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平成17年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ1(問1より問25まで)

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※ 出題当時以後の法令等の改正には一部対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問 1

[問1] 制限行為能力者Aが区分所有し、居住の用に供しているマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の区分所有権等を処分する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているのはどれか。

1 Aが成年被後見人である場合に、その成年後見人がAに代わってマンションの区分所有権等を売却するときには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

→○ 正しい。 平成23年 管理業務主任者試験 「問5」 。
    まず、成年被後見人とか、成年後見人、被保佐人、保佐人の出来ること、取り消しなどの制度を纏めておくこと。
  民法第859条の3(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可) により、「成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない
。 」とある。
  通常成年後見人は、成年被後見人の代理人であるから、成年被後見人の代理行為をすることは自由であるが、かなり重い法律行為をするときには、そのつど家庭裁判所の同意が必要としてある。

2 Aが成年被後見人である場合に、その成年後見人がAに代わってマンションの区分所有権等について抵当権を設定するときには、家庭裁判所の許可を得ることを要しない。

→× 誤っている。 選択肢1と同じく、民法第859条の3により、「成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。」とあり、抵当権設定も家庭裁判所の許可が必要。
  本来、成年後見人は、成年被後見人の代理人であるから、基本的には、成年被後見人の代理行為として、財産の処分ができるが、これにより成年被後見人が、居住する不動産を失ってしまうことのないように配慮した規定。

3 Aが被保佐人である場合に、家庭裁判所は、Aの請求により、Aのためにマンションの区分所有権等の売買について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。

→○ 正しい。 民法第876条の4(保佐人に代理権を付与する旨の審判)により、家庭裁判所は、第十一条 本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
   本来、保佐人は代理権を有してないが、家庭裁判所の審判で保佐人に代理権が与えられることがある。


4 Aが被保佐人である場合に、Aがマンションの区分所有権等を売買するについて、保佐人がAの利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、Aの請求により、補佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

→○ 正しい。 民法第13条3項「保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。」とあり、正しい。


答え:2

問 2

[問2]AとBとの間で契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AB間の契約の締結に当たり、Bによる詐欺があった場合に、Aに重大な過失があったときには、Aは、その契約締結の意思表示を取り消すことができない。

→× 誤っている。  ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問2」 や、 平成15年 管理業務主任者 試験 「問2」 でも出ている。 平成23年 管理業務主任者試験 「問1」
   まず、「無効」と「取り消し」の違いについて。
 *「無効」とは、もともと法律行為の効力がないことで、@公序良俗違反(民法第90条)、A通謀虚偽表示(民法第94条1項)、B要素の錯誤(民法第95条)がある。
 *「取り消し」とは、一応なされた意思表示は有効としておき、「取り消し」の行為があれば、始めから「無効」になるもの。 取り消しの行為がなければ、有効なものとして扱われる。
  民法第96条1項により、「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」 とあり、取り消せる。この場合、Aに重大な過失があっても、取り消せる。


2 AB間の契約の締結に当たり、AB間で通謀虚偽表示があった場合には、AB間の契約は無効であり、この無効は善意の第三者に対抗することができる。

→× 誤っている。  民法第94条「1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
   2 項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」
とあり、1項により、通謀虚偽表示による契約は無効だけど、同条2項により、前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。*善意(知らない)、悪意(知っている)の違いも、当然に整理してください。*

3 AB間の契約の締結に当たり、Aが第三者から強迫を受けた場合には、Aは、その契約締結の意思表示を取り消すことができる。

→○ 正しい。  強迫は、民法第96条1項「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」とあり、取り消せる。

4 AB間の契約の締結に当たって、Aに要素の錯誤があったときには、Aは、その契約締結の意思表示を取り消すことができる。

→× 誤っている。  まず、錯誤とは、人の主観的な認識と客観的な事実との間に齟齬(そご)を生じている状態、つまり思い違いのことをいう。
そして、民法での「要素の錯誤」とは、法律上の行為での重要な部分(要素)に、思い違いがあった時には、保護しようとしている。
  民法第95条「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」により、取り消しではなく無効になる

答え:3

問 3

[問3] Aが区分所有するマンションの専有部分について、Bのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第 69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、誤っているのはどれか。

1 Bのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされた後に、Aが区分所有するマンションの専有部分がCに賃貸され、賃借権の登記をすることなく引渡しがなされていた場合において、Cは、抵当権の実行による当該マンションの専有部分の買受人に対して賃借権を対抗することができる。

→× 誤っている。  法改正に注意。抵当権の登記が賃貸借の引渡しの前にされていると、Cは専有部分の買受人に対抗できない。旧来は短期賃借権として保護されていたが、平成15年の改正により、廃止され、賃貸借の登記も無く、また抵当権者Bの同意もないため、Cは買受人に対して対抗できない。(参考:民法第387条:1項 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
 2項  抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。)

2 Bの抵当権の効力は、Aにより付加され当該住戸部分と一体となったものにも及ぶ。

→○ 正しい。  民法第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
 「第三百七十条  抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。 」とある。たとえば、地上の樹木、家屋の造作、増築部分にも抵当権は及ぶ。

3 Bの抵当権の効力は、当該マンションの廊下、階段室、その他の共用部分についてのAの共有持分権にも及ぶ。

→○ 正しい。  ここは、区分所有法の規定が適用される。区分所有法第15条1項により、「共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う」ため、区分所有権の目的である専有部分が処分(譲渡・抵当権の設定など)されると、常にその区分所有者が有する共用部分の共用持分も、処分の対象となり、専有部分への抵当権設定は同時に共用部分の持分に効力が及ぶ。(判例)

4 Bが、抵当権の被担保債権であるAに対する債権をDに譲渡した場合において、Dは、Bの有していた抵当権を取得する。

→○ 正しい。  通常、抵当権には附従性や随伴性があり、随伴性の理論で、被担保債権が譲渡で移転したときは被担保債権とともに抵当権も移転する( 根抵当の場合は別)。設問の場合、DはBに代わって抵当権も取得する。

答え:1  なお、区分所有法の解説は、別途「超解説 区分所有法」がありますので、こちらも参考にしてください。

問 4

[問4] マンションの専有部分が共有されている場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているのはどれか。

1 マンションの専有部分の各共有者は、その持分に応じ、当該専有部分の管理の費用を支払い、その専有部分に関する負担を負う。

→○ 正しい。  注:問題文をよく読むこと。知識のある人は、区分所有法も考えるでしょうが、ここは、民法だけが対象です。また、専有部分の共有関係です。
  民法第253条(共有物に関する負担)
 「第二百五十三条  各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
  2  共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。」
 とあり、1項により、各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物(専有部分)に関する負担を負う。


