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遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年も「観戦記」共々、高倉仮面を宜しくお願いします。

さて、今年一番最初の観戦記は「一撃」です。
大山倍達没後、残念ながら諸派に分裂してしまった極真会館。
そのうちの最大派閥である「松井派」の代表である松井章圭館長が、
「時代に迎合してはいけないが、適応していかなければならない」という理念を中心に、
極真空手の実践性を試す場として設立したのが、新格闘技イベント「Kネットワーク」。
その興行第一弾として行なわれたのが、この「一撃」です。

現在「松井派」には、数見肇選手、フランシスコ・フィリョ選手、
ニコラス・ペタス選手、グラウベ・フェイトーザ選手等を擁しています。
将来的には、この辺の選手も「Kネットワーク」に出てくると面白そうですね。
ちなみに今回出場する選手であれば、
野地竜太選手、ギャリー・オニール選手が有名です。

ルールは、見ている限りはK−1と何ら変わりはないようです。
違う箇所があるとすれば、第七試合以外は全試合3分3R制な事でしょうか。
(第七試合は3分5R)

では、観戦記です。

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18:00
JR原宿駅到着。

今日は昼メシを食ってなかったので、夕飯はなんとしても食べたかった、が…。
代々木第二体育館は原宿の繁華街とは駅を挟んで反対側にある上、
もう興行開始まで30分しかない。そうなると、自ずと駅前でお店を探すことになる。
しかし、金曜日の夜の原宿はやはりどこも混雑している。
当初、夕食の『本命』と位置付けていた「九州じゃんがら」も、予想以上の行列待ち。
空いている店も一応あったものの、オムライス屋やイタ飯屋では作るまでに時間がかかる。
(でも、あのオムライス屋は美味そうだったなぁ)
しょうがないので、近くのベーカリー屋にて適当にパンを購入する事に。


18:15
代々木第二体育館へ向かう途中、
ダフ屋のオヤジに「チケット無ければ、割引で売るよ〜」と言われる。
…って事は、結構チケットは売れたのね、意外だ。
今大会の当日券は一番安くても5000円。
「ちょっと高いなぁ」と思っていた僕には、これは天の声。
早速チケット購入。5000円の席を4000円で購入。

18:30
代々木第二体育館、会場入り。
ダフ屋から購入した指定席を捜してみると…、なんだよ、一番後ろの席かよ…。
えっと、僕の席はLブロック17列18番だから、ここの14番、15番、16番…。

へっ?ないじゃん…18番なんてないじゃん!
何で?どう数えても、16番で終っているじゃん!
どういうこと?購入したチケットって、ひょっとして偽造チケット?!
わ〜っ、どうしようどうしよう…、どうしようもない!
仕方が無いので、空いていた席にどっかり腰掛ける事にする。

さて、これは後でわかったのだが、
この日の席には座席番号を振った紙が本来の座席番号をカバーするように張ってあったのだ。
この紙の席番号では僕の席は無かったのだが、
この紙をはがすと…あるじゃないですかぁ、ちゃんと席が(呆)。
これはKネットワークのフロントの手違いでしょうね。
そういえば、この日は立ち見が多かったような気が…。ダメじゃん!

観客数は、最初は6割程度の入りでしたが…、
チケット購入者に社会人が多かったのでしょうか、
興行開始後でも客入りが伸び続き、最終的には超満員でした。
ただ、客の殆どは「ファン」ではなく、
出場選手の親族や道場生のような「応援団」の類だと思われます。
ベーカリー屋で買った堅いパンに食らいつきつつ観戦開始。

あっ、レフリーの中にまたしても島田さんがいる…。
この人は場所や形式を選ばずに何でも裁くねぇ。

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オープニング
極真のビデオが、会場に設置してある大型モニターに流れる。
総裁・大山倍達の姿やK−1戦士となったブラジル勢の快進撃の姿で構成されていた。

ビデオが終わると、会場は暗転。
日本男児が太鼓を叩き、鎧武者が法螺貝を吹きはじめる。
そしてお約束の爆発が起こり大会の開会宣言、松井館長が挨拶。

第一試合 100Kg
○マウリシオ・ダ・シルバ(180cm 100kg 極真) vs 百瀬 竜徳(187cm 92kg 至誠館)●
(1R 59秒 KO)

