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平成15年 マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ1(問1より問25まで)

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※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部対応していません。

*全体の注意:区分所有法は、平成14年に改正があった。また、マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
  過去の問題を解くときには、最新の法令にあっているかどうか、注意してください。

第 1問

〔問 1〕 1棟の建物に構造上区分され、独立して住居としての用途に供することができる数個の部分がある場合の区分所有権の成否及びその内容に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 この数個の部分は、法律上当然に専有部分となる。

→×-1  間違いである。 この設問方式「法律上当然」は、区分所有法上で明確に規定されていることをいう。毎年出題されるパターンなので、理解しておくこと。(と言いながら、面倒な内容です。)
   区分所有法で、「専有部分」とは、区分所有権の目的となり得る建物の部分をいう(第2条3項)。そして、専有部分となりえても、規約によって共用部分とすることもできる(第4条2項)。よって、1棟の建物に構造上区分され、独立して住居としての用途に供することができる数個の部分は、専有部分であるが、すべてが法律上当然(そのまま当然に、なにもしなくても法律の定めによって)に専有部分となるものではない。規約で共用部分に変更することもできる。例えば、建物内にある管理人室、集会室など専有部分となりうるものでも、規約で共用部分にすることができる。

→×-2(参考:別の解説)  間違いである。 区分所有法第1条は、「一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。 」と定める。すなわ ち、「することができる」と定めるように、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居の用途に供することができるものであっても、法律上当然に区分所有権が認められるとはしていない。 (注:分かり難い? また問題の趣旨を外している?)

2 この数個の部分は、その一つが法律上当然に共用部分となることはない。

→○-1 正しい。 「構造上区分され、独立して住居としての用途に供することができる数個の部分」は本来、区分所有権の目的として専有部分となる部分であるが、規約によって共用部分に変更できる。専有部分を共用部分とするには、そのまま(法律上当然)では認められない。
 なお、共用部分には、@法定共用部分と呼ばれる「数個の専有部分に通ずる廊下または階段室」(第4条1項)などと、A元々は専有部分になり得る部分であっても規約によって共用部分とすることができる規約共用部分がある(第4条2項)。

→○-2(参考:別の解説) 正しい。 選択肢1のように、区分所有法第4条第2項本文が、「第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。」 と定めている。規約によって共用部分とすることができるのであり、法律上当然に、共用部分となることはないという本肢は正しい。 (注:分かり難い?)

3 この数個の部分には、法律上当然に各別に1個の区分所有権が成立する。

→× 間違いである。 区分所有権とは、区分所有法第2条1項により、専有部分を目的とした所有権である。数個の専有部分について、当然に各別に1個の区分所有権が成立するとする規定は、区分所有法にない。 数個の専有部分がある場合でも、その専有部分の全部を1人で所有する場合は、数個をあわせて、1棟の建物全体で、1個の所有権とみることも可能である。各別に1個の区分所有権が法律上当然に成立しないこともある。

4 この数個の部分の区分所有者の数は、法律上当然に2以上となる。

→× 間違いである。 数個の専有部分に対応して、各別に1人の区分所有者が存在するとの規定は、区分所有法にない。まだ分譲していないマンションのように、複数の部分を一人で所有する場合もあり、そのときは、区分所有者の数は1のこともある。法律上当然にはならない。

正解 2 (最初から難問である。条文をよく理解しないと解答できない。) 
なお、区分所有法の解説は、別途「超解説 区分所有法」がありますので、こちらも参考にしてください。

第 2問

〔問 2〕 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の法定共用部分(区分所有法上当然に共用部分とされる部分をいう。以下この問いおいて同じ。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 構造上区分所有者の共用に供されるべき建物の部分は、専有部分ではなく、法定共用部分である。

→○ 正しい。 区分所有法を勉強した人は分かっているでしょうが、区分所有法では「マンション」という規定は存在していません。そこで、マンションを定義するため「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が必要となります。
  「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」第2条では(定義) 
   第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
     一  マンション 次に掲げるものをいう。
       イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設
       ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設」です。

 共用部分とは、建物のどこの部分か、また法定共用部分は何かをきいています。
 区分所有法で定める共用部分とは、区分所有法第2条4項「この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。 」とあり、
また共用部分とは、区分所有法第4条第1項、「数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。」をさす。
 これらにより、明確に法律上共用部分(法定共用部分)とされるのは、@専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物、とA構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分 となる。
 設問はAに該当し、法定共用部分である。なお、区分所有法第2条4項後半の「第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物」は規約で共用部分になるため、法定共用部分ではありません。

2 区分所有者の現実の共用に供されていない建物の附属物であっても、専有部分に属しないものは、法定共用部分である。

→○ 正しい。 専有部分に属さない建物の附属物(電気の配線、ガス・水道の配管、エレベーターなど)は法定共用部分です。
 選択肢1でも述べたように、法定共用部分は、区分所有法第2条第4項、「この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物・・・・をいう。」と定める。現実の共用に供されていなくても専有部分に属しない建物の附属物は、法定共用部分となる。

3 区分所有者全員の共用に供される附属の建物がある場合、この建物は、法定共用部分である。

→× 間違いである。 附属の建物をどう扱うかである。
   区分所有者全員の共用に供される建物の部分は、選択肢1及び2で述べたように、法定共用部分であるが、ここには附属の建物は含まれていない。附属の建物(倉庫、車庫、集会所など)は、区分所有法第4条第2項本文、「第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。」と定める。たとえ、区分所有者全員の共用に供されていても、附属の建物は規約によって初めて共用部分となる。法定での共用部分ではない。

4 法定共用部分であるためには、区分所有者の共用に供され得る状態にあれば足り、現実に共用に供されていなくてもよい。

→○ 正しい。 法定共用部分であるためには、区分所有者の共用に供され得る状態にあれば足り、現実に共用に供されていなくてもよい。区分所有法第4条1項では、「現実に共用に供されていること」の制限はない。

正解 3 (問1に続いて難しい。区分所有法の基本の理解が求められている。しかし、現実には、この専有部分と共用部分の区分けは論争が多くて、簡単には決まらないので、判例や各種参考書を読んでおくこと。)

第 3問

〔問 3〕 Aマンションは、下図のとおり甲地及び乙地にまたがって建てられており、丙地は、Aマンションの駐車場として使用されている。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、甲地、乙地及び丙地は、それぞれの一筆の土地であるものとする。

1 甲地及び乙地は、法律上当然に建物の敷地となる。

→○ 正しい。 甲地及び乙地の上には、Aマンションがまたがって建っている。区分所有法第2条第5項は、「この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第5条第1項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。」と定める。本問において、甲地も乙地も建物(マンション)が所在する土地であるので、同条により「建物の敷地」となる。法律上当然に建物の敷地となる。

2 丙地は、規約で定めれば、建物の敷地とすることができる。

→○ 正しい。 丙地には、建物(マンション)が建っていない。その場合には、同法第5条第1項は、「区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。 」と定める。本問において駐車場である丙地は、区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用する土地に該当するので、丙地も規約により敷地となる。丙地は、第5条1項の規定により規約で定めれば、建物の敷地とすることができる。

