大好き!五つ子6


第11回〜第15回

第11回
8月2日(月)
 サッカーの試合が近く、慎吾と剛は練習後、二人で自主練をしていた。その時、慎吾がケガをしてしまい、次の日の練習では、慎吾がスタメンから外れて、結局サッカーの試合には剛が慎吾の代役としてスタメンでフォワードに入ることになった。剛の初めてのレギュラー入りに、桃子ママと良介パパはもちろん、拓也、紀香、美穂、それに千絵子おばあちゃんも大喜びする。慎吾も一応は「剛よかったな、がんばれよ!」と声はかけているものの、ちょっと様子がおかしい。
 そして、試合の当日、朝からみんなで大量のお弁当を作って、応援に行く準備も万端!しかし、そこに慎吾の姿はなかった。

 ママ:「慎吾。」
 慎吾:(慌てて寝たふりをする。)
 ママ:「慎吾、そろそろ起きなさい。」
 美穂:「慎吾、起きなさいよぉ。」
 拓也:「試合、遅れちゃうぞ。」
 紀香:「みんなでいっぱい お弁当作ったんだよ。」
 慎吾:「俺、行かないよ。」
 ママ:「具合いでも悪いの?」
 慎吾:「寝てれば治る。」
 ママ:「熱は?」
 慎吾:「ない!」
 ママ:「念のためちょっと測ってみて・・・」
 慎吾:「ないって言ってんだろっ!」
 ママ:「慎吾・・・」
 美穂:「ちょっとぉ、そういう言い方はないんじゃない?」
 慎吾:「いいから、ほっといてくれよ!」
 美穂:「もういいよ、行こっ。」
 紀香:「残念だけど、しょうがないよ。」
 拓也:「もう行こうよ、ママ、ほっといてって言ってるんだからさ。行こ行こ。」

 そしてCMの間に試合は終ってしまったらしく、CMがあけたら、もうみんな試合から帰ってきた。試合は2−1で慎吾たちのチームが勝ったようで、剛もそこそこいい働きをしたらしく、みんなで、試合の話で盛り上がっていた。そんな雰囲気の中で、慎吾はいたたまれなくなり、一人で部屋に閉じこもってしまう。

 美穂:「慎吾、出て来なさいよぉ。」
 拓也:「おい、慎吾。」
 紀香:「慎吾ってばぁ。」
 パパ:「おい慎吾、出て来いよ。ちゃんと話しよ。なっ・・・お前
     怒ってんだろ、パパたちが最近、全然慎吾の試合 見に
     行ってないことを・・・それはゴメン。慎吾は試合に出られて
     当たり前、いつでも応援に行けるって、簡単に考えてたのかも
     知れない・・・でも、だからって慎吾のことを応援してない
     訳じゃないよ。それはわかるよな?」
 慎吾:「違うよ、俺そんなのちっとも気にしてないよ。」
 パパ:「そっかぁ・・・だったら何がそんなに気に入らなかったんだ?」
 慎吾:「気に入らないとかじゃないんだ。」
 ママ:「パパ。(目で『まかせて』みたいな合図を送る。)・・・慎吾、いま
     菊池コーチからお電話があったわよ。慎吾、コーチにずっと言い
     続けていたんですってね。剛は6年生になってから、サッカーの
     腕前が急激に上達している。だから試合に出るチャンスを与える
     べきだって・・・剛の初レギュラーを誰よりも一番楽しみにしていた
     のは慎吾だったのよね。一緒に試合に出てボールをパスしたり
     フォローし合ったり、剛とグランドに立って、そうやって戦うの
     楽しみにしていたんでしょ?」
 慎吾:(戸をあける)「・・・そうだよ・・・俺、ずっと剛と一緒に試合に出るのが
     ずっとずっと夢だったんだよ。その夢やっと叶いそうだったのに俺が
     不注意でケガして出られなくなったのが、すっげぇくやしくて。
     だから俺、一番に剛におめでとうって言いたかった。だけど
     言えなかった。俺、最低だよ。」

 ママ:「最低なんかじゃないわよ。」
 パパ:「パパも、慎吾のこと、最低なんてちっとも思わないけどな。」
 千絵子:「おばあちゃんも、全然思ってないわよ。」
 紀香:「のんちゃんも・・・慎吾がそんなこと考えてたなんて、全然
     知らなかった。」
 拓也:「ごめんな、僕たち、慎吾のこと、誤解してたよ。」
 美穂:「あたしも、きついこと言っちゃって、ごめんね。」
 慎吾:(首をふる)「俺がいけないんだ。せっかくの剛の試合、俺・・・
            何も応援してやれなかった。」