1R開始早々、シルバは大振りな左右パンチのラッシュで突進。
このパンチを裁ききれず、百瀬はあっさり最初のダウン。
これは何とか立ち上がったものの、
同じテンションで再度ラッシュをかけたシルバのパンチがヒットし2度目のダウン、
立ち上がることが出来ず、百瀬はあっというにの秒殺されてしまった。
それにしても、なんとも大味な展開の試合だった。

第二試合
○重虎(186cm 77kg K−NET) vs マルコス・コスタ(178cm 78kg 極真)●
(3R 判定3−0)

1Rから重虎が、ガードをこじ開けるストレートと1・2・ローのコンビネーションで優勢に立つ。
コスタもローキックやパンチで反撃するが、リーチ差を生かした重虎の攻撃がヒットすると苦悶の表
情に。
だが重虎も、コスタの重い反撃が度々クリーンヒットしてしまい、
決定打を打つ体力がなくなっていく。2R中盤からは、両者ともややスタミナ切れに。

…と、重虎はここで「首相撲からの膝攻撃」を主戦法に切りかえた。
この作戦変更がズバリ的中し、この攻撃は最後までコスタを苦しめる事になる。
何度ブレイクが掛かっても重虎は直ぐに接近し、体格差を生かした首相撲から膝をブチ当てていく。
この攻撃で試合の流れは完全に重虎に。3R最後ではコスタはかなりフラフラしていた。
試合終了、判定は3−0で重虎。

第三試合
○中村 高明(188cm 73kg 藤原ジム) vs ネステロフ・ヴィアチェスラブ(175cm 72kg 極真)●
(3R 判定2−0)

気付いたのだが、今まで三試合はおろかこれからの試合も殆どそうなのだが、
対戦相手より極真戦士の方が全然小さいのだ。
極真戦士は「グローブをつけて戦う事や顔面パンチありのルールで戦うのは、今日が初めて」
という人も多いのになぁ。
ひょっとして、Kネットワークのフロントは「小よく大を制す」を、
マッチメイクで演出しようとしているのだろうか?話はそう簡単だとはとても思えないのだが…。

さて、この試合は1Rから3Rまで両者はひたすら死力をつくして殴り合う消耗戦になった。
そんな中、中村は1R終盤、リーチを生かしたラッシュでネステロフのスタミナをどんどん奪う。
対してネフテロス、2R終わり際に左ストレートをクリーンヒットさせ、中村は大きく仰け反る。
両者一歩も引かない一進一退の攻防、お互いにフラフラで迎えた3R。
中村は2R中盤から放っていた「首相撲からの膝攻撃」をこの3Rも連発して行き、
ネフテロスはこの攻撃を裁けず。これで試合終盤を優勢に攻めた中村が判定で勝利。
極真戦士はまたしても「首相撲からの膝攻撃」に敗れてしまった。

第四試合 ボクシング・マッチ
○ジョージ・アリアス(181cm 95kg アリアス・ジム)
   vs
   チャン・ブーン(175cm 98kg ブリッジセインツリングサイドジム)●
(1R 2分47秒 KO)

「この試合、極真となにが関係あるんだろ?」と思っていたら、
アリアスはフィリョも通っていたボクシングジムでトレーニングをしている人だそうな。
極真サイドからの出場となったが、なんとなく「無理矢理」な感が否めない。
対するチャンは明らかに一線を退いたような、ポッコリお腹の出たボディ。
「戦えるのかなぁ…?」と思ったら、動きは結構良いみたいだ。

アリアスは片腕をダラリと下げ気味にするヒットマン・スタイル風の構え、
対するチャンは両腕を前に構え。典型的なスタイルなのだが、専門用語がわからん(ヘタレだなぁ)。
お互い、いかにもボクシングっぽいフットワークや探り合いからパンチを出していく。
が、お互いにハードヒットはなく、1Rは終了していく…と思ったら、
アリアスが1R終了間際に放った左フックからの左ストレートでチャンはあっさりダウン。
んで、そのまま立てずに10カウント。何ともあっさりしたKO劇だった。

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ここで休憩。
休憩後は、天然理心流の剣道の演舞が行われた。
型の演舞は正直ちょっと退屈だったが、「藁の束を『真剣』で切る演舞」は中々の迫力。