3 乙地の建物が建っていない部分を分割して第三に売却する場合には、規約により、その部分を建物の敷地から除外する措置を講ずる必要がある。

→○ 正しい。 同法第5条第2項は、「建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。」と定める。建物が所在する乙地が分割された場合は、同条後半により規約でのみなし敷地となるので、これを第三者に売却するには、規約により、その部分を建物の敷地から除外する措置を講ずる必要がある。

4 乙地は、Aマンションの一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、法律上当然に建物の敷地ではなくなる。

→× 誤っている。 選択肢3で述べたように、同法第5条第2項により、建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなされる。よって、法律上当然に建物の敷地ではなくなるのではない。法律上当然に建物の敷地として規約で定めたものとみなされる。

正解 4 (みなし敷地とは何かを聞いている。)

第 4問

〔問 4〕 共用部分の管理に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものどれか。

1 共用部分の管理(保存行為を除く。)に関する集会の決議が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければ、その決議は、無効となる。

→○ 正しい。 区分所有法第18条第1項は、「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」と定める。この規定につき、同法第18条第3項により前条の同法第17条第2項が準用され、「共用部分の管理が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならなくなる」。その結果、専有部分の所有者の承諾を得ない決議は無効と解される。その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

2 共用部分の保存行為については、規約で定めれば、特定の区分所有者のみが行うこととすることができる。

→○ 正しい。 同法第18条第1項は、「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」と定める。そして、同条第2項は、「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」と定めているので、本肢のように定めることが出来る。なお、この場合の保存行為とは、軽微な維持行為程度となる。

3 規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、規約で定めれば、その形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更行為をすることができる。

→× 誤っている。 通常、所有者を定めることができない共用部分に特例として、規約があれば、所有者を定めることができる。これは「管理所有」と呼ばれる。(同法第11条2項)。そして、同法第20条第2項によると、規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、第17条第1項に規定する共用部分の変更をすることができないことになる。そして、この規定は規約で変更することが出来ないと解されている。「その形状又効用の著しい変更を伴う共用部分の変更行為をすることはできない」(重大変更)。(参照:平成20年 マンション管理士 試験 「問5」) 

4 第三者の行為により共用部分が損壊した場合における損害賠償を請求する訴訟は、規約で定めれば、集会の決議を経なくても、管理者が提起することができる。

→○ 正しい。 同法第26条第4項によれば、「管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる」。そして管理者の職務には、同条第2項により、共用部分等について生じた損害賠償金の請求も管理者の職務の範囲内であることになる。よって、規約で定めれば、集会の決議を経なくともよい。(ただし、原告・被告となったら、遅滞無く区分所有者に通知すること。同法第26条第5項)

正解 3

第 5問

〔問 5〕 一部共用部分に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものついて、区分所有全員の規約に定めがある場合、その規約の変更は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える者の反対があったときは、することができない。

→○ 正しい。 まず、一部共用部分とは、建物において、構造上明らかに一部の専有部分にのみ共用されている廊下や階段室のことをいいます。例としては、下が店舗で上が居住用のいわゆる「下駄ばきマンション」を想定してください。この場合、店舗用にだけ使用される廊下や階段、また住戸の人専用の廊下やエレベーターが、この一部共用部分に該当します。(区分所有法第3条後半参照)。平成23年 マンション管理士試験 「問1」平成22年 マンション管理士試験 「問2」 平成17年 マンション管理士試験 「問1」
   そして、区分所有法第30条第2項は、「一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。」と定める。従って、一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは区分所有者全員の規約で定めることができる。この規約につき、同法第31条第2項は、「前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。」と定める。当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える者の反対があったときは、することができない。

2 一部共用部分は、規約で定めれば、区分所有者全員の共用とすることができる。

→○ 正しい。 同法第11条第1項は、「共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。」とするも、同条第2項本文で「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」と定める。 一部共用部分は、規約で定めれば、区分所有者全員の共用とすることができる。

3 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係するものは、その一部共用部分を共用すべき区分所有者の規約で定めることはできない。

→○ 正しい。 選択肢1でも述べたように、同法第30条第2項は、「一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。」と定める。一部共用部分で一部共用部分を共有する区分所有者の規約で定めることができるのは、区分所有者全員の利害に関しないものに限られる。条文の逆の設問に注意。

4 共用部分の共有持分割合の算定に当たって、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)の床面積を、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入しようとする場合には、規約でその旨を定めなければならない。

→× 誤っている。 同法第14条第1項は、「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」とし、第2項において、「前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。」と定める。従って、一部共用部分の床面積を、これを共有すべき各区分所有者の専有部分の床面積に算入しようとする場合には、規約でその旨を定める必要はない。規約は、これ以外の方法を定めるときに必要となる。

正解 4 (一部共用部分も出題が多いので、関係の箇所をまとめておくといい。)

第 6問

〔問 6〕 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。以下この問いにおいて同じ。)又は規約の変更を集会において決議する場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 共用部分の変更の決議は、規約で定めれば区分所有者の定数を過半数とすることができるが、規約の変更の決議は、規約で定めてもその定数を過半数とすることができない。

→○ 正しい。 この、区分所有法第17条での「区分所有者の数の減少」は良く出題されるので注意のこと。
    区分所有法第17条第1項は、重大変更と呼ばれる「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」と定める。本肢前段は、その通りであり正しい。また、同法第31条第1項第1文は、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によつてする。」と定める。この規定は他の事項を定めることを許さない強行規定であって、規約変更決議は、規約で定めてもその定数を過半数とすることができない。

2 共用部分の変更は、区分所有者全員の承諾があれば、集会を招集せず、書面による決議ですることができるが、規約の変更は、書面による決議ですることはできず、集会において決議しなければならない。

→× 誤っている。 同法第45条第1項は、「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。」と定める。区分所有者全員の承諾があれば、集会を開催しないで、書面(又は電磁的方法)で、普通決議でも、特別多数決議でも行えるようにしてある。規約の変更についても書面又は電磁的記録による決議が可能である。共用部分の変更(重大変更)も規約の変更も同様である。

3 集会の招集通知をするに際し、共用部分の変更に係る議案については、その議案の要領をも通知しなければならないが、規約の変更に係る議案については、その必要はない。

→× 誤っている。 同法第35条第5項は、「第1項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項、第68条第1項又は第69条第7項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定める。従って、共用部分の変更に係る議案(第17条第1項に該当する)も規約の変更に係る議案(第31条第1項に該当する)も、共に通知には議案の要領(決議の内容が分かるもの)も通知しなければならない。よって、本肢は後段が誤り。

4 共用部分の変更の決議は、その決議によって特別の影響を受ける区分所有者が承諾をしない場合にはすることができないが、規約の変更の決議は、その者の承諾がなくてもすることができる。

→× 誤っている。 同法第17条第2項は、「前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」と定める。また、同法第31条第1項は、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」と定める。共用部分の変更の決議も規約の変更の決議も、その決議によって特別の影響を受ける区分所有者の承諾が必要である。よって、本肢は前段が誤り。

正解 1

第 7問

〔問 7〕 管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)の運用において電磁的方法による場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 電磁的方法により決議をしようとする場合、集会を招集する者は、区分所有者全員の承諾を得なければならない。

