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平成20年 マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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  謝辞:問題文の作成には、taniyan120さまの協力を得ています。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

〔問 26〕   A~Dに必要とされる集会の決議(ア、イ)とA~Dが特別の影響を及ぼすべきときに必要な区分所有者の承諾(①、②)に関する次の組み合わせのうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

A 建物の外壁に新たにエレベーターを外付けして設置する工事
B 計画修繕工事に関して行うエレベーター設備の更新工事
C 不要となったダストボックスを撤去する工事
D 非居住用途の専有部分について、居住用途以外の使用を禁止する規約の変更

  ア 区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数
  イ 区分所有者及び議決権の各過半数

  ① 専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときの当該専有部分の所有者の承諾
  ② 一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときの当該区分所有者の承諾

1 Aとアと①
2 Bとイと②
3 Cとイと①
4 Dとアと②

 設問が長い。こんな面倒な問いは、本試験では、次の問題に移り、最後に時間があれば、戻ってくること。
主旨は、特別多数決議によるのか、普通決議でいいのか、また、権利の問題か使用での問題かの検討です。ここは、出題傾向が高い。平成20年 管理業務主任者 試験 「問32」、 平成17年 マンション管理士 試験「問30」 、 平成17年 管理業務主任者 試験 「問33」 など。また、平成22年 管理業務主任者試験 「問32」。
設問では、区分所有法となっていますが、解答の基本は、標準管理規約のコメントからの出題です。

  まず、基本として、区分所有法第17条の規定 (共用部分の変更)
  「第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
   2  前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」により、共用部分についてどの程度の変更が、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数(特別多数決議)が必要か、また過半数の決議(普通決議)でいいのか、さらに、「共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼす」のかどうかを、検討することになる。

1.A 建物の外壁に新たにエレベーターを外付けして設置する工事とアと①
○ 正しい。 標準管理規約コメント47条関係⑤ア)バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレベーターを新たに設置する工事は
特別多数決議により実施可能と考えられる。」によれば、アの特別多数決議事項で、これは、建物の使用に絡むため、①の影響する区分所有者の承諾が必要です。

2.B 計画修繕工事に関して行うエレベーター設備の更新工事とイと②
X 誤っている。 標準管理規約コメント47条関係⑤オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター設備の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる。」によれば、イの過半数の普通決議でいい。しかし、この更新作業では、権利には、特別の影響は与えませんから、②ではありません。

3..C 不要となったダストボックスを撤去する工事とイと①
○ 正しい? まず、ダストボックスとは、ゴミ回収場所に置かれた鉄製の大きなゴミ箱で、上からゴミを投入し、回収するときはダストボックスごとトラックで持ち去るか、あるいは吊り上げて底を開いてゴミのみ回収するゴミ箱です。これは、分別収集が行なわれ始めてから不要となりました。
   標準管理規約コメント47条関係⑤カ)その他、集会室、駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議により、窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は
普通決議により、実施可能と考えられる。」により、アの普通決議でいい。しかし、後半のダストボックの撤去工事を単純に①の使用関係と言い切っていいのか、それに権利が絡む状況がないかは、検討の余地がある。

4.D 非居住用途の専有部分について、居住用途以外の使用を禁止する規約の変更とアと②
○ 正しい。 すでにある規約を変更するのは、単純に区分所有法第31条1項 (規約の設定、変更及び廃止)
  「第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。 」により、アの
特別決議事項に該当し、②の一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすため、後半も正しい。

答え:2 (これも、単純な解答を求めているのか、他の状況も検討させるのか、出題が明確でない。)

問27

〔問 27〕 規約又は集会の決議の効力に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  近隣住民との協定に基づく電波障害防止設備の維持管理費を区分所有者が負担する旨の規約の定めを変更し、近隣住民に負担させることとする旨を規約に定めても、近隣住民に対して効力は生じない。

○ 正しい。 まず、マンションでの規約の性格を理解してください。規約は、マンション内での区分所有者同士(管理組合員だけ)の取り決めであり、マンション内では効力を持ちますが、法律ではないので外部の人たちまでを規約では拘束することはできません。また、外部の人の権利に関する事柄をマンション内で勝手に変更しても、それも外部に対しては、効力がありません。
  設問のように高層のマンション建築に際して、電波障害が発生する場合には、地元との建築時の協定でマンションの屋上に電波障害防止のため、特別なアンテナを設置し、その費用は建築主が負担するのは、よくあることです。この維持費は、マンション販売時に特記事項として、マンション販売業者から、管理組合の規約内容として記載され、管理費等から支出されます。
 また、区分所有法第30条4項は
  「4  第一項及び第二項の場合(注:規約の設定)には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。」と、当然ですが、定めています。

2  規約を改正し、管理費等の支払義務について、賃借人も区分所有者と連帯してこれを負担しなければならない旨の定めを置いても、賃借人に対する効力は生じない。

○ 正しい。 選択肢1でも述べたように、規約は基本的には、区分所有者を拘束しますが、建物の管理・使用については、賃借人(占有者)も守る必要があるため、区分所有法第6条3項
  「3  第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。 」とあり、準用されている同条1項は、
  「第六条  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」とあり、また、区分所有法第46条2項
  「2  占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」により、 賃借人にも建物等の「使用方法」については、規約を守り、集会の決議に従う義務がありますが、管理費等の支払い義務はありません。管理費や修繕積立金の支払いは、区分所有者が負う物です。(区分所有法第19条参照)。そこで、規約で「管理費等の支払義務について、賃借人も区分所有者と連帯してこれを負担しなければならない旨の定め」を置いても、賃借人に対する効力は生じません。

3  駐車場使用料を社会的に相当な範囲で値上げすることについて集会で決議したが、駐車場使用契約書に使用料の額が記載されている場合には、これを使用している区分所有者の承諾がなければ決議の効力は生じない。

X 誤っている。 これは、区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止)
  「第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。 」での、集会の決議が、一部の区分所有者の権利に特別の影響をあたえるかどうかをきいています。
  これについては、判例があり、
増額された使用料が「社会通念上相当な額である場合」には、特別な影響を及ぼさないとされています。(最高裁:平成10年10月30日、福岡高裁:平成8年5月30日など)。設問の場合には、駐車場を使用している区分所有者の承諾がなくても、決議は有効です。(参照:平成17年 マンション管理士 試験 「問8」 )

4  広告塔を撤去し屋上を緑化することについて集会で決議したが、その広告塔設置のため屋上を賃借している第三者がいる場合には、その第三者の承諾がなければ決議の効力は生じない。

○ 正しい? ここは、設問があいまいだ。
  集会での決議は、瑕疵なく正当に決議されれば、それはマンション内部としては有効です。マンション内での決議の効力は生じています。その決議は無効ではありません。ただ、その内容がマンション外の第三者に関係しているときには、その
第三者の承諾がないと対抗ができないだけとの解釈が成り立ちます。これを指して決議の効力を生じないというなら、正しい。

答え:3 (4も候補にあがるが、4は設問のまずさがあるだけと考えると、3)

問28

〔問 28〕  集会の招集の通知に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1  101号室に居住していた区分所有者が死亡したとの通知はあったが、登記はそのままで相続人のうち誰が区分所有者か確認できず、通知を受ける場所の届出もないので、招集通知は出さなかった。

X 誤っている。 区分所有法で定める集会の通知規定は、同法第35条3項
  「3  第一項(注:集会の招集)の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。」とあり、通知された場所があれば、そこに出すこと。届け出がないときは、専有部分(室番号へ)に出すこと。いずれにせよ、招集通知を出さないのは、正しくない。死亡には関係ない。(まずい設問です。)

2  201号室の区分所有者が長期の海外勤務となり、集会の通知を受ける場所として海外の居所の届出があったが、入居届けの緊急連絡先として兄の住所が記載されていたので、兄の住所あてに招集通知を出した。

X 誤っている。 海外の住所は、平成16年 マンション管理士 試験 「問7」 選択肢3 にもある。
  選択肢1で述べたように、通知を受ける場所が通知されていれば、たとえそれが海外でも、そこに、招集通知は出すこと。兄の連絡先ではいけません。連絡先と集会の通知場所は、異なる。

3  301号室は夫婦の共有名義で、議決権行使者は妻であるとの届出があったが、別居して出て行った夫から、集会の通知を受ける場所として自分の住んでいる乙マンションの通知があったので、乙マンションあてに招集通知を出した。

X 誤っている。 専有部分が共有の場合、区分所有法第40条(議決権行使者の指定)
  「第四十条  専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」 により共有者は、だれか一人を議決権行使者と定める必要があります。その場合、集会の招集の通知は、同法第35条2項
  「2  専有部分が数人の共有に属するときは、前項(注:集会招集)の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。 」とあり、議決権行使者として届け出のある「妻」あてに出すこと。(別居云々は、全く関係がない。)

4  401号室の区分所有者から集会の通知を受ける場所として丙マンションであるとの届出があったが、その後、丙マンションから401号室へ転居するとの届出があり、半年前から401号室に居住しているので、401号室あてに招集通知を出した。

○ 正しい。 まどろこしい設問だけど、要は最終の届け出のある場所の401号に出したのであれば、選択肢1で引用した区分所有法第35条3項により正しい。

答え:4 (余談ですが、問26から問28での出題文章の未熟さ・曖昧さから今年の出題者が、過去の出題者と明らかに違っているのに気がついた。レベルが過去の出題者より低い!)

