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平成21年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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  謝辞:問題文の作成には、相川さまの協力を得ています。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

【問 26】 マンションの修繕に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 長期修繕計画の計画期間は、25年程度以上であることが最低限必要である。

○ 適切である。 ここの出題は、マンション標準管理規約のコメントから出ている。
  長期修繕計画については、マンション標準管理規約 コメント32条関係②
 「②長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。
    1 
計画期間が25年程度以上であること。なお、新築時においては、計画期間を30年程度にすると、修繕のために必要な工事をほぼ網羅できることとなる。
    2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。
    3 全体の工事金額が定められたものであること。
   また、長期修繕計画の内容については定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要である。」とあり、計画期間は、25年程度以上とします。

2 計画修繕の対象となる工事には、玄関扉等の開口部の改良は含めない。

X 適切でない。 計画修繕の対象となる工事も選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約 コメント32条関係②
 「2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、
窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。」とあり、玄関扉等の開口部の改良も含まれています。

3 長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費は、修繕積立金から充当しなければならない。

X 適切でない。 長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費についても、マンション標準管理規約 コメント32条関係④
 「長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、
管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。」とあり、財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできます。修繕積立金から充当しなければならないことはありません。

4 設備の保守点検や法律に定められた定期検査報告の情報は、修繕等の履歴情報には含まれない。

X 適切でない。 設備の保守点検や法律に定められた定期検査報告の情報は、マンションの建物の履歴を確認する上で重要な情報です。これも、マンション標準管理規約 コメント32条関係⑥
 「
修繕等の履歴情報とは、大規模修繕工事、計画修繕工事及び設備改修工事等の修繕の時期、箇所、費用及び工事施工者等や、設備の保守点検、建築基準法第12条 第1項及び第2項の特殊建築物等の定期調査報告及び建築設備(昇降機を含む。)の定期検査報告、消防法第8条 の2の2の防火対象物定期点検報告等の法定点検など、維持管理の情報であり、整理して後に参照できるよう管理しておくことが今後の修繕等を適切に実施するために有効な情報である。」とあります。

答え:1 (全部、マンション標準管理規約 コメントからの出題とは、適切ではない。)

問27

【問 27】 窓サッシの改修方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 カバー工法とは、既存のサッシの枠を残し、当該サッシ枠の外側に新規建具を設置する工法であり、既存サッシより開口寸法を大きくできることがある。

X 適切でない。 窓サッシの改修方法に関しては、平成20年マンション管理士試験 「問40」 や、 平成19年マンション管理士試験 「問39」 もある。
  まず、窓サッシの改修方法としては、①元の枠を利用して取り替える「かぶせ工法(カバー工法)」 と、 ②元の枠を取り去る「撤去工法」 の2種があります。かぶせ工法は撤去工法に比べて、工事がシンプルで工期が短いため、一般に多く用いられ、現在も主流になっています。
  カバー工法(かぶせ工法ともいう) は、既存サッシ枠を残し新規枠をその上にかぶせて取付ける工法です。そのため、開口寸法は、前と同じではありません。通常、
巾も高さも小さくなります

2 サッシの改修は、一般的に共用部分の工事となるが、既存サッシの内側に新規サッシを設置して二重サッシとする場合には、専有部分の工事となることがある。

○ 適切である。 バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、専用庭や屋上テラスは、区分所有者が専用使用できますが、共用部分として管理組合が管理します。(マンション標準管理規約8条、14条及び22条参照)。そこで、窓枠であるサッシを防音や断熱等で改修することは、一般的に共用部分の工事となります。そして、既存サッシの内側に新規サッシを設置して二重サッシとする場合には、当然に室の内側である専有部分に影響を及ぼしますから、専有部分の工事となることもあります。

