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平成21年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ1(問1より問25まで)

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  謝辞:問題文の作成には、相川さまの協力を得ています。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問1

【問 1】 管理組合法人を一般の法人と比較した次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 一般の法人の成立は、民法その他の法律の規定によるが、管理組合法人の成立は、民法の規定による。

X 誤っている。 まず、自然人以外で法律上の権利・義務の主体となることを認められる法人となるためには、特定の法律の規定が必要です。民法ならば、第33条(法人の成立等)
 「第三十三条  
法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない
  2  学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。 」とありますから、
 前半は正しい。
 では、設問の後半の、マンションの管理組合を法人化する規定は、区分所有法第47条(成立等)
 「第四十七条  第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において
登記をすることによつて法人となる
   2  前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。 」とありますから、
 民法の規定で法人になるのではなく、区分所有法の規定で成立します。

2 一般の法人には、人の集団である社団と財産の集合体である財団とがあるが、管理組合法人は、財団である。

X 誤っている。 前半の、法人を分類する方法として、「人の集団である社団と財産の集合体である財団」に分けるのは、正しい。後半の、管理組合法人は、選択肢1で引用しました、区分所有法第47条1項では、「第3条に規定する団体」といっています。
 そこで、区分所有法第3条(区分所有者の団体)
 「第三条  
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。」とあります。
 この団体は、人である”区分所有者”により構成されていますから、「人の集団である社団 」に入ります。「財産の集合体である財団」ではありません。

3 一般の法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立するが、管理組合法人については、登記がなされなくても成立する。

X 誤っている。 一般の法人は、例えば、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第22条
 「第二十二条  一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 」とあり、
 正しい。
 そして、管理組合法人は、選択肢1で引用しました区分所有法第47条1項後半の「
その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。」とあり、こちらも登記がなければ、成立しません。後半が、間違っています。

4 一般の法人では、監事は必ずしも必須機関ではないが、管理組合法人では、監事は必須機関である。

○ 正しい。 一般の法人では、監事は、例えば、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第60条(社員総会以外の機関の設置)
 「第六十条  一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。
   2  一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、
監事又は会計監査人を置くことができる。 」とあり、
 監事の設置は任意(できる)ですから、前半は正しい。
 一方、管理組合法人では、区分所有法第50条1項(監事)
 「第五十条  管理組合法人には、
監事を置かなければならない。」とあり、監事は必須(置かなければならない)です。 設問は、共に正しい。
 マンションの管理組合法人での監事を他の法人と異なり、必須としたのは、管理組合法人が行政上の監督を受けていないために理事の業務状況を監視するためとの意図です。でも、マンションの監事はここまで出来ませんけど。

答え:4 (この出題形式は、新しい。マンション管理士試験と違って、管理業務主任者試験の出だしは、易しい?) なお、他でも出てくる区分所有法の解説は、別途「超解説 区分所有法」を参考にしてください。

問2

【問 2】 各種の契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいもののみの組合せはどれか。

ア 売買契約において目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払いについては、目的物の引渡し後直ちに支払うべきものと推定する。

X 誤っている。 ここ「問2」は、民法のあちらこちらの条文を出題している。民法の全体を知っているかどうかをきいている。
  売買契約において目的物の引渡しについて期限があるときは、民法第573条(代金の支払期限)
 「第五百七十三条  売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても
同一の期限を付したものと推定する。」とあり、
 同時に履行しなければなりません。「目的物の引渡し後直ちに支払うべきものと推定する」の規定はありません。 売買は双務契約ですから、両当事者は常に同時履行の抗弁権を持っています。

イ 金銭消費貸借契約において金銭の返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。

○ 正しい。 金銭消費貸借契約において金銭の返還の時期を定めなかったときは、民法第591条(返還の時期)
 「第五百九十一条  当事者が返還の時期を定めなかったときは、
貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる
   2  借主は、いつでも返還をすることができる。」とあり、
 1項に該当します。 これによって、借主に支払の準備期間が与えられます。

ウ 使用貸借契約において借主が死亡したときは、その目的物を使用する権利が、借主の相続人に承継される。

X 誤っている。 使用貸借契約は、過去でも出題があった。平成19年管理業務主任者試験 「問3」
  使用貸借契約において借主が死亡したときは、民法第599条(借主の死亡による使用貸借の終了)
 「第五百九十九条  
使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。」とあり、
 その目的物を使用する権利は、借主の相続人に承継されません。使用貸借は、無償(タダ)ですから、貸主と借主の関係が基礎となっています。それが無くなれば、使用貸借契約も終わりです。

エ 請負契約において請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

○ 正しい。 ここは、平成15年管理業務主任者試験 「問1」 でも出た。
  請負契約においては、民法第641条(注文者による契約の解除)
 「第六百四十一条  請負人が仕事を完成しない間は、
注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」とあり、正しい。 注文主が必要としない物を作っても無駄です。注:注文主は、中途で契約の解除ができますが、請負人からは、中途での解除はできません。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ

答え:3 (正しいのは、イ と エ 。)

問3

【問 3】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)であるB(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約が締結されていたところ、同管理委託契約に係るBの職務を行うについて、Cが不法行為によりAの組合員Dに損害を加えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 CがBの代表者である場合には、BがCの選任・監督上相当の注意をしたことを証明しても、Bは、Dに対する損害賠償責任を免れない。

○ 正しい? 不法行為と使用者の責任についての出題は、マンション管理士・管理業務主任者試験で共に多いので、注意のこと。
  まず、マンションの定義について。
  区分所有法や民法では、マンションの定義がありません。そこで、マンションとは何かを、法律上の定義として、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条1号に定義されている規定を使用します。マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条1号(定義) 
 「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
    一  
マンション 次に掲げるものをいう。
      イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設」とあり、
 要件としては、@2人以上の区分所有者 がいて、 A人の居住用の専有部分が1つでもあればいい となっています。
 そして、設問を整理しますと、管理組合Aと管理業者Bが管理委託規約を結び、加害者Cは業者の使用人となります。
 これは、民法第715条(使用者等の責任)
 「第七百十五条  ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない
  2  使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
  3  前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」に該当します。
  この、民法第715条1項では、後半に「ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」とありますが、この解釈として、企業という特殊性から、この免責事項は判例(大正時代からの)も学説も容易に認めていません。流れとしては、使用者の責任を加重する傾向にあります。殆ど、無過失に責任を負うという説(準無過失責任説)もあるくらいです。
 設問は、「民法の規定によれば」となっていますが、ここは、”判例による”と、被用者の選任・監督上相当な注意をしたことを証明しても、使用者責任があると判断されます。

2 Cが短期間だけ臨時にBから雇用されている者の場合には、Dに対して、Cのみが損害賠償責任を負い、Bが損害賠償責任を負うことはない。

X 誤っている。 選択肢1で引用しました、民法第715条で規定される「事業に使用される者」は、一時的に使用(雇用)される場合も含むと解されています。また、報酬の有無も関係がありません。使用者Bも損害賠償責任を負います。

3 CがBの従業員である場合に、Bに代わって監督する者Eがいる場合でも、Dは、E対して損害賠償責任を追及することはできない。

X 誤っている。 使用者Bに代わって監督する者がいるときは、選択肢1で引用しました、民法第715条2項
  「2  
使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。」とありますから、
 被害者Dは、監督者Eに対しても、 損害賠償責任を追及することはできます。使用者の過失と監督者の過失は同一という考え方です。

4 BがDに対して損害賠償をした場合、Cに対して求償することはできない。

X 誤っている。 使用者Bが被害者Dに対して損害賠償をした場合は、選択肢1で引用しました民法第715条3項
  「3  
前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」とありますから、
 使用者Bは、加害者である被用者Cに対して求償できます。直接の加害者である被用者が、使用者や監督者の賠償でその責任を逃れたときは、使用者や監督者にその損失を補償するのは、元の責任は加害者にありますから当然でしょう。

答え:1 (ここは、選択肢1 の解釈として、「判例によれば」の設問でないと不適切だ。 それにしても、民法第715条1項の但し書きがもう適用されない状況にあるなら、改正すべきでしょう。)

 高層住宅管理業協会の発表:1

問4

【問 4】 マンションの301号室をAとBが共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 A、Bの持分が等しいときは、301号室の保存行為を除く管理に関する事項の決定は、両者の合意が必要である。

○ 正しい。 共有関係の出題も多い。ここに近いのは、平成14年管理業務主任者試験 「問3」 。
   共有物の管理は、民法第252条(共有物の管理)
 「第二百五十二条  
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 」とあり、前条は、同第251条(共有物の変更)
 「第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」です。
 共有物の変更は、全員の同意(合意)が必要で、管理(現状の維持・利用・改良など)は、持分の過半数で決します。共有者が2名で、共に等しい(1/2づつ)時には、片方だけでは過半数になりませんから、結果として、2人=両者の合意が必要です。

2 Aが自己の持分に応じた301号室の管理費用の支払いを怠り、Bがそれをすべて負担している場合のように正当な事由があるときに限り、Bは、Aを被告として、裁判所に対して301号室の分割を請求することができる。

X 誤っている。 共有物の分割は、民法第256条(共有物の分割請求)
 「第二百五十六条  
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
   2  前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。 」
 及び同法第258条(裁判による共有物の分割)
 「第二百五十八条  共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
   2  前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。 」とあり、
 共有者はいつでも分割請求ができ、もし協議が整わないときには、裁判所に請求ができます。
 この場合に、「正当な事由」の存在は求められていません。

3 301号室の分割請求が裁判所になされた場合に、裁判所は、分割の方法としては、現物分割のみを命ずることができ、その競売を命ずることはできない。

X 誤っている。 選択肢2で引用しました民法第258条2項
  「2  前項の場合において、
共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」とあり、
 @分割のできないとき(マンションの室など)や、A分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるとき には裁判所は競売を命じることができます。そして、競売によって得た代金は分割されます。

4 Aが死亡した場合に、Aに相続人がないときには、301号室のAの持分は国庫に帰属する。

X 誤っている。 誰かが死亡し、その相続人がいないときには、普通は、無主の財産となり、国庫に帰属しますが、(民法第239条2項参照)、共有関係では別の規定があります。それが民法第255条(持分の放棄及び共有者の死亡)
 「第二百五十五条  共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は
死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」により、
 国庫へ帰属せず、他の共有者の物となります。
  注:区分所有法の敷地利用権は共有(準共有)関係にありますが、この民法第255条の適用を除外しています。参考:区分所有法第24条 (民法第二百五十五条 の適用除外)
 「第二十四条  第二十二条第一項本文の場合には、民法第二百五十五条 (同法第二百六十四条 において準用する場合を含む。)の規定は、敷地利用権には適用しない。」

答え:1 (ここは、比較的易しい?)