問29

〔問 29〕  専用使用権が設定されているバルコニーの管理に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」という。)の規定によれば、適切でないものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1  専用使用権者がバルコニーへテレビアンテナを設置する場合について、使用細則で事前に管理組合の承認を必要とする等の制約を加えることができる。

○ 適切である。 バルコニー(ベランダ)は、区分所有法上では、専有部分か共用部分かの争いがあるが、標準管理規約では、8条(別表第2)により、共用部分とされ、同規約14条により、区分所有者の専用使用権を認めている。そして、コメント14条関係
  「②専用使用権は、その対象が敷地又は共用部分等の一部であることから、それぞれの通常の用法に従って使用すべきこと、管理のために必要がある範囲内において、他の者の立ち入りを受けることがある等の制限を伴うものである。また、工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は
使用細則で物件ごとに言及するものとする。」とあり、使用細則で制限はできる。

2  バルコニーの漏水の調査のため、管理組合がバルコニーへの立入りを求めた場合、専用使用権者は正当な理由なくこれを拒否する事ができない。

○ 適切である。 標準管理規約23条(必要箇所への立入り)
  「第23条 前2条(注:敷地及び共用部分等の管理、窓ガラス等の改良)により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。
  2 
前項により立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない
  3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
  4 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。」とあり適切である。

3  バルコニーの手すりの経年劣化に対し補修塗装を要する場合、専用使用権者の責任と負担においてこれを行わなければならない。

X 適切でない。 選択肢1で述べたように、バルコニーは共用部分であり、その手すりも共用部分である。共用部分の経年劣化が原因なら、管理組合の責任と負担で行う。標準管理規約21条
  「第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
   2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」とあり、経年劣化は通常の使用には入らない。
  参考:コメント21条関係②バルコニー等の管理のうち、管理組合がその責任と負担において行わなければならないのは、計画修繕等である。
     ③本条 ただし書の「通常の使用に伴う」管理とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入れ替え等である。

4  バルコニーにごみ等を放置し共同生活の秩序を乱すに至っている場合、理事長は、理事会の決議を経て専用使用権者にその是正を勧告することができる。

○ 適切である。 標準管理規約67条1項
  「第67条 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。」とあり、バルコニーにごみ等を放置し共同生活の秩序を乱すに至っている場合は該当する。

答え:3 (かなり易しい問題。)

問30

〔問 30〕  組合員総数の1/5以上及び議決権総数の1/5以上に当たる組合員の同意を得て、組合員Aが防犯カメラの設置を目的として臨時総会の招集を理事長に請求した。この場合の臨時総会の手続きに係る次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1  理事長は、請求のあった日から2週間以内の日を会日とする臨時総会の招集通知を発しなければならない。

X 適切でない。 標準管理規約44条 ((組合員の総会招集権)
  「第44条 組合員が組合員総数の5分の1以上及び第46条 第1項に定める議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合には、
理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の目的が建替え決議であるときは、2か月と2週間以内の日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない
  2 理事長が前項の通知を発しない場合には、前項の請求をした組合員は、臨時総会を招集することができる。」とあり、1項により、請求があった日から4週間以内の日を会日とすればいい。

2  理事長が2ヶ月後に通常総会が開催されるとして何もしないまま請求があった日から2週間を経過した場合は、Aが臨時総会を招集することができる。

○ 適切である。 選択肢1で引用した標準管理規約44条2項に該当する。通常総会の開催の有無は当規定とは関係がない。

3  臨時総会の議長は、出席組合員の議決権の過半数により、理事長以外の組合員の中から選任されなければならない。

X 適切でない。 標準管理規約44条3項では、
  「3 前2項により招集された臨時総会においては、第42条 第5項にかかわらず、議長は、総会に出席した組合員(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する。」とあり、理事長以外の組合員となっていない。臨時総会でも、組合員である理事長が議長に選任される場合もある。参照:区分所有法第41条(議長)
  「第四十一条  集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。」

4  臨時総会の議事録は、議長が作成・保管し、所定の掲示場所に保管場所を掲示しなければならない。

X 適切でない。 解説は議事録の作成と保管の2段階に分かれる。
  まず、総会(臨時総会も含めて)の議事録は、「議長」が作成する。しかし、議事録の保管は「理事長」の仕事で、保管場所がどこかも掲示するのも「理事長」の仕事である。標準管理規約49条にある。(議事録の作成、保管等)
  「第49条 総会の議事については、
議長は、議事録を作成しなければならない。
    2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。
    3 
理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
    4 
理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。」

答え:2 (あわてて、1としないように。)

問31

〔問 31〕  一部の理事が正当な理由がないにもかかわらず、恒常的に理事会を欠席し、理事会の定足数にさえ達しないことがある。これに対する対応について、管理組合から相談を受けたマンション管理士が回答した次の内容のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここ35条は、改正に該当する。


1  恒常的に理事会に欠席している理事の承認を得る必要はありませんので、当該理事を総会で解任し、新しい理事を選任してください。

○ 適切である。 理事(役員)の選任は、標準管理規約35条(役員)
  「第35条 管理組合に次の役員を置く。
      一 理事長
      二 副理事長○名
      三 会計担当理事○名
      四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。)○名
      五 監事○名
   2 
理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。(注:平成23年の改正で、「理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する」になった。)
   3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する。」とあり、2項の総会での決議事項であり、解任も同規約48条13号(議決事項)
  「第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
     十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法」とあり、これも総会での決議で可能である。理事の承認はなくても選・解任できる。

2  配偶者及び一親等の親族に限り代理出席することは、規約の定めがなくても可能ですので、次回の理事会については、配偶者等の出席を求めて下さい。

X 適切でない。 標準管理規約53条 (理事会の会議及び議事)
  「第53条 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。」とあるだけで、代理出席を認めていない。ただし、規約があれば代理出席を認めることはできるが、規約がなければ、だめ。参照:53条関係コメント 理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を
規約に定めることもできる

3  恒常的に理事会に欠席している理事は、事故があるものとみなし、定数に数える必要はありませんので、残りの理事の過半数の出席で理事会を成立させてください。

X 適切でない。 恒常的に理事会に欠席している理事は、事故があるものとみなし、定数に数える必要はないという規約はないため、残りの理事の過半数の出席で理事会を成立させることはできない。

4  他の理事を代理人とすることや書面により議決権を行使する事ができるように理事会での運営方法を取り決めてください。

X  適切でない。 ここも、設問が曖昧だけど。
  「他の理事を代理人とすることや書面により議決権を行使する」の意味が理事会の中だけで一応「(案として)取り決め」てから、総会に諮れば、適切な行為ではあるが、ここは、そこまで突き詰めた設問ではないようだ。これらは、理事会だけでは決められない。

答え:1  (設問のレベルが低い!) 