3 引抜き工法とは、油圧工具又はジャッキ等で既存のサッシを枠ごと撤去して新しいサッシと交換する工法である。

○ 適切である。 引抜き工法とは、油圧工具又はジャッキ等の工具を使い、既存のサッシを枠ごと撤去して新しいサッシと交換する撤去工法です。既存枠が残らないためカバー工法に比べ広い開口が得られます。ただし、工事の期間は長くかかります。

4 ノンシール工法は、主に便所や浴室などの比較的小型のサッシに採用される。

○ 適切である。 ノンシール工法は、古い窓枠の上に新しい窓枠を取付ける工法です。室内から工事が可能で、外部からのシール(防水)工事を必要としないのでノンシール工法という名称がつけられました。内部から止水シール処理を行います。風呂場や台所などの小窓(すべり出し窓、内倒し窓)の改修に用いられます。等圧原理を応用した、省メンテナンスの工法です。具体的には、補助部材と既存スチール枠とが、タイル材によって気密壁をつくり、漏水を防ぎます。また、万一の場合、水の浸入やスチール枠の漏水も、たて枠か、たて枠補助部材をつたって外部に排水しますので、躯体を傷めず安心です。

答え:1 (選択肢1 が不適切とは分かるが、引抜き工法やノンシール工法まで知っておく必要があるのだろうか?)

問28

【問 28】 マンションの断熱改修に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 断熱改修は、夏の暑さに対しては効果を期待できないが、冬の寒さに対しては効果がある。

X 適切でない。 断熱については、平成20年マンション管理士試験 「問40」 や、 今年の平成21年マンション管理士試験 「問40」 結露も参考にしてください。
   いまさら言葉の意味をいうまでもないのですが、「断熱」とは、暖かさや冷たさを断つ事です。熱の伝わりを少なくするものです。断熱改修は、断熱材を使用して熱の伝導を抑えるために行い、その改修では、夏の暑さと冬の寒さの両方に対して効果があります。

2 外断熱改修工事を行った場合、結露の防止に対しては効果が期待できない。

X 適切でない。 結露は、室内と外部との温度差によって起こります。窓やサッシ付近だけでなく、壁でも起きます。外断熱改修をすれば、断熱の効果として、結露の防止も期待できます。

3 壁体の内断熱改修工事を行うと居室の面積が減少する。

○ 適切である。 壁の内側での内断熱改修工事をすれば、室内の壁が厚くなりますから、部屋を居室に使用している場合にはその部分だけ面積は減ります。

4 壁体の断熱改修を行えば、窓の断熱改修は必要なくなる。

X 適切でない。 壁の断熱改修と窓(開口部)の断熱は別です。

答え:3 (まったく易しい問題。 常識でも分かる?)

問29

【問 29】 ある管理組合で、老朽化した給水管本管の取替工事とともに、本管と構造上一体となっている専有部分としての枝管の取替工事も行いたいと考えている場合に関する各理事の意見である次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 本管の取替工事は、多額の費用を要するが、総会の普通決議で行うことができる。

○ 適切である。 この辺りの出題もよくある。 平成22年 管理業務主任者試験 「問33」 。
  これは、マンション標準管理規約よりも、区分所有法第17条(共用部分の変更)
 「第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。 」そして、同法第18条(共用部分の管理)
 「第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
   2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 」の規定の説明が必要でしょう。
 区分所有法第17条は平成14年に改正され、それまでは、「
改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないもの」を軽微な変更としていましたが、これでは、外壁や屋上防水などの大規模修繕工事では多額の費用がかかるため、、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数という特別多数決議を必要としていて、工事の円滑な実施ができない弊害がありました。そこで、平成14年に「改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないもの」から「その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く」に改正され、大規模修繕は、多額の費用がかかりますが、通常の普通決議でできるようにしました。
 これを受け、マンション標準管理規約47条(総会の会議及び議事)
 「第47条 総会の会議は、前条 第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。
   2 
総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
   3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
     一 規約の制定、変更又は廃止
     二 敷地及び共用部分等の変更(
その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)
     三 区分所有法第58条 第1項、第59条 第1項又は第60条 第1項の訴えの提起
     四 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項
    以下略」となっています。