2 マンションの専有部分の共有者が、1年以内に専有部分に関する負担を負う義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

→○ 正しい。  選択肢1で参照した、民法第253条2項により、共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

3 マンションの専有部分の共有者の一人が、専有部分の持分を放棄したときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

→○ 正しい。  民法第255条(持分の放棄及び共有者の死亡)
 「第二百五十五条  共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」
  により、共有者の一人が、その持分を放棄したときは、その持分は、他の共有者に帰属する。(注:区分所有法での第24条の規定を正しく理解しておくこと:(民法第二百五十五条 の適用除外)
第二十四条  第二十二条第一項本文の場合には、民法第二百五十五条 (同法第二百六十四条 において準用する場合を含む。)の規定は、敷地利用権には適用しない。 )

4 マンションの専有部分の各共有者は、単独で自己の持分権に質権を設定することができる。

→× 誤っている。  民法第344条により、質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずるが、他の共有者の権利を害すので共有者は単独では質権の設定はできない。 共有持分での単独持分には質権は成立しない。

答え:4  (民法の質権や留置権もまとめておくこと。少し難問か。)

問 5

[問5] マンションを区分所有しているAが死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているのはどれか。

1 Aの相続人が数人あるときには、Aの有していた当該住戸に係る区分所有権等の権利は、遺産分割がなされるまでは、これらの相続人の共有に属する。

→○ 正しい。 民法第898条(共同相続の効力)
  「第八百九十八条  相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」
により、遺産分割がなされるまでは、これらの相続人の共有となる。


2 Aが死亡する前にAが当該住戸をBに賃貸していた場合には、Aの相続人は、Aの死亡後はいつでもBに対し賃貸借契約を解約することができる。

→× 誤っている。 
民法第896条(相続の一般的効力)
  「第八百九十六条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」
により、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」が、民法の規定に相続人がいつでも賃貸借契約を解除できるという定めはない。Aの相続人がAの地位を引き継ぎBとの賃貸借契約は継続する。


3 Aが死亡したことにより、Aの管理組合に対する管理費等の債務は相続人に承継される。

→○ 正しい。 民法第896条により、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」により、管理費などの債務も承継する。(相続人は、包括承継人で、売買での特定承継人とは異なることにも注意のこと。)

4 Aは、Aの有していた当該住戸に係る区分所有権等の権利を、遺留分に関する規定に違反しない限りで、相続人以外の第三者に対して遺贈することができる。

→○ 正しい。 遺言者であるAは、民法第964条(包括遺贈及び特定遺贈)
 「第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。」により遺贈出来る。

答え:2

問 6

【問 6】 不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンションの管理業者は、自らが雇用した管理員がその業務の執行につき第三者に対して損害を加えた場合に、その損害を賠償する責任を負うが、当該管理業者は、当該管理員に対して求償権を行使することはできない。

→× 誤っている。  使用者の責任とその後の求償権の問題である。この辺りは、注文主の責任などと絡めて、出題は多い。 平成22年 マンション管理士 試験 「問16」 、平成16年 マンション管理士 試験 「問17」 
 使用者の責任は、民法第715条(使用者等の責任)
  「第七百十五条  ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
  2  使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
  3  前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」
 とあり、1項により、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」ただし、同3項により、「前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない」ため、管理業者は被用者(管理員)に対して求償(信義上相当と認められる範囲で)は可能。

2 マンションの共用部分の修繕工事を請け負った業者が、その工事について第三者に損害を加えた場合に、注文者である当該マンションの管理組合は、請負業者と連帯して損害を賠償する責任を負う。

→× 誤っている。  注文主の責任と請負業者の責任は、民法第716条(注文者の責任) 、
  「第七百十六条  注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。」
 とあり、過失がなければ注文主の管理組合は連帯責任がない。

3 マンションの共用部分である外壁の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を加えた場合に、当該マンションの管理組合は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うが、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、その者に対して求償権を行使することができる。

→○ 正しい?  ここ、民法第717条の出題は、後年、紛糾を呼ぶ。 平成22年 マンション管理士試験 「問17」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問5」 など。 平成23年 マンション管理士試験 「問14」も参考に。
  どうしてもめるかというと、区分所有法では、区分所有者の団体とあるが、その団体が明確に法人となっていないために通常の名称の管理組合との関係が明らかでなく、、また、各区分所有者と管理組合の関係も不明確であるからです。そして、出題は、民法によれば、となっているが、この出題者の認識としては管理組合を共用部分の占有者とみなしているのか、それとも所有者とみなしているのかも明確でありませんが、ここは、単純に、管理組合=占有者または所有者と考えての解答です。(2012年 4月28日追記)
  民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
  「第七百十七条  土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
  2  前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
  3  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」
 とあり、 1項により、一次的な責任をマンションの管理組合は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うが、同3項により、「前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」とあり、求償できる。

4 マンション内で飼育されている動物が他人に損害を加えた場合には、動物の占有者が被害者に対してその損害を賠償する責任を負うが、占有者に代わって動物を管理する者は、その損害を賠償する責任を負わない。

→× 誤っている。  ペットが与えた損害の場合は、民法第718条(動物の占有者等の責任)
  「第七百十八条  動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
  2  占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。」
  とあり、1項により、動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負うが、同2項により、占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

答え:3

問 7

【問 7】 マンション標準管理委託契約書(平成15年4月9日国総動第1号〜第4号。国土交通省総合政策局長通達。以下同じ。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、改正前のまま。


1 マンション標準管理委託契約書は、管理組合と管理業者の間で協議がととのった事項を記載した管理委託契約書を、マンション管理適正化法第73条に規定する「契約成立時の書面」として交付する場合に使用するよう義務づけられたものである。

→× 適切でない。 マンション標準管理委託契約書コメント 1全般関係@「この契約書は、マンションの管理組合(以下「管理組合」という。)とマンション管理業者の間で協議がととのった事項を記載した管理委託契約書を、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号。以下「適正化法」という。)第七十三条に規定する「契約成立時の書面」として交付する場合の指針として作成したものである。」のとおり、指針として作成されたもので、特に使用が義務づけられてはいない。

2 マンション標準管理委託契約書は、典型的な住居専用の単棟型、団地型及び複合用途型のマンションの各管理事務に関する標準的な契約内容を定めたものである。

→× 適切でない。 同全般関係コメントA「この契約書は、典型的な住居専用の単棟型マンションに共通する管理事務に関する標準的な契約内容を定めたものであり、実際の契約書作成に当たっては、個々の状況や必要性に応じて内容の追加、修正を行いつつ活用されるべきものである。」のとおり、典型的な住居専用の単棟型だけが対象。マンション標準管理規約と混同を狙った出題。