問5

【問 5】 管理組合の集会において区分所有者の代理人が議決権を行使する場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 集会において区分所有者の代理人が議決権を行使する場合には、書面で議決権の行使をしなければならない。

X 誤っている。 集会における議決権の行使方法については、区分所有法第39条2項及び3項
  「2  議決権は、書面で、
又は代理人によつて行使することができる
   3  区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)によつて議決権を行使することができる。」とあり、
 区分所有者が集会に出席できないときは、書面、または電磁的方法で議決権を行使できます。また、代理人によって議決権を行使できますが、代理人が議決権を行使する場合、書面に限る規定はありません。書面以外の挙手などで議決権は行使できます。

2 代理人が、自己が代理人であることを示さないで議決権の行使をした場合に、他の区分所有者が、その代理人が本人である区分所有者のために議決権の行使をしたことを知ることができたときは、その議決権の行使は本人の議決権の行使として効力を生ずる。

○ 正しい。 この設問は、面倒ですが、代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示の効果をきいています。通常、代理行為は、その行為を行う際に、本人のためにする行為であることを示すことが必要ですが、民法第100条(本人のためにすることを示さない意思表示)
 「第百条  代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。
ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。」とあり、準用されている前条1項は同法第99条1項(代理行為の要件及び効果)
 「第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。」とあり、代理人が本人のためであると示さなくても、他の相手方が本人のためにしていると知ることができたのですから、その議決権の行使は、本人の行使として有効です。

3 専有部分が数人の共有に属するときは、数人の代理人が議決権を行使することができる。

X 誤っている。 マンションの専有部分が共有のときには、区分所有法第40条(議決権行使者の指定)
 「第四十条  専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」とあり、
 議決権行使者は1人となります。それに伴い代理人も1人となります。

4 集会において代理人が議決権を行使する場合に、その代理人は成年者でなければならない。

X 誤っている。 他の資格試験でもよく出る「代理人の行為能力」です。
  代理人は、民法第102条(代理人の行為能力)
 「第百二条  
代理人は、行為能力者であることを要しない。」とあり、
 制限行為能力者である、未成年者・成年被後見人・被保佐人 ・被補助人でもなれます。代理行為の結果は、本人に帰属し、代理人を保護する必要はありません。

答え:2 (民法第100条からの出題は新しいが、易しい問題?)

問6

【問 6】 マンションの管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者B(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約が締結されていた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア Bが任意に管理委託契約に基づく債務の履行をしないときは、Aは、その強制履行を裁判所に請求することができる。

○ 正しい。 マンション管理業者Bが、一定の行為=債務 の履行をしないと、民法第414条1項(履行の強制)
 「第四百十四条  債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 」とあり、
 債権者であるマンションの管理組合Aは強制履行を裁判所に請求することができます。

イ AがBに支払うべき委託業務費について履行遅滞が生じた場合、BがAに対して損害賠償を請求するときにおいて、Bは、損害の証明をすることを要しない。

○ 正しい。 管理組合Aが管理業者Bに支払う委託業務費は金銭の債務となります。金銭債務で、債務不履行となると、民法第419条(金銭債務の特則)
 「第四百十九条  金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率(注:年5%)によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
   2  
前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない
   3  第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。 」とあり、
 2項により、管理業者Bは損害賠償を請求するときにおいて、損害の証明をすることを要しません。通常、債務不履行により損害賠償を請求する場合には、損害の発生を証明する必要がありますが、金銭債務については、損害賠償は遅延利息として必ず生じるものと考えたものです。なお、金銭債務は債務不履行の3つの態様、@履行遅滞、 A履行不能、B不完全履行 のうち、Aの履行不能はありえないと解されています。

ウ Aが、Bに支払うべき委託業務費について履行遅滞が生じた場合、Aは、その損害賠償について、不可抗力を理由にとして責任を免れることはできない。

○ 正しい。 選択肢イで引用しました、民法第419条3項
  「3  
第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。」とあり、
 管理組合Aが、管理業者Bに支払うべき委託業務費について履行遅滞が生じた場合には、不可抗力(いかなる事由でも)を理由にとして責任を免れることはできません。

エ A又はBの債務不履行を理由として相手方が管理委託契約を解除する場合に、Aに履行遅滞があったときには、Bは、解除前にAに対して相当の期間を定めて催告することを要するが、Bに履行遅滞があったときには、Aは、催告することなく直ちに同契約を解除することができる。

X 誤っている。 債務不履行の内履行遅滞を理由として契約を解除するには、民法第541条(履行遅滞等による解除権)
 「第五百四十一条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、
相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 」とあり、
 設問の前半の、マンション管理組合Aに履行遅滞があったときには、管理業者Bは、解除前にAに対して相当の期間を定めて催告することを要しますから、正しい。後半の、管理業者Bに履行遅滞があったときには、管理組合Aも相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときでないと解約の解除はできません。後半が、誤っています。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:1 (1つ。誤っているのは、エ だけ。個数問題は、当然、正確に答えられないと正解になりません。また、個数問題はこの後も続きます。)

問7

【問 7】 管理事務の内容及び実施方法に関する次のアからエまでの記述のうち、マンション標準管理委託契約書及びマンショシ標準管理委託契約書コメント(平成15年4月9日国総動第1〜第4号。国土交通省総合政策局長通達。以下「マンション標準管理委託契約書」という。)の定めによれば、適切なものはいくつあるか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここの解説は、一部変更を追記した。本旨は変わりない。


ア マンション管理業者が行う管理事務の内容として、警備業法(昭和47年法律第117 号)に定める警備業務、消防法(昭和23年法律第186号)に定める防火管理者が行う業務及び浄化槽法(昭和58年法律第43号)に規定する水質検査の業務は、管理事務に含まれない。

X 適切でない。  (余談ながら:マンショシ標準管理委託契約書は、マンション管理組合の修繕積立金等の毀損などの事案に対応するためのマンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成21年国土交通省令第35号。)が平成21年5月1日に公布されています。施行は平成22年5月1日ですから、本、平成21年と来年平成22年の試験では変更は関係ありませんが、「管理委託契約書」も同コメントも財産の分別管理(第87条第2項関係)を中心に全体的な見直しがされています。平成23年の受験生は、新しい「管理委託契約書」での対応が必要ですよ。追記:平成22年度のマンション管理士・管理業務主任者試験では、出題に係る法令等が、いつもの、その年の4月1日において施行されているものから、平成22年5月1日において施行されている法令等に変更されていますから、平成22年の受験生から、対象になりましたので、注意してください。)

  ここの出題は、過去は単純に「警備業務」だけであったが、浄化槽法も絡めた点が目新しい。平成20年管理業務主任者試験 「問7」 、平成15年管理業務主任者試験 「問6」 。古くは、平成13年管理業務主任者試験 「問6」など。
 マンショシ標準管理委託契約書コメント 1全般関係 
 「B この契約では、適正化法第二条第六号に定める管理事務をマンション管理業者に委託する場合を想定しており、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。」とあり、
 前半は適切であるが、後半の「
浄化槽法(昭和58年法律第43号)に規定する水質検査の業務」は、マンション標準管理委託契約書3条(管理事務の内容及び実施方法)
 「第3条 管理事務の内容は、次のとおりとし、別表第1から第4に定めるところにより実施する。
    一 事務管理業務(別表第1に掲げる業務)
    二 管理員業務(別表第2に掲げる業務)
    三 清掃業務(別表第3に掲げる業務)
    四 建物・設備管理業務(
別表第4に掲げる業務)」とあり
 別表第4に
  「4 浄化槽、排水設備
   (1)
浄化槽法第7条及び第11 条に規定する水質検査
   (2) 浄化槽法第10 条に規定する保守点検 」等が入っています。後半が適切でない。

イ マンション管理業者が行う管理事務の内容は、事務管理業務、管理員業務、清掃業務及び建物・設備管理業務とし、実際の契約書作成に当たっては、個々の状況や必要性に応じて適宜追加、修正するものとする。

○ 適切である。 マンショシ標準管理委託契約書コメント 1全般関係 
 「A この契約書は、典型的な住居専用の単棟型マンションに共通する管理事務に関する標準的な契約内容を定めたものであり、実際の契約書作成に当たっては、個々の状況や必要性に応じて内容の追加、修正を行いつつ活用されるべきものである。」とあり、
 管理事務の内容は、選択肢アで引用したように、
  「 一 事務管理業務(別表第1に掲げる業務)
    二 管理員業務(別表第2に掲げる業務)
    三 清掃業務(別表第3に掲げる業務)
    四 建物・設備管理業務(別表第4に掲げる業務 」です。契約は当事者が自由に結べますし、マンションごとに設備も異なっていますから、当然のことです。

ウ 管理事務としてマンション管理業者に委託する事務のために支払う委託業務費については、管理組合が指定する口座に振り込む方法により支払う。

X 適切でない。 平成23年 管理業務主任者試験 「問8」 。
  委託業務費の振込先は、マンショシ標準管理委託契約書6条3項
  「3 第1項の委託業務費のうち、定額委託業務費以外の費用の額(消費税額等を含む。)は別紙2のとおりとし、甲(管理組合)は、各業務終了後に、甲及び乙(管理業者)が別に定める方法により精算の上、
乙(管理業者)が指定する口座に振り込む方法により支払うものとする。」とあるように、
 管理業者が指定する口座に振り込みます。管理組合が指定する口座ではありません。

エ マンション管理業者は、管理組合から請求があるときは、管理事務の処理状況及び管理組合の会計の収支状況について報告を行わなければならないが、この報告については、当事者間の合意があれば、あらかじめ期日を定めて行う方法とすることもできる。

○ 適切である。 マンショシ標準管理委託契約書9条3項
 「3 乙(管理業者)は、甲(管理組合)から請求があるときは、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支状況について報告を行わなければならない。」とあり、
 さらにコメント第9条関係 「B 第3項の報告については、
当事者間の合意により、あらかじめ期日を定めて行う方法とすることも考えられる。」とあり、適切です。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:2 (2つ。適切なのは、イ と エ 。 個数問題は、1つ間違えても正解にならないため難しい。 ア をサラット読んで、適切にした人は多い?)

