

その結果は・・・散々なものだった。

開催前には「八角形のリング」「総合格闘技ルールも辞さず」、
と息巻いた「一撃」だったが、
蓋を開ければ、「普通のリング」での「全試合K−1ルール」。
肩透かしを食らったが、これに追い討ちを掛けたのが、
出場した純「極真(松井派)」勢の戦跡。
対抗戦でいうなら、2勝4敗と大きく負け越した。
しかも、4敗のうち3敗が「首相撲からの膝攻撃」に成す術なく敗れるというもの。
そして、この敗者の中には、実力者・ギャリー・オニールの名前もある。
この戦跡に対して、「極真(松井派)」は、
臭いものに蓋をするようにダンマリを決め込んだ。
そしてこの行為が、タダでさえ落ちまくった、
僕の中の「極真(松井派)」のイメージをさらに落とした。

別な場所に目を向ければ、古くは「大道塾」・最近では「禅道会」が、
顔面パンチはおろか関節技のような総合格闘技の技術を取り入れ、
プロの大会に出場。
負けを恐れず大会に出場するこれらの団体のほうが、よほど、
「時代に迎合してはいけないが、適応していかなければならない」
という理念を感じる。

「『極真(松井派)』も総合をヤレ!・・・とは言わないが、
 せめてあの興行で得たものを『次』に生かして欲しい・・・。」
と思っていたところ、今回の第二回の開催を聞きつけた。
今度こそ、「極真」の「極真」らしいところが観たい・・・と思っての観戦である。

・・・とカッコつけた文章を書いたが、NK到着時点で既に20分の遅刻・・・。

でもねぇ、これは僕が悪いんじゃあないよ!「一撃」が悪いんだよ!
タダでさえ交通の便の悪いNKで13:00開始の興行なんて、普通うたんだろっ!
オカシイんだよっ!興行の常識がないんだよっ!
こんなもん、誰だって遅刻するよっ!

「常識のないのはお前だっ!
 じゃあ、同じ場所にあるディズニーランドの開店に遅刻する奴はいるかっ!?」

あのねぇ・・・、ここはそんな難しい話をする場所じゃないんだよっ!(逆ギレ)





・・・反省します。

13:25
まだ買っていなかったチケットを購入すべく、チケット売り場へ行こうとすると、
その前には、何やら挙動不審な女の子が一人。
ウロウロしながら、しきりにこちらを見ているではないか。

そして僕がチケットを買おうとしようとしているのを知るや否や、声を掛けてきた。
女:「あのぉ・・・。友達と観に来る予定だったんですが、
   急に来れなくなって・・・。
   チケットが余っちゃったんですが、買って頂けませんか?」
仮:「ああ、良いよ。んで、幾らで買えば良いの?」
女:「一万円のチケットを、二千円でどうでしょう?」

・・・唖然!

仮:「ええっ!?たったの二千円!?それで大丈夫なの?」
女:「いや、私、こういう事をした事ないもので・・・。
   あっちのお兄さんはどれくらいで売っているんですか?」
仮:「あのね、こういうのは、大体が元値から・・・。」

・・・いかんな、これ以上書いたら明らかな違法行為だ。

千円程、余分に人助けをしながら会場入り。

13:30
会場入りして席を探す。

さて、皆さんはNKホールを知っていますか?
この会場、一階席と二階席に分かれています。
んで、一万円もするチケットなら、普通は一階席に座れると思いますよねぇ。

・・・ですよねぇ!

しかしっ!(バンバンッ!と机を叩きながら)
僕の席は二階席だったんですよ!
しかも中頃よりちょっと前くらいの所です!

あのねぇ、金のないバトラーツの興行ですら、
この席は三千円の席だったんですっ!
もうねっ、この料金設定はサギとしか言いようがないですっ!
これじゃどう考えても「一撃」は「金集め」の大会と言わざるを得ないっ!
勉強してこいやっ、Kネットワークッ!