2 枝管の取替工事も総会決議があればできるが、専有部分における工事だから、できれば特別決議を経たほうが望ましい。

○ 適切である。 枝管は専有部分に属しますが、本管と一体となっているので、同時に取り替え工事は可能です。マンション標準管理規約21条(敷地及び共用部分等の管理)
 「第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
   2 
専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」とあり、2項に該当します。そして、選択肢1で引用しましたように、マンション標準管理規約47条により総会の普通決議(出席組合員の議決権の過半数)でできますが、専有部分に関するため、念のため特別決議を経た方がいいでしょう。

3 本管取替工事と一体として枝管取替工事をすることについて特別決議がされても、修繕積立金を取り崩して専有部分に係る枝管取替工事に要する費用に充てることには疑問がある。

○ 適切である? 3/4以上という多くの組合員が賛成した特別決議を経たのであれば、管理組合の自治権を尊重して一応「専有部分に係る枝管取替工事に要する費用」であっても修繕積立金から出してもいいと思うが、マンション標準管理規約21条2項関係のコメント⑤
 「配管の清掃等に要する費用については、第27条 第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」とあり、区分所有者から実費をとれと云っています。

4 枝管取替工事をすることについて特別決議をすれば、専有部分内に強制立入りできるので全戸工事を行うことができ、効果的である。

X 適切でない。 専有部分である枝管の取替工事を共用部分と一体として行うことは必要個所への立入りとして、マンション標準管理規約23条(必要箇所への立入り)
 「第23条 前2条 により管理を行う者は、
管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる
   2 前項により
立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない
   3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
   4 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。」の規定により、専有部分に立入りを請求し、区分所有者は正当な理由がなければこれを拒否できませんが、この規定は「専有部分内に強制立入りできる」ことまでは認めていません。強制力はありません。でも、現実には、立入りを拒む正当な理由もあまり存在しないと思われますが。

答え:4 (選択肢3 は納得できません。大体、標準管理規約そのものも法的拘束性で疑問がある個所もあるのに、そのコメントを適切とする出題方法は不適切です。)

高層住宅管理業協会の発表:4

問30

【問 30】 あるマンションで当該マンションの区分所有者Aが自分を含め25名の区分所有者の署名を集めたとし、「収支決算に関する会計監査の問題点について」を議題とする臨時総会の招集を管理者である理事長に請求した場合における次の記述のうち、区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
 なお、このマンションは総戸数100戸、1住戸1議決権の定めがあり、複数の住戸を所有している者はいない。また、当該マンションの管理規約には、区分所有者の総会招集請求権は、区分所有者及び議決権の各4分の1以上の者の請求によると定められている。

1 Aが自分の署名のみを示し、他の署名者の氏名を示さなければ、理事長は総会招集請求に応ずる必要がない。

○ 適切である。 まず、集会(=総会)の招集については区分所有法第34条(集会の招集)
 「第三十四条  集会は、管理者が招集する。
   2  管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。
   
3  区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる
   4  前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
   5  管理者がないときは、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。」とあり、
 「当該マンションの管理規約には、区分所有者の総会招集請求権は、区分所有者及び議決権の各4分の1以上の者の請求によると定められている。」が気になりますが、それは後で議論するので、おいといて。
 3項により、総戸数100戸で、1住戸1議決権の定めがあり、複数の住戸を所有している者はいないなら、100x1/5=20名以上の区分所有者の署名があれば、管理者である理事長に対して会議の目的である「収支決算に関する会計監査の問題点について」を示して集会(総会)の招集を請求できますが、25名の署名を集めたといっても、その人達の氏名を明らかにしなければ、果たしてそのマンションの区分所有者であるのかどうかの確認ができませんから、理事長は総会招集請求に応ずる必要はありません。Aは25名の氏名を示さなければいけません。