3 マンション標準管理委託契約書では、マンション管理適正化法第2条第6号に定める管理事務を管理業者に委託する場合を想定しており、消防法に定める防火管理者が行う業務も管理事務に含まれる。

→× 適切でない。 同全般関係コメントB「この契約では、適正化法第二条第六号に定める管理事務をマンション管理業者に委託する場合を想定しており、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。」 のとおり、警備業法に定める警備業務や消防法に定める防火管理者が行う業務は含まれない。

4 実際に管理委託契約書を作成するに当っては、マンション標準管理委託契約書を個々の状況や必要性に応じて内容の追加、修正を行いつつ活用すべきである。

→○ 適切である。 選択肢2でも述べたように、同全般関係コメントAのとおり。

答え:4

問 8

【問 8】 マンション標準管理委託契約書における有害行為の中止要求に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、改正前のまま。


1 管理会社は、管理組合員が所轄官庁から改善命令を受けるとみられる違法行為を行っている場合は、その中止を求めることができる。

→○ 適切である。 契約書11条(有害行為の中止要求)1項「乙は、管理事務を行うため必要なときは、甲の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に対し、甲に代わって、次の各号に掲げる行為の中止を求めることができる。
   一 法令、管理規約又は使用細則に違反する行為
   二 建物の保存に有害な行為
   
三 所轄官庁の指示事項等に違反する行為又は所轄官庁の改善命令を受けるとみられる違法若しくは著しく不当な行為
   四 管理事務の適正な遂行に著しく有害な行為
   五 組合員の共同の利益に反する行為
   六 前各号に掲げるもののほか、共同生活秩序を乱す行為 」
3号により、所轄官庁の指示事項等に違反する行為又は所轄官庁の改善命令を受けるとみられる違法若しくは著しく不当な行為の中止を求めることができる。


2 管理会社は、マンションの専有部分の占有者が建物の保存に有害な行為をした場合、当該占有者ではなく当該専有部分の区分所有者に中止を求めなければならない。

→× 適切でない。 ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問8」 も参照。
    選択肢1でも述べたように、契約書11条1項により、「甲の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に対し、中止を求めることができる。


3 管理会社は、管理組合員の管理規約に違反する行為に対しては、その中止を求めることができるが、使用細則に違反する行為に対しては、中止を求めることができない。

→× 適切でない。 選択肢1でも述べたように、契約書11条1項1号により、「法令、管理規約又は使用細則に違反する行為の中止を求めることができる。」
 
4 管理会社は、管理事務の適正な遂行に著しく有害な行為を行った管理組合員に対して、中止を求めたにもかかわらず中止しなかった場合でも、その責めを免れず、その後も中止等の要求をしなければならない。

→× 適切でない。 契約書11条2項「乙が、前項の規定により中止を求めても、なお甲の組合員等がその行為を中止しないときは、乙はその責めを免れるものとし、その後の中止等の要求は甲が行うものとする。」とあり、その後は管理組合が行う。

答え:1

問 9

【問 9】 マンション標準管理委託契約書における通知義務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、改正前のまま。


1 管理組合は、マンションのき損等の事実を知った場合は、速やかに、書面をもって、管理会社に通知しなければならない。

→▲ 不適切。 契約書12条(通知義務)1項「甲及び乙は、本マンションにおいて滅失,き損,瑕疵等の事実を知った場合においては、速やかに、その状況を相手方に通知しなければならない。」とあるが、書面の必要はない
 なお、次の場合は契約書12条2項により、書面が必要である。「甲及び乙は、次の各号に掲げる場合においては、速やかに、書面をもって、相手方に通知しなければならない。
   一 甲の役員又は組合員が変更したとき
   二 甲の組合員がその専有部分を第三者に貸与したとき
   三 乙が商号又は住所を変更したとき
   四 乙が合併又は会社分割したとき
   五 乙がマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)の規定に基づき処分を受けたとき
   六 乙が第十八条第二項第一号及び第二号に掲げる事項に該当したとき」


2 管理組合は、組合員がその専有部分を第三者に貸与した場合は、速やかに、その状況を管理会社に通知しなければならない。

→▲ 不適切。 選択肢1で述べたように、契約書12条2項により、「甲及び乙は、次の各号に掲げる場合においては、速やかに、書面をもって、相手方に通知しなければならず、同項2号により、甲の組合員がその専有部分を第三者に貸与したとき。」とあり、書面が必要。

3 管理会社は、支店を新たに設けた場合は、速やかに、管理組合に通知しなければならない。

→× 最も不適切。 契約書には、このような事項はない。

4 管理会社は、マンション管理業者の登録の取消しの処分を受けたときは、速やかに、書面をもって、管理組合に通知しなければならない。

→○ 適切である。 選択肢1で述べたように、契約書12条2項5号により、乙がマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)の規定に基づき処分を受けたとき。

答え:3  (あやふやな設問が悪い。最も不適切というなら 3 になる。)

問10

【問 10】 マンションの管理費に係る債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 管理費の債権の消滅時効の期間は、5年である。

→○ 正しい。 時効の中断の出題は、殆ど毎年ある。平成20年 管理業務主任者 試験 「問11」、 や 平成18年 管理業務主任者 試験 「問10」 など。平成22年 マンション管理士試験 「問7」 、平成22年 管理業務主任者試験 「問10」 も。
    管理費債権の消滅時効期間では、10年とか、5年とかの争いがあったが、最高裁:H16.04.23 第二小法廷・判決 平成14(受)248 管理費等請求事件にてマンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が民法第169条所定の債権(定期給付債権)に当たるとされた。
(定期給付債権の短期消滅時効)「年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。」 により、5年である


2 管理費を滞納している区分所有者が、区分所有権等を売却した場合、管理費債権の消滅時効は中断する。

→× 誤っている。 時効の中断事由として、民法第147条「時効は、次に掲げる事由によって中断する。
   一  請求
   二  差押え、仮差押え又は仮処分
   三  承認 」とあるが、
売却は民法第147条の中断事由である請求、差押、承認のいずれにも当らない。


3 管理費を滞納している区分所有者が、管理組合宛に、滞納管理費の額及び滞納している事実を認める旨の承認書を差し出しても、消滅時効は中断しない。

→× 誤っている。 選択肢2で述べたように、承認書の差出しは、民法第147条3号の「承認」に該当し時効の中断事由となる。

4 裁判外で、書面により滞納管理費を請求する場合、6箇月ごとに催告すれば、管理費債権の消滅時効は完成しない。

→× 誤っている。 民法第153条「催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」とあり、
催告は、6ヶ月以内により強力な手段(裁判上の請求など)を講じない限り無効となる。(判例


