多汗症 治療体験談にもどる。

 「患者と担当の先生」というスタンスを越えて初めてお話しいただけるようなエピソードは、幼少の頃、父母や祖父母から聞かせて貰ったいわゆる昔話や体験談のようにリアルに浸透してくるようでした。

 どういうわけか、先生方と話していると時間が早いというか、可能であればもっと色々な話題に触れさせていただきたかったように思い、大阪を離れるのに少しばかり後ろ髪引かれる思いでした。

 そんな今回の大阪滞在でしたが、僭越ですが今回「KYC」へお伺いした時に感じた点を紀行文風にまとめてみました。多くの患者さん達から、術前、術後のご感想が届けられていたことと思いますが、今回は私の視点から・・・ということでしたためてみました。

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 まずは、KYCの印象。

 13日の夜。5/13/2001

 ホテルトーコー新大阪に到着直後、先生にお電話。タクシーに乗り込みました。先生がタクシーの運ちゃんに誘導をしていただけたので、私は無事ビル1階に到着。

 タクシーを降り、ふと見上げると「兼平・山本クリニック」の看板。「ここがそうなのか・・・」クリニック内の様子はどうなってるのかな、私の好奇心は否応なしに中を覗いてみたい衝動に変わってきていました。

 まずは玄関。扉に色々な診察科の項目が並んでいた中で、「産婦人科・・・?」何故なのかやや疑問に感じる。(ちょっと目が点)そして中へ、想像以上に広々として清潔感バッチリ。

 先日もお話ししたことですが、ここで病院独特の臭いが皆無なのにちょっとビックリしました。他の患者さんはどうか知りませんが あの独特の消毒液の臭いは「病院に来てしまった」という緊張感を嫌でも高めてくれますが、ここにはそれがないのに好印象。

 最近の歯医者さんなどでもインテリアに凝った医院をよくお見かけしますが、視覚的にどんなにお洒落でも、あの臭いを感知した瞬間に「やっぱり病院だよなココも」という状態になります。
これを感じさせない臭い対策に感銘。

 天井の照明器具も洒落た感じでグッド。診察待ち用のソファーも病院っぽく無くリラックスできような配慮に思いました。ソファー横の雑誌類に、取って付けたような漫画本などは無く、車雑誌などが一層のエグゼクティブムードを醸し出しておられました。

 先生がお話しされていた壁紙も、最近のマンション広告などによく掲載されているようなタイプで、一色だけの無機質な感じのするタイプより、とても暖かみがあって良いと思いました。

 手術室。ここに入れてもらえるとは思っていなかったので感動。見てはみたいが「関係者以外入ってはいけない聖域」という印象の手術室。「どうぞどうぞ」と手招きされる兼平先生に圧倒されつつも心のなかはニンマリ状態。

 以前伺った兵庫病院の手術室と比べると手術室ぽくない印象でした。テレビ等の影響からか、手術室はもっと冷たい感じかと思っていたのですがラックマウントされたモニター、ビデオデッキ。

 病院らしさよりも徹底した機能性を追及した配置に、先生方のこのジャンルにおける意気込みをリアル体験。
 個人的には、不謹慎にも、もっと色々な装置を見せて貰いたかったです。特に先生が絶賛されていた、内視鏡映像用モニターの映像は是非とも電源オンにして見せていただきたかった。(ちょっと残念)

 あらゆる機器類が、表現が適切かどうかは解りませんが完全なプロ仕様なので興味が湧かないはずがありませんでした。今思うと、2mmのスコープを見忘れていたとチョッピリ後悔。
山本先生の手腕によって「世界で細小のスコープ」を是非見たかった。
 ただ自分にはスキルがないので、先生方をやや羨ましく思ったりもする。手術道具類を自作するという発想は、患者からすると凄いの一言。実際に本当に作ってしまうのだから驚き。