2 Aを含む25名の総会招集請求を受け理事長が招集する総会の招集日は、Aらが理事長に対し総会の招集請求をした日から4週間経過後の日でなければならない。

X 適切でない。「総会の招集日」が総会の開催日(会日)なのか、招集を通知する日なのか、設問が分かりにくいのですが、選択肢1で引用しました区分所有法第34条4項
 「 4  
前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。」とあります。
 条文も分かりにくい表現ですが、規定は、適正な区分所有者達の請求があれば、理事長はその請求を受けた日から2週間(14日)以内に、請求の日から4週間(28日)以内の日を臨時総会の開催日(会日)とした招集の通知を出せということです。「総会の招集日」は、総会の開催日(会日)なのか、招集を通知する日かにせよ、Aらが理事長に対し総会の招集請求をした日から
4週間経過後の日ではありません。

3 Aを含む25名の総会招集請求に理事長が応じない場合は、Aらは自ら総会を招集することができるが、総会当日に「規約変更の件」の議題を追加して決議することはできない。

○ 適切である。 適正な区分所有者25名以上が臨時総会を開けといっても理事長が開かない場合には、選択肢1で引用しました、区分所有法第34条4項
 「4  前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする
集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。」により、Aらは自ら総会を招集できますが、総会当日に「規約変更の件」の議題を追加して決議をすることはできません。それは、区分所有法第37条(決議事項の制限)
 「第三十七条  
集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる
   2  前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
   3  前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。 」とあり、1項の規定にあるように総会では「あらかじめ通知した事項」についてのみ決議はできますが、あらかじめ通知していない事項「「規約変更の件」の議題」は決議できません。

4 Aを含む20名の区分所有者の署名があれば、総会の招集を請求することができる。

○ 適切である。 選択肢1で引用しました、区分所有法第34条3項
 「3
 区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。 」とあり、総戸数100戸、1住戸1議決権で複数の住戸を持っている人はいないなら、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上は、20以上です。そこで、規約で定数は減じることができますが、該当のマンションの管理規約には、「区分所有者の総会招集請求権は、区分所有者及び議決権の各4分の1以上の者の請求によると定められている。」とありますが、これは、区分所有法に反しています。区分所有法で認めているのは、区分所有者の数(定数)だけで、しかも、1/5(20%)から減じることだけです。1/4(25%)は増加していますから、この規約は無効です。

答え:2 (設問がまずい。)

問31

【問 31】 管理組合の業務に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 町内会の防災対策についての情報収集のため町内会の会合に出席すること。

○ 適切である。 マンションの管理組合の業務は、マンション標準管理規約32条(業務)
 「第32条 管理組合は、次の各号に掲げる業務を行う。
   一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条 及び第48条 において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理
   二 組合管理部分の修繕
   三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務
   四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務
   五 適正化法第103条 に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理
   六 修繕等の履歴情報の整理及び管理等
   七 共用部分等に係る火災保険その他の損害保険に関する業務
   八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為
   九 敷地及び共用部分等の変更及び運営
   十 修繕積立金の運用
   
十一 官公署、町内会等との渉外業務
   十二 風紀、秩序及び安全の維持に関する業務
   
十三 防災に関する業務
   十四 広報及び連絡業務
   十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成
   十六 管理組合の消滅時における残余財産の清算
   十七 その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務」と定められています。
 「町内会の防災対策についての情報収集のため町内会の会合に出席すること」は、11号や13号に該当しています。

2 組合員向けに広報誌を発行すること。

○ 適切である。 「組合員向けに広報誌を発行すること」は、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約32条の14号
 「十四 広報及び連絡業務」に含まれます。

3 マンション敷地内の樹木を伐採すること。

○ 適切である。 「マンション敷地内の樹木を伐採すること」は、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約32条1号
 「一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条 及び第48条 において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理」に該当します。