問32

〔問 32〕  管理組合の修繕委員会に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1  修繕委員会の運営細則の制定が必要な場合であっても、その設置については、理事会で決議すれば足りる。

X 適切でない。 修繕委員会は、専門委員会であることが前提です。
  まず、理事会で決議できるものは、標準管理規約54条 (議決事項)
  「第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
     一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
     二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
     三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
     四 その他の総会提出議案
     五 第17条に定める承認又は不承認
     六 第67条に定める勧告又は指示等
     七 総会から付託された事項」 
  そして、同規約55条 (専門委員会の設置)
  「第55条 理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。
   2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。」とあり、専門委員会である修繕委員会の設置は、理事会でできるが、「運営細則の制定が必要な場合」には、理事会では「その案」を策定して、総会の決議が必要となる。
  参考:55条関係コメント①専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合、
運営細則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決議が必要となる

2  修繕委員会は、理事長に代わって、大規模修繕工事の実施に責任を負い、その名において工事請負契約を締結することができる。

X 適切でない。 こんな規約条項は存在しない。選択肢1で引用した標準管理規約55条2項にあるように、専門委員会である修繕委員会は、「調査又は検討した結果を理事会に具申する」だけである。

3  大規模工事と建替のどちらにするのか比較検討させるため、修繕委員会に外部の専門家の参加を求めることができる。

○ 適切である。 検討する内容が建築や金融、法律など専門的な知識を必要とし、組合員だけで対応ができない場合には、当然、外部の専門家の参加を求めていい。ここに、マンション管理士が参加できれば、最高ですね。
  参照:標準管理規約55条関係コメント②専門委員会は、検討対象に関心が強い組合員を中心に構成されるものである。必要に応じ検討対象に関する専門的知識を有する者(組合員以外も含む。)の参加を求めることもできる。

4  修繕委員会は、調査又は検討した結果を総会に具申しなければならない。

X 適切でない。 よく出題される箇所。選択肢1で引用した標準管理規約55条により、専門委員会は理事会のもとに設置される。そして、その結果報告は、理事会に具申される。総会ではない。(規約55条2項)

答え:3 (標準管理規約のコメントを知らなくても、3 だけなら常識の範囲で解答できる?)

問33

〔問 33〕 甲管理組合の乙管理会社への委託業務費等の支払に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここの解説は、一部変更を追記した。本旨は変わりない。


1  甲は、委託業務費のほか、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費等の諸費用を負担しなければならない。

○ 正しい。 マンション管理士試験では、標準管理委託契約書からは、平成16年平成17年と出題があったが、平成18年、平成19年は出題がなかった。平成23年 管理業務主任者試験 「問8」 平成20年 管理業務主任者試験 「問13」 、平成19年 管理業務主任者試験 「問8」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問13」 。
   管理組合が管理会社に支払う委託業務費には、①定額部分(定額委託業務費=事務管理、清掃、建物管理等、毎月の負担額が決まっていて、清算を必要としない部分)と、②変動部分(管理事務の実施に伴い必要となる水道、電気、消耗品費など変動し清算が必要な費用)があります。
 そして、標準管理委託契約書6条4項
  「4 甲(注:管理組合)は、第一項の委託業務費のほか、乙(注:管理会社)が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。
とあり正しい。

2  乙は、甲から支払われる定額委託業務費について、毎月一定の期日までに精算を行わなければならない。

X 誤りである。 こんな規定はない。 
  選択肢1で述べたように、
定額委託業務費とは、清算を必要としません
  参照:標準管理委託契約書6条2項
  「 2 甲(注:管理組合)は、前項の委託業務費のうち、その負担方法が定額でかつ精算を要しない費用(以下「定額委託業務費」という。)を、乙(注:管理会社)に対し、毎月、次のとおり支払うものとする。

3  甲は、定額委託業務費以外の費用については、その概算額について、毎月一定の期日までに、支払わなければならない。

X 誤りである。 こんな規定はない。 
  定額委託業務費以外の費用は、標準管理委託契約書6条3項
  「3 第一項の委託業務費のうち、定額委託業務費以外の費用の額(消費税額等を含む。)は別紙二のとおりとし、甲は、各業務終了後に、甲及び乙が別に定める方法により精算の上、乙が指定する口座に振り込む方法により支払うものとする。」とあり、各業務が終了してから支払います。期日の指定はありません。

4  甲の各組合員は、委託業務費の支払いについて、連帯して弁済の責任を負わなければならない。

X 誤りである? 連帯して弁済の責任とは、少し設問がくだけていますが、通常の連帯債務であれば、各自が全額の弁済義務を負います。民法第432条 (履行の請求)
  「第四百三十二条  数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。」。
  しかし、区分所有法では、第19条 (共用部分の負担及び利益収取)
  「第十九条  各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。 」とあり、各組合員(区分所有者)が負担するのは、
原則、専有部分の床面積の割合:分割責任です。(参照:区分所有法第14条1項)だけです。
  (これも、第一次的には、支払責任は、管理組合にあり、管理組合が支払えない時には、各区分所有者に支払い責任があるとか、管理組合法人であるなどの限定条件が欲しい設問。)

答え:1

問34

〔問 34〕  理事会において、会計担当理事が平成19年度(平成19年4月1日~平成20年3月31日)決算の管理費会計の収支報告書案について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切なものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。

1  次期繰越収支差額はプラスであっても、前受金が多額に増加すると、現金預金の残高が不足することも考えられます。

X 適切でない。 会計も毎年、マンション管理士試験・管理業務主任者試験でも各2問程度出題がありますが、会計処理基準があいまいで疑問がある出題があります。この設問と近いのは、平成21年マンション管理士試験 「問34」 

毎年説明していますが、会計での「発生主義」は、重要な単語です。
  
  ★発生主義ということ

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

  ★設問について、
   前受金として処理されていれば、当期の収入には計上されずに、翌期になれば収入として計上されますから、前受金が多額に増加しても、現金預金の残高は不足しません。
 また、前受金は発生の都度、現金預金に反映されています。

    (借方)        | (貸方)
   現金預金   xxxx | 前受金  xxxx


2 支払保険料には、3年後に満期返戻のある積立保険料が含まれているので、この積立保険料分は貸借対照表に資産として計上されることになります。

○ 適切である。 当期の保険料は費用(支出の発生)となり、翌期以降の保険料分は、前払金となり、積立部分は、資産となります。
  参考:保険期間が3年で満期払い戻しのある積立保険料と次期分が入っているときに一括して普通預金から支払った場合の仕訳

 (借方)   (貸方)
損害保険料(当期分)費用の発生 普通預金 (資産の減少)
前払金  (次期の分)資産の増加
積立保険料(満期払い戻し分)資産の増加

3  3年後に満期返戻のある積立保険料がありますが、正しく決算を行えば、次期繰越収支差額と貸借対照表案の正味財産金額は一致することになります。

X 適切でない? 設問の「正しく決算を行えば」とは、この出題される会計処理の問題が、杜撰で、また適当ってことです。これは、平成16年 マンション管理士 試験 「問34」 選択肢4 からの出題だ。
  通常、収支報告書での次期繰越収支差額と、貸借対照表での正味財産金額は一致するが、満期返戻のある積立保険料の処理が絡むと、一致しないようだ。

  資金の範囲外(非資金)との関係も調べましたが、まったく、私の手には負えません。(というか、こんな内容は、もう検討するのも嫌になった。)誰か、面倒をみて、解説をお願いします。

 <参考>平成21年マンション管理士試験 「問34」

4  管理費収入には、滞納管理費の未収分は計上されていませんが、これは未収金として貸借対照表に資産に計上されることになります。

X 適切でない。 管理組合会計での「発生主義」の重要なポイントです。管理費などの未収金があれば、それはすでに発生していますから、貸借対照表では資産に計上されています。ここは、一般の組合員から分からない点として、質問の多い項目ですから、注意してください。

答え:2 (毎年会計の出題は、ひどい内容だ。この程度なら、もう出題は止めたらいいのに。参考になるかな? 「マンション管理の知識 平成20年版 ページ570~」) なお、解説は、http://plaza.rakuten.co.jp/honki4982/ にお願いします。
  または、マンション管理士・管理業務主任者用専用:http://tk4982.at.webry.info/でもいいです。

問35

〔問 35〕  甲マンション管理組合の平成19年度(平成19年4月1日~平成20年3月31日)の決算に当たって、未収金の内訳を検証したところ、平成20年3月分の管理費の未収分を未収金計上して管理費収入を計上した中に、平成20年4月分の管理費の未収分が含まれていることが判明した。この場合の修正仕訳として適切なものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。(xxxは、金額を表す。)