問8

【問 8】 マンション管理業者の責任に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここの解説は、一部変更を追記した。本旨は変わりない。


1 マンション管理業者は、管理事務を第三者に再委託した場合においては、再委託した管理事務の適正な処理について、管理組合に対して責任を負う。

○ 適切である。 マンションの管理業者は、基幹事務を除いて第三者に再委託できます(マンション管理適正化法第74条参照)が、この場合マンション標準管理委託契約書4条(第三者への再委託)
 「第4条 乙(管理業者)は、前条第1号の管理事務の一部又は同条第2号、第3号若しくは第4号の管理事務の全部若しくは一部を、第三者に再委託することができる。
  2 乙(管理業者)が前項の規定に基づき管理事務を第三者に再委託した場合においては、
乙(管理業者)は、再委託した管理事務の適正な処理について、甲(管理組合)に対して、責任を負う。」とあり、
 当然ながら、管理組合に対して責任を負います。

2 マンション管理業者は、商号又は住所を変更したときは、速やかに、口頭又は書面をもって、管理事務の委託を受けている管理組合に通知しなければならない。

X 適切でない。 「口頭」とか「書面」は、よく出題される言葉。
  管理業者が商号又は住所を変更したときは、当然管理組合に通知が必要です。その方法は、マンション標準管理委託契約書12条2項
 「2 甲(管理組合)及び乙(管理業者)は、次の各号に掲げる場合においては、
速やかに、書面をもって、相手方に通知しなければならない
    一 甲(管理組合)の役員又は組合員が変更したとき
    二 甲(管理組合)の組合員がその専有部分を第三者に貸与したとき
    
三 乙(管理業者)が商号又は住所を変更したとき
    四 乙(管理業者)が合併又は会社分割したとき
    五 乙(管理業者)がマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12 年法律第149 号)の規定に基づき処分を受けたとき
    六 乙(管理業者)が第18 条第2項第1号及び第2号に掲げる事項に該当したとき」とあり、
 通常、契約は自由ですが、国家がからむ規制が厳しいマンション管理のビジネスの世界では、口頭で許されていることはほとんどありません。

3 マンション管理業者は、当該業者の従業員が、その業務の遂行に関し、管理組合又は管理組合の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に損害を及ぼしたときは、管理組合又は管理組合の組合員等に対し、使用者としての責任を負う。

○ 適切である。 普通に考えても民法で規定される使用者責任(「問3」を参照)はありますが、マンション標準管理委託契約書15条(乙の使用者責任)
 「第15条 乙(管理業者)は、乙(管理業者)の従業員が、その業務の遂行に関し、甲(管理組合)又は甲(管理組合)の組合員等に損害を及ぼしたときは、甲(管理組合)又は甲(管理組合)の組合員等に対し、使用者としての責任を負う。」と明記されています。
 なお、
組合員等とは、マンション標準管理委託契約書11条
 「第11条 乙(管理業者)は、管理事務を行うため必要なときは、甲(管理組合)の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に対し、甲(管理組合)に代わって、次の各号に掲げる行為の中止を求めることができる。」とあり、
 専有部分の占有者も含まれています。

4 マンション管理業者及びマンション管理業者の従業員は、正当な理由がなく、管理事務に関して知り得た管理組合及び管理組合の組合員等の秘密を漏らしてはならず、管理委託契約が終了した後においても、同様とする。

○ 適切である。 秘密の保持義務は、マンション管理士にも求められ(マンション管理適正化法第42条参照)、同様に管理業者にも求められています(マンション管理適正化法第80条参照)。これをうけ、マンション標準管理委託契約書16条(守秘義務)
 「第16条 乙(管理業者)及び乙(管理業者)の従業員は、正当な理由がなく、管理事務に関して知り得た甲(管理組合)及び甲(管理組合)の組合員等の秘密を漏らしてはならない。この契約が終了した後においても、同様とする。」と規定しています。(でも、現実として、契約終了後の秘密がどこまで守られるかは、疑問ですけど。)

答え:2 (易しい?)

問9

【問 9】マンション管理業者の管理事務の対象となる部分に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここの解説は、一部変更を追記した。本旨は変わりない。


1 管理対象部分とは、管理規約により管理組合が管理すべき部分及び区分所有者が専ら管理すべき部分をいう。

X 適切でない。 よく読むこと。 そして、設問は、マンション標準管理委託契約書となっていることに注意。ここでは、区分所有法で争われている、専有部分と共用部分の境界は考えないこと。
  管理対象部分は、マンション標準管理委託契約書2条
 「五 管理対象部分
   イ 敷 地
   ロ 専有部分に属さない建物の部分(規約共用部分を除く。)」とあり、同コメント
第2条関係
 「@
本条でいう管理対象部分とは、管理規約により管理組合が管理すべき部分をいい、区分所有者が管理すべき部分を含まない。」とあり、区分所有者が管理する部分は、当然含まれていません。
(参考:新コメント:2 第2条関係 @ 本条でいう管理対象部分とは、管理規約により管理組合が管理すべき部分のうち、マンション管理業者が受託して管理する部分をいい、区分所有者が管理すべき部分を含まない。この管理対象部分は、名称を含めて、個々の状況や必要性に応じて適宜加除、修正すべきものである。)

2 専用使用部分であるバルコニー、ベランダ、専用庭は、管理対象部分に含まれない。

X 適切でない。 含まれる。バルコニー、ベランダは明確にマンション標準管理委託契約書2条
 「
 五 管理対象部分
  玄関ホール、廊下、階段、屋外階段、屋上、エレベーターホール、共用トイレ、湯沸室、エレベーター室、ポンプ室、電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、内外壁、界壁、床スラブ、柱、基礎部分、塔屋、
バルコニーベランダ」と明記されていて、専用庭は、同コメント2 第2条関係
 「A 専用使用部分(バルコニー、ベランダ、トランクルーム、
専用庭等)については、管理組合が行うべき管理業務の範囲内においてマンション管理業者が管理事務を行う。」とある。
(参考:2条  五 管理対象部分
   イ 敷 地
   ロ 専有部分に属さない建物の部分(規約共用部分を除く。)
      
エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、共用トイレ、屋上、屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、内外壁、床、天井、柱、バルコニー (解説:玄関ホールを、エントランスホールと読み代えたりしている。)

3 管理事務の対象となるマンションが「複合用途型マンション」(専有部分の用途として住居以外の用途(事務所等)が認められているマンション)である場合、管理事務の対象となる部分に係る定めを適宜追加、修正をすることが必要である。

○ 適切である。 マンション標準管理委託契約書は基本として、住居専用の一棟だけのマンションを想定して、決められています。
  そこで、マンション標準管理委託契約書のコメント2 第2条関係
 「B 管理事務の対象となるマンションが以下に掲げるものである場合、又は共用部分の設備等の故障等発信機器やインターネット等の設備等が設置され、当該設備等の維持・管理業務をマンション管理業者に委託するときは、
本条を適宜追加、修正をすることが必要である
   一 単棟で、大多数の区分所有者がマンション外に住所地を有する「リゾートマンション」、
専有部分の用途が住居以外の用途(事務所等)が認められている「複合用途型マンション
   二 数棟のマンションが所在する団地」とあり、
 マンションの状況に応じて管理事務の対象となる部分に係る定めを適宜追加、修正をすることが必要です。

4 附属施設である駐車場、自転車置場、水道引込管は、管理対象部分に含まれない。

X 適切でない。 附属施設も、マンション標準管理委託契約書2条5
  「
旧 ホ 附属施設
     塀、フェンス、掲示板、
駐車場自転車置場、花壇、庭木、散水栓、外灯設備、水道引込管、排水施設、ゴミ集積所、消火栓、専用庭」に入っています。
(参考:2条 ホ 附属施設
  塀、フェンス、駐車場、通路、自転車置場、ゴミ集積所、
排水溝、排水口、外灯設備、植栽、掲示板、専用庭、プレイロット)(解説:細かな変更箇所があるので、場所の確認をしておくこと。)

答え:3 (選択肢1や2 等 コメントからの出題は、よくない。)

問10

【問 10】 マンションの管理費の滞納に対する法的手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 滞納している区分所有者が行方不明であっても、その者に対して、民事訴訟を提起することができる。

○ 正しい。 滞納もよく出る問題。 ここは、平成17年管理業務主任者試験 「問11」 が近い。また、平成14年管理業務主任者試験 「問9」 もある。平成22年 管理業務主任者試験 「問10」 もある。
   通常、裁判の提起は、相手方にも訴えの内容を知らせることが必要ですから、訴訟上の書類を当事者や利害人などに送ります。これを
送達と呼んでいます。送達は、原則として送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所にしますが、これでも送達出来ないときには、公示送達という方法が、民事ではあります。民事訴訟法第110条(公示送達の要件)
 「第百十条
 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
    
一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
    二 第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
    三 外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
    四 第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
  2 前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
  3 同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。」とあります。
 行方不明は、1号に該当し、この公示送達により、民事の訴訟はできます。

2 少額訴訟制度(民事訴訟法(平成8年法律第109号)の「少額訴訟に関する特則」)によって訴えを提起する場合、その上限額は30万円である。

X 誤っている。 平成10年1月1日から、少額で、あまり複雑でない事件は、一般市民が迅速に解決することを目的として、民事訴訟法第368条以下に「少額訴訟に関する特則」が創設されています。
  その訴額の上限は、民事訴訟法第368条(少額訴訟の要件等)
 「第三百六十八条
   簡易裁判所においては、
訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(注:10回以内)を超えてこれを求めることができない。
   2 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
   3 前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。」とあり、
60万円以下です。30万円ではありません。

3 普通郵便による請求も内容証明郵便による請求と同様に、時効中断事由である「催告」に該当する。

○ 正しい。 ここは、平成20年管理業務主任者試験 「問10」 選択肢1 でも出ている。
   催告とは、債務者に対して履行を請求する債権者の意思を通知することです。催告はそれ自体では時効中断が完成しませんが、その後裁判などにすれば、時効中断事由となります。
   民法第153条(催告)
 「第百五十三条  
催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」
 ここでいう「催告」は、 書面でも口頭でもよく方式に定めはありません。普通郵便による請求も内容証明郵便による請求と同様に催告に該当します。内容証明郵便がよく採用されるのは、後日争いが発生した場合、文書を出した証拠が残るからです。