答え:1 (ここは、管理費債権の消滅時効が 5年 を知っていれば、あとは楽。)

問11

[問11] マンションの管理費の滞納に対する対策に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法(平成8年法律第109号)及び民事調停法(昭和26年法律第222号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理費の滞納者に対して、通常の訴訟を提起するためには、必ず調停の手続を経なければならない。

→× 誤っている。 滞納と回収方法についても、出題は多い。 ここに近いのは、平成21年管理業務主任者試験 「問10」 。
    通常の訴訟を提起するにあたって、調停前置主義(民事では、当事者は、裁判所に調停の申し立てができる)の定めはない。たとえ調停の申し立てをしても、相手は調停の場にでることを義務付けられていない。また、申し立て人にも、譲歩が要求されることもあるので、未収金全額の回収が出来ない事もある。

2 民事訴訟法の「少額訴訟に関する特則」を利用することができるのは、滞納額が30万円以下の場合に限られる。

→× 誤っている。 民訴法第368条1項により、「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(10回)を超えてこれを求めることができない。 」により、 60万円以下。30万円以下ではない。

3 文書で督促する場合、内容証明郵便で行わない限り、催告としての効力を生じない。

→× 誤っている。 催告では、設問のような定めはない。催告は書面でも、口頭でも有効である。ただし、口頭では、後日争いになった場合、言ったとか聞いてないとなった時に、証明が不確実となり、また、単なる文書での督促も、送ったとか、受け取っていないとこれも証明が面倒になる。これを防ぐために、内容証明郵便を利用することにより催告が明確になるので、内容証明郵便の利用を勧めている。(参照:民法第153条:催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。)

4 支払督促の申立てに対して、滞納者である区分所有者が督促異議の申立てをすると、通常の訴訟に移行する。

→○ 正しい。 支払督促とは、通常の訴訟によらないで、簡易裁判所の書記官が債権者の申し立てに理由があると認めると、債務者の言い分を調べずに、債務の支払いを命じる制度である。そして、民訴法第395条により、「適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。」とあり 滞納者=債務者=区分所有者が督促異議の申し立てをすると、通常の訴訟に移行する。

答え:4

問12

【問 12】 区分所有者が納入する管理費及び修繕積立金(以下本問において「管理費等」という。)に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型)(平成16年1月23日国総動第232号・国住マ第37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。以下「マンション標準管理規約」という。)によれば、最も不適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。

1 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとされている 。

→○ 適切である。 *注:マンション標準管理規約(単棟型)からは、コメントが最近は中心になって出題されている。コメントと規約を平行して読んでおくこと。
  マンション標準管理規約25条2項「管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」とある。


2 管理費等から支出される管理組合の運営に要する費用には、管理組合の役員に対する人件費も含まれている。

→○ 適切である。 多くの管理組合の理事など役員は、無償で働いているが、役員のなり手が無い場合には、役員報酬を出してもいい。
  それは、マンション標準管理規約37条2項により、「役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。」、とあり、27条「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
   一 管理員人件費
   二 公租公課
   三 共用設備の保守維持費及び運転費
   四 備品費、通信費その他の事務費
   五 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
   六 経常的な補修費
   七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
   八 委託業務費
   九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
   十 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
   十一 管理組合の運営に要する費用
   十二 その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用」とあり、
 同27条関係コメント@「管理組合の運営に要する費用には役員活動費も含まれ、これについては一般の人件費等を勘案して定めるものとするが、役員は区分所有者全員の利益のために活動することにかんがみ、適正な水準に設定することとする。」とあり、11号の管理組合の運営に要する費用に含まれる。


3 管理費等の負担割合を定めるに当っては、共用部分の使用頻度を勘案しなければならない。

→× 適切でない。 マンション標準管理規約25条2項により、「管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出する。」とあり、同コメント第25条関係@ 管理費等の負担割合を定めるに当たっては、使用頻度等は勘案しない。」とある。これは、具体的には、1階の住民で、エレベーターを使用しなくても、エレベーターにかかる管理費用を負担することである。

4 管理組合の運営に要する費用については、組合費として管理費とは分離して徴収することができる 。

→○ 適切である。 マンション標準管理規約コメント第25条関係A 「管理費のうち、管理組合の運営に要する費用については、組合費として 管理費とは分離して徴収することもできる。」とある。こうコメントがあるが、現実に別にしている管理組合を私は知らない。

答え:3

問13

【問 13】 マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定するマンション管理業者をいう。以下同じ。)が管理委託契約に基づいて行う管理組合の会計の収入及び支出の調定又は出納に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、改正前のまま。


1 管理組合の事業年度開始の○月前までに、管理組合の会計区分に基づき、次年度の収支予算の素案を作成し、管理組合に提出する。

→○ 適切である。 マンション標準管理委託契約書(以下、委託契約書という)、別表第1(1)@管理組合の会計の収入及び支出の調定@収支予算案の素案の作成「甲の事業年度開始の○月前までに、甲(管理組合)の会計区分に基づき、甲の次年度の収支予算案の素案を作成し、甲に提出する。」のとおり。

2 管理組合の事業年度終了後○月以内までに、管理組合の会計区分に基づき、前年度の収支決算案の素案を作成し、管理組合に提出する。

→○ 適切である。 委託契約書別表第1(1)A管理組合の会計の収入及び支出の調定A収支決算案の素案の作成「甲(管理組合)の事業年度終了後○月以内に、甲の会計区分に基づき、甲の前年度の収支決算案(収支報告書及び貸借対照表。以下同じ。)の素案を作成し、甲に提出する。」のとおり。

3 管理組合の請求があったときは、管理組合の会計の収支状況に関する報告を行う。

→○ 適切である。 委託契約書別表第1(1)B管理組合の会計の収入及び支出の調定B 収支状況の報告「甲(管理組合)の請求があったときは、甲の会計の収支状況に関する報告を行う。 」のとおり。

4 管理組合の管理費等のうち余裕資金については、管理業者の判断により、定期預金、金銭信託等に振り替える。

→× 適切でない。 委託契約書別表第1(2)出納B通帳等の保管4号「甲の管理費等のうち余裕資金については、必要に応じ、甲(管理組合)の指示に基づいて、定期預金、金銭信託等に振替える。」とあり、管理業者の判断ではなく、管理組合の指示が必要。

答え:4

問14

【問 14】 管理組合の活動における以下の取引に関し、平成17年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする(消費税及び地方消費税は、考慮しない。)。

★発生主義ということ −ここが、通常の企業会計とは異なっているので、注意が必要 −

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。
 収支報告書では、滞納金も含めて、請求金額が全部入金されたものとして、作成されているので組合員にも注意してあげること。