まあ、安くチケットを買った僕が言うのもナンだが。
さっ、気を取り直して。

幸い、試合は未だに始まっておらず、
リング上では今大会の代表であるフランシスコ フィリョ選手が挨拶していた。
ほぉ、前回は松井館長だったのに。
裏方紹介時には和田レフリーや豊永レフリーといった、
総合系の人の名前が次々にあがる。
立ち技・総合の両方裁けて一人前のレフリーということなのだろうか?

客の入りは約5割。
「お盆」という人の少なくなる日の開催という事を差っ引いても、
客入りとしては苦戦と言わざるを得ない。

「まあ、スター選手不在、お盆のNK興行で最低料金が五千円。
 よくよく考えれば当たり前の入り、か。
 それにしても、この席が一万円ねぇ・・・。」

料金設定の不条理さに対する憤りの消えぬままに観戦開始。

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第七試合以外はK−1・ルールと同じ。
違うのは、3分3R制。

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第一試合
○マウリシオ ダ シルバ(180cm/98kg/ブラジル/TEAM TBC・極真ブラジル)
●虎(183cm/95kg/日本/国士会館)
[1R 1分35秒 KO]

虎と書いて「タイガー」と読む・・・と書くと、
若い選手がカッコつけて名乗っているように感じるが、虎は今年で40歳。
一応、SBや日本拳法、新格闘術、グローブ空手の大会に出場経験があるという。
さらには97年7月のK−1 JAPAN GPで、
佐竹 雅昭選手とも対戦しているそうだ。う〜ん、覚えてない・・・。

対するシルバ(PRIDEなら「シウバ」と読んでいるだろう)、
「一撃」の第一回大会では新空手全日本重量級王者の百瀬 竜徳選手を、
ミもフタもない一方的なパンチの連打で下している。今回も秒殺、か。

会場内に設置された大型モニターにシルバがアップになると、会場は爆笑。
それはシルバが、見事なロナウドヘアーだったから・・・ではなく、
妙に童顔なシルバ+ロナウドヘアー=子連れ狼の大五郎に見えたからだろう。

試合開始から、試合は乱打戦。虎は大振りなパンチで突進してきたが、
虎の出したミドルキックを受けたシルバが右のストレートを出すと、早くもダウン。

カウント8で立ち上がったが、ダメージの残る虎に対して尚もシルバが追い討ち。
圧力で押しまくり、大振りな右フックで虎をぐら付かせると、
さらにパンチのラッシュ。これをモロに食らった虎は二度目のダウン。
これも何とかカウント8で立ち上がったものの、シルバの勢いは止まらず。
大振りなラッシュを仕掛け、
このうちの右ストレートを食らった虎が崩れていき、
試合終了。

前回の試合もそうだったんだけど、シルバの試合は大変に大味。
まあ、試合のオープニングを飾るにはいいのかね?

第二試合 74kg契約
○ヴィアチェスラブ ネステロフ(176cm/74kg/ロシア/TEAM TBC)
●山内 哲也(171cm/74kg/日本/Jネットワーク・アクティブJ)
[判定 3−0]

「一撃」の第一回大会では首相撲からの膝攻撃を裁けずに、
藤原ジムの中村 高明選手に敗れたネステロフ。
この敗戦を機に「グローブを付けて、また戦いたい・・・。」と自ら願って、
キックボクシングの技術習得を始めたんだそうな。
今日の相手は、今年4月の掣圏道にも出場した、
Jネットワーク期待のホープ・山内だ。

・・・って、山内?
掣圏道、出てたっけ?
だめだ、全然、思いだせない。
思い出すのは、ロシアの妖精達の水着姿ばかり・・・。

1R、ネステロフはローキック中心の攻め、山内はコンビネーションで攻める。
ここで攻勢を取ったのはネステロフ、重そうなローキックをバシバシと入れていく。
そして、下に気をそらせての左フックがクリーンヒットだ。
しかし、山内も何も抵抗出来ないわけではない。
パンチからのローキック又はミドルキック、
組み付けば足を掛けて相手を転ばせたり、投げを打ったり。
試合はネステロフが前回苦しめられた首相撲からの膝で攻めて、まずは1R終了。

ここでラウンドガールが登場・・・なのだが、凄いな、あのハイレグ!
あんなに凄いと、色々と食い込んじゃうんじゃないのかねぇ?