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第五試合
○松本 哉朗(182cm 77kg 新日本キック) vs ギャリー・オニール(172cm 76kg 極真)●
(1R 2分19秒 TKO)

この試合、試合前から松本にもギャリーにも大、大、大歓声!
この興行が、基本的に対抗戦である事を思い出させてくれる。
…しかし、これまた体格差が凄いなぁ。

1R、極真の試合では上段飛び後ろ回し蹴りで一本勝ちを重ねていく『怪鳥』ギャリーが、
いきなり上段後ろ回し蹴りからのかかと落しで魅せる。
…が、これをかわした松本のストレート&アッパーを食らい、早くもダウン。
ギャリーは立ち上がるも、松本はこれで勢いがつき猛ラッシュを浴びせ掛ける。
ギャリーは必死に反撃するが、ヒットしても松本は「効いてないぞ!」と余裕のアピール。
そして…またまた出ました・極真殺し、「首相撲からの膝攻撃」でギャリーは二度目のダウン。
「もう、ダメだろう」と思わせたこの一発から立ち上がったのは極真戦士の面目躍如だが、
いかんせん、もう足に来ていた。ラウンド終了間際の右の上段膝蹴りで万事休す。

勝った松本は、観客の大歓声の中で一人ですずしい顔。
「勝って当たり前だろ?」とでも言いたげな表情だ。
この人には結構『華』がある。人気があるのがわかるねぇ。

第六試合
○セルゲイ・ブレカノフ(178cm 94kg 極真) vs 窪田 豊彦(185cm 100kg 建武館)●
(1R 3分8秒)

1R開始早々から窪田は猛ラッシュ。その主攻撃は…やっぱり「首相撲からの膝攻撃」。
ブレイクした一瞬の隙をついて、窪田は大きな右フック一閃!
これがクリーンヒットし、セルゲイは早くもダウン。
なんとか立ち上がったが、足はかなりフラフラだ。
これをチャンスと見た窪田はラッシュの手を止めない。
観客が騒然となる中、顔面に左右のラッシュをガンガン叩きこむ、叩きこむ、叩きこむ!

…のだが、セルゲイは倒れない、倒れない、倒れない!これには観客も驚きの色を隠せない。
今度はセルゲイの反撃のパンチが攻め疲れの色を隠せない窪田の顔面を的確に捉え始めた。
窪田の意識がどんどん朦朧として行くのが素人から見てもわかる。
この思わぬ攻守逆転劇に、観客は国境を越えてセルゲイに大歓声!
そしてラウンド終了間際、やや鈍いスピードのセルゲイの胴後ろ回し蹴りが、
窪田のミゾオチにグサリと刺さり、窪田はうめく様に前のめりにダウン!
ラウンド終了のゴングが鳴るもカウントは続き、そして窪田はピクリとも動かなかった。
この思わぬ大逆転劇に、会場は興奮の坩堝と化した!

第七試合
○武蔵(185cm 102kg 正道) vs 野地 竜太(186cm 105kg 極真)●
(5R 判定2−0)

今やK−1・JAPANのニック・ボックウィンクルと化した武蔵。
その「負けない」戦い方は人々のヒートを買いつづけているが、
彼は自分の戦い方を決して曲げたりはしない。そしてそれは、この試合でも同じであった。

1Rはお互いに距離を取り、様子を見ながらの静かな打撃の応酬に終始する。
館内には乾いた打撃音と、武蔵に対する黄色い声援(女性ファン多いのね)、
野地の弟子と思われる子供達の精一杯の声援だけがこだまする。

2Rからは、いよいよ「武蔵ワールド」全開。
円を描いて相手と常に一定の距離をとりつつ、前に出る野地のパンチやキックを綺麗に裁きながら、
お返しにローキックを掴んでのストレート、
スピードの乗ったミドルキック、ハイキックを次々に当てていく。
この戦法はKOを奪う確立は低いものの、確実にポイントを稼ぐ事が出来るのだ。
今まで、幾多の日本人がこじ開けられなかったこのペースを崩さず崩せずラウンド終了。

3R、このラウンドも序盤から「武蔵ワールド」全開だ。
一度この世界に引き込まれてしまったなら、
試合終了のゴングが鳴るまでこのペースが崩れていかないのが、
「武蔵ワールド」のワールドたる所以。
もはや判定決着は決定的なのかなぁ、と思っていたが…。