  剛 :「そんなことないよ。」
 慎吾:「・・・剛・・・」
  剛 :「今日の試合、慎吾と一緒に戦ってた。」
     (慎吾にリストバンドを渡す)
 慎吾:「えっ・・・これ、俺のリストバンドじゃん。」
  剛 :「僕ね。ホント言うと、試合に出るの、メチャメチャ不安だったんだ。
     どうせミスして、みんなの足を引っぱるに決まってるって思ってた。
     みんなが応援に来るって言った時も内心、どうしよう・・・って
     泣きそうだったよ。でもね、試合の間これ付けてたら、思ったより
     全然緊張しないで済んだんだ。慎吾のパワー、分けてもらえたって
     思ってた。」
 慎吾:「剛・・・ありがとう剛、次の試合は絶対二人で出ような。」
  剛 :「うん、僕またコーチからチャンスがもらえるように、もっともっと
     練習する。」
 ママ:「さて、みんな下に降りて、おやつにしない?」
 拓也・紀香・美穂:「賛成〜!」
 慎吾:「俺も!朝からなんにも食ってないんだよねぇ。」
 千絵子:「だったらちょうど良かったわ、お弁当いっぱい作りすぎちゃって
      余ってるの。慎吾食べてもらえるわね?」
 慎吾:「食べる、食べる、ぜ〜んぶ食べる!」
 千絵子:「さっ、じゃあ行こ行こ・・・」

〜今日のひとこと〜
 今日は長台詞合戦みたいだったね。このシーンって何回くらいNG出したんだろう^^
今日はもうひとつ。慎吾が部屋に閉じこもってたラストシーン・・・あたしは「あっ、ゆう君白髪がある!!」ってチェックしちゃったんだけど、(きっと全国多数の人が気がついたと思うけどね^^;)青字の(首をふる)ってとこで、その白髪らしきものが落ちて行った・・・あれは白髪ではなく、糸くずみたいだった^^;

第12回
8月3日(火)
 桃子ママがレジ打ちをしていると、五つ子たちが買い物にやって来た。最初はにこやかに子どもたちを見ていた桃子ママだったが、すぐさま、いつものようにケンカが始まり、桃子ママの顔が怒りの大魔神のように変化してしまう、それを知ってか知らないでか、更にケンカがエキサイトする五つ子たちであった。

 ママ:「はい、2000円お預かりいたしまぁす。」
     (五つ子たちが買い物にやって来て、にこやかに見つめる。)
 美穂:「離しなさいよ!」
 慎吾:「そっちこそ離せよ!」
 紀香:「今日の買い物の当番は、美穂とのんちゃんでしょ!」
  剛 :「違うよ、練習の日に代わってもらったから、今日は僕と慎吾。」
 ママ:(怖い顔で睨んでいたが、お客さんがいて我に帰る)
     「あっ、すいません。431円のお返しです。ありがとう
     ございました。」
 ママ:(再び怒りの顔になる)
     「あんたたち、何やってんのよ!こらっ!!」

 美穂:(慎吾がヨーグルトを取ろうとした時、手を叩いて)
     「ヨーグルトはまだウチにあります。」
 慎吾:「多めに買っとけばいいじゃん。」
  剛 :「そうそう、多めに・・・」
 紀香:「ダメよ!賞味期限があるんだから。」
 慎吾:「そんなの関係ないって。」
 美穂:「関係ありますっ!」
 樹里:「あります。」
 慎吾:「関係ない!」
 美穂・紀香・樹里:「関係ある!!」
 慎吾・剛 :「関係ないっ!!」
 拓也:「いい加減にしろよ!」
 美穂:「何よ、拓也。」
 拓也:「朝からケンカばっかりして・・・僕たちもう6年生だよ。
     もうちょっと大人らしくしろよ。」
     (全員そっぽ向く)
 拓也:「あ〜ぁ、僕たちってほんとバラバラ・・・」
 美穂:「バラバラで結構!」
 拓也:「えっ!?」
 美穂:「高校卒業したら、あたし一人暮らしするし。」
 慎吾:「俺だってサッカー留学してやる!」
 紀香:「だったらのんちゃんは、アメリカのハイスクールに行きたいな。」
  剛 :「みんな勝手にすれば?」
 慎吾:「どうせ拓也だって私立の中学に行くんだろ?」
 ママ:「ったくぅ、またくだらない事でケンカしてるな・・・
     あっ、いらっしゃいませぇ。」

