The Asianists' ASIA

Volume V (Paris) Autumn 2008

ISSN 1298-0358

An on-line academic journal for Asianophone countries Edited by T. Wignesan

Discussion, Letters & Opinion Page

The Nanking Controversy 1937-38: Why People's Republic of China President cannot respond to Open Questions concerning the Nanking Massacre. by Moteki, Hiromichi,

                       Deputy Chairman and Secretary General,

                       Society for the Dissemination of Historical Fact, Japan

 

The Asianists’ ASIA誌に掲載された論文の日本語原稿

 

 

 

何故胡錦濤主席は南京虐殺についての公開質問状に答えられないのか

茂木弘道

「史実を世界に発信する会」事務局長

 

1937年12月13日、日本軍は中華民国の首都南京を陥落させた。日本軍が南京占領に際して暴虐を行為を行い、30万人の軍民を虐殺した、という非難が戦後になって東京裁判、南京地方検察局などにより行われ、中国政府は現在もその主張を頑強に保持している。一昨年南京事件70周年事業として「南京大屠殺記念館」の改修工事を行い、旧来のものを3倍に拡大した記念館において、この30万人説を大々的にデモンストレーションしているのである。

 

しかしながら、これは全くの虚構であることが今や明らかとなってきている。そもそも、中国国民党政府は国際連盟において日本の侵略非難の決議案を出そうとしたことはあるが、南京虐殺を非難する正式の声明を出したこともなければ、いわんや南京虐殺非難決議案を出したこともないのである。そればかりではない。国民党国際宣伝部は、南京戦を挟む約1年間に漢口(南京から避難した)において、外国人記者を主たる対象とした記者会見を300回も開いているのであるが、ここでただの一度も南京で「市民殺害があった」だとか「捕虜の不法殺害が行われた」だとか言う発表を行っていないのである。世紀の大虐殺が首都で行われているのをそこからそう遠くはない漢口で全く知らなかった、知っていたが発表しなかった、などという事は考えられないことである。記者会見は、当然のことながら日本軍の悪行を誇大に宣伝して欧米の同情を集めることが目的なのだから、どうみてもおかしい。

 

こんな荒唐無稽なことを今でもなお情報独占完全統制の共産党中国は主張し続けている。しかし、今やその破綻が決定的になってきた。

 

2007年4月に温家宝首相が、2008年5月には胡錦濤主席が、日本を訪問した。有識者で組織された「南京事件の真実を検証する会」(会長:加瀬英明)は、温家宝、胡錦濤に対して南京事件についての公開質問状を訪問時に提出した。胡錦濤に出したものが次ページ以下に掲載されているものである。質問項目は5点であるが、いずれも些細な問題ではなく、基本的な重要問題である。これに対して、胡錦濤主席からは(温家宝首相も同じ)何らの回答も寄せられていない。無視ということであろうが、こちらは丁重な手紙を送っているのに対して、極めて無礼なことである。しかし、答えられないというのが本当のと

ころであろう。巨大なニセ展示物は作れても、肝心の史実については、これを説明する能力がないのだ。それは、公開質問状を読めばおのずから明らかなことと思うが、以下それぞれの項目について若干の説明をくわえることとしたい。

 

1、         毛択東は生涯一度も「南京虐殺」を言わなかった

 

「マオ」(ユン・チアン、ジョン・ハリディ著、日本語版−講談社)は、「毛沢東が長い人生で一度も言わなかったことがある―南京大虐殺だ」と非難している。事実、毛沢東は南京戦について『持久戦論』の中で、「日本軍は包囲は多いが殲滅が少ない」という適切な批判をしているが、虐殺などというありもしないことは言わなかった。それだけである。南京虐殺を主張するあるアメリカの学者に、胡錦濤に代わってこれに答えられるか聞いたところ、「毛沢東は国民党関係の兵士市民がたくさん死ぬことを望んでいたからだ」と答えた。当時は既に国共合作が成立していて、周恩来は宣伝の副責任者を務めていた、と指摘したところ、今度は「毛沢東はcruelだからだ」という「珍回答」をする有様であった。周恩来も南京虐殺などという事は言っていないのである。胡錦濤が答えようがないのはよくわかる。

 

                                    

 

胡錦濤国家主席閣下への公開質問状

 

このたび中華人民共和国国家主席胡錦濤閣下のご訪日に当たって、日中両国の友好を願う者として心より歓迎申し上げます。

 

さて、われわれは1937年12月に行なわれた日中南京戦に伴って起こったとされる所謂南京事件を検証すべく、研究して参りましたものです。貴国のこの事件に対する見解とその取り扱いにつき、深刻な憂慮を感じております。昨年南京屠殺記念館が大規模に拡張改装されましたが、一方で友好を唱えながらこのような非友好的なことを平然と行なう貴国に対して強い不信の念を感じざるを得ません。そもそも南京で大虐殺があったという論拠は最近の研究によって根本的に否定されつつあります。以下重要な5つのポイントについて閣下のご見解を伺いたく、謹んでご質問申し上げます。