試合中盤に波乱が起きる。
野地の大きな右フックがヒットし、武蔵は大きく仰け反った!
世界を突き破るこの一撃に、館内大声援!
「いけいけ野地」ムードが押し寄せる中、野地は強烈なローキックからのパンチ、
終盤には再び右フックをヒットさせ、その度に武蔵は大きく仰け反る!
館内のボルテージはいよいよ高まる…が、ここでゴング、結局は武蔵に逃げられる。

4R、冷静に自分のペースを戻した武蔵が試合を再び「武蔵ワールド」へ。
野地は3Rに掴みかけたペースを生かすことが出来ず、
かえってその焦りから前に出すぎてしまい、逆に武蔵のパンチやキックを何度も食らうことになる。

そして5R、武蔵ワールドはいよいよ色を濃くした。
ポイント稼ぎ用の打撃をKO狙いの打撃に変えて、野地の体力をジワジワを奪っていく。
野地も前に出てよく反撃したが、結局このペースを崩すに至らず試合は終了。

判定は2−0で武蔵。野地は「武蔵ワールド」を崩せなかったが、
グローブ4戦目のルーキーが「あわや」のシーンを作り出したのは賞賛に値するだろう。

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雑感:
マッチメイク的に「なんでこんなに身長差が?!」という試合が多かったです。
そして、極真戦士達は皆その身長差を生かした「首相撲からの膝攻撃」の前に倒れていきました。
今度はもう少し体格差を考慮したマッチメイクを考えて欲しいですね。
それが無理なら、極真戦士はもう少し「首相撲」を勉強するべきでしょう。

この興行で極真の対外戦は、ボクシングマッチを含めても「3勝4敗」と負け越しています。
これからも「極真=最強」を掲げるのであれば、この事実を本気で考慮して欲しいですね。

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21:00
それにしても、随分と早い興行の終りだ。
「これなら夕飯をゆっくり食べる時間もあるなぁ」…とも思ったが、
興行を覚えているうちに『観戦記の叩き台』を早く執筆したかったので、
今日は手早く済ませる事にする。
そこで、来る時に食べ損ねた「九州じゃんがら」原宿店でラーメンを食べる事にする。
お店に向かってみると、夕方に行った時よりは客も少なかった。これならOKだ。

さて、「九州じゃんがら」について、ちょっと説明。
秋葉原に本店があり、他には、原宿、赤坂、銀座、日本橋等。
ラーメンの種類は以下の3種類があります。

じゃんがら  : あっさりとんこつ
ぼんしゃん  : 超こってり濃厚とんこつ
こぼんしゃん : ぼんしゃん+ガーリック

但し3種類全てあるのは、赤坂店だけです。
食べに行った原宿店は、「こぼんしゃん」と「ぼんしゃん」しか置いていません。

本日は「こぼんしゃん」を食べてきました。僕はよく本店である秋葉原店に行くのですが、
秋葉原店は「じゃんがら」と「ぼんしゃん(PM9:00より)」しか扱ってないから、
普段はこの味は食べられないんだよね。結構、楽しみだなぁ。

…と思っていたら、なんとこの原宿店、秋葉原店に比べてスープの量が圧倒的に少ない!
と言うよりは、ラーメンどんぶりの大きさがあまりにも小さいのだ!
「ラーメン皿」としか言い様のない、
その小さな器にこじんまりと収まっているラーメンを目の前に、
絶望感を押さえる事が出来ない。

僕は日頃から,
「ラーメンは『スープ』でも『麺』でもなく、その『バランス』が大事」と思っている。
それだけに、見るからに『バランス』が崩れているこのラーメンは最初から失格である。
僕の中では「九州じゃんがら」は、
「一風堂」(スープは美味いが麺が悪い)より、
「博多天神」(麺はよいがスープは普通)より、
その『バランス』において圧倒的な評価をしてきたのだが…。

小さな器に収まった、スープに馴染まない麺を食べていると、
なんだか気持ちまでがせせこましくなってくる。
折角一つ一つの味は旨いのに、その味同士がスウィングしない。
僕は心の中で「ラーメンは『バランス』だ!『バランス』なんだ!」と何度もつぶやいた。

…それでも、替え玉は食べたんだけどね(苦笑)。



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