4 組合員から自治会費を徴収し、自治会に支払うこと。

X 適切でない? ここは、地域コミュニティとの友好関係をどうとらえるかで判断が難しいのですが、自治会や町内会に加入するのは、マンション標準管理規約の作成者は、各居住者の自由意思であるから、管理費とは別にしろと云っています。参照:マンション標準管理規約第27条関係コメント②
 「コミュニティ形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであり、マンションの適正管理を主体的に実施する管理組合にとって、必要な業務である。
 管理費からの支出が認められるのは、管理組合が居住者間のコミュニティ形成のために実施する催事の開催費用等居住者間のコミュニティ形成や、管理組合役員が地域の町内会に出席する際に支出する経費等の地域コミュニティにも配慮した管理組合活動である。
 
他方、各居住者が各自の判断で自治会、町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費、町内会費等は地域コミュニティの維持・育成のため居住者が任意に負担するものであり、マンションという共有財産を維持・管理していくための費用である管理費等とは別のものである。」
 これによると、「組合員から自治会費を徴収し、自治会に支払うこと」は適切でないように取れますが、「別のもの」としているだけで明確には判断してませんね。
 現実には、マンションの建設時に、地元の町会(自治会)から、建設会社へ対して町内会への加入が要請され、管理規約にも町会費を管理費等と一緒に徴収する規定もあり、地元の町会に支払っている管理組合もあります。各居住者の任意といえないマンションもあります。さあ、国土交通省の住宅担当者はどうするのでしょうか?(判例は、管理規約に町会費を管理費等と一緒に徴収する規定があっても拘束力がないとしていますが。)

答え:4 

高層住宅管理業協会の発表:4

問32

【問 32】 管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 理事は、管理組合法人との利益が相反する事項については、管理組合法人を代表することができない。

○ 正しい。 今年の出題傾向として、「いくつ」という個数を選ぶ問題が多い。
   通常、法人とその代表者が同じ法律行為の当事者となると、好き勝手なことができますから、これを法律上、利益相反事項として禁止しています。(参考:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第84条1項3号)
  これを受け、区分所有法第51条(監事の代表権)
 「第五十一条  
管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。」とあり、管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、理事でなく監事が管理組合法人を代表します。

イ 管理組合法人は、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成し、常にこれを主たる事務所に備え置かなければならない。

○ 正しい。 ここからが、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の実施に伴い、区分所有法で準用されていました民法の規定が削除などされたため、区分所有法の管理組合法人関係で改正された部分からの出題です。
  区分所有法第48条の2 (財産目録及び区分所有者名簿)
 「第四十八条の二  
管理組合法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
   2  管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。 」とあり、1項に該当します。

ウ 理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

○ 正しい。 再委任は、区分所有法第49条の3(理事の代理行為の委任)
 「第四十九条の三  
理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。」とあり、正しい。

エ 管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

○ 正しい。 ここは、選択肢イで引用しました、区分所有法第48条の2 2項
 「2  
管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。」により、正しい。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:4 (アからエまで、4つとも正しい。 ここは、管理組合法人の規定が変わったので、出題されやすいと、「超解説 区分所有法」でも指摘した箇所です。)

問33

【問 33】 あるマンションで、管理組合を法人化するための総会が開催された場合における次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 総会開催日を平成20年12月13日とする場合、規約に特別の定めがないときには、招集通知は同年12月6日に発送すれば足りる。

X 誤っている。 総会(=集会)の招集通知は、区分所有法第35条1項(招集の通知)
 「第三十五条  集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。 」とあり、少なくとも1週間前とは、中7日(会日の前までに7日あること)が必要と解されるので、12月12日 - 7日 =12月5日 で、12月6日では1日足りない。