→○ 正しい。 電磁的方法、電磁的記録は、平成20年 管理業務主任者 試験 「問35」 、平成17年 マンション管理士 試験 「問9」 、平成16年 マンション管理士 試験 「問8」 、平成15年 管理業務主任者 試験 「問32」 など、たびたび出題されている。また、平成22年 マンション管理士 試験 「問8」平成22年 管理業務主任者 試験 「問31」 なども。
  世間のIT化の波を受け、区分所有法でも、改正があった。一般に区分所有法に限らず、法の改正箇所は、資格試験では出題傾向が高いので、留意のこと。
  区分所有法第45条第1項本文は、「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。」と定める。従って、電磁的方法により決議をしようとする場合、集会を招集する者は、区分所有者全員の承諾が必要となる。決議の方法については区分所有者の全員がコンピューター・システムやインターネットを利用できる環境に無いことを考えている。

2 規約は、管理組合の基本となるものであるから、電磁的記録により作成することはできない。

→× 誤っている。 同法第30条第5項は、「規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。」と定める。決議の方法と異なり、規約や議事録は、IT化の影響で、書面でも電磁的記録でも規約を作成できる。これには、全員の賛成とか、規約での定めは不要。無条件にできるようになった。

3 電磁的記録により集会の議事録を作成しようとする場合、集会を招集する者は、区分所有者全員の承諾を得なければならない。

→× 誤っている。 同法第42条第1項は、「集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。」と定めており、電磁的記録により集会議事録を作成することが認められている。このとき区分所有者全員の承諾は要求されていないので、規約と同じように区分所有者の承諾は不要である。なお、集会の議事録には、議長と集会に出席した区分所有者2名、合計3名の署名押印を得なければならない。(参考;区分所有法第42条第3項)

4 電磁的記録方法により決議をしようとする場合、決議事項には一定の制限を設けられており、共用部分の管理に要する費用の引上げの決議は、することができない。

→× 誤っている。 同法第45条第1項本文は、「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。」と定める。区分所有者が全員賛成していれば、この電磁的記録による決議については、決議事項に制限はない。共用部分の管理に関する費用の引き上げも、電磁的記録による決議が可能である。

正解 1

第 8問

〔問 8〕 管理組合法人の理事に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。


 注:平成20年12月施行より、管理組合法人の規定は、民法の改正を受けて、区分所有法でも改正があったので、注意の事。ここは、改正に合わせた。

1 区分所有者である法人を理事に選任することはできない。

→○ 正しい。 設問が管理組合法人であることに注意。
    理事の規定は、区分所有法第49条にあり、規定では、法人が理事になることは、禁止されていないが、民法の解釈上、法人の機関は自然人であることを有するから区分所有者である法人を理事に選任することはできないとされる。(民法第52条1項参照)。なお、管理組合が法人でないときの管理者には法人も管理者になれる。

2 区分所有者の配偶者を理事に選任することはできる。

→○ 正しい。 選択肢1でも述べたように、民法の解釈から、管理組合法人の理事の資格については、法人はなれないとされるが、区分所有法では、理事を区分所有者に限定する規定はなく、区分所有者以外の者も理事になれると解されている。配偶者を理事に選任することはできる。ただし、参考:標準管理規約(単棟型)35条2項 「理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。」とあり、標準管理規約(単棟型)では、組合員(=区分所有者)に限定はしているので注意のこと。これは、適法と解される。(注:平成23年7月の標準管理規約の改正で、この「○○マンションに現に居住する組合員のうちから」は改正され、「組合員のうちから」となり、「○○マンションに現に居住する」は削除された。)

3 規約により、理事が事故により理事会に出席できないときは、その配偶者を理事会に代理出席させることとすることはできる。

→○ 正しい。 最高裁:平成12.11.26によると、規約で定めれば、理事に事故がある場合に、かつ理事の配偶者又は一親等の親族に限定して理事会への代理出席が認められる。参考:標準管理規約(単棟型)53条コメント:理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。ただし、規約で定めてなけれ、ダメです。

4 集会の決議による解任で退席をした理事は、後任者が就任するまでの間は、引き続きその職務を行う義務を負う。

→× 誤っている。 鍵は「集会の決議による解任」である。参考:平成19年マンション管理士 試験 「問26」、また平成20年 管理業務主任者 試験 「問29」 でも出た。
    似たような規定として、区分所有法第49条第6項(新:7項)は、「理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事が就任するまで、なおその職務を行う。」と定める。引き続き職務を行うのは、任期の満了又は辞任により退任した理事であって、集会の決議による解任により退任した理事は含まれない。解任の趣旨に反する。言葉の「解任」に注意のこと。

正解 4

第 9問

〔問 9〕 共同利益背反行為(区分所有法第6条第1項に規定する区分所有者の共同の利益に反する行為をいう。以下この問において同じ。)を行った区分所有者に対してA〜Dの措置を執る場合、訴訟の主体(ア〜エ)及び訴訟提起のための集会の決議等(@〜B)に係る次の組合わせのうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

A 当該区分所有者の共同利益背反行為の停止
B 当該区分所有者による専有部分の相当の期間の使用の禁止
C 当該区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売
D 当該区分所有者の共同利益背反行為の結果の除去

ア 当該区分所有者以外の区分所有者全員
イ 規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者(エの区分所有者を除く)
ウ 管理者
エ 集会の決議により訴訟追行権を与えられた区分所有者

@ 区分所有者及び議決権の各過半数の決議
A 区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議
B 当該区分所有者に対する決議前の弁明の機会の付与

1  Aとイと@
2  BとアとA
3  Cとウと@
4  DとエとB

★設問文の上から(ABCDとか@AB)順に読んでいくと、時間もかかるし、設問の意図も不明で、実に不適切な出題である。一番下の、選択肢1〜4にあわせて、読んでいくと問題がわかる。 平成26年マンション管理士試験 「問8」 。
  区分所有法の規定によれば、
1 Aとイと@ → × 誤っている。 区分所有法第57条3項によれば、A)区分所有者の共同利益背反行為の停止の裁判は、@)区分所有者及び議決権の各過半数の決議で提起するが、提起する者は管理者又は集会での指名者でイ)の規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者(エの区分所有者を除く)ではない。

2 BとアとA → ○ 正しい。 区分所有法第58条によれば、B)区分所有者による専有部分の相当の期間の使用の禁止の裁判は、ア)当該区分所有者以外の区分所有者全員が、A)区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議で提起する。

3 Cとウと@ → × 誤っている。  第59条によれば、C)区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売の裁判は、ウ)管理者が、A)区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議で提起する。@)の区分所有者及び議決権の各過半数の決議では足りない。

4 DとエとB → × 誤っている。  第57条によれば、D)区分所有者の共同利益背反行為の結果の除去は、エ)集会の決議により訴訟追行権を与えられた区分所有者が提起できるが、B)当該区分所有者に対する決議前の弁明の機会の付与は要件ではない。

正解 2 (ここは、時間がかかるので、当初は飛ばして、あとで時間があれば戻ってくる問題。)

第10問

〔問 10〕 甲マンションの建替えに関し次の経緯がある場合、区分所有者中のA、B、C及びDのうち、甲マンション管理組合の管理者Eが区分所有権の売渡しを請求することができる者は、区分所有法の規定によれば、何人か。