 

一、          故毛沢東党主席は生涯にただの一度も、「南京虐殺」ということに言及されませんでした。毛先生が南京戦に触れているのは、南京戦の半年後に延安で講義され、そして『持久戦論』としてまとめられた本の中で「日本軍は、包囲は多いが殲滅が少ない」という批判のみです。30万市民虐殺などといういわば世紀のホロコーストとも言うべき事件が本当に起こったとすれば、毛先生が一言もこれに触れないというのは、極めて不自然で不可解なことと思います。閣下はこの事実について、どのようにお考えになられますか?

二、          南京戦直前の1937年11月に、国共合作下の国民党は中央宣伝部に国際宣伝処を設置しました。国際宣伝処の極秘文書『中央宣伝部国際宣伝処工作概要』によりますと、南京戦を挟む1937年12月1日から38年10月24日までの間に、国際宣伝処は漢口において300回の記者会見を行い、参加した外国人記者・外国公館職員は平均35名と記録されています。しかし、この300回の記者会見において、ただの一度として「南京で市民虐殺があった」「捕虜の不法殺害があった」と述べていないという事実について閣下はどのようにお考えになられますか。もし本当に大虐殺が行なわれたとしたら、極めて不自然で不可解なことではないでしょうか?

三、          南京安全区に集中した南京市民の面倒を見た国際委員会の活動記録が『Documents of the Nanking Safety Zone』として、国民政府国際問題研究所の監修により、1939年に上海の英国系出版社から刊行されています。それによりますと、南京の人口は日本軍占領直前20万人、その後ずっと20万人、占領1ヵ月後の1月には25万人と記録されています。この記録からすると30万虐殺など、到底ありえないとしか考えられませんが、閣下はいかがお考えでしょうか?

四、          さらに『Documents of the Nanking Safety Zone』には、日本軍の非行として訴えられたものが詳細に列記されておりますが、殺人はあわせて26件、しかも目撃されたものは1件のみです。その1件は合法殺害と注記されています。この記録と30万虐殺という貴国の主張とは、到底両立し得ないと考えますが、閣下はいかが思われますか?

五、          南京虐殺の「証拠」であるとする写真が南京の屠殺記念館を始め、多くの展示館、書籍などに掲載されています。しかし、その後の科学的な研究 (『南京事件の「証拠写真」を検証する』(東中野他・草思社)など) によって、ただの1点も南京虐殺を証明する写真は存在しないことが明らかとなっております。もし、虐殺を証明する写真が存在しているのでしたら、是非ご提示いただきたいと思います。そのうえで検証させていただきたいと思います。

 

以上述べました5つの点は南京で大虐殺があったなどということを根本的に否定しているものとわれわれは考えざるを得ません。上記5つの点につきまして、閣下のご見解を承ることができれば幸いです。この問題は多くの日中国民の関心事と考えますので、公開質問状として提出させていただきます。子子孫孫までの日中友好を願うものとして、閣下のご高配を、衷心から期待しております。

 

平成20年5月5日

 

南京事件の真実を検証する会委員一同

 

(会長)加瀬英明 (事務局長)藤岡信勝 (監事)冨沢繁信 茂木弘道

(委員)阿羅健一 上杉千年 小林太巌 杉原誠四郎 すぎやまこういち 

高池勝彦 高山正之 西村幸祐 花岡信昭 東中野修道 溝口郁夫 宮崎正弘

                                     

 

 

2、300回の記者会見で一度も南京虐殺を言わなかった

 

 東中野修道亜細亜大教授は、2005年に台北の国民党党史館において国民党国際宣伝処の極秘文書『中央宣伝部国際宣伝処工作概要』を発見した。教授は、この一級資料を基に『南京事件―国民党極秘文書から読み解く』と言う本を書いた。(英訳版:Top-secret Chinese Nationalist Documents Reveal the Truth about Nanking Incident: http://www.sdh-fact.com/CL02_1/27_S4.pdf

 

この極秘文書に国際宣伝処が漢口において1937年12月1日から38年10月24日までの11ヶ月間に300回の記者会見を外国人記者などを招いて行なったことが詳しく書かれている。ところが、既に述べたようにここでただの一度も南京虐殺の発表を行っていないという事実である。中国国民党=中国政府は自分の口からは当時一度も南京虐殺などということを言ってもいないし、従って南京虐殺非難を行っていないという事実である。この事実を突きつけられた胡錦濤がその理由を答えられないのは当然だろう。