2R、ここも1Rと同じ展開。ネステロフが圧力を掛けて、山内が迎え撃つ構図だ。
しかし、徐々にネステロフの勢いを山内が止められなくなって来た。
カウンターの左ストレートでスリップダウンさせ、
さらにはフックやストレートがバコバコとヒットする。
山内のダウンは時間の問題か・・・と思われたが、
山内はこれを良く粘ってコンビネーションで反撃する。
が、ネステロフの勢いは変わらず。
ラウンド終盤、さらに右フック、左ストレートがクリーンヒットする。

3R、もはやネステロフが傾いた試合の流れは変わらず。
勢いに任せてラッシュするネステロフ、
再び右フック、左ストレートがクリーンヒット。
しかし尚も山内は倒れない。
どころか、アッパーからフックのコンビネーションをヒットさせる。
お互い休まずの打ち合い、ネステロフが左ストレートを当てれば、
山内はノーガード殺法からのパンチで反撃だ。
そして、試合時間残り10秒で試合は更なる乱打戦に。
この時もネステロフのいいパンチがバシバシヒットしていたが、
とうとう山内は最後まで倒れず。

試合終了、判定は3−0でネステロフ。
本当はKOを望みたかったが、
ネステロフはグローブ修行の成果が出たと言ってもいいだろう。

第三試合 75kg契約
△スーパーチャージ ヴィーモア(178cm/75kg/ニュージーランド/TEAM TBC)
△松本 哉朗(182cm/75kg/日本/新日本キック協会・藤本ジム)
[2R終了時判定 1−1]

「一撃」の第一回大会では、
極真の「鳥人」ギャリー オニール選手を、
一方的な試合で葬った新日本キックの松本。
実はキックの試合では11戦11勝9KOという素晴らしい戦績を誇る。
しかも、このうちの1勝と1KOは2週間前に秒殺でもぎ取ったばかりのもの。
殆ど休みなしの連続参戦、大したものである。

ちなみに対戦相手のヴィーモアだが、
「詳しいインフォメーションは全くと言っていいほど伝わってきていない。
 IT時代真っ只中だというのに…。」(大会パンフレットより引用)だそうだ。

さて、松本の選手紹介映像が流れて気がついたのだが、
K−1にすら選手を貸さない新日本キック協会が、
何故か「一撃」には選手を貸し出しているのだ。
その辺の理由はわからないが、
松本には新日本キック協会の代表として頑張って欲しいところだ。

1R、ヴィーモアは左右パンチ、松本はミドルキックを繰り出して試合はスタート。
ここからお互い距離を取っての打撃戦。
今まで2試合のような接近しての打撃の応酬にはならない。
松本はローキックを繰り出す、これが重い。
そして藤本ジムのセコンドの人の声はデカい。
さらに左右のパンチからローキックのコンビネーション。
藤本ジムのセコンドの声はさらにデカい。
ヴィーモアは左右の鋭いパンチで反撃。
それでも藤本ジムのセコンドの声はデカい。

デカい声のアドバイスに答えた・・・かどうかは知らないが、
松本はミドルキック、左右フック、
相手のストレートを挟んで右フックをバシバシとヒットさせる。
ここから徐々に試合は松本のペースに。
ヴィーモアはやや防戦一方っぽく見えるが、
大きなダメージはなさそうだ。

2R、松本はローキックをヒットさせたがヴィーモアは右ストレートで反撃。
松本は得意の飛び膝蹴りを出すがこれは不発。
これにめげずに松本は連続でミドルキックを当て、
さらにはパンチの連打で攻め立てる。