Eが招集した建替え決議を目的とする集会で、Aは建替えに賛成する投票をし、Bは建替えに反対する投票をし、C及びDは建替えに難色を示す発言をした上で棄権をしたが、Eを含む多数の区分所有者の賛成で建替え決議が成立した。その後、Eが、建替えに賛成するか否かを回答すべきことをB、C及びDに対し催告したところ、Dは、建替えに参加しない旨を回答したが、B及びCからは回答がなかった。Aは、建替え決議が成立してから、1週間後に、家族が反対したため建替えに参加することができなくなったとEに連絡してきた。

1 1人
2 2人
3 3人
4 4人

*建替えにおける「区分所有権等の売渡し請求」を管理者Eが何人の者にできるかを検討する。平成16年 マンション管理士 試験「問11」でもでた。
 まず、 区分所有法第63条第4項により、建替え決議に参加しない旨回答した区分所有者Dに対して、甲マンション管理組合の管理者Eは、区分所有権の売渡しを請求できることになる。
同条第1、2、3項によると、建替え決議があったときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者やその承継人に対し、建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。この催告を受けた区分所有者は、催告日から2月以内に回答しなければならず、この期間内に回答しなかった区分所有者は、建替えに参加しないとみなされる。よって、建替えに参加するか否か回答しなかったB・Cも建替えに参加しない旨を回答したと看做されるので、Eは区分所有権の売渡しを請求できる。
売渡の請求の相手方は建替に参加(賛成)しなかった者であり、Aは建替えに賛成する投票をしたから、あとで家族の反対で不参加を連絡しても、対象に入らない。
よって、B、C及びDの3人が該当。

正解 3 (B,C,Dの3人)

第11問

〔問 11〕 A,B,C及びDの4棟のマンションで構成されている甲団地の団地管理組合(区分所有法第65条に規定する団体をいう。)の団地総会(同条に規定する集会をいう。)の議案にできないものは、区分所有法の規定によれば、次のア〜エのうち、いくつあるか。

ア 地震により建物の価格の1/5に相当する部分が滅失したA棟の復旧の決議に関する件
イ 建物が老朽化したB棟について、現在地で、同規模及び同形状の建物に建替えを行う場合の建替え承認決議に関する件
ウ 避難路になっているベランダに避難の妨げとなる物置を設置しているC棟の区分所有者に対し、その物置を撤去する決議に関する件
エ D棟に隣接している、区分所有者全員が共有する駐車場の使用料について、その金額を変更する決議に関する件

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

*団地関係では、多くの条文が、単棟型の規定が準用されているが、一部の条文は準用されていない。その整理の出題。
 区分所有法の規定によれば、
ア→× 議案にできない。 地震により建物の価格の1/2以下(小規模滅失と呼ばれる)である1/5に相当する部分が滅失したA棟の復旧の決議に関する件は、建物の復旧決議の規定(区分所有法第61条)に該当する。この規定は区分所有法第66条で規定する団地関係では準用されておらず、団地総会(集会)の議案にできない。当該棟の管理組合の決議事項である。

イ→○ 議案にできる。 区分所有法第69条第1項により、団地内で1棟の建物の建替えをするには、当該建物において建替え決議が成立し、かつ団地総会(集会)において、議決権の4分の3以上の多数による建替え承認の決議を得る必要がある。よって、団地総会の議案にできる。

ウ→× 議案にできない。 義務違反者に対する措置である。団地関係では、区分所有法第66条で義務違反者に対する措置(区分所有法第57条)を準用していないため、避難路になっているベランダに避難の妨げとなる物置を設置しているC棟の区分所有者に対し、その物置を撤去する決議に関する件は当該棟の決議事項で、団地総会(集会)の議案にできない。

エ→○ 議案にできる。 団地内の附属施設の使用料の変更である。D棟に隣接している、区分所有者全員が共有する駐車場の使用料について、その金額を変更する決議に関する件は団地の管理対象であるので、団地総会(集会)の議案にできる。

正解 2 (アとウが出来ない。2つ) (団地関係で準用される規定と準用されない規定に注意!)

第12問

〔問 12〕 AがBにマンションの一室を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 AB間の売買契約がBの詐欺により締結され、Bに登記が移転した場合において、Aが当該売買契約を取り消したときは、Bは、Aの売買の返還と引き換えに、Bへの所有権移転登記を抹消しなければならない。

→○ 正しい。 平成26年マンション管理士試験 「問13」
   AB間の売買契約がBの詐欺により締結された場合、AはBの詐欺を理由に売買契約を取消しうる(民法第96条第1項:詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。)。本問売買契約が取消された場合には、民法第121条:「取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。」 により初めより無効なものとなるので、Bへの移転登記は無効なものとなり抹消されなければならない。この場合、当事者双方の原状回復義務は同時履行の関係にあるから(最判昭和47年9月7日)、Aが当該売買契約を取り消したときは、Bは、Aの売買代金の返還と引き換えに、Bへの所有権移転登記を抹消しなければならない。

2 AB間の売買契約が著しく廉価で行われ、Bの暴利行為である場合、Aは、暴利行為を理由として、当該売買契約を取り消すことができる。

→× 誤っている。 AB間の売買契約が著しく廉価で行われ、Bの暴利行為である場合、民法第90条の「公序良俗違反」でもともと無効であり、特にAが暴利行為を理由として、当該売買契約を取り消す必要はない。

3 Aが保佐開始の審判を受けている場合、Aの長男Cは、Aの保佐人でなくても、当該売買契約を取り消すことができる。

→× 誤っている。 Aが保佐開始の審判を受けている場合、被保佐人Aのした行為を取消すことができるのは民法第120条:「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。」 によれば、本人、代理人、同意権者でありAの長男Cは家族であってもこれらに当たらないため、当該売買契約を取り消すことができない。

4 Aの債権者Dは、その債権がAB間の売買契約の締結後に発生したものであっても、Bに対し、当該売買契約を詐害行為であるとして、その取消しを裁判所に請求することができる。

→× 誤っている。 債権者取消権は、ある特定の金銭債権の保全を目的とするから、債権者取消権により取消される債権は、詐害行為の前に成立していることが必要である。詐害行為後発生した債権では、保全される債権を詐害したとはいえないからである(最判昭55.1.24)。よってAの債権者Dは、その債権がAB間の売買契約を締結した後に発生したものである場合は、AB間の売買契約が詐害行為であるとして詐害行為取消権を行使することはできない。民法第424条:「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。」 の債権者取消権は、その債権がAB間の売買契約の締結前に発生したものであることが必要。

正解 1 (少し難問。選択肢2が悩む?)

