「紙のプロレスRADICAL」第36号(2001)より



彼の魂が鈴蘭をもぎ取り、涼しい小屋から幼子のように

遠い光を見る、死のないエラスのようなところは何処なのか。

夜の巣穴から獣は這い出し、牧童は黙って花輪を編み、

きら星のような人々が最初の議論を交わす ── 誰が狼の子で、誰が犬の子なのか。


そして屋根の上で北東風がうなる間、人の両目は闇をむさぼり飲み、

星の文士は奇妙な時間、びくびくと一晩中眠らない、なぜなら

彼の大海は引きずり、引きずり込み、誑かし、音を立て、流れ ──

生ける大地の空色の狼が子守り歌をうたうので。


(ロシア詩人・ケンジェーフの詩集より) 


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