しかしヴィーモアは近づかれると上手くクリンチで逃げてしまい、
さらには距離が開けばパンチで反撃、さらにはミドルキックを繰り出す。
あれだけやられていた割には、思ったより元気そうなヴィーモア、
おお、なかなか老獪なファイターだなぁ。

松本はソバットを繰り出したが、
ここでヴィーモアの反撃のストレートがクリーンヒットしてしまう。
グラ付いてしまった松本をヴィーモアが前に出て追い討ちを掛けるが、
ここでアクシデントが発生してしまう。
向かっていったヴィーモアに松本の頭が当たってしまい、
左目尻をカットしてしまった。
これにより、ヴィーモアは試合続行不能、
ここまでのラウンドの判定に。

判定は三者三様のジャッジングによりドロー。
ああ、勿体無い。レベルの高い良い試合だったんだが・・・。
この試合、新日本キックでの再戦が見たいなぁ。

あれっ?そう言えば、
この試合のどこが「一撃」だったり「極真」だったりするんだろう・・・。

第四試合 79kg契約
○マルコス コスタ(178cm/78kg/ブラジル/極真会館)
●重虎(186cm/78kg/日本/K-NETWORK西日本本部・国士会館)
[3R 57秒 KO]

この試合、 マルコスにとっては「一撃」の第一回大会のリベンジマッチである。
身長差の激しいこの試合、前回、マルコスが手を焼いた、
「首相撲からの膝攻撃」対策は万全か?

1R、重虎がミドルキックを放ち、マルコスを捕まえればコントロール。
試合は重虎になるか・・・と思われたが、ペースを握ったのはマルコス。
距離が開いた打ち合い、ここでマルコスが圧力を掛ける。
左右のパンチをヒットさせ、さらには右フックをヒットさせる。
これに触発されたのか重虎も前に出るようになり、打撃を打ち合っていく。

2R、重虎がラッシュを仕掛けたが、これをマルコスは裁いてかわす。
そしてパンチからローキックを打ち込んでいった。
重虎はさらにラッシュを仕掛けるが、やはり裁いて反撃するマルコス。
ここから試合は打ち合いになった。この打ち合いは一進一退。
マルコスは前回の敗北はプレッシャーにはなっていないようだな。

3R、マルコスは突然、上段後ろ廻し蹴りを繰り出し、
これが重虎の肩にヒット。思わずスリップダウンの重虎、会場がどよめく。
試合再開、そして試合終了は突然訪れた。
不意に放ったマルコスの右アッパーから左フックが、重虎の顔面を打ち抜いたのだ。
これで重虎は、素人目にも意識を失っているのがわかるようなダウン。

レフリーが試合を止めた。突然のKO劇に会場騒然。
そしてマルコスは嬉しいリベンジ成就だ。

第五試合
○ロニー セフォー(184cm/101kg/ニュージーランド/TEAM TBC)
●藤本 祐介(178cm/104.2kg/日本/モンスターファクトリー)
[1R 2分51秒 TKO]

ロニー セフォーは、今、K−1で最も乗りに乗っている男、レイ セフォーの実弟。
しかし、兄とは違いK−1ではパッした戦跡を残せずにいる。
ここはK−1のお膝元である日本での試合で勝利し、
石井館長へアピールしたいところだ。
対する藤本、見事な上半身から繰りだされるブンブンパンチは、
大器の可能性を感じる。
ここはロニーに勝利して、
藤本ここにありを石井館長へアピールしたいところ・・・。

・・・。

おいっ、さっきから石井館長、石井館長って、この興行は「極真」の興行だろうが!
なんでこんなマッチメイクをここでするんだよっ!