第13問

〔問 13〕 Aは、その子Bを代理人として、その所有するマンションの1室をCに売却することとした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AのBに対する代理権の付与は、書面によらなければ、することができない。

→× 誤っている。 代理権の授与を書面ですることは民法上要求されていない。AのBに対する代理権の付与は、合意だけで成立する諾成行為であり、書面を要しない。

2 Bが未成年者であっても、Aは、Bを代理人とすることができる。

→○ 正しい。 代理が行った行為の責任は本人が負うので民法第102条によれば、「代理人は、行為能力者であることを要しない。 」である。よってBが未成年者であっても、Aは、Bを代理人とすることができる。

3 Aは、Bを代理人とした以上は、自らCと売買交渉をすることができない。

→× 誤っている。 代理人がいても、本人の行為を制限した規定はないので、Aは、Bを代理人としても、A自らCと売買交渉はできる。

4 AがBに売買価格を明示して授権したにもかかわらず、Bがその価格を下回る価格で売買契約の締結をした場合、当該売買契約は、効力を生じない。

→× 誤っている。 代理人が与えられた代理権の範囲を超えて代理行為をなした場合、原則として無権代理行為となるが、相手方が代理人に代理権があると信ずるにつき正当な理由があるときは、表見代理として本人に代理行為の効果が生ずる(民法第110条:前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。 民法第109条 :第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。 )。
 AがBに売買価格を明示して授権したが、Bがその価格を下回る価格で売買契約を締結した場合、売買契約の相手方がBにその価格で売却する代理権ありと信ずるにつき正当の理由があれば、売買契約は効力を生ずることになる。

正解 2

第14問

〔問 14〕 甲マンション管理組合法人の代表理事(5人の理事のうち、規約により甲を代表すべきものとされた理事をいう。)Aは、集会の決議により修繕積立金のうち1億円を特定の債券の購入によって運用することを任されたが、独断でB証券会社から1億5千万円を投じて当該債券を購入し、売却したところ、その値下がりにより甲に損害を与えた。この場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。


 注:平成20年12月施行より、管理組合法人の規定は、民法の改正を受けて、区分所有法でも改正があったので、注意の事。ここは、改正に合わせていない。


1 Aは、集会の決議に反し、指定された金額を超えて債券を購入したので、甲に対する債務不履行責任を負う。

→○ 正しい。 管理組合法人とその理事とは、委任者と受任者の関係にあると解される。従って、受任者たる理事は、善良なる管理者の注意をもって、事務を処理しなければならない(民法第644条:受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 )。Aは、修繕積立金のうち1億円を特定の債券を購入することを任されただけにもかかわらず、当該債券を1億5000万円で購入したことは、この善管注意義務に反する。債券の値下がりにより、委任者たる甲管理組合法人に損害を与えているので、Aは、甲に対して債務不履行責任を負う。

2 Aに権限がなかった以上、甲は、Bに対し、Aが独断で債券を購入した5千万円の返還を請求することができる。

→× 誤っている。 区分所有法第49条第7項により、民法第54条:理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 が準用され、理事の代表権に制限を加えても、これを善意の第三者に対抗(主張)することはできない。証券会社Bが本問の制限(1億円の範囲でしか債券を購入できないこと)につき善意(知らなかった)であれば、管理組合法人の甲は、証券会社Bに対しAに1億円を超える権限のなかったことを主張して、5000万円の返還を請求できない。代表理事のAに権限がなかったのは内部的制限であり、代表権がある以上、甲は、民法第54条によれば、原則としてB証券に対し、Aが独断で債券を購入した5千万円の返還を請求することはできない。(ここは、改正区分所有法では、第49条の3 が該当する。)

3 甲は、集会の決議により、Aを解任してA以外の理事のうち一人を甲を代表するものと指定し、Aに対し、独断で運用した5千万円分についての損害の賠償を請求する訴訟を提起することができる。

→○ 正しい。 区分所有法第49条第7項(8項)により準用される区分所有法第25条によると、管理組合法人は、規約に特別の定めがない限り、集会の決議によって、代表理事や理事を解任することができる。また、同法第49条によれば、集会の決議により、新たな代表理事を定めることができる。さらに、同法第47条第8項によれば、甲は、Aの債務不履行を理由に、Aに対し5000万円の損害賠償をするため、集会の決議に基き訴訟を提起することができる。

4 Aは、各区分所有者に対して、個別に不法行為責任を負わない。

→○ 正しい。 理事は、管理組合法人を代表している。理事の行為は、法人の行為となり、法律行為や不法行為はその法人に帰属する。損害を被ったのは甲管理組合法人であり、区分所有者個々人ではないので、Aは各区分所有者に対して、個別に不法行為責任を負わないと解される。

正解 2

第15問

〔問 15〕 Aが所有するマンションの1室をその子Bに贈与する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(民法の「取り消し」と「撤回」の規定については改正があった。意味として撤回の部分は「撤回」に改正されている。)

1 AのBに対する贈与契約が口頭でなされた場合に、Aは、Bにマンションの登記を移転した後においても、贈与契約を取り消すことができる。

→× 誤っている。 民法第550条:書面によらない贈与は、各当事者が撤回(旧:取り消し)することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」とあり、書面でない贈与は各当事者はいつでも撤回することができるが、履行の終わった部分は撤回できない。そして、不動産の贈与にあっては、引渡しをした場合のみならず、登記の移転をしたに過ぎない場合でも履行が終了したとされ取り消し(撤回)はできない。判例(最判昭和40年3月26日)。

2 Aは、マンションをBに贈与する旨の契約を書面によって行った場合、特段の事情がなくても贈与契約を取り消すことができる。

→× 誤っている。 選択肢1でも述べたように、民法第550条によれば、Aは、マンションをBに贈与する旨の契約を書面によって行った場合、特段の事情がなく贈与契約を取消す(撤回する)ことはできない。文書でない口頭なら取消はできる。

3 贈与がAの死亡により効力が発生するものである場合は、その贈与は、遺言の方式によらなければならない。

→× 誤っている。 民法第554条:贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。では、贈与がAの死亡により効力が発生するものである死因贈与の場合は、その贈与は、遺贈に関する規定を準用するとなっているが、遺言の方式によらないとするのが判例である(最判昭和32年5月21日)。

4 Aのローンの返済をBが行うことを条件とすることを明示して贈与がなされた場合において、Bがローンの返済を全くしないときは、Aは、贈与契約を解除することができる。

→○ 正しい。 Aのローンの返済をBが行うことを条件とすることを明示して贈与がなされた負担付贈与の場合においては、民法第553条: 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。 とあり、双務契約の契約解除の規定が適用され、Bがローンの返済を全くしないときは、Aは、贈与契約を解除することができる。(参照:民法第541条:履行遅滞による解除権)

正解 4

ついでに、「取り消し」と「撤回」の違いは、
 *「取り消し」...意思表示の効果が、遡及(さかのぼって)消滅する。
 *「撤回」...意思表示をした時点から、将来に向かって消滅する。
 無効と取り消しの違いも整理しておいてください。

第16問   

〔問 16〕 甲マンションの301号室の所有者AがB社の社宅として賃貸し、B社の社員Cが入居したところ、Cが不注意により洗濯機から溢水(いっすい)させ、同室及び直下の201号室(所有者D)に損害を与えた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、301号室には、瑕疵はなかったものとする。