 そんなささいない言い合いから、みんながバラバラになってしまうのだという感を強め、寂しくなった拓也は、千絵子おばあちゃんの家に行く。そこで美咲ちゃんから双子にはシンクロニシティという神秘的な絆が存在するのだと聞かされる。拓也は五つ子のシンクロニシティを証明して五人の絆を確認したいと考え始める。そこで千絵子おばあちゃんからもらって帰ったゼリーをみんなで食べようとした時、五人全員がオレンジゼリーを選んだ事から、シンクロニシティー証明作戦を開始する。

 拓也:「きっと僕たちには、世間に発表したら、びっくりするようなシンクロ
     ニシティーがあるはずなんだ・・・僕、実験して証明しなくっちゃ。」
     (本を読み始める)
 拓也:「なになに?ある双子にじゃんけんをさせた所、連続50回もあいこが
     続いた事がある・・・か・・・よし、五つ子の神秘、実験その1
      ”ジャンケン” 僕らの目標は、連続500回だ。」
     (下におりていく)
 拓也:「ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ。みんなでジャンケンしようよ。」
 美穂:「はぁ?、ジャンケン?」
 慎吾:「どうしたんだよ、いきなり。」
  剛 :「何のために?」
 拓也:「えっ・・・何のためにって・・・あっ、そうだ。勝った人の夏休みの
     宿題、僕み〜んな やったげる。」
 慎吾・紀香・美穂:「え〜っっ!」
 慎吾:「それマジ?」
 拓也:「うん、こういうのって、ちょっと楽しくない?」
 美穂:「おもしろい、おもしろい!超おもしろい!!」
 紀香:「拓也優しい〜。」
 拓也:「みんなと僕でジャンケンして、負けた人が脱落。最後まで残った
     人が勝ち・・・って事でいいね。」
  剛 :「OK!絶対勝つぞ!」
 美穂:「あたしだって!」
 拓也:「よぉし、じゃあ行くよ、最初はグー。ジャンケンポイ!」
     (拓也、みんなを見回す)
     (剛=チョキ、美穂=チョキ、紀香=チョキ・・・慎吾=グー )
 慎吾:「やったぁ〜、俺の勝ち〜!」
 美穂:「何いってんのよ! 慎吾あと出ししたでしょ?」
 慎吾:「えっ、そうだったっけなぁ・・・」

 その後、美穂がオールマイティーを出したり、しているうちに桃子ママが帰ってきて、「宿題は自分でやるものですっ!」って叱られ、あえなく解散させられた。そして次に作戦第2弾を思いついたのが連想ゲームだった。しかしそれも、みんなバラバラ・・・あげくの果てに、その答えから、またまたケンカが始まってしまう。そして紀香がシンクロニシティーの本を見つけ、4人が拓也を責める・・・それに切れた拓也は、千絵子おばあちゃんの家でおせんべいをバカ食いして、お腹をこわしてしまう。その後、布団の中で目が覚めた拓也は、周りを見てびっくり!パパとママ、それに他の五つ子たちも”偶然”に集まっていたのだ。これは間違いなくシンクロニシティーだと胸を張る拓也だった。

〜今日のひとこと〜
 何か今日ののんちゃんって、すっごく迫力なかった? いつもはのんびりおっとり・・・っていった感じなのに、今日は美穂とおんなじくらいのテンションでケンカしたり喜んだり・・・

 
第13回
8月4日(水)
 鎌倉行きを前に亜理紗ちゃんにあげる古着の整理を頼まれた美穂と紀香。そこへさーちゃんがやって来て、アメリカでは、こういった古着は「ガレージセール」で売ってしまうんだという事を聞く。そしてそれにすぐ食いついたのが、やっぱり美穂だった。美穂のひと言でガレージセールをして、いらない服を売ろうということになった。さっそく場所探しに出かけ、そこで由佳と出会い、男の子たちは、由佳を家に誘う。そして由佳は一人で本を見ている傍で、五つ子たちは、ガレージセールの準備を着々と進める。