気を取り直して、試合開始。
やたらと良い体をした藤本がローキックを繰り出すと、
そのあまりに重い響きに会場が騒然となる。
さらには大振りなフックの連打で突進すると、
その物凄い圧力にロニーも会場も圧倒される。

・・・のだが、いい勢いでロニーをコーナーで追い詰めながらも、
藤本はあと一歩踏み出せない。
コーナー際でコンビネーションを繰り出しても、もう一つ二つ打撃が足りない。
それでも藤本は「バシ−ン」と重いミドルキックやフックで、
ロニーを追い詰めていくが、足りない部分につけこむように、
ロニーが反撃したり、兄譲りの笑顔で抵抗してくる。

今度は反対にロニーがフックをヒットさせると、早くも藤本は効いている様子。
さらにストレートを連打すると、藤本はダウン。
藤本、何とか立ち上がるも・・・、ロニーの左右のフックでダウン。
これも立ち上がったが・・・、左ストレートから右アッパーでまたダウン。
3ダウン、あっという間のTKO。

会場は勝ったロニーに対する賞賛と、
負けた藤本に対する「その体は見せかけか?」という嘲笑が混じった、
何とも言えない歓声が沸きあがった。
体をデカくするのも良いが、
藤本はもう少しボクシングをやった方が強くなると思う。

第六試合
○グレート 草津(181cm/97.5kg/日本/チーム・アンディ)
●森口 竜(185cm/100kg/日本/極真会館)
[判定 3−0]

え〜、この試合は「K-1 JAPAN GP」のリザーバー権を掛けた試合なんだそうです。





・・・・・・・・・。





「一撃」って、何の為の興行なんでしょう?

1R、父親は偉大なプロレスラー・本人は偉大なるアンディ フグの弟子である、
草津がローキックで攻めると、
今日は応援団の大歓声を受けた森口も極真らしくローキックで対抗。
ラウンド中、何度も何度もお互いのローキックが交差した。
そんな中、森口はミドルキック、ハイキックと織り交ぜていく。
対する草津はローキック一辺倒。
ラウンド終盤には裏拳も飛び出すがこれはガードされた。1Rはこれで終了。
基本的にローキックが中心の試合の為、試合は大変に地味なものに。

2R、やはりローキックを交差させつつ、
時折、草津がソバットや、裏拳から上段廻し蹴りを繰り出す。
しかしながら、今一歩の間合いを詰める事の出来ない両者、
ローキックを中心に試合は膠着。
ここで森口がハイキックを二連発で出したが、草津はしっかりブロック。
さらに打ち合いになるのだが、踏み出せない両者の打ち合いでは迫力も生まれない。

3R、開始直後から打撃の打ち合いになるが、ここで両者にようやく差が出始めた。
草津はここで疲れの見える森口に対してパンチを中心に攻め始めた。
さらにローキックを何度も何度も打ち込み、森口の動きを止める。
これに対して森口は、どうしても攻めが草津の後手にまわってしまう。
草津が膝で攻めれば、森口もローキック、ハイキックと繰り出すもの、
それ以上の攻撃が出ない。
この試合、森口には終始応援団から「森口コール」が掛かっていたが、
試合終了と共にその「コール」はぱったりとやんだ。労いの拍手すら起きなかった。
森口が全力を出し切っていないのが、応援団にも伝わったからであろう。

判定は3−0で草津・・・だが、
草津も草津でもう一歩の間合いでの戦いが出来なかった。
「勝ちに徹した戦い」と言えなくもないが、ハッキリ言ってこんな試合では、
K−1 JAPAN本戦に出れた所でいい試合は望めないだろう。
好きな選手なだけに、ここは奮起を期待したい。


第七試合 カラテマッチ
○レチ・クルバノフ(180cm/92kg/ロシア/極真会館)
●ロイド・ヴァン・ダム(186cm/112.5kg/オランダ/ドージョー・チャクリキ)
[旗判定 8−0]