1 Aは溢水の行為者ではないが、301号室の所有者として、Dに対して損害賠償責任を負う。

→× 誤っている。 言葉として溢水(いっすい)が分からないと問題です。溢水とは、水が溢れ出ることです。
 区分所有者Aが建物所有者として民法第717条の工作物責任を負うかどうかが問題となる。民法第717条:「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」 の土地工作物所有者の責任は、土地工作物の設置又は保存の瑕疵により他人に損害を与えた場合に発生する。Aは溢水の行為者ではなく、且つ301号室の所有者として同室に瑕疵があれば責任を負うが(民法第717条)瑕疵がないので、Dに対して損害賠償責任を負わない。

2 Bは、Cの溢水行為が社宅内の出来事であるので、Cの使用者として、Dに対して損害賠償責任を負う。

→× 誤っている。 BがCの使用者として民法第715条:「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」 の使用者責任を負うかが問題となる。民法第715条の使用者責任は、使用者の事業の執行につき他人に損害を与えた場合に発生する。使用者Bは、Cの溢水行為が社宅内の出来事であっても、Bの事業の執行につき加えた損害とはいえないから民法第715条の使用者責任は負わない。

3 Bは溢水の行為者ではないから、Aに対して損害賠償責任を負わない。

→○ 正しい? Bは溢水の行為者ではないから、Aに対して損害賠償責任を負わない。正しい ?
→× 誤っている? 問:Bは契約上の借主なので、Aに対して損害賠償を負わないといけないのでは思ってました。普通の賃貸借契約ではやはり借主に請求すると思うのですが。教えて下さい。
 
     答:AB間の賃貸借契約においては判例上は転借人C の過失も履行補助者の過失として債務不履行上債務者の過失と同視されますから、BはAに対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負うでしょうね。負うで、間違い。(参考:大審院・昭和4年6月19日:転借人(社員)を転貸人(会社)の履行補助者とみて、転貸人(会社)の債務不履行責任を肯定しており、会社も賃貸人に対して賠償責任を負う。)

4 Cは、未成年者であっても、A及びDに対して損害賠償責任を負う。

→× 誤っている? Cは、未成年者であって責任能力がないときには、A及びDに対して損害賠償責任を負わない。間違い?
→○ 正しい? 負う。 民法第712条:「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」 によれば、この場合の未成年者とは、20歳未満を指すのではなく、行為の責任に対する認識力であり、未成年者であっても、事理を弁識する能力を備えている場合には賠償の責任を負う。よって、Cが事理弁識能力を有している場合には、301号室の所有者Aに対し、また201号室の所有者Dに対しそれぞれ民法第709条の不法行為に基く損害賠償の責任を負う。なお、刑法では第41条で責任能力の基準を14歳としているが、民法の判断では、12歳程度である。

正解 3 または 4 ?  4が最終正解。 

第17問

〔問 17〕 Aが宅地建物取引業者Bから購入した新築マンション(まだ人の居住の用に供したことのないもので、かつ、建設工事の完了の日から起算して1年を経過していないものとする。)の売買契約における瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法、住宅の品質確保の促進等に関する法律及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。(注:品確法は改正があった。新法対応済み。)

1 上部階の居室床のフローリングに起因する騒音が発生した場合、Bは、引渡し後10年間、瑕疵担保責任を負わなければならない。

→× 誤っている。 瑕疵担保責任は、民法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、宅地建物取引業法、そして、アフター・サービス規準において、いつも出題される。期間、対象を明確にしておくこと。
  民法第570条の瑕疵担保期間は知った時から1年であり、品確法(旧:第87条->新:第94条、第88条->新:第95条)は10年だが対象が住宅の構造耐力上主要な部分(基礎、柱、梁など)であり居室床のフローリングはこれに当たらない。

2 建物の瑕疵担保責任について引渡し後1年間とする旨の特約があっても、Bは、宅地建物取引業法の規定により、引渡し後2年間、瑕疵担保責任を負わなければならない。

→× 誤っている。 宅建業法第40条によると、「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法第570条 において準用する同法第566条第3項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。」と定める。「引渡しから2年以上とする特約を除いて買主に不利な特約は無効」とあり、建物の瑕疵担保責任について引渡し後1年間とする旨の特約は無効となる。このときには、取り決めがなくなり、引渡し後2年間になるのではなく、民法に戻る。よって民法第570条により「知った時から1年間、瑕疵担保責任を負わなければならない」。

3 雨漏りの被害について、Aが入居後直ちに気付いても、屋根に起因するものについては、Aは、引渡しを受けた後10年間は、いつでもBに対して瑕疵修補請求をすることができる。

→× 誤っている。 雨漏りの被害について、Aが入居後直ちに気付いても、住宅の構造耐力上主要な部分である屋根に起因するものについては、Aは、品確法第88条(新->第95条)により引渡しを受けた後10年間は、いつでもBに対して瑕疵修補請求をすることができるが、当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時から十年間となる。
→× ( *)上の説明は間違い:答えは (→×)だけど、品確法第88条(新->第95条)3項により、民法第566条3項の規定の適用となり、解約解除や瑕疵補修、損害賠償の請求は、いつでもではなく、知ってから1年以内にしなければならない。 

4 施工業者の手抜き工事による瑕疵であっても、Bは、瑕疵担保責任を負わなければならない。

→○ 正しい。 品確法第88条(新->第95条)により、施工業者の手抜き工事による瑕疵であっても、Bは、売主の瑕疵担保責任を負わなければならない。

正解 4   参考:瑕疵担保責任のまとめ

第18問

〔問 18〕 マンション建替組合に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、組合の設立について建替え合意者の4/5以上の同意を得なければならない。

→× 誤っている。 ここは、平成20年 マンション管理士 試験 「問19」 選択肢2 でも出た。
    マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以後「建替え円滑化法」という)第9条2項:「前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。」とあり、建替え合意者の4分の3以上の同意でいい。建替え合意者の5分の4以上の賛成ではない。因みにこの、3/4以上の要件は、区分所有法第47条で定める管理組合法人の成立要件と同じである。

2 マンション建替組合の組合員には、建替え合意者でなければなることはできない。

→× 誤っている。 建替え円滑化法第17条によれば、「前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。」と定める。マンション建替組合の組合員には、建替え合意者の承継人(第16条)のほか、希望する資力のあるディベロッパーなどの外部の参加組合員も含まれる。

3 区分所有法に基づく一括建替え決議に係る一括建替え合意者は、都道府県知事の認可を受けなけば、マンション建替組合を設立することができない。

→○ 正しい。 建替え円滑化法第9条第1項は、マンションの建替え決議に同意をした者は、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができることになる。そして、同法第9条第3項:「区分所有法第七十条第四項 において準用する区分所有法第六十四条 の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「一括建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を受けて組合を設立することができる。」 により、区分所有法による団地の一括建替えに準用される。都道府県知事の認可が必要である。

4 マンション建替組合の設立の際に定める事業計画は、特別の事情があるときは必ずしも建替え決議の内容に適合したものでなくてもよい。

→× 誤っている。 建替え円滑化法第10条2項:「事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。」 によれば、マンション建替組合の設立の際に定める事業計画は、建替え決議の内容に適合したものでなければならない。特別の事情があるときは、建替え決議の内容に適合しなくとも良いという例外規定はない。

正解 3 (選択肢1ですこし悩むか?)