 拓也:「ねぇ由佳ちゃん、お腹すいてない?」
 慎吾:「麦茶おかわり持って来ようか?」
 美穂:「ううん!」
 慎吾:「何だよ、美穂。」
 美穂:「ちゃんと作業に集中して!」
 拓也:「だけど由佳ちゃん退屈させたら悪いだろ?」
 慎吾:「そうだ!そうだ!」
 由佳:「私は大丈夫よ、気にしないで。」
 美穂:「・・・だって。」
 慎吾・拓也:「・・・・・・」
 美穂:「えーっと、これは結構着倒したから、値段はこれくらいかなぁ?」
  剛 :「ねぇ、美穂。」
 美穂:「なぁに?」
  剛 :「ガレージセールって、服以外にも出していいんだよねぇ?」
 美穂:「うん、売れそうなものならね。」
  剛 :「じゃあ僕、これ出す。」(ロボットの貯金箱を見せる)
 美穂:「だから、売れそうなものって言ったでしょ!」
 紀香:「それ何?」
  剛 :「貯金箱。まだ作りかけなんだ。これから色を塗る。」
 慎吾:「あっ、俺も手伝うよ。」
 美穂:「慎吾は値付け係り。」
 慎吾:「もう終ったよ・・・ほら。」
 美穂:「ゲッ・・・なに考えてんのよ!オール10円って!!」
 慎吾:「すげぇだろ?100円ショップの10分の1なんだぜ。」
 美穂:「安すぎよ!」
 慎吾:「そういう美穂は、5000円とか10000円とか高すぎなんだよ!」
 美穂:「わかってないわねぇ、これ見なさいよ!これに比べればかなり
     お買い得よ。」
 慎吾:「雑誌と一緒にすんなよ!」
 美穂:「もぅ!せめて300円くらいにしてよ!」
 慎吾:「あっ、やめろよ!」

 ・・・と、こんな感じでワイワイやっていたのだが、それをずっと見ていた由佳ちゃんが「ままごと感覚ならやめた方がいい」と言ったもんだから、美穂の導火線に火がついてしまった!前々から由佳が気に入らなかった美穂はついにブチ切れた!!
 でも、ただ、「おもしろそう」だからと盛り上がっている五つ子に対し、由佳ちゃんは、小さい頃からずっと、お母さんの仕事を見てきて、お金の意味をちゃんと理解している。それゆえの言葉だった。
 その夜、桃子ママの言った意味を考える五つ子たち。以前、拓也が「私立の中学を受験したい」と言ったとき、パパとママは、「本気で何かをやりたいんだったら、パパもママも喜んで応援する。」と言っていたことを思い出し、ガレージセールも、それとおんなじ事だと気付く。そして、今日の出来事を由佳ちゃんがお母さんに話したらしく、ひょんなことから生協の一角を借りて、ガレージセールができる事になる。ガレージセールはもちろん大盛況!ガレージセールで儲けたお金は、パパとママにおそろいのカップ゛をプレゼントした五つ子たちだった。

〜今日のひとこと〜
 今日の話は、5でいうボランティア編みたいに、鎌倉編が終って、ラストに向けての序章だと思ったんだけど、普通に終わってしまいました。・・・にしても、ここの家のパパとママって、いつもいつもホントにしっかりした考えを持って、子どもたちに接してるね。あたしもいつかは、こんな親になれるかなぁ・・・
第14回
8月5日(木)
 朝から樹里に元気がない。何となく良介パパに対する目がよそよそしく感じる。そんな時に鎌倉のおばあちゃんから、日程の催促の電話が・・・。本日の朝食後の一発目の仕事は、鎌倉行きの日程調整となったが、今年は、みんなの予定を合わせると、何と8月9日〜14日の午前中まで、全員が空いている!今年は難なく鎌倉行きが決定した。
 そして、午前中に友だちと遊んで帰ってきた紀香に元気がない。でもふさぎ込んでいるかと思うと楽しそうにしている他の子を怒鳴りだしたりするのだった。

 パパ:(やきそばを作っている)
 慎吾:「うんめぇ〜!」
 パパ:「だろ? 隠し味が違うんだよぉ。」
 拓也:「また家庭科の先生?」
 パパ:「そう、ミートソース^^」
 紀香:「ただいまぁ。」
 慎吾:「あっ、のんちゃん、おかえり。」
 パパ:「おかえり、今第二弾がすぐ出来るからな・・・どうした?紀香。」
 紀香:「別に・・・」
 美穂:「鈴木さんと佐藤さん・・・じゃなくてマリアとキャシー元気だった?」
 紀香:「・・・うん。」
 パパ:「さて、出来た・・・はい、お待ち紀香。」
 美穂:(電話が鳴る)「あっ、あたし出る。」
 パパ:「おぅ、頼む。」
 美穂:「もしもし桜井です・・・あっ、弥生ちゃん?・・・うん、今度の
     ショッピングでしょ?大丈夫よっ。それよりさぁ・・・」
 慎吾:「長電話になるよ。」
 パパ:「だなぁ。」
 紀香:「美穂、ごはん中に電話はダメだよ。」
 美穂:「えっ!? 志村と聖子ちゃん別れたの!? やっぱりねぇ。」
 紀香:「ダメよ、美穂。」(受話器を奪おうとする)
 美穂:「もしもし弥生ちゃん・・・またかけなおすわね。(電話を切る)
     何よのんちゃん、電話くらいしたっていいじゃない!!」
 慎吾:「あっ、そうだ、この後、たかしと遊ぶ約束してんだけど、
     悪いんだけど後片付けの当番、代わってもらえない?」