2 招集通知に、議題として「管理組合法人化の件」と明記した場合、法人化の理由その他議案の要領は記載する必要がない。

○ 正しい。 招集通知に示さなければならないのは、選択肢1で引用した区分所有法第35条1項
 「第三十五条  集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。」により、「会議の目的たる事項(通常、議題と呼ばれます)」を示せばいいのですが、重要な事項については、同法同35条5項
 「5  第一項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第十七条第一項、第三十一条第一項、第六十一条第五項、第六十二条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条第七項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。 」とあります。
 ここには、管理組合法人になること(区分所有法第47条1項)は入っていませんから、「議案の要領」は不要です。会議の目的自体が議案であるから入っていないとのことです。

3 総戸数が200戸で1住戸1議決権の定めがあり、単独名義で1住戸を所有している者が193名、単独名義で2住戸を所有している者が2名、2名の共有名義の住戸が3戸(区分所有者6名は各々異なる者とする。)となっている場合、議決権数150以上、区分所有者数149以上の賛成により可決することができる。

○ 正しい。 管理組合が法人化されるには、区分所有法第47条1項(成立等)
 「第四十七条  第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。 」とあり、
区分所有者及び議決権の各四分の三以上の賛成が必要です。
 *総戸数が200戸で1住戸1議決権 なら 議決権総数は 200
 *次に、区分所有者の数は
   単独名義で1住戸を所有している者が193名 → 193名、
   単独名義で2住戸を所有している者が2名 → 2名
   2名の共有名義の住戸が3戸(区分所有者6名は各々異なる者とする。)→ 3名 (共有は1と数えるため)
  となり 区分所有者の総数は、 193 + 2 + 3 = 198名

  そこで、議決権の    3/4 は 200x3÷4=150 以上
       区分所有者の 3/4 は 198x3÷4=148.5 → 149名以上 ですから、正しい。

4 法人化するなら規約もそれに応じて改正すべきであるとの意見が出たが、「後日検討する。」として総会を終了させることができる。

X 誤っている? 厳密に間違いとは言い切れませんが。 今まで管理組合として使用していた管理規約や集会の決議などは、法人化しても有効です(区分所有法第47条5項参照)が、法人化すると、 ①管理組合法人という名称を使うこと、②事務所を定める ことが必要です。そこで、法人化に際しては、管理規約での「xxマンション管理組合」を「xxマンション管理組合法人と読み替える」などの改正も同時にするのがいいでしょう。しかし、この場合には、招集通知に「議題」としてあらかじめ通知する必要もあります。出題は、この部分が曖昧ですが。
 なお、法人化すると ①理事 ②監事 を置かなくてはいけませんが、これは、標準管理規約を使用していれば、役員としてすでに規定されていますから、選任は後日の総会でも可能です。

○ 正しい? ここを、正しいとするなら、区分所有法第37条(決議事項の制限)
 「第三十七条  集会においては、第三十五条の規定により
あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる
   2  前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
   3  前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。」の1項にある、「あらかじめ通知した事項」に規約の改正が入っていないことを根拠にできます。(2010年2月16日:追記)

答え:1  高層住宅管理業協会の発表:

問34

【問 34】 総会決議に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(団地型を含む。)の定めによれば、適切なものはいくつあるか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


ア 窓枠、玄関扉等の一斉交換工事をするには、総会で普通決議を経ればよい。

○ 適切である。 また、「いくつあるか」と個数をきいている。 ここらは、平成22年 管理業務主任者試験 「問32」 、や 平成20年管理業務主任者試験 「問32」、 平成20年 マンション管理士試験 「問26」 にもある。
   もう一度、総会(=集会)での決議のおさらいです
   マンションの建物の管理について重要な事項は、原則として全て総会で決することになっています。その決議には、
   ①普通決議...区分所有法では、「区分所有者および議決権の各過半数で決する」と定めていますが、規約で別段の定めができます。それに、伴い「マンション標準管理規約」では、出席組合員の議決権の過半数で決する としています。
   ②特別決議(特別多数決議とも)...区分所有法でも、原則:区分所有者および議決権の3/4以上(建替えは、4/5以上)の決議が必要と定めてあり、規約でも別段の定めができません。
 窓枠、玄関扉等の計画修繕は、管理組合ができますから(マンション標準管理規約22条参照)、マンション標準管理規約47条(総会の会議及び議事)
 「第47条 総会の会議は、前条 第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。
   2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
   3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
     一 規約の制定、変更又は廃止
     