4 支払督促の申立てをした場合、支払督促の送達後2週間以内にその滞納者が督促異議の申立てをすれば、支払督促は、その異議の限度で効力を失う。

○ 正しい。 支払督促は、通常の訴訟によらないで、簡易裁判所の書記官が債権者の申し立てに理由があると認めれば、債務者の言い分を調べないで債務の支払いを命じる制度です。訴状に貼る印紙代も通常の訴状の半額ですが、民事訴訟法第387条(支払督促の記載事項)
 「第三百八十七条  支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、
債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。
   一  第三百八十二条の給付を命ずる旨
   二  請求の趣旨及び原因
   三  当事者及び法定代理人」とあり、
 支払督促に対して異議(
督促異議といいます)があると、民事訴訟法第390条(仮執行の宣言前の督促異議)
 「第三百九十条  
仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。 」とあります。正しい。
 なお、その後、支払督促は通常の訴えになります。民事訴訟法第395条(督促異議の申立てによる訴訟への移行)
 「第三百九十五条  適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。

答え:2 (ここは、易しい。)

問11

【問 11】 マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 管理費の滞納者が、滞納したまま死亡し、共同相続人の全員が相続放棄をした場合でも、共同相続人は管理費債務については承継する。

X 誤っている。 相続についても出題は多い。 平成19年管理業務主任者試験 「問10」 など。 ここの、設問は、平成21年マンション管理士試験 「問14」 も参照。
  通常相続人がいれば、死亡した被相続人が有していた一切の権利義務を承継しマンションの管理費債務も包括承継しますが(民法第896条参照)、相続は、放棄もできます。相続人が複数いる共同相続人の場合、全員が相続を放棄すると、民法第939条(相続の放棄の効力)
 「第九百三十九条  相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」の規定により、何も相続しません。滞納管理費についても、承継しません。

イ 管理費の滞納者が、滞納管理費の一部の弁済であることを明示した上で、当該滞納管理費の一部を支払ったときは、その残額についての時効は中断する。

○ 正しい? 時効の中断事由としては、民法第147条(時効の中断事由)
 「第百四十七条  時効は、次に掲げる事由によって中断する。
   一  請求
   二  差押え、仮差押え又は仮処分
   
三  承認」とあり、
 3号の「承認」には、利息の支払い、支払の猶予の申し込、そして、一部の弁済も該当します。一部の弁済は、一部だと認めて支払うと、
全部についての承認となります。(大判大正8・12・26)。設問は、「その残高」となっているのが気になりますが、一応正しい。

ウ 管理費の滞納者が、破産手続開始の決定を受けた場合、その決定の日以後に到来する支払期の管理費の支払義務を免れる。

X 誤っている。 破産については、平成19年管理業務主任者試験 「問11」 選択肢 オ もある。 古くは、平成14年管理業務主任者試験 「問10」 にもあった。また、滞納者の給料差押えが、平成21年マンション管理士試験 「問16」 にある。
  私が、あまり新破産法を知らないと解説したので、出題者が、もっと勉強しろと再度挑戦してきたのか?
  勉強しました。まず破産法での元となる「
破産債権」の範囲を知ればいい。
 破産債権とは、破産法第2条5号
 「5  この法律において
「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。
 財団債権とは 、同法第2条7号
 「7  この法律において
「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。」です。
 破産債権は、原則として「破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権」が対象です。例外として、破産手続開始後の利息や破産手続開始後の延滞税、利子税又は延滞金なども入ります。
 破産者への債権を持つ債権者が裁判所に債権の額と原因等を届け出て、調査を経て破産債権が確定します。それから、破産債権者は配当を受けることができれば、配当を受け取ります。 これが、大まかな流れです。

 そこで、設問に戻りますと、破産法での破産債権に、破産手続開始の決定日前の滞納管理費は該当していますが、以後に到来する管理費は該当していません。以後の管理費は支払義務を免れられません。

 なお、破産手続き開始の決定の日以後に到来する支払い期の管理費は、破産法での「財団債権」となり、支払義務があるとする説もあります。(2010年3月7日追記)

エ 管理費の滞納者が、そのマンションを売却した場合、その買主は売主が管理費を滞納していた事実を知らなかった場合には、滞納管理費の支払義務を負わない。

X 誤っている。 マンションを購入した人は、特定承継人となります。すると、区分所有法第8条(特定承継人の責任)
 「第八条  前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」とあり、前条1項は、区分所有法7条1項(先取特権)
 「第七条  区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は
規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。 」とあり、
 管理費や修繕積立金は、「規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権」ですから、買主は支払義務を負います。なお、この義務は、滞納の事実を知らなくても負うと解されています。また、売主の支払義務も残っています。
 

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:3 3つ (選択肢 イ は曖昧ではあるが、誤っているのは、ア、ウ、エ。今年は出題が多い、個数問題です。)(解説に時間がかかる。破産法も読んだ。)

高層住宅管理業協会の発表:3

問12

【問 12】 管理組合の役員に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型)(平成16年1月23日国総第232号・国住マ第37号。国土交通省総合策局長・同住宅局長通知。以下「マンション標準管理規約」という。)の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

1 管理組合の役員には、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行うため会計担当理事を置かなければならない。

○ 適切である。 マンションの管理組合の役員には、理事長・副理事長・監事などと共に、会計担当の理事も置きます。マンション標準管理規約35条(役員)
 「第35条 管理組合に次の役員を置く。
    一 理事長
    二 副理事長○名
    
三 会計担当理事○名
    四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。)○名
    五 監事○名
  2 理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。
  3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する。
 そして、会計担当理事の業務は、マンション標準管理規約40条(理事)
 「第40条 理事は、理事会を構成し、理事会の定めるところに従い、管理組合の業務を担当する。
   2 
会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。」とあり、
 2項に該当します。

2 管理組合の監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

○ 適切である。 監事の業務は、マンション標準管理規約41条(監事)
 「第41条 
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
   2 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
   3 監事は、理事会に出席して意見を述べることができる。」とあり、
 1項に該当しています。(しかし、現実問題として、監事の職務は、普通の人には無理です。監事はマンション管理士の仕事?)

3 管理組合の監事は、管理組合の財産の状況について不正があると認めるときは、必ず理事会の決議を経た上で、臨時総会を招集しなければならない。

X 適切でない。 選択肢2で引用しました、マンション標準管理規約41条2項
 「2 監事は、
管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。」とあり、
 理事会の決議は必要としていません。監事の判断で、臨時総会を招集できます。

4 管理組合の役員は、役員としての活動に応ずる必要経費の支払いと報酬を受けることができる。

○ 適切である。 多くのマンションでは管理組合の役員(理事)は無報酬で活動していますが、マンション標準管理規約37条2項
 「2 
役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。」とあり、
 役員報酬を受け取ることもできます。最近のマンションでは役員になり手がいないので、報酬を出すマンションもでてきています。

答え:3 (易しい問題。)

問13

【問 13】 管理組合の会計等に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も適切なものはどれか。

1 管理組合は、通常の管理に要する経費に不足を生じた場合、総会の承認により、借入れをすることができる。

X 適切でない。 マンションで負担する費用は、大きく@管理費 と A修繕積立金 に分けられ、管理費と修繕積立金は使用目的が異なり会計も各々区分します。@管理人の人件費や清掃など通常の管理に必要な経費は管理費から支出し、A計画的に行う修繕などは、修繕積立金から支出します。通常の管理に要する経費に不足を生じた場合とは、管理費の不足です。すると、マンション標準管理規約61条(管理費等の過不足)管理費等の過不足)
 「第61条 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
   
2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。」とあり、
 その都度、総会の決議で(マンション標準管理規約48条参照)管理費を値上げしたり、一時金を徴収して対応します。マンション標準管理規約では、管理費が不足した場合での借り入れは認めていません。ただし、修繕積立金が不足する場合には、マンション標準管理規約63条(借入れ)
 「第63条 管理組合は、
第28条 第1項に定める業務を行うため必要な範囲内において、借入れをすることができる。」とあり、
 第28条 第1項に定める業務とは、(修繕積立金)
 「第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
    一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
    三 敷地及び共用部分等の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査」で、
 この場合には、借り入れが認められています。

2 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案については、理事会の承認が必要である。

○ 適切である。 ここは「案」です。理事会の承認事項は、マンション標準管理規約54条(議決事項)
 「第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
    
一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
    二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
    三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
    四 その他の総会提出議案
    五 第17条に定める承認又は不承認
    六 第67条に定める勧告又は指示等
    七 総会から付託された事項」 とあり、
 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案は、1号に該当しますから総会にかける前に、理事会の承認(決議)が必要です。

3 建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩しは、理事会の承認により行うことができる。

X 適切でない。 管理組合のお金を勝手に理事会で、取り崩せるなんてことは許されません。総会の決議事項です。マンション標準管理規約48条(議決事項)
 「第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
    一 収支決算及び事業報告
    二 収支予算及び事業計画
    三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
    四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
    五 長期修繕計画の作成又は変更
    六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
    
七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
    八 修繕積立金の保管及び運用方法
    九 第21条 第2項に定める管理の実施
    十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
    十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
    十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
    十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
    十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
    十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」とあり、7号に該当します。

4 会計処理に関する細則は、理事会の承認により変更することができる。

X 適切でない。 管理組合で決めた細則を理事会で勝手に変更されては困ります。これも、総会の決議事項です。選択肢3で引用しました、マンション標準管理規約48条 4号に該当します。(議決事項)
 「第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
   
四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止」 

答え:2 (ここも、易しい?)