*問題文が、分かりにくい!
  平成19年度である平成20年3月に未収金処理をした仕訳けは、通常

   (借 方)     |   (貸 方)
   普通預金 XXX |  管理費収入 XXX
   未収金  XXX  |

  と考えられる。

   この中に、翌期分(平成20年4月分)が入っていたのなら、それを修正で戻せばいい。

   (借 方)       |  (貸 方)
  管理費収入   XXX |  未収金 XXX   
 

答え:3 ? (そんな、単純な答えでいいのかな?) (財)マンション管理センターの発表:3)

問36

〔問 36〕  マンションの維持管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  管理組合は、分譲時に交付された設計図書のほか、引渡し後に実施した点検や調査・診断の報告書、計画修繕工事の設計図書なども整理・保管しておくことが必要である。

○ 適切である。 管理組合が行う維持管理に関する業務として、必要である。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ760)

2  消防用設備の法定点検は、法令で定める資格者が定期的に点検を実施し、点検の都度、管理者が消防長又は消防署長に報告する事が必要である。

X 適切でない。 ここは、過去にも、平成19年 マンション管理士 試験 「問44」 、や 平成13年 マンション管理士 試験 「問24」 などでお馴染み。
  消防用設備の法定点検は、消防法第17条の3の3
  「第十七条の三の三 「 第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。 」とあり、
 消防法施行規則31条の6 (消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
  「法第十七条の三の三 の規定による消防用設備等の点検は、種類及び点検内容に応じて、一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行うものとする。
   2  法第十七条の三の三 の規定による特殊消防用設備等の点検は、第三十一条の三の二第六号の設備等設置維持計画に定める点検の期間ごとに行うものとする。
   3  防火対象物の関係者は、前二項の規定により点検を行つた結果を、維持台帳(第三十一条の三第一項及び第三十三条の十八の届出に係る書類の写し、第三十一条の三第四項の検査済証、次項の報告書の写し、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事、整備等の経過一覧表その他消防用設備等又は特殊消防用設備等の維持管理に必要な書類を編冊したものをいう。)に記録するとともに、次の各号に掲げる防火対象物の区分に従い、当該各号に定める期間ごとに消防長又は消防署長に報告しなければならない。ただし、特殊消防用設備等にあつては、第三十一条の三の二第六号の設備等設置維持計画に定める点検の結果についての報告の期間ごとに報告するものとする。
   一  令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物 
一年に一回
   二  令別表第一(五)項ロ(注: ロ 寄宿舎、下宿又は共同住宅 とありマンションはここに該当している)、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項までに掲げる防火対象物 
三年に一回
とあり、消防庁告示により、6カ月に1回の機器点検及び1年に1回の総合点検を法令で定める資格者が行うので、前半は正しい。しかし、その報告は、特定防火対象物は1年に1回、非特定防火対象物は3年に1回でいい。点検の都度ではありません。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ763))

3 計画修繕工事の実施の時期や内容は、長期修繕計画で設定した時期や内容を目安として、専門家に調査・診断を依頼し、その結果に基づいて検討することが必要である。

○ 適切である。 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ798~)

4  計画修繕工事の施工会社の選定に当たって、工事費見積書を提出させる際には、参加資格を定めたうえで、修繕工事の仕様書及び設計図を配布し、現場説明を行うことが望ましい。

○ 適切である。 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ804~)

答え:2

問37

〔問 37〕  マンションの打放しコンクリートの外壁のひび割れの調査と補修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  ひび割れの調査は、ひび割れの幅だけでなくその形状や分布状態(パターン)についても調べることが必要である。

○ 適切である。 ひび割れは各種の原因が考えられるため、分布状態や各形状も共に調べることが必要である。その原因により、補修方法も変わってきます。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ769)

2  ひび割れは、幅が0.3mm以下であっても、コンクリート内部に雨水等が侵入し、漏水の原因になる場合がある。

○ 適切である。 ここは、過去、 平成14年 マンション管理士 試験 「問37」 選択肢4 。
   0.3mmとはたいしたひび割れと思わないでしょうが、水は入っていきます。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ769)


3  挙動があるひび割れを充てん工法により補修する場合は、可とう性のエポキシ樹脂やシーリング材を使用することが一般的である。

○ 適切である。 ここは、平成16年 マンション管理士 試験 「問39」 選択肢1 でも出ている。また、平成21年マンション管理士試験 「問39」 もあり。
  コンクリートやモルタルのひび割れを充填工法により補修するには、可とう性(可撓性=柔軟性があり曲げても折れない)があるエポキシ樹脂を充填材として使用する。また高弾性耐燃性エポキシ樹脂シーリング材、ポリマーセメント系弾性シーリング材などもある。なお、ひび割れが大きくなると、U字形に切り取り、充填する。挙動のあるひび割れとは、天候による温度差などで、その部分が動くことです。

4  ひび割れを樹脂注入工法により補修する場合は、確実に樹脂を注入するため、高圧高速で注入する方法が一般的である。

X 適切でない。 高速高圧で注入したら、ひび割れの箇所に確実に入って行かない。エポキシ樹脂をゴムの圧力で注入し、まんべんなく隙間を埋める、自動低圧注入工法がある。

答え:4 

問38

〔問 38〕  マンションの長期修繕計画の作成に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  直接仮設や共通仮設の費用などを軽減するため、修繕工事の実施予定期間を集約することがあるが、過剰に集約すると修繕積立金の一時的な不足につながるので注意が必要である。

○ 適切である。 工事を集約すれば、全体の経費は軽減できるが、当然一時金も多くかかる。

2  新築時の長期修繕計画は、20年程度の計画期間において見込まれる修繕工事の内容、おおよその期間、概算の費用、収支計画等に関して定めることが望ましい。

X 適切でない。 ここは、少し古いが、平成15年 管理業務主任者 試験 「問29」 もある。
  「マンション管理標準指針」では、
新築時には、30年程度、経年時は25年程度が標準的な計画期間とされている。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ789)。 20年では短すぎる。(20年先の5年の違いは、大した違いではないとも思うけど、ここは、大切。)

3  修繕工事項目のうち、建具の取替えは、一般的に新築時の長期修繕計画においては設定されていないことが多いので、計画を見直す際には項目の要否を確認することが望ましい。

○ 適切である。 玄関扉、窓サッシなど住戸の建具は、補修は入っているが普通、取替えまでは、新築時での長期修繕計画では入れていない。マンションの状況に応じて計画に入れればいい。

4  長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事の実施の直前又は直後に行うほか、大規模修繕工事の実施予定時期までの中間の時点に行うことが望ましい。

○ 適切である。 通常、長期修繕計画の見直しは、5年程度で行うのが望ましいが、実際の工事により、修繕計画を調整し、また内容も精度の高い計画とすることができる。

答え:2 

問39

〔問 39〕 マンションの環境等に配慮した改修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  屋上を緑化し、冷房負荷を軽減するため、既設の露出防水の全面に保護コンクリートを打設し、その上に埴土(しょくど)を敷いて芝生を植えた。

X 適切でない。 さらっと読むと、これでいいと思うが、コンクリートを打っただけでは、コンクリートに根が入る。コンクリートの上に防根シートを張って層を造りその上に土と芝生を植えるんだってさ。そこまでやるとは知らなかった。

2  室内の結露と熱損失を軽減するため、外装材と断熱材が一体化した断熱複合パネルを、外壁の外側に密着するように取り付けた。

○ 適切である? 結露防止に外断熱材の取り付けは有効である。平成16年 マンション管理士 試験 「問42」 選択肢4 。
   でも、外壁の外側に「密着して取り付ける」のか調べたが、分かりません。少し隙間を持たせた方が、空気で断熱効果が上がるのでは?