 パパ:「おいおい、当番が終ってからじゃ、ダメなのか?」
  剛 :「いいよ・・・僕だってたまに代わりたいことがあるかもしれないし・・・」
 紀香:「ダメだよ!」
 慎吾:「えっ!?」
 紀香:「ひどいよ慎吾、剛に押し付けて、自分だけ遊びに行くなんて。」
 慎吾:「そういう訳じゃないよ。」
  剛 :「のんちゃん、僕 気にしてないよ。」
 慎吾:「たかしとの約束は破れないよ。」
 紀香:「ダメ!!」
 美穂:「のんちゃん、何か変だよ!」
 紀香:「・・・おばあちゃん家、行ってくる。」
 パパ:「お…おい、紀香・・・」

 そして千絵子おばあちゃん家では、美咲の携帯にお父さんから電話が入り、楽しそうに話をしていると、樹里が急に泣き出した。それを見た紀香も、つられて大泣きする。「樹里ちゃんはパパが恋しいんだ。」と代弁する紀香。紀香は今の樹里の気持ちが痛いほどよくわかるのだった。それは、友だちのマリアが2学期から上海の学校に転校するのでショックを受けていたのだ。だから美穂が電話で弥生ちゃんと楽しそうに話したり、慎吾がたかし君と遊ぶ約束をしたりしているのを見ているのが淋しくて羨ましかったのだ。

〜今日のひとこと〜
 何か、美穂が怒鳴りちらしても、いつものことだから、もう慣れちゃったけど、普段温厚な紀香が切れたら怖いねぇ…。慎吾もビビってた^^; でも、送り出す紀香より、知らない学校へひとり行くマリアの方が、悲しくて、不安で、取り乱しちゃうかも知れないよね? いつもの紀香なら、そこんとこに気付いて、まず友だちの事を考えると思うんだけど、やっぱり親友となると、見えなくなっちゃうのかな?

第15回
8月6日(金)
 みんなが寝静まったころ、剛がこそこそっと2階から降りてきて、鎌倉の恵おばさんに電話をかけていた。放送では謎のまま朝が来たが、実は「今年は鎌倉に行けない」と電話したのだった。そしてその朝、突然、鎌倉のおばあちゃんが直接事情を聞こうと乗り込んできた。パパもママも、もう家を出ないといけない時間になって、更に鎌倉のおばあちゃんは、桃子ママがパートに出ていることを知り、「聞いてなかった」と怒りが頂点に達してしまった。そこへ千絵子おばあちゃんがやって来て、とりあえず千絵子おばあちゃんが、鎌倉のおばあちゃんを楠家へ誘って、楠木家で待つことにした。その頃、子どもたちは・・・