問14

【問 14】 管理組合の活動における以下の取引に関して、平成21年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

(取 引)

管理組合の設備の工事に関する計画に従って、平成21年1月に工事業者に発注し、工事業者は平成21年1月から3月にかけて以下の工事を行い、同年3月中に工事が完了し、同月末に管理組合は工事業者から工事完了報告書を受領した。なお、支払いは同年4月末日の予定である。
(工事の内容)
自動ドアースイッチ補修 48,000円
防犯カメラシステムモニター修理 49,000円
屋上鉄部等修繕工事 870,000円
高架水槽補修 670,000円
高架水槽取替 7,500,000円
冷暖房設備室外機取り替 12,000,000円
上記冷暖房設備室外機取替工事費 800,000円
合 計 21,937,000円

*毎年注意していますが、設問の「発生主義」は、耳慣れないでしょうが、マンションの会計では大切な言葉です。

   ★発生主義ということ

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

*そこで、設問は、3月中に工事が終了し、工事完了報告書が来たが、支払は翌月の4月となると、3月の会計処理としては、発生主義により、全て、未払金勘定(貸方)からの出費となります。
  選択肢を見ると、未払金については、請求金額 ¥21,937,000 全額が計上されていますから、未払金の扱いは問題ありません。
  そこで、相手方の借方の方をみると、勘定科目が、 @修繕費 か A建物附属設備 のどちらに入れるのかの出題です。
  マンションの管理組合会計は、通常の企業会計とは異なり、利潤を追求していないために、公益法人に近い会計処理をしますが、勘定科目としては、通常の分け方でいいようです。

 そこで、 
  @修繕費勘定...建物や機械装置、工具器具備品などの有形固定資産を維持管理するための修繕・保守・メンテナンス等の費用を計上します。
              具体的には、定期点検、部品取替え、設備の移設費用などです。
  A建物附属設備勘定...建物に附属する電気・ガス、給排水設備、冷暖房、エレベーター、自動ドアなどの費用を計上します。

              ここで、注意しなければならないのは、購入代金だけでなく、その時に発生した、運賃や据え付け費用も、取得費用に含めて計上することです。

  そこで、各工事の内容を見ますと、
  自動ドアースイッチ補修              ¥48,000
  防犯カメラシステムモニター修理        ¥49,000
  屋上鉄部等修繕工事              ¥870,000
  高架水槽補修                   ¥670,000
  -----------------------------------------------------------
   計                        ¥1,637,000
   は、修繕費ですが、

  高架水槽取替                 ¥7,500,000
  冷暖房設備室外機取替          ¥12,000,000
  
上記冷暖房設備室外機取替工事費      ¥800,000    冷暖房設備室外機取替と同時に発生しているので、冷暖房設備室外機取替に含める
  ------------------------------------------------------------
   計                      ¥20,300,000
   は、建物附属設備費となります。

<参考> 平成16年管理業務主任者試験 「問15」 では、勘定科目に「工事費を含む」とあり、親切な出題でした。

答え:3 (かなり、面倒な設問。)

高層住宅管理業協会の発表:3

問15

【問 15】 管理組合の活動における以下の取引に関して、平成21年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年の3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

(取 引)

平成213月に、敷地内駐車場の使用者から、管理組合の普通預金に1,080,000円の振込みがあった。その内訳は、以下のとおりである。

(平成213月入金の内訳)

2月分駐車場使用料

60,000

3月分駐車場使用料

120,000

4月分駐車場使用料

870,000

新規契約分敷金

30,000

合 計

1,080,000

 


   ★発生主義ということ

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

* 似たような、問題は、平成19年管理業務主任者試験 「問14」 や 平成15年管理業務主任者試験 「問14」 にある。

 *普通預金に振り込みであるから、資産の増加で借方に普通預金をもってくる。これは、各選択肢で正しい。
 そこで、3月の処理であることを念頭において、相手勘定をみると、
  2月分駐車場使用料   ¥60,000 は 2月の処理では、未収金として処理をしたもの。
  3月分駐車場使用料  ¥120,000 は、当月分につき、駐車場使用料 と処理する。
  4月分駐車場使用料  ¥870,000 は、4月分でまだ発生していないため、前受金として処理をする。
  新規契約分敷金      ¥30,000 は、駐車場契約が解約された場合には、返金すべき性質のものなので、預り金として処理します。

  (駐車場の敷金は、預り金となることを押さえておくこと。)

答え:2 (ここは、易しい?)

問16

【問 16】 管理組合の税務に関する次の記述のうち、税法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合の管理費及び修繕積立金の運用から生じる受取利息や受取配当金には、所得税が課税される。

○ 正しい。 税については、昨年(平成20年)は出題が無かったものの、毎年出題がある。 平成19年管理業務主任者試験 「問16」 、平成18年管理業務主任者試験 「問16」 、平成17年管理業務主任者試験 「問16」 など。平成22年 管理業務主任者試験 「問16」 も。
  まず、区分所有法の規定(同法第47条以下参照)により、管理組合が法人化されていれば税法でも法人として扱われますが、法人化されていない管理組合は、一般に法律上「
人格のない社団」として扱われることを理解してください。 
 そして、区分所有法第47条13項
 「13  管理組合法人は、
法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号 に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には同条第四項 中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には同条第一項 及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項 中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。 」
 の規定により、「公益法人等」と同じ扱いになる。
 そして「人格のない社団」なら、所得税法第2条により、(定義)
 「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
     一  国内 この法律の施行地をいう。
     二  国外 この法律の施行地外の地域をいう。
     三  居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。
     四  非永住者 居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去十年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が五年以下である個人をいう。
     五  非居住者 居住者以外の個人をいう。
     六  内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
     七  外国法人 内国法人以外の法人をいう。
     
八  人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう
     八の二  株主等 株主又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の社員その他法人の出資者をいう。
     以下略。」
 とあり、また所得税法第4条(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
 「第四条  
人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第一を除く。)の規定を適用する。」により、法人化されていない管理組合も法人同様になる。
 すると、内国法人となり、 所得税法第7条4号
 「第七条  所得税は、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める所得について課する。
    四  内国法人 国内において支払われる第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる
利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配及び賞金」とあり、管理費及び修繕積立金の運用から生じる受取利息や受取配当金には、所得税が課せられます。

2 前々年度、前年度、当年度の各一年間の課税売上高を算定したところ、それぞれ、 1,300万円、950万円、900万円であった場合、当年度は納税義務者となり消費税を計算し納入する必要がある。

○ 正しい。 消費税でも、人格のない社団も法人とみなされます(消費税法第3条参照)。そして、区分所有法第47条14項
 「14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。 」とあり、
 消費税法第9条1項(小規模事業者に係る納税義務の免除)
 「第九条 事業者のうち、
その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」とあり、
課税期間(当年)の基準期間(前々年度)における課税売上高が1,000万円を超えると納税義務があります。前々年度の課税売上が1,300万円ですから、当年度は納税義務者となり消費税を計算し納入する必要があります。課税期間は、当年だと、基準期間は、前々年となります。

3 管理組合が支払う共用部分に係る火災保険料等の損害保険料は、消費税の課税対象とはならない。

○ 正しい。 国税庁の消費税のガイドラインで、主な非課税取引として、
 「(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等 
  預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、
保険料、保険料に類する共済掛金など」が挙げられています。消費税では非課税取引です。

4 マンション敷地内の駐車場を当該管理組合の組合員以外の第三者に使用させることによる駐車場収入は、消費税の課税対象とならず、課税売上高を構成しない。

X 誤っている。 ここは、平成14年管理業務主任者試験 「問15」 選択肢3 。
  消費税は、事業として対価を得て行われる取引に課税されますが、マンション敷地内の駐車場を当該管理組合の組合員が使用して使用料を払っていても、消費税は課税されないと解されています(通達)。しかし、組合員以外の第三者に使用させることによる駐車場収入は、消費税の課税対象となります。

答え:4 (ここは、過去問題をやっていると、選択肢4 はすぐに分かったかも。)

問17

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)における用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除き、隣地境界線から1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下にある建築物の部分は、延焼のおそれのある部分に該当する。

○ 正しい。 建築基準法からの出題が多いので、建築基準法の解説をマンション管理士・管理業務主任者向けに載せましたの参考にしてください。超解説 建築基準法
       また、分野別の「建築基準法」もありますから、参考にしてください。
       ここは、平成18年管理業務主任者試験 「問17」 などでも出ている。
   
延焼のおそれのある部分とは、建築基準法第2条6号(用語の定義)
 「第二条  この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    六  延焼のおそれのある部分 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。」とあります。そのとおりです。


2 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの4分の1以上のものを地階という。

X 誤っている。 ここは、平成17年管理業務主任者試験 「問18」 で出ています。
  
地階とは、今度は、建築基準法施行令第1条2号です(用語の定義)
 「第一条  この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    二  地階 
床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。 」とあり、
 床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/4以上ではなく、1/3以上です。
 なお、
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する 位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます(建築基準法第52条第4項)。 この地盤面が、建築物の高さを測る基準です。


3 特定行政庁が指定する幅員4m未満の道路の中心線から水平距離で2m後退した線までの部分は、敷地面積には算入されない。

○ 正しい。 似たような出題は、平成23年 管理業務主任者試験 「問17」 にも。
   敷地面積の算定は、建築基準法施行令第2条1号(面積、高さ等の算定方法)
 「第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    一  
敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。 」とあり、引用されています、
 建築基準法第42条2項
  「2  この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。 」とあります。いわゆる2項道路で、後退(セットバック)が要請される道路です。


4 階投室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合、その部分の高さは、建築物の高さに算入されないことがある。

○ 正しい。 建築物の高さは、建築基準法施行令第2条6号
 「六  
建築物の高さ 地盤面からの高さによる。ただし、次のイ、ロ又はハのいずれかに該当する場合においては、それぞれイ、ロ又はハに定めるところによる。
    イ 法第五十六条第一項第一号 の規定並びに第百三十条の十二 及び第百三十五条の十八 の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。
    ロ 法第三十三条 及び法第五十六条第一項第三号 に規定する高さ並びに法第五十七条の四第一項 及び法第五十八条 に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き、
階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の八分の一以内の場合においては、その部分の高さは、十二メートル(法第五十五条第一項 及び第二項 、法第五十六条の二第四項 、法第五十九条の二第一項 (法第五十五条第一項 に係る部分に限る。)並びに法別表第四(ろ)欄二の項、三の項及び四の項ロの場合には、五メートル)までは、当該建築物の高さに算入しない
    ハ 棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。」とあり、ロ に該当します。

答え:2 (ここは、過去問題をやっていれば、選択肢2 はすぐに分かった?)