さて、今回の「一撃」はこの試合だけは空手の試合。
ルールの変更点としては、

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・空手着を着用
・グローブはなし(素手)
・顔面パンチなし
・1R毎に判定。判定は主審1名、副審4名が1ポイントづつ持っている。
・勝敗は一本勝ち、技ありによる合わせ技一本による。
 技ありは、技ありを取得したラウンドのみ有効。持ち越しはされない。
・ラウンド合間に飲料水を口にする事を禁止。

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K−1でお馴染み、チャクリキが生み出した巨漢・ロイドが空手着を着用して入場。
これが全く違和感がない上に、なかなかカッコ良いではないか。
対するレチは、ここ最近台頭してきた極真ロシア勢の一人だ。
得意技は芸術的な美しさの上段後ろ廻し蹴り、
これがもしロイドにヒットして一本取れたら・・・ああ、もう。

太鼓の音が「ドンッ!」と響いて試合開始。
一戦目、両者は極真空手らしく接近して打ち合う。
ロイドは時折、ミドルキックとローキックを織り交ぜるが、
その間にもレチはロイドの分厚い体に突きをガンガン入れまくる。
ロイドもローキックを数発出して対抗するが、
レチはさらにレバー打ち、上段蹴り、そして胴廻し蹴りを繰り出す。
まずは一戦目終了、判定は引き分け五本。

二戦目、相変わらずの突きの打ち合いと下段蹴りの打ち合い。
ここでロイド、慣れない空手ルールで反則を犯し(顔面パンチか胴着掴み)、注意1。
そして、このあたりからロイドの動きは急激に悪くなる。
先ほどの反則は苦し紛れのものなのだろう。
それでもレチは容赦なく突きの連打、ロイドが体を逸らして嫌がると、
レチはさらに追い討ちの踵落としと廻し蹴り。
何とかローキックで抵抗するロイドだが、表情にも疲れの色。
二戦目終了、試合の印象に加えて注意1が災いし、判定はレチに五本。

三戦目、打たれ続けながらもまだまだ元気なレチは、
突き、下段蹴り、上段蹴りでロイドを攻める。
ロイドも1・2・ローキックのコンビーネーション、
接近しての膝、ミドルキックを連発して抵抗するが、
もはやレチの勢いを止める事が出来ない。
尚も突かれ続けるロイドの表情には、
「何でこんな変なルールで戦うんだ?」という後悔の色が出ている。
レチはここで得意の上段後ろ廻し蹴りを出すがこれは不発、
しかし最後までロイドを攻め続けた。
三戦目終了、判定はレチに三本。
三戦の合計はレチ八本、文句無しの勝利だ。

まあ、慣れない空手ルールでの戦いなので、ロイドの敗北は仕方が無いか。
今度はどんな形であれ、顔面ありのルールでの戦いが見たいね。

第八試合 スーパーファイト (3分5R)
○マット・スケルトン(195cm/113.6kg/イギリス/イーグルジム)
●ジョージ・アリアス(182cm/97kg/ブラジル/アリアスジム・極真ブラジル)
[判定 3−0]

メインイベントは3分5R、K-1ルール。
ジョージは「一撃」の第一回大会では、
小太りのボクサー相手にボクシングマッチで出場。
秒殺で勝利したが、キックボクシングのルールは今回が初めてなのだそうだ。
その相手は、K-1でお馴染み「大英帝国の不沈艦」、マット・スケルトン。
体重差を含めて、アリアスには酷なキックのデビュー戦となった。
それにしても、ジョージは「極真ブラジル」所属って事になっているけど、
確か前回の「一撃」では「極真」には属さない選手だったはず。
昨日今日「極真」を学んだ男がメインで登場ですかい・・・。

両選手の入場時には、本日のリングアナが自らリングに上がって紹介・・・って、
リングアナって、ジェームス小野田さんだったんかいっ!
(元・米米クラブのツインボーカルの一人)
「私、こしひかり」は名曲中の名曲ですな。