★そこで設問に戻ると
 (取引)

 平成17年3月31日に、次の内容の諸費用200万円を普通預金から支払った。 → 普通預金(資産)の減少 (貸方)普通預金200万円 となる。

 1 管理委託費(平成17年4月分) 150万円 → 来期の委託費の支払につき、勘定科目は、管理委託費ではなく、前払費用となることに注意。
   (借方)前払費用150万円。資産の減少。(借方)
 2 水道光熱費(平成17年3月分) 30万円 → 当期の経費の支払
   (借方)水道光熱費30万円。費用の増加。(借方)
 3 修繕費(平成17年2月実施完了、2月請求・未払計上、3月支払分) 20万円 → これは既に、2月実施時に(計上済)の未払金勘定としてある分の支払
   負債の減少(借方)未払金20万円
                           
これをまとめると、

 (借方)             |  (貸方)  (単位 円)
  ------------------------------------------------
  前払費用    1,500,000 | 普通預金 2,000,000
  水道光熱費    300,000 |  
  未払金       200,000 |

答え:2

問15

【問 15】 管理組合の活動における以下の取引に関し、平成17年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しており、支払保険料についても毎月初に当月発生額を費用計上しているものとする。

ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問15」 でも出た。

*仕訳:このポイントは、保険の期間が5年であること。
@普通預金からの支払につき、 
  普通預金の資産の減少 → (貸方)普通預金120万円

A危険保険の支払は1年分。その内、当月分の損害保険料の支払。
  資産の増加で(借方)支払保険料 60万円×1カ月/12カ月=¥50,000
B危険保険の来月以降分の損害保険料の支払。
  資産の増加で(借方)前払保険料 60万円×11カ月/12カ月=¥550,000
  なお、次月からは、「前払い保険料」のうち、1カ月分を「支払保険料」へ振り替える仕訳をする。
C積立保険料の支払。
  資産の増加(借方)積立保険料 60万円

これをまとめると、


  (借方)             |   (貸方)  (単位 円)
  ------------------------------------------------
  支払保険料     50,000 |  普通預金 1,200,000
  前払保険料   550,000 | 
  積立保険料   600,000 |

答え:1

問16

【問 16】 管理組合の税務に関する次の記述のうち、税法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 法人格のない管理組合は「人格のない社団」として、公益法人と同様の取扱がなされ、非収益事業の所得に対しては、課税されない。

→○ 正しい。 税法も必ず管理業務主任者試験では出題があるので、注意のこと。 平成21年管理業務主任者試験 「問16」 、 平成19年管理業務主任者試験 「問16」 など。平成22年 管理業務主任者試験 「問16」 平成23年 管理業務主任者試験 「問16」 
    まず、区分所有法の規定(同法第47条以下参照)により、管理組合が法人化されていればいいが、法人化されていない管理組合は、一般に法律上「人格のない社団」として扱われることを理解すること。
 そして「人格のない社団」なら、法人税法第2条により、(定義)
  「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
  一  国内 この法律の施行地をいう。
  二  国外 この法律の施行地外の地域をいう。
  三  内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
  四  外国法人 内国法人以外の法人をいう。
  五  公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
  六  公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
  七  協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
  八  
人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
  九  普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。
     ・・・・・・ 以下略」
 さらに、法人税法第3条 (人格のない社団等に対するこの法律の適用)
  「第三条  
人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第二を除く。)の規定を適用する。」
 により、管理組合法人とみなされる。
 そして、区分所有法第47条13項
 「13  管理組合法人は、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号 に規定する
公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には同条第四項 及び第五項 中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理組合法人を除く。)」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には同条第一項 及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項 中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理組合法人を除く。)」とする。」
 の規定により、「公益法人等」と同じ扱いになる。前半は正しい。
そして、また、法人税法第4条1項
  「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を営む場合又は第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る。」
の規定により、非収益事業に関しては課税されない。後半も正しい。


2 管理組合の基準期間における課税売上高が1500万円以下の場合は、消費税の納税義務は免除される。

→× 誤っている。
 消費税については、法人税法と同様に、法人化されてない管理組合は、「人格のない社団」とされ、法人とみなされる。
 消費税法第3条(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
 「第三条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。」
 そして、区分所有法第47条14項
  「14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。」
 により、通常の公益法人などと同じ扱いになる。
 また、消費税法第9条1項
 「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。」により、課税売上額は、1500万円以下ではなく、1000万円以下である。なお、課税期間とは、当年で、基準期間とは、前々年です。



3 管理組合は、地方税のうち、都道府県民税及び市町村民税については、条例等により免除又は減免される場合を除き、法人格の有無にかかわらず、均等割は課税される。

→○ 正しい。 地方税法においても、法人格のない管理組合も法人とみなされる、地方税法第12条(人格のない社団等に対する本章の規定の適用)
  「第十二条  法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定があるもの(以下本章において「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、本章中法人に関する規定をこれに適用する。」
  そして、均等割とは、地方税法第23条(道府県民税に関する用語の意義)
  「第二十三条  道府県民税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   
一  均等割 均等の額によつて課する道府県民税をいう
   二  所得割 所得によつて課する道府県民税をいう。
   三  法人税割 法人税額又は個別帰属法人税額を課税標準として課する道府県民税をいう。
   三の二  利子割 支払を受けるべき利子等の額によつて課する道府県民税をいう。
   三の三  配当割 支払を受けるべき特定配当等の額によつて課する道府県民税をいう。
   三の四  株式等譲渡所得割 特定株式等譲渡所得金額によつて課する道府県民税をいう。
   ・・・・以下略」である。
  そして、地方税法第24条1項(道府県民税の納税義務者等)
  「第二十四条  道府県民税は、第一号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、
第三号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び第四号に掲げる者に対しては均等割額によつて、第四号の二に掲げる者に対しては法人税割額によつて、第五号に掲げる者に対しては利子割額によつて、第六号に掲げる者に対しては配当割額によつて、第七号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額によつて課する。
   一  道府県内に住所を有する個人
   二  道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者
   
三  道府県内に事務所又は事業所を有する法人
   四  道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(「寮等」という。以下道府県民税について同じ。)を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないもの
    ・・・・以下略」
 の3号 により、均等割は課税される。

4 管理組合の預金利子や配当による所得には、所得税が課税される。

→○ 正しい。 所得税法でも、人格のない社団も法人とみなされる。
    所得税法第4条 (人格のない社団等に対するこの法律の適用)
  「第四条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第一を除く。)の規定を適用する。
  そして、一般の内国法人として課税され、
  所得税法第7条 (課税所得の範囲)
  「第七条  所得税は、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める所得について課する。
   一  非永住者以外の居住者 すべての所得
   二  非永住者 第百六十一条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(以下この条において「国内源泉所得」という。)及びこれ以外の所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの
   三  非居住者 第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分に応じそれぞれ同項各号及び同条第二項各号に掲げる国内源泉所得
   