第19問

〔問 19〕 次のページの書面は、あるマンションの区分建物全部事項証明書の例であるが、この書面に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。


(注:不動産登記法は平成16年に大幅な改正があったので、注意のこと。ここの趣旨は影響がない。)


1 甲マンションの敷地は、面積が932.74uの一筆の土地である。
2 東京建設株式会社から専有部分の一つを購入した甲野太郎が、その所有権保存登記を行った。
3 甲マンションの203号室(床面積71.01u)は、甲野太郎の所有であり、この専有部分には抵当権設定の登記はない。
4 甲マンションの1階部分の面積は、480.17uであり、これは共用部分の面積は含まない。

不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、
1→○ 正しい。 表題部(一棟の建物の表示)により、甲マンションの敷地は、表題部1棟の建物の所在の地番と敷地権の目的たる土地の表示の地番が一致し、この個数は1であるから、地積の部分の面積が932.74uの一筆の土地である。

2→○ 正しい。 表題部(専有部分の建物の表示)により、表題部の所有者である東京建設株式会社の下に下線が引かれて抹消されているから、元の所有者は東京建設株式会社であり、甲区の表示により、専有部分の一つを購入した甲野太郎が、その所有権保存登記を行った。

3→○ 正しい。 専有部分の表題部および甲区より甲マンションの203号室(床面積71.01u)は、甲野太郎の所有であり、抵当権などを記載する「乙区に記載されている記録事項はない」とあるので、この専有部分には抵当権設定の登記はない。

4→× 誤っている。 表題部(一棟の建物)の床面積より甲マンションの1階部分の面積は、480.17uであるが、これには、玄関、廊下、エレベーター室などの共用部分が入っている。(建築基準法の床面積には、共同住宅の廊下または階段は容積率の計算から除かれる。建築基準法第52条5項 参照)
平成21年マンション管理士試験 「問18」 でも出ている。

正解 4

第20問

〔問 20〕 準防火地域内にある共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば誤っているものはどれか。

1 住戸には、非常用の照明装置を設置しなくてもよい。

→○ 正しい。 そのとおりである。ここは、平成19年 管理業務主任者 試験 「問21」でも出た。また、平成20年 マンション管理士 試験 「問20」でもでた。また、平成21年管理業務主任者試験 「問24」 でも出ている。
    建築基準法施行令第126条の4は、非常用の照明装置の設置義務を定めるが、第1号において一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸は、例外とする。

2 各戸の界壁、小屋裏又は天井裏に達するものであって、その構造を一定の遮音性能を有するものとしなければならない。

→○ 正しい。 そのとおりである。建築基準法第30条は、「長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。」と定める。 

3 屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

→×誤っている。 建築基準法第66条「防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。」
により、防火地域内の規定で準防火地域内では規定なし。

4 外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

→○ 正しい。 建築基準法第65条「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。」
により、防火地域または準防火地域内では、可能。 

正解 3 (他にも、屋根の構造、外壁の開口部の防火戸など、防火地域/準防火地域での規制も注意。) (建築基準法についても、別途「要約 建築基準法」を作りましたので、参考にしてください。)

第21問

〔問 21〕 共同住宅の居室内における、建築基準法28条の2に定める化学物質の発散に対する衛生上の措置(以下この問において「衛生上の措置」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはどれか。


(注:建築基準法は改正があった。特にこの第28条の2 は改正後「石綿」も入っている。ここは、旧法のままです。)


1 換気設備については、居室内において化学物質の発散による衛生上の支障が生じないように、一定の技術的基準に適合するものとしなければならない。

→○ 正しい。 建築基準法施行令20条の5により、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、原則として全ての建築物の居室に機械換気設備の設置が義務付けられた。住宅の場合には0.5回/h以上の機械換気設備(24h換気システムなど)の設置が必要となった。

2 ホルムアルデヒドは、発散により衛生上の支障を生じさせるおそれのある化学物質とされている

→○ 正しい。 建築基準法施行令20条の4によりシックハウスの原因となる化学物質としてホルムアルデヒドとクロルピリホス(有機リン系のしろあり駆除剤)に対する規制がされることとなった。

3 衛生上の措置の対象となる建築材料には、保温材及び断熱材は含まれない。

→× 誤っている。 規制対象となる建材は木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上げ材などであるので、保温材及び断熱材も含まれる。

4 衛生上の措置を構ずべき共同住宅の居室には、月に数回しか使用されない集会室も含まれる。

→○ 正しい。 建築基準法第28条の2により、この改正は,シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため,建築物に使用する建材や換気設備の規制を行うもので、対象は住宅,学校,オフィス,病院など,全ての建築物の居室となっている。また、集会室は、使用頻度にかかわらず、居室です。

正解 3

第22問

〔問 22〕 再開発等促進区を都市計画に定める場合に必要とされる土地の区域の条件に該当しないものは、都市計画法の規定によれば、次のうちどれか。(注:都市計画法は改正がよくある。文章や条項が変わるので注意のこと。ここは、旧のまま。趣旨は変更がない。)

1 現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる区域であること。

→○ 該当する。 再開発等促進区とは、 都市計画法第12条の5 3項:
次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域(以下「再開発等促進区」という。)を都市計画に定めることができる。
   一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる区域であること。
   二  土地の合理的かつ健全な高度利用を図る上で必要となる適正な配置及び規模の公共施設がない区域であること。
   三  当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献すること。
   四  用途地域が定められている区域であること。」
とあり、1号のとおり。

2 土地の合理的かつ健全な高度利用を図る上で必要となる適正な配置及び規模の公共施設が整備された区域であること。

→× 該当しない。 選択肢1で引用した、都市計画法第12条の5 3項2号では、「必要となる適正な配置及び規模の公共施設がない区域であること」とあり、整備された地域ではない

3 当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献すること。

→○ 該当する。 選択肢1で引用した、都市計画法第12条の5 3項3号のとおり。

4 用途地域が定められている区域であること。

→○ 該当する。 選択肢1で引用した、都市計画法第12条の5 3項4号のとおり。

正解 2

第23問

(参考 マンション管理の知識 3訂版 P.380 〜)

〔問 23〕 甲マンション(居住者数40人で、有効容量8立方メートルの水槽を有するものとする。)の水道に関する次の記述のうち、水道法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 この水道が水道事業者から供給を受ける水のみを水源としている場合は、簡易専用水道に該当する。

→× 誤っている。 参考:平成20年 マンション管理士 試験 「問23」 
   水道法第3条7項「この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。」
により、この文は正しいが、政令で定める基準以下のものは除くと但し書きがある。
  「ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。
   政令2条によると「水槽の有効容量の合計が10立方メートルであること」となっているので、 有効容量8立方メートルのこのマンションは該当しない。

2 この水道が自家用の井戸を水源としている場合は、貯水槽水道に該当しない。

→○ 正しい。 井戸を水源とする場合は、貯水槽水道ではない。
  水道法第14条2項5号によれば、貯水槽水道(水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。」
  貯水槽水道:受水槽以下の給水施設により給水する水道の総称 平成14.4.1改正により新しくできた定義