問18

【問 18】 防水工法の特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 「アスファルト防水熱工法」は、歴史があり、「改質アスファルトシート防水工法(トーチ工法)」に比べ、施工現場周辺の環境に及ぼす影響が少ない。

X 適切でない。 防水は、平成19年マンション管理士試験 「問39」 も参考にしてください。
   まず、アスファルト防水熱工法とは、 防水工事用アスファルトを釜などで溶かしその溶けたアスファルトを用いて、2〜4枚のアスファルトルーフィング(アスファルトを含浸させた紙や布をシート状に加工したもの)類を積層し防水層をつくる、最も信頼性の高い工法です。歴史が古く施工実績が多い工法です。
 一方、改質アスファルトシート防水工法とは、トーチバーナーにより、シート状になった改質アスファルトを熱で溶かし下地との接着およびジョイントの一体化を行う工法です。溶かして貼り付けるため、アスファルトを釜などで溶かす作業がなく施工時の省力化および周辺環境への影響が少ない工法です。
 「アスファルト防水熱工法」は、歴史がありますが、「改質アスファルトシート防水工法(トーチ工法)」に比べ、溶けたアスファルトの臭いや煙がでて、施工現場周辺の環境に及ぼす影響は大きいようです。新しい工法が優れているのは、当然でしょう。

  こんな、動画もあります

2 「改質アスファルトシート防水工法(トーチ工法)」は、「アスファルト防水熱工法」に比べ、防水層の性能が施工時の気温に左右されにくい。

○ 適切である。 「アスファルト防水熱工法」は温度によって極端に硬さが変化しますが、「改質アスファルトシート防水工法(トーチ工法)」は、アスファルトにポリマーが添加されており、低温でも柔軟性があります。気温に左右されずに信頼性のある防水層を作れるようです。

3 「塩化ビニル系樹脂シート防水工法」では保護材不要で、軽歩行ができる施工も一般化しているが、「合成ゴム系シート防水工法」では厚塗り塗装材を保護層とすることにより、軽歩行も可能となる。

○ 適切である。 塩化ビニル系樹脂シート防水工法は、塩化ビニル系樹脂防水シートを接着剤などで下地に貼り付けます。表面強度があるので軽歩行用として使用されます。また、ゴム系のシートは柔らかいため非歩行用に使用されますが、厚塗り塗装材を保護層とすることにより、軽歩行も可能となります。なお、塩化ビニル系樹脂シート防水工法は、シートのデザイン性や接着剤で張るだけといった施工性に優れていますが、複雑な形状や狭い場所では、シート同士のジョイントがたくさん発生します。

4 「ウレタン系塗膜防水工法」は、突出物の多い屋上の改修工事の際に、施工が容易なため採用されることが多い。

○ 適切である。 ウレタン系塗膜防水工法は、ウレタンゴムなど液状の防水材を塗り重ねて、硬化させ防水層にし、表面にトップコートを塗ります。施工が容易なため、狭い場所や、バルコニーや廊下の床、排水溝、屋根のパラペット(手すり壁)、ひさしなどで採用されます。複雑な部分への施工が容易で、防水層に継目がなく、美観に優れていますが、気温や施工直後の天候によって品質にばらつきが出る可能性があります。

答え:1 (ここは、解答は速いけど、解説は、画像を探していて時間がかかった!)

問19

【問 19】 建築基準法第20条により、政令で定める基準に従った構造計算によって確かめられる安全性を有しなければならないとされる建築物に関する次の記述の(ア)から(エ)の中に入る数値の組合せとして、正しいものはどれか。

 木造の建築物で(ア)以上の階数を有し、又は延べ面積が(イ)uを超えるもののうち、高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの。
 木造以外の建築物で(ウ)以上の階数を有し、又は延べ面積が(エ)uを超えるもののうち、政令で定めるもの。

*建築基準法第20条で指定されている、該当している、建築基準法第6条1項(建築物の建築等に関する申請及び確認)
 「第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
   一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
   
二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
   
三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
   四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物」とあり、
 (ア)=3 以上の階数
 (イ)=延べ面積 500u超
 (ウ)=2 以上の階数
 (エ)=延べ面積 200u 超


答え:4 (出題意図が分からない。木造建築物は、3階以上と2階以上で何か変わっていたと記憶していた人なら、正解ができたかも。)

問20

【問 20】 一般の家庭において使用されるディスポーザ排水処理システムに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 ディスポーザは、台所流しに取り付けられ、生ごみを破砕して水とともに排水するものである。

○ 適切である。 ディスポーザ(ディスポーザーともいう)は、平成16年マンション管理士試験 「問43」 選択肢3 でも出ている。
   新しいマンションに住んでいる人には、分かりやすい出題。でも、ディスポーザーの設置は簡単でないので、詳細に説明します。
  ディスポーザー(Disposer=処理機)とは、家庭の排水設備に設置する生ゴミ処理機のこと。ディスポーザーは台所のシンク(流し台)の下に設置し、水と一緒に生ゴミを粉砕させ、下水道に流す仕組みです。装置としてはモーターと生ゴミ破砕用の刃がセットになっていて、投入された生ゴミを破砕して水道の流水で押し流すものです。全体のシステムとしては、ディスポーザー(破砕機)、専用排水管、排水処理槽から構成されます。ディスポーザーで処理された排水は、そのまま下水道に流すと下水道本管が詰まったり、また栄養に富んでいて、川や海の水質を悪化させるため、一度排水処理槽で台所排水と共に、沈殿や分解などを経て一定のBOD濃度(生物化学的酸素要求量=Biochemical Oxygen Demand 水質指標のひとつ)にまで処理をしてから、下水道に放流しなければいけません。このため、下水道を管理している多くの地方自治体(下水道局)では、一定の基準を満たし、その地方自治体(下水道局)が認めた「
ディスポーザー排水処理システム(ディスポーザー+専用排水配管+専用処理槽)」で、届出がなければ設置できません。

 参考:例えば、 東京都の場合 (平成21年7月17日付け)
*「単体ディスポーザ」は、設置できません
 東京都では、単体ディスポーザの使用自粛をお願いしていましたが、下水道条例施行規程を改正(平成17年5月1日施行)したため、「ディスポーザ排水処理システム」以外のディスポーザは設置できません。 ※無届で設置した場合、設置者と施工業者が東京都下水道条例に基づいて処分されることがあります。

「ディスポーザ排水処理システム」を、ご使用願います
 ディスポーザ排水処理システムとは、ディスポーザで粉砕した生ゴミを含む排水を、排水処理装置で処理してから下水道に流すもので、環境へ与える負荷が増大しないことを目的とした製品です。
(社)日本下水道協会が作成した「下水道のためのディスポーザ排水処理システム性能基準(案)」(平成16年3月)に適合したもののうち、下水道局が設置を認めたものは使用することができます。
  ※ ・ 設置する場合には、排水設備の新設等の届出が必要です。
    ・ 適正な維持管理をしていただくため、「ディスポーザ排水処理システムの維持管理に関する計画書」を添付してください。

2 ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザ、排水配管及び排水処理槽からなる。

○ 適切である。 選択肢1で説明しましたように、「ディスポーザ排水処理システム」とは、(社)日本下水道協会が定めたシステムで、@ディスポーザ、A排水配管、B排水処理槽から構成されます。

3 ディスポーザ排水処理システムを設置する場合は、台所流しからの排水管は専用の配管として排水処理槽に接続する。

○ 適切である。 選択肢1で説明しましたように、ディスポーザ排水処理システムを設置する場合は、台所流しからの排水管は専用の配管として排水処理槽に接続します。

4 下水道未整備地域においては、環境上の問題からディスポーザ排水処理システムを設置することが認められていない。

X 適切でない? ひどく紛らわしい設問だ。 選択肢1で説明しましたように、下水道が整備された地域では、環境上の問題から「ディスポーザ排水処理システム」でなければ設置が認められていませんが、下水道未整備地域では、このような規制はないようです。ディスポーザ対応型合併浄化槽を設置すれば認められる? ここは、下の 「問25」 選択肢2 も参照。

答え:4 (出題方法が悪い。)

問21

【問 21】 住戸内に設置する住宅用火災警報器(消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条の6第1号に規定する住宅用防災警報器をいう。以下本問において同じ。)に関する次の記述のうち、消防法によれば、正しいものはどれか。

1 住宅用火災警報器の設置が義務化された対象は新築住宅であり、既存住宅は義務化の対象外である。

X 誤っている。 住宅用火災警報器の設置の義務は新しく設けられた規定です。その背景は、住宅火災で亡くなった人のうちの6〜7割は「逃げ遅れ」が原因で命を落としています。早く火災の発生を知っていれば、助かった方も多かったのではないかと推測されます。そこで、住宅火災による死者数の低減を目的とし、平成16年に消防法が改正され、消防法及び市町村条例により、戸建住宅やアパート、マンションなど、新築・既存の全ての住宅に火災警報器等の設置が義務づけられました。ただし、すでに自動火災報知設備やスプリンクラー設備が設置されている場合は、住宅用火災警報器等の設置が免除される場合があります。

 設置及び維持基準については、市町村条例で定められています。
  
● 新築住宅・・・平成18年6月1日から
  ● 既存住宅・・・市町村条例により定められた日から(平成20年6月1日〜平成23年6月1日の間で)設置義務化の期日が決められます

 住宅用火災警報器は大きく分けて、@煙を感知して火災の発生を警報音または音声で知らせる「煙式」と、 A熱を感知して火災の発生を警報音または音声で知らせる「熱式」の2種類があります。
 煙や熱のほかにも、ガス漏れなども感知する「複合型警報器」もあります。耳の不自由な方は、光を発する機器などを取り付けることにより、音以外の方法で火災を知ることも可能です。
 
 それぞれ、@天井に設置するタイプと A壁にかけるタイプとがあります。電源には、電池タイプと家庭用電源タイプがあるので、住宅の環境により、適切な住宅用火災警報器を選びましょう。

 具体的な規定は、消防法施行令第5条の7 (住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の基準)
 「第五条の七  住宅用防災機器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る法第九条の二第二項 の規定に基づく条例の制定に関する基準は、次のとおりとする。
    一  住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器は、次に掲げる住宅の部分(ロ又はハに掲げる住宅の部分にあつては、総務省令で定める他の住宅との共用部分を除く。)に設置すること。
     イ 就寝の用に供する居室(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号 に規定する居室をいう。ハにおいて同じ。)
     ロ イに掲げる住宅の部分が存する階(避難階を除く。)から直下階に通ずる階段(屋外に設けられたものを除く。)
     ハ イ又はロに掲げるもののほか、居室が存する階において火災の発生を未然に又は早期に、かつ、有効に感知することが住宅における火災予防上特に必要であると認められる住宅の部分として総務省令で定める部分
    二  住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器は、天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する部分)に、火災の発生を未然に又は早期に、かつ、有効に感知することができるように設置すること。
    三  前二号の規定にかかわらず、第一号に掲げる住宅の部分にスプリンクラー設備(総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えているものに限る。)又は自動火災報知設備を、それぞれ第十二条又は第二十一条に定める技術上の基準に従い設置したときその他の当該設備と同等以上の性能を有する設備を設置した場合において総務省令で定めるときは、当該設備の有効範囲内の住宅の部分について住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置しないことができること。
  2  前項に規定するもののほか、住宅用防災機器の設置方法の細目及び点検の方法その他の住宅用防災機器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る法第九条の二第二項 の規定に基づく条例の制定に関する基準については、総務省令で定める。」です。