 診察室裏手で見せて貰ったFANAC Yellowの工業用ロボット。こんなものまで着手しているのかと、かなりの衝撃でした。日頃まずお目にかかることがない品物ですが、兼平先生が「今度このロボットで・・・・」と熱弁されていたので改めてマジなんだな、と実感。
何より、(山本先生の)ラジコンヘリが近くに置いてあったせいかもしれませんがあの黄色い工業用ロボットも、最初は先生方のオモチャなのかとタカをくくっておりました。あそこはオモチャ置き場なのか・・・と。

そして17日。5/17/2001

 夕方に四国から大阪に到着したので、何時頃お伺いしようかお電話したのですが、オペ中というタイミングの悪さにやや自己嫌悪。もうちょっと時間を考えれば良かったと反省。(電話に出られたのは山本先生だったのかな?)コードレス電話特有のノイズが乗っていたので、どちらの先生の声か判別できず、みのもんたのクイズ番組を見ながら、とりあえずホテルで時間をつぶす。

 午後8時になり、そろそろお伺いしても大丈夫かと勝手に解釈。(まさかあの時間もオペ中とは想像してませんでした。)お土産片手に2度目のお伺いなので、タクシーの運転手さんに手際よく道案内。(ホテルからはローソンが目印)

 道後温泉で自分が飲んでうまいと感じた地ビール。実は3種類あったのですが、全部飲んで一番うまいと感じたのがソレです。(お味はいかがでしたか?)先生の口に合うかと少々不安。坊ちゃん団子は万人受けしていたのでこっちは問題なかろうとまたもや自己解釈。

 タクシーで1階に着き、見上げれば照明がついていたのでエレベーターではなく階段で2階へ。「あれ、まだ仕事中か?」高校生くらいの女の子とお母さんらしき人。ソファーでややぐったりなっている女の子。玄関先で入ろうかどうしようか考える暇もなくとりあえず入室。(親子連れから丸見えなので、変な人と思われてもいけないと判断)

 受付に人がいなかったのでちょっと不安になる。(誰かいると思っていたので)ソファーのお母さんから「あの女性のお連れの方?」と意味不明の質問攻撃。完全に状況が把握できていなかったので、
 「いえいえ、私元患者のモノなのですが・・・」などと意味不明の自己紹介。
 「一体どういう状況なんだ!」「早く誰か来てー」心ではそう叫んでました。(笑)
(意味不明の笑顔をお母さんと彼女に振りまきながら−やや神経質そうなお母さんに感じたので。)

 必要以上なことを語ってもいけないし、気まずい雰囲気になってもいけない。この場をどうやり過ごそうか思案していたとき、勘の良いのその女の子が「とりあえず掛けてお待ちになってたらどうですか?」関西弁で助け船。「ホッ!、さすがに若い子は機転が利くな!」そう思いお言葉に甘える。

 するとピンクの衣装のスレンダーな看護婦さん参上。マスク越しだがハッキリした顔立ち。
 「おーっ、ベッピンさん!マスク取ったお顔が気になる」やや好奇心。先生方もスタッフ選びは仕事が出来ることもさることながら「きっとオーディションしているに違いない」と不謹慎な想像をする。
(手術室勤務歴の長いエキスパート・ナースばかりですがオーディションは全くありません。)

 「あのー、東京のKといいまして、元患者のモノですが・・・」ここでも何故か「元患者」と口にしている私。こういうケースの自己紹介には、どうするのが適切かやや考える。どうも適切な表現が思い浮かばず、そう話すと「あー、先生ならお解りになりますよね?」そうおっしゃり
必要以上の説明をせずにホッとすると同時に、やはり勘の良い看護婦さんに救われる。もしここで根ほり葉ほり聞いてくるタイプの方が出てこられたら、親子連れの手前、きっと難儀したことだが、良い看護婦さんで良かった。
 先生の言っておられた「(仕事の出来る)スペシャルな看護婦さん達」は勘も良い。「うーん、仕事の出来る人は状況判断も適切だなぁ」一人で勝手に納得する。
「どうぞ、おかけになってお待ち下さい。」
「ありがとうございます。」
看護婦さんに言われたとおりそうする私。