 

われわれが、南京虐殺など存在しなかったということを根拠を示して説明しても、それにまともに反論するのではなく、「お前は Holocaust denierだ!」というレッテルで非難する人が多い。しかし、事実が示しているのは Holocaust denierは、毛沢東と当時の中国国民党であるということである。『マオ』の著者と同じように、毛沢東をこそ非難しなければならなくなるのでが、しかし南京虐殺など存在しなかったのだから、その非難も見当はずれとなるのである。

 

3、         南京の人口は占領後減少しないばかりか1ヵ月後に増加した  

 

 Documents for the Nanking Safety Zone という、南京安全区国際委員会の活動記録をまとめた本がある。上海のKelly & Walsh 社から1939年に出版された本であるが、この監修者は国民政府国際問題研究所となっている。南京市民は唐生智防衛司令官の命令により全員安全区に避難していたが、この市民の面倒を見ていたのが、アメリカ人、ドイツ人など15名が組織した国際委員会である。したがって、当時の南京市民の状況を誰よりも把握できる立場にあったのが国際委員会である。

 

この文書によると、南京の人口は陥落する直前に20万であったのが、12月17日、18日、21日、27日に20万と記録されていて、12月中に顕著な人口減、30万は愚か、万単位の人口減など全くなかったことが分かる。しかも、1月14日には25万と人口増加が記録されているのである。南京市民の面倒を市政府に代わって見ていた委員会の記録なので、限りなく実態に近い数字と見ることができる。この記録だけで30万虐殺説は100%否定されることになる。

 

4、         殺害記録は26件のみ、うち目撃は1件のみ

 

 Documents of the Nanking Safety Zone には、市民から訴えられた日本軍の非行が詳細に記録されている。そこに殺害は26件記録されている。しかし、目撃のあったものは内1件だけである。しかも、逃げ出した兵士が撃たれたもので、合法的な殺害と注記されている。すなわち、目撃された違法殺害はセロというのが、この文書が示すところである。国際委員会は市民の訴えを事実を確認することなしにそのまま記録したので、正確性には欠ける。25件についても死体の確認があるのは3件のみ。従って、残り22件は単なる風聞の可能性もある。

 

なお、南京の面積はマンハッタンより狭く、安全区はセントラルパークほどの広さである。ここに20万人が集中していた。殺害などが40万の目から見逃される可能性はほとんどないのである。上記の殺害記録と、3、で述べた人口減が全く記録されていないこととは、よく符合している。胡錦濤が30万虐殺を説明できないことは当然のことなのである。

 

5.虐殺を証明する写真はただの一枚もない

 

 アイリス・チャンのThe Rape of Nanking をはじめとする南京大虐殺を主張する本や、「南京大屠殺記念館」には、虐殺の証拠写真と称するものが大量に掲載されている。しかしながら、今ではこのうちただの一枚として、南京の虐殺を証明する写真がないことが科学的に証明されている。これは、『南京事件の「証拠写真」を検証する』(東中野修道他共著、草思社、東京、2005年)(英文版:Analyzing the Photographic Evidence of the Nanking Massacrehttp://www.sdh-fact.com/CL02_1/26_S4.pdf に詳しく述べられている。ほとんどの写真は、国民党宣伝部が製作した戦争プロパガンダ本である『日寇暴行実録』『外人目撃中の日軍暴行』に掲載された、捏造写真、偽キャプションのものである。よく掲載される日本刀で首を切ろうとしている写真は、周りの人物の影の方向が一つでないことから合成写真であることが明らかである。更に言えば、こんな写真は日本軍自身か、日本軍の許可を受けたものでなければ撮ることはできないが、そんなことを日本軍が行う理由もなければ、又日本でこんな写真は見つかっていなし。要するに偽造の宣伝写真であるということである。詳しくは上記の本を読んでいただきたい。また、その概要はわれわれのサイトの There Is Not a Single “Real Photograph” Documenting the Nanking Incident: http://www.sdh-fact.com/CL02_1/42_S4.pdf に解説されている。

 

なお、公開質問状では、もしこのほかに南京虐殺を証明する写真があると言うなら、是非提出してほしい、科学的な検討にかけたい、といっているが、当然のことながらこれ以上ニセ写真を出してその正体が明かされるようなことを胡錦濤がするはずがない。

 

このように、基本的なところで、南京大虐殺なる事件が成り立ち得ないことを、この公開質問状は証明している。幾ら、ニセ写真だとか、もっともらしい証言だとかをでっち上げてみても、それらは、Documents of the Nanking Safety Zone という、当時の一次資料と矛盾してしまわざるを得ない。大量虐殺が起り、しかも人口が減らないで増える、などという事はありえない奇跡である。プロパガンダの世界でのみ起りうることである。。

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