四  内国法人 国内において支払われる第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配及び賞金
   五  外国法人 国内源泉所得のうち第百六十一条第一号の二から第七号まで及び第九号から第十二号までに掲げるもの(法人税法第百四十一条第四号 (国内に恒久的施設を有しない外国法人)に掲げる外国法人については、第百六十一条第一号の二に掲げるものを除く。)
   ・・・・以下略」
  の4号により、預金利息(利子)や配当にも所得税が課税される。
  なお、公共法人等なら、利子や配当に課税がない。(地方税法第11条参照)

答え:2 (2008年9月24日 詳細説明追加)

問17

[問17] 採光に関する次の記述のうち、建築基準法(昭和25年法律第201号)の原則的規定によれば、正しいものはどれか。

1 住宅の居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、5分の1以上としなければならない。

→× 誤っている。 まず、建築基準法では、この「採光」と「換気」はよく出題されるので、押さえておくこと。 平成22年 マンション管理士試験 「問20」 など。
 建築基準法第第28条1項「(居室の採光及び換気)
 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。 」とある。
設問の「5分の1以上」は誤り。住宅では、1/7以上必要。



2 住宅の居室の窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定する。

→○ 正しい。 建築基準法施行令第20条1項「法第二十八条第一項 に規定する居室の窓その他の開口部(以下この条において「開口部」という。)で採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するものとする。」とある。

3 ふすま、障子で仕切られた二室は、採光に関する規定の適用について、一室とはみなされない。

→× 誤っている。 建築基準法第28条第4項「ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項(注:採光に関する規定)の適用については、一室として扱う。」とある。設問の「一室とはみなさない」は誤り。

4 採光補正係数の値は、隣地に建つ建物の高さを用いて算定する。

→× 誤っている。 建築基準法施行令第20条第2項に採光補正係数が規定されている。開口部の直上にある建築物の部分から隣地境界線までの距離Dを、その部分から開口部の中心までの距離Hで除したD/Hの数値(「採光関係比率)という。)に、用途地域ごとに定められている数値(住居系においては6)を掛けて、用途地域ごとに定められている数値(住居計においては1.4)を引いた数値(住居系においてはD/H×6−1.4、ただし、0≦採光補正係数≦3)が「採光補正係数」である。設問の「隣地に立つ建物の高さを用いて算定する」は誤り。当該建築物の軒の高さから各開口部の中心までの距離を用いて算出する。

答え:2

問18

[問18] 建築基準法施行令第1条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 構造耐力上主要な部分とは、基礎、壁、柱などで、建築物の自重及び積載荷重を支えるものをいい、筋かいなどの斜材を含まない。

→× 誤っている。 
建築基準法施行令第1条第3号「構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打ち材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他震動若しくは衝撃を支えるものをいう。」とある。設問の「筋かいなどの材料を含まない」は誤り。含む。

2 敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

→○ 正しい。 建築基準法施行令第1条第1号「敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」

3 地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のものをいう。

→○ 正しい。 ここは、平成21年管理業務主任者試験 「問17」 でも出ています。
    建築基準法施行令第1条第2号「地階 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。 」


4 耐水材料とは、れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。

→○ 正しい。 建築基準法施行令第1条第4号「耐水材料 れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。 」

答え:1

問19

[問19] 次に掲げる各種手続について、手続を行う主体及び手続のあて先の組み合わせのうち、建築基準法の原則的規定によれば、誤っているものはどれか。

  

1→○ 正しい。 建築確認申請:建築主 ->建築主事又は指定確認検査機関。建築基準法第6条、第6条の2。

2→○ 正しい。 建築物工事届:建築主 ->都道府県知事。建築基準法第15条。

3→× 誤っている。 建築物除却届:除却の工事を施行する者 ->都道府県知事。建築基準法第15条「建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、その旨を都道府県知事に届けなければならない。」とある。設問では、「建築物除却届の手続きの主体を建築主」としており誤りである。正しくは「施工者」である

4→○ 正しい。 定期検査、検査の報告:所有者又は管理者 ->特定行政庁。建築基準法第12条1項、2項


答え:3  (かなり、引っ掛け的な出題)

問20

[問20] 建築物の仕上げ材料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 木材は、大気中では含水率が大きいと腐朽菌の害、虫害を受けやすい。

→○ 適切である。 腐朽菌(カビ胞子)は、空気中に無数に飛散しており、これらの付着を防止することは、ほとんど不可能である。付着の発生因子には、木材等の中の栄養(糖酸、セルロース、リグニン等)、十分な水分、適度な温度が必要であるため、一因子を除去すればほとんど完全に防止できるが、現実には水分を低下させると共にその後の吸湿を防止するのが限界であると考えられ、これさえも、例えば、梅雨期の多湿時には困難となる。
また、虫害は、昆虫(幼虫、成虫)が木材等を食べる食害である場合がほとんどで、カビや茸と違ってある程度乾燥している木材等(含水率20%〜50%程度)が被害を受けやすい。

2 集成材は、挽き板(ラミナ)又は小角材などを、繊維方向を長さの方向に平行に組み合わせ、接着剤により集成したものである。

→○ 適切である。 集成材は、ひき板または小角材を木目方向に平行にして、厚さ、幅、長さ方向に集成接着したものであり、その用途によって、建物の内部造作などの非耐力部材に用いられる造作用と、建物の骨組みなど耐力部材に用いられる構造用の2種類に大きく分けられる。 日本農林規格(JAS)では、造作用集成材、化粧ばり造作用集成材、化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材の4つに分類して、その品質や性能の基準を定めている。


3 ファイバーボードは、木材などの植物質繊維を原材料として成形した面材の総称である。

→○ 適切である。 ファイバーボードは植物繊維を主な原料にしてつくった板状の建築材料の総称である。木材を蒸煮したり薬品を加えて加熱することで繊維になるまで解きほぐしたものを、用途に応じて接着剤などを用いて一定の固さや形に成形する。比重によって、軟質繊維板(インシュレーションボード)、半硬質繊維板(中質繊維板、MDF)、硬質繊維板(ハードボード)に分かれる。断熱・吸音用、内外装用、畳や家具の心材等に使われる。