3  雨水を地中に還元し、下水への排水量を軽減するため、歩道、車路及び駐車場を透水性アスファルト舗装にした。

○ 適切である。 透水性アスファルト舗装は、大粒径の骨材を使用した空隙のあるアスファルト舗装です。アスファルト舗装の空隙から雨水を浸透させ、舗装体を通して地中に浸透させる機能があります。

4  夏期の日射熱による冷房負荷を軽減するため、窓のサッシをかぶせ工法により取り換え、遮熱断熱複層ガラスをはめ込んだ。

○ 適切である。 アルミサッシの交換工事の1つが「かぶせ工法」という既存サッシ枠の上に新しいサッシ枠をかぶせる方法。
この工事のメリットは、工事が簡単で時間もかからず、ある程度安価で出来る。デメリットは窓枠が既存の上にかぶるので枠自体が少し出っ張ってしまうことと、ガラス面が少し小さくなってしまうこと。参照:平成19年 マンション管理士 試験 「問39」 や 平成21年管理業務主任者試験 「問27」 ) 



   また、遮熱断熱複層ガラスは、ペアガラスともいい、ガラスとガラスの間に乾燥空気の層を封入した、熱の伝導が少ないガラスで、日射熱も防げる。冷暖房・結露対策として適切である。


答え:1 

問40

〔問 40〕  マンションの外壁等の断熱に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  既存の外壁に、同じ厚さであれば熱伝導率が大きい断熱材を取りつける方が、熱の損失を軽減する効果が大きくなる。

X 適切でない。 熱については、平成17年 マンション管理士 試験 「問42」 でも出た。平成21年マンション管理士試験 「問40」 も。また、平成21年管理業務主任者試験 「問28」 も参考にしてください。
  こんなのがまた出るとは、思っていなかった。再び勉強です。
  まず、
熱の伝わり方には、伝導、対流、放射の3つがある。
  熱伝導というのは、そのうちの1つで、熱エネルギーが温度の高い部分から低い部分に伝わる現象である。壁(材料)なら、壁(材料)の内部の温度の高い方から、温度の低い方へ熱が移動することをいう。
  熱伝導率とは、その熱の移動のしやすさを示す値で、材料により異なる(アルミニュムが高く、鋼材、タイル、れんが と熱伝導率は悪くなる)。
  そして、熱の損失は、熱の失われやすさを示す言葉ですから、熱伝導率が大きいと、熱の損失も大きくなります。軽減できません。熱伝導率の小さい断熱材の方が熱の損失を軽減する効果があります。

2  窓のサッシの二重化は、窓の熱貫流抵抗を大きくし、熱の損失を軽減する効果が大きい。

○ 適切である。 窓のサッシの二重化については、前問「39」の選択肢4も参照。
   
熱貫流とは、床、壁、屋根などを通して、熱が逃げたり、逆に入ってきたりすることで、1つの方向からみた熱の貫流(とおり貫け)をいう。熱貫流率は、その壁の熱の伝わりやすさのの大小を表し、熱貫流率の大きい壁は熱を通しやすく、熱貫流率の小さい壁は保温性が高い。これは、空気から壁の表面に熱を伝える「熱伝達」と壁の内部で熱を移動させる「熱伝導」により決まる。
  熱貫流
抵抗は、熱貫流率の逆数で熱の伝わりにくさを示す数値。この値が大きいほど熱が伝わりにくく、熱の損失を軽減する。断熱性がいいことになる。

3  外壁は、同じ厚さであれば熱貫流率が大きい方が、結露が発生する可能性が大きくなる。

○ 適切である。 結露発生の原因としては、温度差によることが多い。熱貫流率は、選択肢2で述べたように、熱の通り貫けであるから、熱貫流率が大きいと、室温と外気温との差が大きくなるため、結露の発生の可能性も大きくなる。

4  既存の外壁に、同じ厚さの同じ断熱材を、室外側に取りつけた場合でも室内側に取りつけた場合でも、断熱材と外壁を合わせた熱伝導抵抗は等しい。

○ 適切である。 熱伝導抵抗とは、選択肢1で述べた「熱伝導率」の逆数に材料の厚さをかけたものです。熱の伝わりにくさを示します。単なる数字上での値ですから、既存の外壁に、同じ厚さの同じ断熱材を、室外側に取りつけた場合でも室内側に取りつけた場合でも、断熱材と外壁を合わせた熱伝導抵抗は等しいことになります。

答え:1 (熱伝導とか、抵抗とか、設問を読んだだけで分かるかな? さらに勉強の好きな人は、マンション管理の知識 平成20年版 ページ701~)

問41

〔問 41〕  マンションの駐車場に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  普通乗用車1台当たりの駐車スペースは、直角駐車の場合、幅2.3m×奥行5.0m程度である。

○ 適切である。 これは、平成19年 管理業務主任者 試験 「問25」 で出ているのですぐに分かる。
   直角駐車の場合、幅 2.3m × 奥行 5.0m 程度である。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ675~)。

2  自動二輪車1台当たりの駐車スペースは、直角駐車の場合、幅1.0m×奥行2.3m程度である。

○ 適切である? 大体こんな程度です。程度で、設問するとは、あまりにも受験生を馬鹿にしていますけど。

3  車いすを使用している者が利用する駐車スペースは、車いすが回転することができるようにするため、普通乗用車1台当たりの幅を3.0m以上とする。

X 適切でない。 これは、選択肢1を知っていると、類推できる。車椅子が、普通自動車の幅、 2.3mにプラス 0.7mではいくらなんでも回転できない。最低 3.5mは必要。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ676)。
  高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)施行令17条2項
  「2  車いす使用者用駐車施設は、次に掲げるものでなければならない。
     一  
幅は、三百五十センチメートル以上とすること
     二  次条第一項第三号に定める経路の長さができるだけ短くなる位置に設けること。」ともある。

4  車いすを使用している者が利用する駐車スペースから建物の出入口までの通路は、駐車スペースとの間に段を設けず、幅を1.2m以上とする。

○ 適切である。 まず、通路の段については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)施行令18条2項
  「2  移動等円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。
     一  当該移動等円滑化経路上に階段又は段を設けないこと。ただし、傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する場合は、この限りでない。 により、正しい。
  そして、通路の幅は、同7号
  「七  当該移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、第十六条の規定によるほか、次に掲げるものであること。
     イ 
幅は、百二十センチメートル以上とすること
     ロ 五十メートル以内ごとに車いすの転回に支障がない場所を設けること。
     ハ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
   ニ 傾斜路は、次に掲げるものであること。
      (1) 幅は、段に代わるものにあっては百二十センチメートル以上、段に併設するものにあっては九十センチメートル以上とすること。
      (2) 勾配は、十二分の一を超えないこと。ただし、高さが十六センチメートル以下のものにあっては、八分の一を超えないこと。
      (3) 高さが七十五センチメートルを超えるもの(勾配が二十分の一を超えるものに限る。)にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅が百五十センチメートル以上の踊場を設けること。 」とあり、イにより、120cm以上も正しい。

答え:3 (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ669~)

問42

〔問 42]  マンションの防犯に配慮した改修計画・設計に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  改修に当たっては、監視性の確保、領域性の強化、接近の制御及び被害対象の強化・回避の4つの基本原則を踏まえたうえで改修計画を検討する。

○ 適切である。 これに似たのは、平成18年 マンション管理士 試験 「問41」 にある。
   国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によると、
   「2 防犯に配慮した企画・計画・設計の基本原則
     住宅の周辺地域の状況、入居者属性、管理体制、時間帯による状況の変化等に応じて、次の4つの基本原則から住宅の防犯性の向上のあり方を検討し、企画・計画・設計を行う。
      (1) 周囲からの見通しを確保する(
監視性の確保
         ・敷地内の屋外各部及び住棟内の共用部分等は、周囲からの見通しが確保されるように、敷地内の配置計画、動線計画、住棟計画、各部位の設計等を工夫するとともに、必要に応じて防犯カメラの設置等の措置を講じたものとする。
      (2) 居住者の帰属意識の向上、コミュニティ形成の促進を図る(
領域性の強化
         ・共同住宅に対する居住者の帰属意識が高まるように、住棟の形態や意匠、共用部分の管理方法等を工夫する。また、共用部分の利用機会が増え、コミュニティ形成が促進されるように、敷地内の配置計画、動線計画、住棟計画、共用部分の維持管理計画及び利用計画等を工夫する。
      (3) 犯罪企図者の動きを限定し、接近を妨げる(
接近の制御
         ・住戸の玄関扉、窓、バルコニー等は、犯罪企図者が接近しにくいように、敷地内の配置計画、動線計画、住棟計画、各部位の設計等を工夫したものとするとともに、必要に応じてオートロックシステムの導入等の措置を講じたものとする。
      (4) 部材や設備等を破壊されにくいものとする(
被害対象の強化・回避
         ・住戸の玄関扉、窓等は、侵入盗等の被害に遭いにくいように、破壊等が行われにくい構造等とするとともに、必要に応じて補助錠や面格子の設置等の措置を講じたものものとする。」とある。(参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ672)。