3 この水道が水道事業者から供給を受ける水のみを水源としている場合は、その水道の設置者は、当該水道事業者の定める供給規程に基づき、水槽の管理責任を負う。

→○ 正しい。 分かりにくいけど、設問の場合は、簡易専用水道には該当しないが、貯水槽水道に該当する。
 水道法第第14条2項5号の後半「貯水槽水道(水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。以下この号において同じ。)が設置される場合においては、貯水槽水道に関し、水道事業者及び当該貯水槽水道の設置者の責任に関する事項が、適正かつ明確に定められていること。」とあり、
水道法施行規則第14条の4により、「イ 貯水槽水道の管理責任及び管理の基準」とある。選択肢4を参照。
(平成20年11月 説明変更した)

4 この水道が水道事業者から供給を受ける水のみを水源としている場合は、水道事業者は、供給規程に基づき、その水道の設置者に指導、助言及び勧告をすることができる。

→○ 正しい。 水道法施行規則第12条の4「法第十四条第三項 に規定する技術的細目のうち、同条第二項第五号 に関するものは、次に掲げるものとする。
   一  水道事業者の責任に関する事項として、必要に応じて、次に掲げる事項が定められていること。
     イ 貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告
     ロ 貯水槽水道の利用者に対する情報提供
   二  貯水槽水道の設置者の責任に関する事項として、必要に応じて、次に掲げる事項が定められていること。
     イ 貯水槽水道の管理責任及び管理の基準
     ロ 貯水槽水道の管理の状況に関する検査」とあり、
水道事業者の責任に関する事項として、必要に応じて、貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告が定められていることがあげられている。よって、貯水槽水道の水道事業者は、その水道の設置者に対して指導、助言、勧告をすることができる。

正解 1

第24問

〔問 24〕 100人が居住する共同住宅の管理について権限を有する者(以下この問いにおいて「管理権原者」という。)及び防火管理者の責務に関する次の記述のうち、消防法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 管理権原者は、防火管理者を定め、その防火対象物について消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備を行わせなければならない。

→○ 正しい。 消防法からの出題は、ほとんど毎年ある。この、防火管理士関係の出題は、平成20年 管理業務主任者 試験 「問45」 選択肢1 でも出た。
    消防法第8条1項 A により、正しい。
  消防法
第八条  学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、 政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、 当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、
  A.消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、

火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない。
  2項 前項の権原を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

れを受け、消防法施行令4条 (防火管理者の責務)
  第四条B. 防火管理者は、防火管理上必要な業務を行うときは、必要に応じて当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を求め、誠実にその職務を遂行しなければならない。
   2  防火管理者は、消防の用に供する設備、消防用水若しくは消火活動上必要な施設の点検及び整備又は火気の使用若しくは取扱いに関する監督を行うときは、火元責任者その他の防火管理の業務に従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない。
   C.3  防火管理者は、総務省令で定めるところにより、消防計画を作成し、これに基づいて消火、通報及び避難の訓練を定期的に実施しなければならない。

2 管理権原者は、消防計画を作成の上、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。

→× 誤っている。 消防法第8条1項では、消防計画を作成するのは、管理権原者ではなく、防火管理者であり、これに基づいて消火、通報及び避難の訓練を定期的に実施しなけらばならないとあるが、管理権原者が消防計画を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならないの規定はない。
 なお、消防計画を作成の上、所轄消防長又は消防署長に届け出るのは、防火管理者です。
 消防法施行規則第3条
 (防火管理に係る消防計画)
 第三条  防火管理者は、令第四条第三項 の規定により、防火対象物の位置、構造及び設備の状況並びにその使用状況に応じ、次の各号に掲げる区分に従い、おおむね次の各号に掲げる事項について、当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を受けて防火管理に係る消防計画を作成し、別記様式第一号の二の届出書によりその旨を所轄消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長に届け出なければならない。防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。 (2011年6月5日:引用条文訂正・.追記) 

3 防火管理者は、防火管理上必要な業務を行うときは、必要に応じてその防火対象物の管理権原者の指示を求め、切実にその職務を遂行しなければならない。

→○ 正しい。 選択肢1で述べた、Bにより 正しい。

4 防火管理者は、消防計画に基づき、消火、通報及び避難の訓練を定期的に実施しなければならない。

→○ 正しい。 選択肢1で述べた、Cにより 正しい。

正解 2

第25問

(参考 マンション管理の知識 3訂版 P.400 〜)

〔問 25〕 3階建てマンション(すべて住宅の用に供されているものとする。以下この問いにおいて同じ。)の出入口又はその付近における郵便受箱の設置の義務に関する次の記述のうち、郵便法の規定によれば、正しいものはどれか。


(注:郵便法は、平成17年11月に、郵政民営化に伴い、大幅な改正があった。改正に対応した。)


1 すべての住宅にあてた特殊取扱としない郵便物を受取人に代わって受け取る当該マンションの管理者の事務所又は受付(以下この問いにおいて「事務所等」という。)がある場合は、郵便受箱を設置しなくてもよい。

→○  正しい。 郵便法
 第五十六条(改正:第43条に同文がある) (高層建築物に係る郵便受箱の設置)  階数が三以上であり、かつ、その全部又は一部を住宅、事務所又は事業所の用に供する建築物で総務省令で定めるものには、総務省令の定めるところにより、その建築物の出入口又はその附近に郵便受箱を設置するものとする」とあり、原則郵便受箱を設置するが例外として、

 郵便法施行規則 (郵便受箱を設置すべき建築物)
 第十一条(改正:第10条に同文がある)  法第五十六条(⇒四十三条) の総務省令で定める建築物は、階数が三以上であり、かつ、その全部又は一部を住宅、事務所又は事業所(以下「住宅等」という。)の用に供する建築物であって、次に掲げるもの以外のものとする。
   一  当該建築物の出入口又はその付近に当該建築物内の住宅等にあて、又はこれらを肩書した郵便物であって特殊取扱としないものを受取人に代わって受け取ることができる当該建築物の管理者の事務所又は受付(当該事務所又は受付のある階以外の階にある住宅等にあて、又はこれらを肩書した郵便物であって特殊取扱としないものの受取を拒むものを除く。)があるもの
   二  住宅等の出入口の全部が、直接地上に通ずる出入口のある階及びその直上階又はその直下階のいずれか一方の階にのみあるもの」
規定の1号のとおりで、正しい。

2 当該マンションの住宅の出入口の全部が、直接地上に通じる出入口のある1階及びその直上階にのみある場合は郵便受箱を設置しなければならない。

→× 誤っている。 選択肢1で述べた、2号により、 この場合も設置しなくていい。

3 当該マンションにエレベーターが設置されており、各階に住宅の出入口がある場合には、事務所等がなくても、郵便受箱を設置しなくてもよい。

→× 誤っている。 こんな規定はない。

4 当該マンションの各階の専有部分の数が3以下で、各階に住宅の出入口がある場合には、事務所等がなくても、郵便受箱を設置しなくてもよい。

→× 誤っている。 これも、規定がない。

正解 1

ここまで、問25


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最終更新日:
2012年 4月15日:正解の太字・赤色での統一。平成23年7月の標準管理規約の改正を入。
2011年6月5日:「問24」選択肢2に追記
2011年 4月18日:再確認。
2011年 4月16日:法人の規定の改正など確認中。
2008年11月 9日

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