2 就寝の用に供する居室及び当該居室が存在する階(避難階を除く。)から直下階に通ずる屋内階段には、住宅用火災警報器を設置しなければならない。

○ 正しい。 「直下階に通ずる屋内階段」とは、分かりにくい表現ですが、選択肢1で引用した、消防法施行令第5条の7 1項イ と ロ によると、
   「  イ 
就寝の用に供する居室(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号 に規定する居室をいう。ハにおいて同じ。)
     ロ 
イに掲げる住宅の部分が存する階(避難階を除く。)から直下階に通ずる階段(屋外に設けられたものを除く。)」とあります。
  就寝の用に供する居室とは、通常の表現では「寝室」です。寝室は「逃げ遅れ」を防ぐために全室に住宅用火災警報器を設置しなければなりません。また寝室が2階にあれば、2階の階段にも設置します。法律では、火の気がある、台所などへの設置は任意です。(しかし、地方の条例(例えば、東京都)によっては、必須としています。

  注:消防法施行令第5条の7 では、上記のように、「就寝の用に供する居室」と限定していますが、東京都消防庁のホームページでは、住宅用火災警報器の取付場所として、「すべての居室、階段、台所の天井または壁に設置が必要です。(浴室、トイレ、洗面所、納戸などは含まれません。) としています。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/jyuukeiki/p1_3.html
  確かに建築基準法(同法第2条4号参照)では、居室には、一般の住宅の場合、居室とは「居間」「寝室」「台所」が該当しますが、東京都消防庁では
就寝の用に供する居室に限定していないようです。   おかしな話ですが。

 そこで、疑問があればすぐやりますので、東京消防庁にメールをだすと、親切に答えてくれました。
 東京都の条例「火災予防条例施行規則(平一八規則五六・全改) 
 (住宅用火災警報器の設置及び維持の基準)
 「第十一条の八 条例第五十五条の五の四第一項の規則で定める
基準は、次のとおりとする。
   一 住宅用火災警報器は、住宅の用途に供する防火対象物(その一部を住宅の用途以外の用途に供する防火対象物にあつては、当該住宅の用途以外の用途に供する部分を除く。)に設置すること。
   
二 住宅用火災警報器は、住宅内の各居室、台所及び階段に設置すること。
   三 住宅用火災警報器の取付け位置
      イ 居室及び台所の室内に面する天井面で火災を有効に感知できる位置に設けること。
      ロ イの規定にかかわらず、居室及び台所の室内に面する天井面に設けることが困難な場合にあつては、壁の室内に面する部分の中央付近で天井面下十五センチメートル以上五十センチメートル以下の範囲に設けることができること。この場合において、当該居室又は台所の壁等によつて区画された部分の床面積が三十平方メートルを超えるときは、設置する住宅用火災警報器は煙を感知するものとすること。
      ハ 階段については、当該階段の天井面(最上部にあるものに限る。)及び最上階から下方に数えた階数が二である階に直上階から通ずる階段の下端で、火災を有効に感知できる位置に設けること。
   以下略」とあり、
 東京都の場合、住宅用火災警報器の設置場所は「住宅内の各居室、台所、階段」と範囲が広くなっていますので、注意してください。

3 共同住宅用スプリンクラー設備を設置した場合であっても、住宅用火災警報器の設置を免除されることはない。

X 誤っている。 選択肢1で引用した、消防法施行令第5条の7 3号
 「 三  前二号の規定にかかわらず、
第一号に掲げる住宅の部分にスプリンクラー設備(総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えているものに限る。)又は自動火災報知設備を、それぞれ第十二条又は第二十一条に定める技術上の基準に従い設置したときその他の当該設備と同等以上の性能を有する設備を設置した場合において総務省令で定めるときは、当該設備の有効範囲内の住宅の部分について住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置しないことができること。」とあり、住宅の寝室などにスプリンクラー設備や自動火災報知設備があれば、これらは防災上有効ですからさらに、住宅用火災警報器の設置は不要です。

4 住宅用火災警報器の設置場所は、天井面に限られ、壁面に設置してはならない。

X 誤っている。 選択肢1で引用した、消防法施行令第5条の7 1項2号
 「二  住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器は、
天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する部分)に、火災の発生を未然に又は早期に、かつ、有効に感知することができるように設置すること。」とあり、
 天井取り付け式または壁取り付け式もあります。

答え:2 (ここは、なんとなく正解は、2 と分かった人は多い? ここは、昨年出題されるかと予想した箇所だった。)

問22

【問 22】 テレビ共同受信設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 テレビ端子への配線方式には、直列ユニット方式(縦配線方式)と幹線分岐方式(スター配線方式)があるが、デジタル放送、CATV(Cable Television)、インターネットなどで展開される双方向通信は、幹線分岐方式では対応できない。

X 適切でない。 テレビ端子の配線方式なんて、気にも留めていない分野です。そこで、勉強です。
  マンションの屋上には、受信電波の違いにより、VHF、UHF、BSなどの各種アンテナが設置されています。これらの電波をまとめて1つにし、混合器(ミキサー)、増幅器(ブースター=各室までに必要なレベルに上げる)、分配器などを使用して、各室のテレビ用端子(コンセント)まで同軸ケーブルを使って配線しています。これがテレビ共同視聴システム(テレビ共同受信設備とも)と呼ばれる設備です。そこで、アンテナから各室のテレビ用端子までの配線方式には、@直列ユニット方式(縦配線方式) 、 と A幹線分岐方式(スター配線方式) の2つの方式があります。
 @直列ユニット方式(縦配線方式)...アンテナで受信した信号を混合・増幅した上で分配器や分岐器で必要な縦系統に分けて、端末以外の途中の住戸には中継用の直列ユニット(縦)で分配する方式。直列ユニット方式では、各部屋の受信レベルが均一でなく、また雑音防止対策、メンテナンスが困難なため双方向対応の設備に使用することはできません。
 A幹線分岐方式(スター配線方式)...幹線から分岐器で支線を出し、各住戸内の分配器で各部屋のテレビ端子や通信用端子に分配する方式。分岐単位の信号レベルを各戸単位で調整しやすく、改修や変更が各住戸で可能です。
  両方式とも、双方向通信には対応しているようです。
 直列ユニット方式では、双方向通信はできない。幹線分岐方式で対応する。(2010年2月15日:訂正)

2 地上波アナログテレビ放送は、平成23年7月24日までに終了することになっている。

○ 適切である。 この設問はもうお馴染み。平成15年(2003年)12月より地上波デジタル放送が関東、近畿、中京の三大都市圏で開始され、来年:平成23年(2011年)7月24日までに、VHF帯域で送られていたアナログ放送から、UHF帯域で送られるデジタル放送に完全に移行します。デジタル放送では、高画質・高音質、多チャンネル放送、データ放送受信、地域密着型放送、双方向機能による番組参加等を楽しむことができますが、地上波デジタル放送に対応したテレビ共同受信設備にする必要があります。

3 地上波デジタルテレビ放送で使用される周波数帯は、現在地上波アナログテレビ放送で使用されている周波数帯より高周波数帯域であるため、テレビ共同受信設備のアンテナやプースター等の取替えが必要となる場合がある。

○ 適切である。 ここは、平成19年マンション管理士試験 「問43」 でも出ている。
   現在の地上波アナログ・テレビ放送は、VHF(Very High Frequency)帯域(周波数30MHz〜300MHz)で送られていますが、地上波デジタル・テレビ放送は、UHF(Ultra High Fequency)帯域(周波数300MHz〜3G(ギガ)Hz)を使用しています。そのため、地上波デジタル放送を視聴するためには、UHFアンテナへの取替え、現在UHFを受信している場合は既存アンテナを継続使用できる場合もありますが、送信塔の位置や送信チャンネル等によっては取替えが必要になります。受信用ブースター(受信場所が送信場所から遠く離れている場合)やヘッドアンプ(受信電波を十分な強さで伝送路設備に送り出す設備)の設置が必要になる場合があります。また、伝送路設備、引き込み線設備(同軸ケーブル・保安器等)、住戸内配線設備(分配器・壁面テレビ端子等)等も地上デジタル放送に適したものに取り替えることが必要となる場合があります。

4 CATVの加入料、受信料、サービス内容などは、運営している会社により異なるので、導入に当たっては事前調査が大切である。

○ 適切である。 CATV(Cable Television)は、各地域に設置されたマスター・アンテナですべての放送を一括受信し、1本のケーブルを通して放送は直接家庭に送られています。したがって、BS・CS用のパラボラ・アンテナやチューナーなどを設置することなくホームターミナル(ケーブルテレビ受信用チューナー)を通じて、衛星や地上波デジタル放送を見ることができます。すべての番組は、1本のケーブルを通じて直接家庭に届けられるので、アンテナ受信のように周囲の建物に左右されることも少なく、いつでも安定した画像と音声で番組を見られます。UHFアンテナは必要ありません。CATVの会社は、例えば、東京の新宿区なら (株)ケーブルテレビジョン東京、(財)東京ケーブルビジョンがあり、葛飾区なら、(株)JCNコアラ葛飾、他にも大手として、J−COMグループなどがあり、各々の会社がカバーしている地域もサービス内容もまた、加入料金やオプションを利用した場合の追加料金など異なっています。マンションでCATVを導入する際には、加入料やサービス内容の事前調査は大切です。

答え:1 (ここは、配線は知らなくても、他の選択肢は適切とすぐ分かる。)

問23

【問 23】 住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づき、日本住宅性能表示基準(平成12年建設省告示第1652号)に従って表示すべき住宅の性能の「音環境に関すること」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 共同住宅等に適用されるのは、重量床衝撃音対策、軽量床衝撃音対策、透過損失等級(界壁)及び透過損失等級(外壁開口部)の4項目である。

○ 正しい。 遮音については、今年、平成21年マンション管理士試験 「問42」 も参照のこと。
  住宅の品質確保の促進等に関する法律からは、条文からの出題が中心であったが、日本住宅性能表示基準のしかも、「音環境に関すること」とは、また設問が細かい。
  それでは、性能表示基準の概要です。
 性能表示事項のまとまりごとに、次に示すような9つのおおまかな区分を設けています。
  @ 構造の安定に関すること...地震や風などで力が加わった時の建物の強さ(壊れにくさ)に関連すること
  A 火災時の安全に関すること...火災が発生した場合の避難のしやすさや建物の燃えにくさなどに関連すること
  B 劣化の軽減に関すること...建物の劣化(木材の腐食、鉄のさびなど)のしにくさに関連すること
  C 維持管理への配慮に関すること...配管の日常における維持管理(点検、清掃、修繕)のしやすさに関連すること
  D 温熱環境に関すること...防暑、防寒など、室内の温度や暖冷房時の省エネルギーに関連すること
  E 空気環境に関すること...化学物質などの影響の抑制など室内の空気の清浄さに関連すること
  F 光・視環境に関すること...採光などの視覚に関連すること
  