4 石膏ボードは、焼石膏を芯材として両面に石膏液をしみこませた厚紙を張り、圧縮成形した面材であるが、防火性・遮音性は劣る。

→× 適切でない。 石膏ボードは、石膏を芯材として両面をボード用原紙で被覆し、板状に成形したものであり、建築基準法で防火材料に認められている。壁の防・耐火構造の材料として、 あるいは、柱や梁の耐火被覆材として多用され、 火災の延焼防止に効果を発揮している。また、石膏ボードには音を通しにくい性質があり、石膏ボードボードを1枚で用いるほか、 厚手品の使用や複数枚の重ね張り、さらには吸音材との併用により、優れた遮音性能を得ることができる。設問の前半は正しいが、後半の「防火性・遮音性は劣る」は誤り。

答え:4

問21

[問21] エレベーターに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 保守契約の一方式であるPOG(Parts Oil and Grease)契約の場合、建築基準法第12条に基づく定期検査に要する費用は、一般に別途料金となる。

→× 不適切である。 まず、エレベーターと避雷設備も良く出題されるので、注意のこと。ここは、平成21年マンション管理士試験 「問45」 選択肢3 。
  保守管理の方式としては、主に次の4通りの方式があります。
 (1)FM(フルメンテナンス)方式:一定の保守料金の中で、エレベーターを定期的に点検、清掃、注油、調整をするほか、予防保全的に経年劣化を踏まえた機械部品、電気部品の取替修理、消耗品の交換まで行う総合的な保守契約。但し、主要機器の修繕や使用者の故意過失による修理などは対象外です。
保守料金の中には、1.予防保全、2.事後保全までを含み、3.改良保全の費用は含みません。1.予防保全の中には、機能維持工事であるメインロープやガバナーロープ、移動ケーブルの交換、巻き上げ機のオーバーホール(分解点検)なども含まれます。2.事後保全の範囲では、制御盤のリレー類、インジケーターランプやリミットスイッチなどの交換も含まれます。
 (2)POG(パーツ・オイル・グリス)方式:保守料金の中で行うのは、定期的な点検、清掃、注油、調整、小額の消耗品の補充・交換のみの保守契約です。機械部品、電気部品などの取替、修理が発生した場合は別料金となります。月々の契約金額はFM方式より低く抑えられますが、突発的な故障が発生した場合には、別途修理費がかかります。
[POG料金に含まれる消耗品}
カーボンコンタクト及びフィンガー、カーボンブラシ、ヒューズ、各種ランプ類(照明用、グロー、インジケータ)点検用オイル、補充用オイル、グリス類、ウエス、サンドペーパー、ビス、ナット、ワッシャー (但しランプ類には、スリムライン、ネオン管、インテリア照明、その他特殊な発光体は含まれません。
 (3)RM(リモートメンテナンス)方式:走行速度や回数、扉の開閉状況などの運行状態を24時間遠隔監視し、診断するシステムを取付け、安全性の向上を図った方式です。
 (4)FM方式又はPOG方式+RM方式:FM方式又はPOG方式にRM方式を組合わせ、より一層の安全性の向上を図った方式です。

{保守費}
 保守費は、FM契約で月額4〜5万円台、POG契約で3〜4万円台、更にRM方式では月額1〜1.5万円台が加算される例が多いようです。かつては、独立系の会社の保守費がメーカー系よりも月額5千円から1万円程度安かったのですが、最近は、その差が縮まる傾向にあります。
POG契約でも、定期検査の費用は含まれている。


2 エレベーターの保守会社は、各部位の点検を、日本工業規格の昇降機の検査標準に基づいて行っている。

→○ 適切である。 エレベータの設置については、建築基準法第34条第2項で「高さ31mを超える建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」とされているだけで、それ以外に設置義務は定められていません。そして、建築基準法では、昇降機(エレベーター)の運行管理については規定がなく、JIS A 4302:1982(改正あり:現在は JIS A4302−2006)「昇降機の検査標準」により行っている。ここは、注意が必要ですよ。

3 エレベーターの定期検査報告済証は、かご内の見やすい位置に掲示しなければならない。

→○ 適切である。 (財)日本昇降機安全センターで定めた、「昇降機の維持及び運行の管理に関する規準」第10条「所有者等は、昇降機ごとに前条の定期検査の報告を証明する「定期検査報告証」をエレベーターにあってはかご内の見やすい位置に掲示しなければならない。」とある。

4 エレベーターの定期検査は、年1回以上行わなければならない。

→○ 適切である。 建築基準法第12条第3項《改正》(平16法067)において、昇降機の所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期(年1回)に、資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならないとされ、報告をせず、又は虚偽の報告をした者には50万円以下の罰金が課せられます。
 さらに、 財)日本建築設備・昇降機センター発行、国土交通省監修「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」が平成5年6月30日付けで公表されています。この指針では、「昇降機の維持及び運行の安全を確保するため、使用頻度等に応じて専門技術者に、おおむね1月以内ごとに、点検その他必要な整備又は補修を行わせるものとする。」とされています。また、(財)建築保全センター発行、国土交通省監修「建築保全業務共通仕様書」(以下「国の「共通仕様書」という。)には、具体的な保守点検内容や点検周期が明記されており、保守管理業務仕様の一般的な目安とされています。

答え:1 (注:エレベーターは地震などによる閉じ込め事故や停電時の高層階での不通など、今後とも、出題が多くなると思われる箇所です。)

問22

[問22] マンションの給水タンクに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 タンク内部の保守点検用マンホールの大きさは、60cmの円が内接できるものとした。

→○ 適切である。 受水槽(給水タンク)も水道法にも絡んでよく出題される。構造は理解しておくこと。
  建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件(昭和50年12月20日建設省告示第1597号)(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)の第1の第2項イ(4)(ろ)に「直径60cmの円が内接できる保守点検用のマンホールを設ける」旨の規定がある



2 タンクの底部を、建築物の躯体コンクリート床面に接して設置した。

→× 適切でない。 建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件(昭和50年12月20日建設省告示第1597号)(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)の第1の第2項イ(1)に受水槽は6面(天井、底部、周壁)からの保守点検が行えるよう十分なスペース(60cmの空間)を確保する必要がある旨の既定がある。設問は「建築物の躯体コンクリート床面に接して設置した」とあり、底部の点検スペースが確保されていないため不適切である

3 タンクは、清掃・保守・点検時にも断水が生じないように、中間仕切り方式とした。

→○ 適切である。 受水槽や高置水槽が区画され2つに分かれている2槽式(中間で仕切る)では、これらの水槽の清掃時の断水を回避することが可能となる。

4 オーバーフロー管及び水抜管は、間接排水とした。

→○ 適切である。 オーバーフロー管は、水槽内の水位がボールタップなどの故障により一定水位を超えた時、その水を有効に槽外へ排水する管で、水槽の設置上不可欠な設備である。オーバーフロー水の逆流を防止するために、オーバーフロー管の管端部は間接排水(機器や装置からの排水を排水管に直結しないで、所要の排水口空間を設けて、ホッパーや漏斗等の水受け容器に排水する)とする必要がある。
 また、水抜管は、タンクの下の方に設けられる。これも排水には、排水口空間を設け排水が逆流するのを防ぐ。