1R、マットは巨体に似合わない素早さで、
1・2・ローキックのコンビネーションを見せる。
対するジョージは1・2のパンチで向かっていくのだが、
上背に勝るマットは左のジャブを多用して距離を空け、
パンチが得意なジョージを突き放す。
そして距離が十分に開いたところで、右のパンチで攻めるという戦法で来た。
これに対して、ジョージは中々マットを攻める事が出来ない。

2R、やはりマットは1Rと同じ戦術でジョージを突き放す。
これに対してジョージは、マットが右を出したところに、
カウンターを合わせるという戦術に切り替えた。
しかし今度はマットは前に出て攻め組み付いて膝で攻撃、ジョージを困惑させる。
こうした攻めで完全に試合の主導権を握ったマット、
終盤には軽いフットワークを見せるなど余裕を持ち始めた。

3R、マットは左ジャブで距離を空け、右ストレート、右ボディブロー、
右フックそしてローキック。戦法自体は今までと変わらない。
ジョージも接近して右ストレート、左フック、
さらには1・2のコンビネーションを時折当てるのだが、
やはりマットのリーチの長い左ジャブの前をどうしても攻略出来ない。

4R、マットの「右」が、徐々にその振りを大きくして破壊力を増やし始めた。
さらにはジョージのパンチをダッキングしてかわしてのパンチ、
左右に体を振ってのフェイントを混ぜたパンチ、
組み付いての膝で完全にジョージを翻弄。
ジョージもパンチを見せるのだが、マットはスウェーも多用してこれをかわす。
巨体のマットが意外なテクニシャンぶりを発揮し始めた。

5R、4RでKO狙いのパンチを多用したもの、
「この試合でのKOは無理」と判断したのか、
マットは左ジャブを打ちつつ自ら下がっていく「判定勝利狙い」の戦術。
しかしジョージが、徐々にではあるがマットにパンチを当てる機会が増えてきた。
ようやくペースをつかみ掛けたジョージだったが、
マットも良く反撃し、結局は試合終了。

判定は3−0でマット。
巨体のマットが体をひらひらと使っていたのが印象的な試合だった。
判定狙いの戦略に会場はシーンとしたままだったが、
僕は結構楽しく見せてもらった。

---

全試合終了、ここで代表のフィリョが挨拶。
「本日はありがとうございます(ここは日本語)。
 今日は特に、極真ルールを飲み込んでくれたロイドに感謝したいです。 
 勝者の皆さん、今日はおめでとうございます。
 敗者の皆さん、今日のミスを研究して、次の戦いに繋げて欲しいと思います。」

---

雑感:
兎に角「どこが『極真』なの?」と思わせるマッチメイクには大変不満があります。
そして会場内の席の料金設定には、さらなる不満がありますね。
今後、「一撃」という興行を「極真(松井派)」が続けるのであれば、
自分たちに求められているイメージをもっと大事にして興行を打って欲しいです。

さもなければ、
「一撃」の名は他の格闘技興行の中に埋もれていく事になるでしょう。

---

17:00
NKホール脱出、JR舞浜駅より移動、JR秋葉原駅へ。
舞浜はディズニー以外何にもない街だからね。

秋葉原から神田方面へ移動、
久々に神田のそば屋・「まつや」にて大ごまそばを注文し食す事にした。

「大ごまそば」は、そばの生地に胡麻が使われて・・・いる訳ではなく、
単純に胡麻だれでそばを食すというもの。
・・・と聞くと、何かイメージが悪いかもしれないが、これが結構旨いのだ。

注文を待ちながら、「今日は他に何か興行があったかなぁ・・・?」と、
雑誌をパラパラとめくると、何と今日はG1の準決勝が、
2つ隣の両国で行われているじゃないですか!

「そう言えば、僕はG1は一回も見たことないよなぁ・・・。」

思い立ったが吉日。そばを5分で食べ終えて、一路両国へ。

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8/10 G1クライマックス・準決勝観戦記へ続く。

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以上、長文失礼。


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