G 音環境に関すること...騒音の防止などの聴覚に関連すること
  H 高齢者等への配慮に関すること...加齢などに伴う身体機能の低下に配慮した移動のしやすさや介助のしやすさ、転落、転倒などの事故の防止に関連すること 

  そして、「音環境に関すること」では、共同住宅の界床が有している「足音(重量床衝撃音と言います。)や物の落下音など(軽量床衝撃音と言います。)の伝わりにくさ」、界壁が有している「話し声など(空気伝搬音又は空気音と言います。)の伝わりにくさ」、住宅の外壁の開口部が有する「騒音(空気伝搬音)の伝わりにくさ」を、それぞれ高めるための対策が、どの程度講じられているかなどを評価するものです。具体的には、次の4つです。
  (1)重量床衝撃音対策...「重量床衝撃音対策等級」又は「相当スラブ厚(重量床衝撃音)」のいずれかを選択して評価・表示するものです。
  (2)軽量床衝撃音対策...「軽量床衝撃音対策等級」又は「軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)」のいずれかを選択して評価・表示するものです。
  (3)空気伝搬音対策(界壁)...透過損失等級(界壁)
  (4)空気伝搬音対策(外壁開口部)...透過損失等級(外壁開口部)

2 重量床衝撃音対策等級での対象周波数域は、軽量床衝撃音対策等級での対象周波数域より高周波域となっている。

X 誤っている。 重量床衝撃音対策等級でも軽量床衝撃音対策等級でも同じ周波数(例えば500ヘルツ)を使用して測定します。
 *重量床衝撃音対策等級での等級は、一定の条件での床衝撃音の測定値をもとに判定されるもので、Li,r,H-50 等級とは、たとえば標準衝撃源を用いた場合の発生音が周波数500ヘルツ帯域で50dB 程度の重量床衝撃音として測定されることなどをあらわしています。Li,r,H 等級は数値が小さいほど重量床衝撃音がよく遮断される床であると評価できます。

 *軽量床衝撃音対策等級での等級は、一定の条件での床衝撃音の測定値をもとに判定されるもので、Li,r,L-45 等級とは、たとえば標準衝撃源を用いた場合の発生音が、周波数500ヘルツ帯域で45dB 程度の軽量床衝撃音として測定されることなどをあらわしています。Li,r,L 等級は数値が小さいほど軽量床衝撃音がよく遮断される床であると評価できます。

  そして、対象周波数域は、重量床衝撃音対策等級の方が軽量床衝撃音対策等級での対象周波数域よりも低周波域です。

3 軽量床衝撃音の下階への伝わりにくさは、軽量床衝撃音対策等級又は相当スラブ厚のいずれかについて評価するものとされている。

X 誤っている。 選択肢1で説明しましたように、軽量床衝撃音対策は、「軽量床衝撃音対策等級」又は「軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)」のいずれかを選択して評価・表示するものです
  「相当スラブ厚」ではありません。なお、スラブ厚に関係するのは、軽量床衝撃音ではなくて重量床衝撃音の方です。

4 透過損失等級(界壁)において評価されるのは、界壁の構造に係る固体伝搬音の透過のしにくさである。

X 誤っている。 分かりにくい設問ですが、透過損失等級(界壁)において評価されるのは、界壁が有している「話し声など(空気伝搬音又は空気音と言います。)の伝わりにくさ」です。界壁の構造による空気伝搬音の遮断の程度で、等級4(特に優れた空気伝搬音の遮断性能)〜等級1(建築基準法に定める空気伝搬音の遮断の程度が確保されている程度)まであります。界壁の構造で使用する材料によって、空気伝搬音の透過のしにくさはあります。

答え:1 (ここまで知っている受験生がいるのかな? 難問というか、選択肢4 を正確に X とできる人はいないのでは。)

問24

【問 24】 共同住宅の非常用の照明装置に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 住戸内には非常用の照明装置を設置する必要がない。

○ 正しい。 非常用の照明装置に関する出題も多い。 平成20年マンション管理士試験 「問20」 選択肢3 、平成19年管理業務主任者試験 「問21」 、平成15年マンション管理士試験 「問20」 など。ここの出題は、平成19年管理業務主任者試験 「問21」 が近い。
  設問が、共同住宅となっている点に注意のこと。建築基準法の規定を受けて、非常用の照明装置を設置する規定は建築基準法施行令第126条の4 (設置)
 「第百二十六条の四 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、
非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
    
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
    二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
    三 学校等
    四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの」とあり、
 共同住宅では、非常用の照明装置を設置する必要がありません。

2 階数が3以上で延べ面積が500uを超える建築物の居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路には非常用の照明装置の設置義務があるが、採光上有効に直接外気に開放された通路などは免除される。

○ 正しい。 選択肢1で引用しました、建築基準法施行令第126条の4 (設置)
 「第百二十六条の四 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、
階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。」とあり、採光上有効に直接外気に開放された通路などは免除されています。

3 非常用の照明装置において必要とされる照度の測定は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によらなければならない。

○ 正しい。 ここは、建築基準法施行令第126条の5 に基づいた(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
    一 非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1ルクス(蛍光灯を用いる場合にあつては、2ルクス)以上を確保することができるものとしなればならない。
   
二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。」とあり
 正しい。
  なお、照度計や物理測定方法に関心のある人は、NETで調べてください。JIS C1609、1993 の規格があります。
   *精密級... 研究室レベルで要求される高精度の照度測定
   *一般型AA級... 基準・規定の適合性評価などにおける、信頼される照度値が必要とされる場での照度測定
   *一般型A級... 実用的な照度値が要求される照度測定
   *一般型B級... 照度の目安が要求される照度測定  

4 停電時の予備電源として蓄電池を用いるものにあっては、充電を行うことなく20分間継続して点灯し、必要な照度を確保できるものでなければならない。

X 誤っている。 選択肢3と同じく、(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
 「非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第3 電源
   一 常用の電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線によるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。
   二 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。
   三 予備電源は、自動充電装置又は時限充電装置を有する蓄電池(開放型のものにあつては、予備電源室その他これに類する場所に定置されたもので、かつ、減液警報装置を有するものに限る。以下この号において同じ。)又は蓄電池と自家用発電装置を組み合わせたもの(常用の電源が断たれた場合に直ちに蓄電池により非常用の照明装置を点灯させるものに限る。)で
充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものその他これに類するものによるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。」とあり、20分でなく、30分です。

答え:4 (ここは、かなり難しい。 選択肢4の 30分 は知るわけない。私は、過去問題のデータがあったから建設省の告示がすぐに分かったけど、建設省の告示からの、しかも20分か30分かを問う出題方法は許されない。)

問25

【問 25】 排水及び浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 浄化槽から公共用水域等に放流される水の水質については、環境省令で、技術上の基準が定められている。

○ 適切である。 浄化槽法からも時々出題がある。例えば、平成14年管理業務主任者試験 「問28」 選択肢3 。
  この「問25」 は過去問題の寄せ集めです。
  下水道のないところでは、トイレからの汚水はそのまま川や海に流すことはできません。そこで、浄化槽を使用して、汚水を浄化します。
  水の水質については、浄化槽法第4条1項(浄化槽に関する基準等)
 「第四条  環境大臣は、
浄化槽から公共用水域等に放流される水の水質について、環境省令で、技術上の基準を定めなければならない。」とあり、適切です。

2 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年1回(全ばつ気方式の浄化槽にあっては、おおむね6月ごとに1回以上)、浄化槽の清掃をしなければならない。

○ 適切である。 ここは、平成14年マンション管理士試験 「問22」
   浄化槽法第10条1項(浄化槽管理者の義務)
 「第十条  
浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあつては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。」 とあり、それをうけた環境省関係浄化槽法施行規則7条(清掃の回数の特例)
 「第七条  法第十条第一項 の規定による清掃の回数は、
全ばつ気方式の浄化槽にあつては、おおむね六月ごとに一回以上とする。」とあります。
 なお、「ばつ気=曝気(ばっき)」とは、汚水中の活性汚泥に酸化作用を促進するために空気を吹き込むことです。

3 排水トラップの封水深は、5cm以上10cm以下(阻集器を兼ねる排水トラップについては5cm以上)としなければならない。

○ 適切である。 ここは、平成18年マンション管理士試験 「問44」 や 平成16年管理業務主任者試験 「問23」 などで出ている。
  排水トラップは、便器や台所の排水施設に設けられ、水(封水)を管にためて、臭気や害虫が排水管から器具をつたわって、室内に侵入するのを防ぐ。
  建築基準法施行令129条2の5、2項6号の規定にもとづく昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
  第2排水トラップ、ホ「封水深は、5cm以上10cm以下(阻集器を兼ねる排水トラップについては5cm以上)とすること」の規定で、トラップの形状には関係なく、50mm以上100mm以下である。 (参照:「マンション管理の知識 平成20年版 ページ731)

4 給水タンクの水抜管及びオーバーフロー管は、排水管に直接連結しなければならない。

X 適切でない。 ここは、平成14年管理業務主任者試験 「問21」 に出ている。
  給水タンク(受水槽)の水抜管やオーバーフロー管が排水管に直接連結すると、排水が逆流し給水タンク内の水が汚染する恐れがあるので、禁止されています。
  建設省告示第1597号(昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
  建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件
  「第2 排水のための配管設備の構造は、次に定めるところによらなければならない。
  一 排水管
    イ 掃除口を設ける等保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
    ロ 
次に掲げる管に直接連結しないこと
      (1) 冷蔵庫、水飲器その他これらに類する機器の排水管
      (2) 滅菌器、消毒器その他これらに類する機器の排水管
      (3) 給水ポンプ、空気調和機その他これらに類する機器の排水管
      
(4) 給水タンク等の水抜管及びオーバーフロー管
    ハ 雨水排水立て管は、汚水排水管若しくは通気管と兼用し、又はこれらの管に連結しないこと。」が根拠です。

答え:4 (ここは、過去問題をやってきた人には、超易しい問題。でも、解説では、浄化槽の仕組みを図解したために、かなり時間がかかっています。)

ここまで、問25


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最終更新日:
2012年 6月22日:平成23年の標準管理規約の改正で確認済み。
2011年10月24日:一部のブラウザで画面の移動ができなくなるので再UP
2011年 2月 5日:新マンション標準管理委託契約書関係を入。
2010年8月31日:@問7の余談に追記、A問14の問題文に、「冷暖房設備室外機取替 12,000,000円」の抜けを挿入。
2010年3月7日:破産法で「問11」に追記
2010年2月15日:再チェックで補足
2010年1月22日:高層住宅管理業協会の発表を記入
2010年1月19日:問21の条例追記。
2010年 1月16日

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