2  自転車置場やオートバイ置場は、道路、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保されたものとすることが望ましい。

○ 適切である。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によると、 
    (7) 自転車置場・オートバイ置場
       ア 自転車置場・オートバイ置場の配置
         ・
自転車置場・オートバイ置場は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。」とある。

3  エレベーターのかご内の照明設備は、床面においておおむね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することが望ましい。

X 適切でない。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によると、 
   (5) エレベーター
     ア エレベーターの防犯カメラ
       ・エレベーターのかご内には、防犯カメラ等の設備を設置することが望ましい。
     イ エレベーターの連絡及び警報装置
        ・エレベーターは、非常時において押しボタン、インターホン等によりかご内から外部に連絡又は吹鳴する装置が設置されたものとする。
     ウ エレベーターの扉
       ・エレベーターのかご及び昇降路の出入口の扉は、エレベーターホールからかご内を見通せる構造の窓が設置されたものとする。
    エ エレベーターの照明設備
       ・
エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。」とあり、エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することで20ルクスでは暗い。

4  ゴミ置場は、他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されたものとするとともに、照明設備を設置したものとすることが望ましい。

○ 適切である。 国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(12)その他 によると、
      イ ゴミ置場
        ・ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置する。また、住棟と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置する。
        ・
ゴミ置場は、他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されたものとするとともに、照明設備を設置したものとすることが望ましい。」とある。

答え:3 (過去問から、選択肢3の20ルクスは変と感じれば、楽だけど、知らないと全部正しくなる。) (参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ672~)

問43

〔問 43]  マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  水道水の水質を確保するためには、給水栓における遊離残留塩素の濃度が、通常0.1mg/ℓ以上必要である。

○ 適切である。 ここは、平成18年 管理業務主任者 試験 「問22」 選択肢1 のまま。
   水道法施行規則17条1項3号「給水栓における水が、
遊離残留塩素を〇・一mg/l(結合残留塩素の場合は、〇・四mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。」

2  給水をポンプ直送方式とした場合には、受水槽と高置水槽を必要としない。

X 適切でない。 サラット読むとここも、○になる。参照:平成14年 マンション管理士 試験 「問43」
  まず、マンションなどの水道を給水する方式には、①水道直結方式(上水道から直接給水)と ②受水槽方式(一度受水槽に貯えてから給水)があり、ポンプ直送方式とは、受水槽方式の1つで、上水道を一度受水槽に貯めて、その後ポンプを使って各戸に送る方式で、高置水槽は不要であるが、受水槽は必要である。

3  専有部分の一般給水栓において、給水に支障が生じないようにするため、給水圧力を30kPaとした。

○ 適切である。 まず、kPaはキロ・パスカルと読みます。普通の受験生でこれが読めれば、偉い? 似たような出題は、平成21年マンション管理士試験 「問43」 にもある。
   パスカル(pascal、Pa)は圧力・応力の単位です。一定の容器内部に液体を満たして、ある面に圧力をかけたとき、重力の影響が無ければ、その内部のあらゆる部分に均等に圧力が加わり、1パスカルは、1平方メートル (m2) の面積につき1ニュートン (N) の力が作用する圧力または応力と定義されています。
  そして、ニュートン(N)とは、力の大きさを表す単位です。 1Nは、100gの力に相当しますので、100Nですと10kgの物を動かす力に相当します。
  といっても、ピンとこないでしょう。ショートカットで説明します。
  マンションの住戸では、給水管の給水圧力の上限は、300~400kPaに設定してあるようです。
  そこで、
一般の水栓では 30kPa、 シャワーでは 40~160kPa の圧力とするそうです。(参照:マンション管理の知識 平成20年版 ページ720)

4  給水設備の計画において、居住者1人当たりの1日の使用水量を250ℓとした。

○ 適切である。 これは、平成19年 マンション管理士 試験 「問45」 などでお馴染み。
   1住戸、4人家族と考えて、一人あたりの1日の使用水量は 200~350リットル とする。(参照:マンション管理の知識 平成20年版 ページ720)

答え:2 (選択肢2 で気づけば楽だが、選択肢3の30kPaに惑わされる。)

問44

〔問 44〕  マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  通気立て管方式の排水・通気設備では、下層階で生じた負圧を通気立て管により緩和する。

X 適切でない。 ここも、一度読んだだけで、適切でないと、分かった人は、建築のプロです。
  過去問題(参考:平成14年 マンション管理士 試験 「問44」)をやった人には、通気立て管方式は下の階層の圧力を逃がすとは分かるでしょうが、それが、「負圧(マイナス)」でなく「
正圧(プラス=加圧)」を逃がしているとは、知らなかったでしょう。(参照:マンション管理の知識 平成20年版 ページ729)

2  室内外の温度差による自然換気の換気量は、温度差の平方根及び開口部の面積に比例する。

○ 適切である。 こんなの知りません。勉強です。
   まず、換気には、①自然換気(自然に発生する温度差、気圧差を利用した換気)と、②機械換気(換気扇などにより、人工的に気圧差をつくり出して行う換気)があります。(機械換気の詳細は、過去問題 法律別 建築基準法 平成15年 マンション管理士 「問44」 にあります。)
  そして、自然換気には、
   ア.外気圧による換気... 換気量は、開口部の解放された面積のほか、内外の圧力差の平方根に比例し、圧力差は外気風速の2乗に比例します
   イ.温度差による換気... 換気量は、開口部の面積のほか、給気口と排気口の高さの差の平方根と、内外の温度差の平方根に比例します

3  閉鎖型予作動式スプリンクラーヘッドのスプリンクラー設備は、火災感知器等の作動とスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始する。

○ 適切である。 スプリンクラー設備の出題は、平成19年 管理業務主任者 試験 「問22」 にもある。
   スプリンクラー設備とは、固定式の自動火災消火設備で、天井に取り付けたスプリンクラーヘッドから出火箇所に散水消火を行います。そして、ヘッドの放水口が常時閉じている閉鎖型と常時開放している解放型とに大別されます。
   そして、予作動式は、火災感知器等の火災信号により、あらかじめ予作動弁を開放させ配管に充水させたのち、スプリンクラーヘッドが開放してはじめて放水する方式です。

4  ガス設備のマイコンメーターは、計量器としての機能のほか、ガスが異常に多量又は長時間流れたり、震度5弱程度以上の大きな地震があると、自動的にガスを遮断し、警報を表示する機能がある。

○ 適切である。 ここは、平成18年 管理業務主任者 試験 「問23」 選択肢2 のまま。

答え:1 (選択肢1 で気が付かないと、2 を選ぶ。)  設問43の「受水槽」やこの設問44「負圧」の出題は、本当に言葉遊びだ。マンション管理士としての力量を試すのに適切な出し方ではない。

問45

〔問 45〕  マンションの電気設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1  電磁誘導加熱式調理器(IHクッキングヒーター)に対応できるように、共用幹線のケーブル等を取り替え、専有部分の電気配線を単相3線式とした。

○ 適切である。 電気の配線の単相3線式は、平成19 マンション管理士 試験 「問45」平成14年 マンション管理士 試験「問45」 にもある。
   最近のエアコンやIHクッキングヒーターは、単相3線式の200Vを使用している。
   IHクッキングヒーター...IHとは、電磁誘導加熱(Induction Heating)のことで、炎を使わずに、鍋そのものを発熱させる熱源です。磁力発生用コイルから発生した磁力線が、金属製の鍋を通るとき、鍋底にうず電流が生じ、鍋そのものを発熱させます。IHは立ち上がりが早く、熱効率が高いためガスのハイパワーバーナー並みの火力でパスタ茹で等の湯沸かしはスピーディーに、ステーキは、表面はこんがり中はジューシーに肉の旨みを逃さずに焼くことができます。中華料理は、高火力でおいしく調理することができます。火力は用途に応じて強火から弱火、とろ火まで火加減調節ができます。ガス器具並またはそれ以上の火力を出し、幅広く調理していただけるよう単相3線式で200Vが必要です。通常の単相2線式100Vで使用できる機器も有りますが、一口タイプのみでかつ火力は最大1.4kWになります。