 とは言っても見ず知らずの親子連れと間が持たず「今日手術なさったのですか?」と切り出してみる。(私は沈黙が苦手なのです) 彼女は携帯電話で何やらメールチェック中。ここらあたりで私が何者なのか理解できた様子のお母さん。色々と質問攻撃を受ける。「いつ頃、手術されたのですか?」「どういう状態だったのですか?」「今はどんな状態ですか?」etc・・・

 そんなに色々聞かれても・・・と思いながらも、何故か丁寧に説明している自分。緊張感緩和の為に出来るだけリラックスムードに心がける私ですが、思いの外神経質そうなお母さん。我が子の術後が心配なためか、あまり笑ってはくれない。(うーん、ちょっと苦手なタイプだ)
 こういう親子連れが多いのかと、やや先生達のご苦労を垣間見た気分になる。カウンセリングには神経を使うだろうと。

 しばらくして、今度は彼女(高校生)から初めて質問される。「手の汗だけが困ってたんですか?」
この質問に、ひょっとして彼女は多汗症プラス赤面症なのかと勘ぐってしまった。

 彼女くらいの年齢の頃(高校生)の話を織り交ぜながら説明するわたくしK。(笑)
「そうそう、そうなんだよお母さん」と同意してくれながらもあまり目を見てお話ししてくれない子だったので、多汗症の子に多いシャイなタイプなのかな、と勝手に想像。

 間を持たせる会話に終始していると山本先生登場。「助かったー、そろそろ話題がつきてきていた頃なんですよ先生」そう思って尻尾を振る私。再会に山本先生と握手。右手の握手の後にすかさず左手の握手。「うーん、この患者と先生の間に結ばれる恒例の挨拶だなぁ!」
 独特の挨拶スタイルもすっかりお馴染み。素早くお土産を手渡す私。先生方の口に合うかなぁ?
やっぱり少し気になる。

 親子連れが帰るとのこと。ホントに今日帰るのか?食事を用意しているからとの先生のお話にも何故か早く帰ろうとしているお二人。ちょっと不思議に感じる。(家が遠いと後から分かって納得)
 看護婦さんサンドイッチを持ってきた。「ワシントンホテルって書いてあるぞ、術後の食事もグレードアップしてるのか」何故かサンドイッチが気になる私でした。
アレもホテルで用意させているのですか?至れり尽くせりですね、ホント。ここでも先生の「客を満足させて帰してあげる」という言葉を改めて実感。

 そうこうしているうちに、ストレッチャーでオペ室より女性の患者さんと兼平先生が出てきた。「オレの時より苦しそうじゃないぞ」うつらうつらした感じに見えました。この段階で初めて、この日クリニック内に兼平、山本両先生以外に看護婦さんが一人。合計3人でアクティブしていることに気付く。

 すっ、凄い。自分の時は何人もの看護婦さんがいて、手術室にも先生方以外に何人かいらっしゃったはずであったことを思い出し回転効率の向上に驚きました。
 「ホントに3人でやってる」正直ビックリしました。
(平日)夜からの手術は3,4人程度なら医師2人看護婦1人で行っています。土日の手術は看護婦さん6,7人です。

 女子高生と母親が帰り、男性の患者さんが帰り、さっき手術室から出てきたばかりの女性が今帰ろうとしている。ホントに当日退院なのか。まるでエステサロンに来てそのまま帰るみたいじゃないか。これは凄い、感心しっぱなしでした。(2001年5月17日午後9時 )

(この日、午後6時から始まった手術がすべて終了し午後9時までには3名そろって退院され、現場は解散になりました。この後、われわれとKさんの計4名は懇親のため、夜の街に消えました。)

 以上、ちょっと長くなりましたが「KYC」の感想でした。


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