 拓也:「剛、なんでおばあちゃんを悲しませるようなこと言うんだよ。」
 美穂:「おばあちゃんだけじゃないわよ、パパとママだって
     困ってたじゃん。」
 慎吾:「昨日スケジュール決めただろ?何でその時に言わないんだよ。」
 紀香:「のんちゃんも一緒に行ってあげるから、あやまって来よ。」
 4人:「剛ぃ〜・・・」
  剛 :「・・・でも、やっぱり鎌倉には行きたくない!」
 慎吾:「剛はこの夏のリーダーじゃなかったのかよ!」
 美穂:「そうよ、リーダーのクセして ひとりでヘソ曲げて!」
  剛 :「リーダーだからだよ!リーダーだから鎌倉へは
     行かないんだ!!」
 拓也:「いい加減にしろよ 剛。」
  剛 :「行きたきゃみんなで行けばいいだろ!僕は東京に残る、
     絶対に残る!」
 紀香:「剛。」
     (剛、部屋にこもり何かを作り出す。後の4人は後片付けをしている)
 紀香:「剛、降りて来ないね・・・。」
 拓也:「何であんなこと言い出したんだろう?」
 美穂:「ホント何考えてんだか。」
 慎吾:「訳わかんねぇよ。」
 紀香:(剛、降りてくる)「剛。」
  剛 :「ちょっと出かけてくる。」
 拓也:「どこへだよ。」
  剛 :「おばあちゃんとこ・・・もう一度きちんと説明してくる。」
 慎吾:「説明? 説明って何だよ、剛!」
     (剛、走って出て行く)
 拓也:「この分じゃ、今年の鎌倉は、剛 抜きだな。」
 慎吾:「そうだな。」
 紀香:「でも、剛 大丈夫かなぁ・・・何か少し変だったよ。」
 美穂:「気にしなくていいわよのんちゃん・・・あーーーっっ!」
 慎吾:「うわぁ、何だよ、美穂!」
 美穂:「パジャマ洗うの忘れたぁ!!」
     (そしてみんなで子ども部屋へ、パジャマを取りに行く)
 拓也:「・・・ったくぅ、そんなことで大声出すなよな。」
 美穂:「だってぇ、パジャマ1回目の洗濯の時に洗うって決めてた
     のにぃ!とりあえず早く、出して出してぇ!」
 拓也:「何だ?これ・・・」
 3人:「どうしたの?」
 4人:「あーーーっっ!!」

 みんなが見つけたものは、新しい当番表・・・その当番表には剛の名前しか書いてなかった。それを見て他の五つ子たちは、剛の思いに気がつき、剛の援護射撃をするために、剛の後を追って楠家へと向かった。

 拓也:「おばあちゃん・・・」
 良枝:「あら・・・みんな・・・」
 拓也:「おばあちゃんゴメン。剛だけじゃなくて僕たち全員、鎌倉へは
     行けない。」
 慎吾:「俺たち、大切なこと忘れてたんだ。」
 良枝:「大切なこと?」
 紀香:「うん・・・のんちゃんたちね、今年の夏休みは、みんなでママの
     お手伝いをやってるの・・・ほら。」(当番表を見せる)
 良枝:「まぁ・・・」
 紀香:「これ、剛が書いたんだよ。」
 良枝:「このお当番、毎日やってるの?」
 拓也:「うん、今のところはね。」
 慎吾:「予定通りには行かないけどね。」
 美穂:「ママ・・・パパと相談して、あたしたちが中学生になった時のことを
     考えて働いてくれてるの。」
 拓也:「だったら僕たちだって、お手伝いするのは当然でしょ?なのに
     剛以外の全員来週のことだけポーンと抜けちゃってたんだ。」
     (新当番表を見せる)
 パパ:「剛・・・そうかお前・・・」
 千絵子:「剛、このお当番、全部ひとりでやるつもりだったの?」
 慎吾:「剛は忘れてなかったんだ。どんなことがあったって、俺たちは
     桜井家の一員だってこと。だから、家族としての責任を放り出して
     鎌倉に行くことはできないって思ったんだよ。」

 美穂:「おばあちゃんわかって。剛もあたしたちも鎌倉大好きだよ。」
 慎吾:「リフォームだって、楽しみにしてたよ。」
  剛 :「おばあちゃん、本当にゴメンね。」
 5人:「ごめんなさい。」

 これで鎌倉のおばあちゃんは納得して、鎌倉へ帰って行って、一件落着・・・ならぬ一旦落着だったけど、その夜、桃子ママから新たな提案が・・・みんなが鎌倉へ行っている間、桃子ママもパートから帰って来たら何もせず、のんびり過ごすと約束し、桜井家全員の休暇と言うことで、みんなは再び最初の予定通り、鎌倉へ行くことになった。
 ・・・そして、早速水着に着替えて、鎌倉の海の気分を味わう五つ子Boy’s・・・その時、剛がとんでもない事を忘れていたのを思い出した。・・・来週の金曜日は由佳ちゃんの誕生日で、お祝いしてあげると由佳ちゃんと約束していたのだ。はてさてどうなる事やら・・・

〜今日のひとこと〜
 最後には「何やねん!結局行くんかぃ!」ってツッコミを入れてしまった^^; でも五つ子は鎌倉編があっての五つ子だもんね。
 あたしも小さい頃は親戚の家によく泊まりに行ってたんだけど、いつの間にか行かなくなってしまってて、久しぶりに親戚のおばさんとかに出会うと、何か照れくさいというか、気まずい雰囲気とかがありましたねぇ…