2  共用部分の照明設備の省エネルギーのため、照明器具を高周波点灯方式の蛍光灯に取り替え、人感センサーと照度センサーを取り付けた。

○ 適切である。 高周波点灯方式は、平成18年 マンション管理士 試験 「問45」 で、 人感センサーは、平成19年 マンション管理士 試験 「問43」 で出た。
   高周波点灯方式の蛍光灯は、インバータ装置で、50/60Hzの交流電流を約5万Hzの高周波電流に変換させることで、電子の衝突回数を大幅に増やし、ランプの明るさを向上させることが出来ます。一般の点灯方式の蛍光灯に比べると同じ電気代で明るさを約25%アップさせます。また、同じ明るさであれば電気代が約20%もお得になります。以前の蛍光灯には、点灯管があったが、高周波点灯方式の蛍光灯は点灯管はなく、即座に点灯できる。発光効率もよく、ちらつきもすくなく、騒音も小さい。
 また、人の動きや照度(光の明るさ)を感知して自動的に点灯・消灯するセンサー付き照明器具は省エネルギーのためいい。

3  小規模のマンションで、各住戸の契約電力と共用部分の契約電力の総量が50kW未満の場合には、低圧引込みにより電気が供給される。

○ 適切である。 ここは、平成18年 マンション管理士 試験 「問44」 にある。
   電力会社から建物への電源供給には、
    ①低圧引き込み...総量が50kW未満、
    ②高圧引き込み...総量が50kW以上2,000kW未満
    ③特別高圧引き込み...総量2,000kW以上 の
    3種類があり、 各住戸と共用部分の契約電力の総量が50kW未満の時は、低圧引き込みとする。なお、高圧引き込みの時は、変圧設備が必要となる。
 (参照:「マンション管理の知識 平成20年版 ページ741)

4  インターネットに接続するため、光ファイバーを住棟内へ引き込み、各住戸まで新たにLANケーブルを設置するVDSL方式による住棟内ネットワークを構築した。

X 適切でない。 この設問だけ、過去問からでていない。新しい。
  インターネットへの接続方法には、既存の電話回線(メタルケーブル)を使ったVDSL方式、光ケーブルを使う構内LAN(ローカルエリアネットワーク)方式また無線LANなどもある。LANケーブルを使用する場合、VDSL方式ではない。
(参照:マンション管理の知識 平成20年版 ページ744)

答え:4 (ネットワークを知らなくても、過去問題から解ける。)

問46

〔問 46〕  次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関するものである。空欄となっている A  D に下欄のア~クの語句を選んで文章を完成させた場合において、正しい組合せは、次のうちどれか。(注:本試験ではA~Dは□(四角)ですが、WEBでは、表現できないため。下線にしています。)


   毎年、「問46」から「問50」は、マンション管理士試験か管理業務主任者試験に合格した場合には免除される「マンションの管理の適正化の推進に関する法 律」及び本問の「マンションの管理の適正化に関する指針」から出題される。ここは、ほとんど過去にも、同じ問題がでているので、過去の年の「問46」から 「問50」はやっておくと楽。


 管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、 A 等、開かれた民主的なものとする必要がある。また、集会は、管理組合の B である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、 C において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。
 管理組合の管理者等は、マンション管理の目的が達成できるように、 D 等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行する必要がある。

ア 多数決原理による決定 イ 運営の透明化 ウ 最高意思決定機関
エ 執行機関 オ 集会 カ 専門委員会
キ 使用細則 ク 法令

1 Aはア、Bはウ、Cはカ、Dはキ
2 Aはイ、Bはウ、Cはオ、Dはク
3 Aはア、Bはエ、Cはオ、Dはキ
4 Aはイ、Bはエ、Cはカ、Dはク

*指針からの出題は、平成21年管理業務主任者試験 「問46」 にもある。
*この穴埋めの形式は、必須のパターンになったようです。よく読めば、常識程度ですから、あわてないでください。
  「二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」は以下のとおり。

 1 管理組合の運営
   管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、
(A)運営の透明化 等、開かれた民主的なものとする必要がある。また、集会は、管理組合の (B)最高意思決定機関 である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、(C)集会 において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。
   管理組合の管理者等は、マンション管理の目的が達成できるように、
(D)法令 等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行する必要がある。

答え:2 (Aはイ、Bはウ、Cはオ、Dはク) 

問47

〔問 47〕   マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1  住居と店舗が混在し、それらの区分所有者が異なる建物は、マンション管理適正化法の適用を受けない。

X 誤っている。 似たような出題は、平成16年 管理業務主任者 試験 「問46」 、 平成15年 マンション管理士 試験 「問47」 にもある。また、平成20年 管理業務主任者 試験 「問47」
   設問は面倒な言い回しであるが、マンション管理適正化法の適用があるのは、同法第2条1号で定める (定義) 
  「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
   一  マンション 次に掲げるものをいう。
      イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設」であり、
  
要件としては、①2人以上の区分所有者 がいて、 ②人の居住用の専有部分が1つでもあればいい である。
  住居と店舗で2人以上の区分所有者がいて、1つは居住用の専有部分であるから、法のマンションに該当する。

2  管理組合から委託を受けて、基幹事務の一部を行う行為で業として行うものはマンション管理業である。

X 誤っている。 マンション管理業とは、マンション管理適正化法第2条7号 
  「七  マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。 」とあり、
管理事務には、基幹事務のすべてを含むことが要件である。基幹事務の一部ではない。
 参考:マンション管理適正化法第2条6号
  「六  管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。 」

3  実際に人の住居の用に供される専有部分が1戸であるが、他の専有部分は別の区分所有者が事務所として使用している建物は、マンションである。

○ 正しい。 選択肢1で述べたように、マンション管理適正化法での適用があるマンションの要件としては、①2人以上の区分所有者 がいて、 ②人の居住用の専有部分が1つでもあればいい である。
   事務所として使用していても1つは、居住用である。また、2人以上の区分所有者がいる。法のマンションに該当する。

4  マンションの管理事務のうち基幹事務とは、管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を含む。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整である。

X 誤っている。 設問を丁寧に読むこと。
  選択肢2でも引用したように、マンション管理適正化法第2条6号
  「六  管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(
専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。」とあり、専有部分は、個人のものであり、管理組合及び管理業者の管理の対象ではない。

答え:3 

問48

〔問 48〕  マンション管理士の登録、義務等に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  マンション管理士が5年ごとに登録講習機関が行う講習を受講しなかったため登録を取り消された場合、その者はその取消しの日から2年を経過しないと登録を受けることができない。

○ 正しい。
   マンション管理士試験に合格して、登録の申請をし、欠格事項にも該当しないで、マンション管理士として無事登録されると、マンション管理適正化法第41条(講習)
  「第四十一条  マンション管理士は、国土交通省令で定める期間(注:5年:規則41条))ごとに、次条から第四十一条の四までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下この節において「登録講習機関」という。)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(以下この節において「講習」という。)を受けなければならない。」とあり、
5年ごとの指定の講習を受けないと、同法第33条 (登録の取消し等)
  「第三十三条  国土交通大臣は、マンション管理士が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
    一  第三十条第一項各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
    二  偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
   2  国土交通大臣は、マンション管理士が第四十条から第四十二条までの規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。」の2項に該当して、登録が取り消されることがある。
  登録が取り消されると、今度は、同法第30条 (登録) 
  「第三十条  マンション管理士となる資格を有する者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
     一  成年被後見人又は被保佐人
     二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
     三  この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
     四  第三十三条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
     五  第六十五条第一項第二号から第四号まで又は同条第二項第二号若しくは第三号のいずれかに該当することにより第五十九条第一項の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
     六  第八十三条第二号又は第三号に該当することによりマンション管理業者の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内にその法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。第三章において同じ。)であった者で当該取消しの日から二年を経過しないもの)
   2  前項の登録は、国土交通大臣が、マンション管理士登録簿に、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。」の1項4号に該当し、その者はその取り消しの日から2年を経過しないと登録を受けられない。