答え:2

問23

[問23] マンションの排水管に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 排水立て管は、どの階においても、最下部の最も大きな排水負荷を負担する部分の管径と、同一管径でなければならない。

→○ 適切である。 ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問20」 でも出ている。
    排水立て管とは、排水横枝管から排水を受けて、排水横主管へ接続するまでの立て管をいいます。 排水立て管には、各階で排水横管が接続されているので、下部に行くほど排水量が多くなるが、排水負荷に応じて管径は変えてはいけない。最低部の排水負荷を満足する管径とし、上階から下階まで同一管径とする。排水立て管は、途中で管径を変えないこと。


2 排水横管の勾配は、施工上可能な限り、急勾配とすることが望ましい。

→× 適切でない。 排水横枝管(横管)とは、 器具排水管から、排水立て管、または排水横主管までの排水管をいいます。 排水横管の勾配が過大である場合には、管内流速が早くなり汚物が取り残されやすい。また、勾配が過小である場合には、管内流速が遅く固形物やスケールが付着しやすくなる。したがって、管内流速は0.6〜1.5メートル(秒速)と規定されており、管径に応じて適した勾配にする必要がある。通常は、管径(mm)に対して、およそ1/(管径)程度の勾配とする。(管径が65ミリ以下の場合は1/50以上、管径100ミリ以下の場合は1/100以上、管径150ミリ以上は1/200以上と規定されている。) 参考:平成21年マンション管理士試験 「問44」

管径(mm) 勾配
65以下 最小 1/50
75、100 最小 1/100
125 最小 1/150
150以上 最小 1/200


3 排水管の最小管径は、20mm以上としなければならない。

→× 適切でない。 排水管の最小管径は、接続するする器具のトラップの最小口径以上とする必要があり、かつ30mm以上とする必要がある。

4 排水横管の管径は、一般に勾配により決定する。

→× 適切でない。 汚水のみを排出する排水管の内径及び勾配は、排水人口から定める。また、雨水管または合流管の管径及び勾配は、排水面積から定める。さらに、排水人口及び敷地の形状、起伏などの関係で標準的な管径、勾配を用いることができない場合は、所要の流速、流量が得られる管径、勾配を選定する。排水横枝管の管径は、接続する衛生器具のトラップの最大口径以上としてください。

答え:1

問24

[問24] 換気設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 自然給気口から外気を供給し、室内空気を排気ファンによって排出する換気方式は、便所に用いてはならない。

→× 適切でない。 平成25年 マンション管理士試験 「問44」 。
この、換気と採光はよく出題されているので、方式(第1種から第3種)の違いは、記憶しておくこと。
  便所の換気方式は、自然給気口から外気を取り入れ、排気を機械換気とする第3種換気方式が用いられる。参考:第1種換気方式:給気側と排気側に送風機を設ける。第2種換気方式:給気側に送風機を設け、排気側には排気口(ガラリなど)を設ける。


2 住宅の居室にシックハウス対策用として設けられる機械換気設備は、換気回数として毎時0.3回の能力があれば足りるが、常時運転としなければならない。

→× 適切でない。 住宅居室の機械換気設備は、毎時0.5回以上の能力が必要で、常時運転としなければならない。毎時0.3回では足りない。
 (参考:建築基準法第28条の2:2項:
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない


3 シックハウス対策用の機械換気設備を設けた場合、火気を使用する部屋の換気設備の設置は免除される。

→× 適切でない。 火気を使用する部屋の換気設備の設置が必要である。このような規定はない。

4 火気を使用する部屋の必要有効換気量は、(定数)×(燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量)×(実際の燃料消費量)として求められる。

→○ 適切である。
 設問のとおりである。(告示1826号)

答え:4

問25

[問25] 給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 ガス給湯器の能力表示における1号とは、毎分流量1リットルの水の温度を25℃上昇させる能力をいう。

→○ 適切である。 ガス給湯器の能力は号数で表示される。号数は「水温+25℃」のお湯を1分間に何リットル出せるかということを示すもので、一般に号数が大きいほど一度に大量のお湯を使うことができる。(こんな細かい出題だけど、過去問題をやった人は知っていた。平成15年 管理業務主任者 試験 「問22」 にある。)

2 深夜電力利用温水器などの貯湯式給湯器は、一般に水道用減圧弁を介して給水管に直結されるが、この弁には逆止め機構が内蔵されている。

→○ 適切である。 ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問24」 選択肢4 でも出た。
   減圧弁は、石油・ガス温水ボイラー、石油小形給湯機、ガス瞬間湯沸器、電気温水器、太陽熱利用温水器などに水道から給水するとき、水圧を一定の圧力に保持し温水ボイラーなどへの過剰給水圧力を防止し、安全を保つために取り付けられており、圧力調整機構,逆止め機構,負圧作動機構,ストレーナを内蔵するものがある。

3 ガス瞬間式給湯器には元止め式と先止め式があるが、住戸セントラル方式に用いられるのは元止め式である。

→× 適切でない。  「先止め式」とはお湯が出る側にある栓を開閉することによって給湯する方式の事を指す。一方、「元止め式」とは水が入ってくる側にある栓を開閉する事によって給湯する方式である。住戸セントラル方式は、温水を発生させる大型ボイラー、冷水を発生させる冷凍機を設置し、各戸に温風、冷風を送って行なう方式であり、各戸毎に開閉することが可能な、先止め式が用いられる

4 自動湯温安定式のガス瞬間給湯器には60℃以上の固定された出湯温が得られる固定湯温式と、出湯温度の設定が可変の可変湯温式がある。

→○ 適切である。 ガス給湯機の出湯温度制御方式で、自動湯温安定式は、出湯量の変化に対して、設定出湯温度になるように自動的にガス燃焼量(能力)を調節する方式をいい、以下の方式がある。
@ 固定湯温式:60℃以上の固定された出湯温度が得られる方式。
A 可変湯温式:湯温設定が可変になっており、設定した出湯温度が得られる方式。

答え:3

ここまで、問25


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最終更新日:
2012年 4月28日:正解肢の太字・ピンク色で統一。
平成23年の改正標準管理規約を入。「問13」に追記。
2011年 3月28日:「問11」等に解説追記。
2011年 2月10日:標準管理委託契約書の改正を「問7」、「問8」、「問9」に入。
2008年11月14日

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