2  国土交通大臣は、マンション管理士が被補助人となった場合、その登録を取り消さなければならない。

X 誤りである。 似たような出題は、平成14年 マンション管理士 試験 「問47」 にもある。
  選択肢1で引用した、マンション管理適正化法第33条1項により、同法第30条1項のうち4号を除く状況になると、登録の取り消しとなるが、同法第30条1項1号は、「一  成年被後見人又は被保佐人」とあるが、
マンション管理士が被補助人となった場合は入っていない

3  マンション管理士試験に合格した者が執行猶予付きの禁固の刑に処せられ、執行猶予が取り消されることなく猶予期間が満了した場合、その満了の日から2年を経過しないと登録を受けることができない。

X 誤りである。 この執行猶予の欠格事項は、宅地建物取引主任者試験など他の資格試験でも、よく出される問題。
  選択肢1で引用した、マンション管理適正化法第30条1項2号では、
  「二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者」とあり、これに該当すると思わせることが狙いの出題ですが、刑法では第27条(猶予期間経過の効果)
  「第二十七条  
刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。 」とあり、この場合には、宣告された刑が科されない。言渡しを受けなかったと同様になり、その満了の日から他の欠格事項に該当しなければ登録を受けることができます。(注意:この刑法第27条の規定は、ただ、法律上の言渡しを受けなかったのと同一に扱われるだけで、過去に罪を犯したという事実は残ります。また、猶予期間が満了していなければ、欠格事項に該当してます。)

4  マンション管理士に合格した者は、その合格後5年以内に、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

X  誤りである。 これは、平成15年 マンション管理士 試験 「問48」 でもでた。
  このような規定は、マンション管理適正化法にはない。マンション管理士試験に合格して、登録の申請をし、マンション管理士として登録すると、選択肢1でも述べたように、5年ごとの講習を受けなければならないが、マンション管理士試験に合格したら、必ず登録しろとの規定はありません。
  マンション管理士として開業しない人は、急いで登録することはありません。(登録を受けるには、金がかかるし、一度登録すると、5年ごとの講習会(¥16,000.平成21年1月現在)に出席も当然有料です。国土交通省関係の天下り先が、ちゃんと確保されています。因みに、登録の申請には、登録手数料:¥4,250- 登録免許税=収入印紙代 ¥9,000- 登記されていないことの証明=登記印紙 ¥400- 他に住民票代(地方自治体によって異なりますが、だいたい¥300-、身分証明代(これもだいたい¥350-)などもかかります。平成21年1月現在。なお、管理業務主任者では必要とされる、写真はマンション管理士の登録では必要ではありません。)

答え:1

問49

〔問 49〕  マンション登録業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録名簿に登録を受けなければならない。

○ 正しい。 平成26年マンション管理士試験 「問49」
  マンション管理業者は、 マンション管理適正化法第45条 (登録の申請)
  「第四十五条  前条第一項又は第三項の規定により登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)は、国土交通大臣に次に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
    一  商号、名称又は氏名及び住所
    二  事務所(本店、支店その他の国土交通省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)の名称及び所在地並びに当該事務所が第五十六条第一項ただし書に規定する事務所であるかどうかの別
    三  法人である場合においては、その役員の氏名
    四  未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
    五  第五十六条第一項の規定により第二号の事務所ごとに置かれる成年者である専任の管理業務主任者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の氏名
   2  前項の登録申請書には、登録申請者が第四十七条各号のいずれにも該当しない者であることを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。」とあり、登録を受けてなければならない。(
免許制ではありません。登録制です。)

2  マンション管理業者は、登録申請書の内容に変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

○ 正しい。 登録申請書の内容に変更があったときには、マンション管理適正化法第48条 (登録事項の変更の届出)
   「第四十八条  マンション管理業者は、第四十五条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
    2  国土交通大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、当該届出に係る事項が前条第七号から第九号までのいずれかに該当する場合を除き、届出があった事項をマンション管理業者登録簿に登録しなければならない。
    3  第四十五条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。」の1項により、30日以内に届け出ること。

3  国土交通大臣は登録申請書又はその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

○ 正しい。 この場合には、マンション管理適正化法第47条1項 (登録の拒否)
  「第四十七条  国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。」に該当する。

4  マンション管理業者は破産手続開始の決定があった場合、30日以内に当該業者を代表する役員によりその旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

X 誤っている。 廃業や破産の場合には、届け出をするのは、役員ではなく、マンション管理適正化法第50条 (廃業等の届出)
  「第五十条  マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当することとなった場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
    一  死亡した場合 その相続人
    二  法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であった者
    三  
破産手続開始の決定があった場合 その破産管財人
    四  法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 その清算人
    五  マンション管理業を廃止した場合 マンション管理業者であった個人又はマンション管理業者であった法人を代表する役員
   2  マンション管理業者が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、マンション管理業者の登録は、その効力を失う。 」とあり、同条1項3号により、破産管財人からの届け出となる。破産手続きに入ると、もう元の役員には任せておけません。別途破産管財人が選任されて管理します。

答え:4 

問50

〔問 50〕  法人であるマンション管理業者の甲事務所では、166の管理組合の管理事務を受託しようと考えている。甲事務所には、未成年である管理業務主任者が2人と自ら主として業務に従事していない役員である管理業務主任者が1人置かれている場合において、マンション管理適正化法の規定によれば、当該管理業務主任者3人のほかにあと最低限何人の専任の管理業務主任者を置かなければならないか。ただし、当該受託管理組合数166のうち、20は居住の用に供する独立部分の数が5以下のものとする。

1 3人
2 4人
3 5人
4 6人

*何と、読むだけでも面倒な設問。 参考は、平成17年 マンション管理士 試験 「問48」 にもある。
  マンション管理業者は、マンション管理適正化法第56条 (管理業務主任者の設置)
  「第五十六条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならない。ただし、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第一条 に規定する建物の部分をいう。以下同じ。)が国土交通省令で定める数以上である第二条第一号イに掲げる建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない事務所については、この限りでない。
   2  前項の場合において、マンション管理業者(法人である場合においては、その役員)が管理業務主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなす。
   3  マンション管理業者は、第一項の規定に抵触する事務所を開設してはならず、既存の事務所が同項の規定に抵触するに至ったときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。」とあり、事務所ごとに「専任の管理業務主任者」を置くことが義務づけられている。
  その数は、ンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則61条 (法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数)
  「第六十一条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数は、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数を三十で除したもの(一未満の端数は切り上げる。)以上とする。」とあり、管理組合数 30 ごとに 1名が必要となる。
 しかし、「人の居住の用に供する独立部分」が 5 以下の場合には、同規則62条 (法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数)
   「第六十二条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数は、六とする。」とあり、この管理組合は除外できる。

 これを、踏まえ、まず、管理の対象となる管理組合の数は、
 (全体) - (人の居住の用に供する独立部分の数 5 以下)
  166 - 20 = 
146 となる。
 よって、必要な「専任の管理業務主任者の数」は、
  146 ÷ 30 = 4.8 → 
5人 となる。 (切り上げです。)

  次に、「専任の管理業務主任者」の資格の検討です。
 法第56条での、「専任の管理業務主任者」の要件は、
  ①成年 であること。
  ②マンション管理業者の役員が管理業務主任者であるときは、
その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなされる です。
  設問では、この事務所にいる管理業務主任者 3人のうち 、2人は未成年ですから「専任の管理業務主任者」にはなれません。
  では、残る1人の役員も兼ねる管理業務主任者は、「自ら主として業務に従事していない役員」であるため、この1名も「専任の管理業務主任者」とはみなされません。
  つまり、甲事務所にいる、管理業務主任者 3人 は全員 「専任の管理業務主任者」ではありません。

 よって、 あと 最低 5人 が必要となります。

答え:3 (5人。設問の役員が面倒。)

ここまで、問50


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最終更新日:
2012年 6月22日:正解肢をピンク・太字で統一。
「問29」、「問30」、「問31」、「問32」に平成23年7月の標準管理規約の改正入。
2011年 2月 8日:法改正など再確認した。
2009年4月10日

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