二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)
     三 区分所有法第58条 第1項、第59条 第1項又は第60条 第1項の訴えの提起
     四 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項
  4 建替え決議は、第2項にかかわらず、組合員総数の5分の4以上及び議決権総数の5分の4以上で行う。
   以下略」
  の、3項2号に規定する「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」の範囲をきいています。
  どこまでが「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」なのか判断が難しいのですが、マンション標準管理規約47条関係のコメント⑤ 
 「カ) その他、集会室、駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議により、
窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は普通決議により、実施可能と考えられる。」と判断しています。
  これによれば、窓枠、玄関扉等の一斉交換工事をするには、総会の普通決議で可能です。

イ 規約違反の区分所有者に対し、その差止め訴訟を提起するには、理事会の決議で足り、総会決議を経なくてもよい。

X 適切でない。 ここは、平成22年 管理業務主任者試験 「問36」 選択肢2 でもまた出た。
   規約違反という設問が曖昧なのですが、規約には、区分所有法第6条で規定される「共同の利益」に反する内容も規定されているために、単純に下で引用しています、標準管理規約67条3項を適用して、理事会の決議だけでいいとはいえないのです。
 区分所有法第6条の共同の利益に反する行為となると、区分所有法第57条の適用となり、 
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
   
2  前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない
   3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
   4  前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」とあり、
  訴訟の提起は、2項では明確に「集会の決議による」とありますから、理事会の決議では、できません。この出題は、以前から不適切と指摘している箇所です。標準管理規約67条3項の表現は、区分所有法第57条に抵触しているため、変更が必要です。 (2011年 1月23日:改訂)
 

○ 適切である? ここは、区分所有法を考えずに、標準管理規約だけを考えると、標準管理規約67条3項(理事長の勧告及び指示等)
 「3 区分所有者等がこの
規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる。
   
一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること
   二 敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること」とあり、適切です。
 (しかし、ここ標準管理規約67条での「規約若しくは使用細則等に違反」には、区分所有法第6条で定める「共同の利益に反する行為」にも該当することがあり、標準管理規約67条の規定は裁判費用の請求も含めて、区分所有法との関係で適正でないと思います。参照:平成21年マンション管理士試験 「問26」 選択肢1 との関係。また、平成16年マンション管理士試験 「問4」 選択肢3 との関係。)
 (なお、本設問の検討に当たっては、BBQ様のサゼッションを頂いています。BBQ様有難うございます。) 2010年1月26日:追記

ウ 区分所有者のうち理事のみが記名押印した規約を規約原本とするには、総会の特別決議による規約改正が必要である。

○ 適切である。 マンション標準管理規約のうしろの方にある規約原本からの設問は、新しい。
   これは、マンション標準管理規約72条1項(規約原本等)
 「第72条 
この規約を証するため、区分所有者全員が記名押印した規約を1通作成し、これを規約原本とする。」の規定を知らないと、設問の意味が分からない。マンション標準管理規約72条1項は、1通の規約に区分所有者全員が記名・押印したものが規約原本と云っていますから、「区分所有者のうち理事のみが記名押印した規約を規約原本とする」ということは、規約の変更となります。規約の改正は、選択肢アで引用しました、マンション標準管理規約47条3項1号
 「3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
     一 規約の制定、変更又は廃止」に該当しますから、総会の特別決議が必要です。

エ 団地管理組合で計画的な修繕工事を実施するため、各棟修繕積立金を取り崩すには、団地総会での普通決議のほかに各棟の総会の普通決議も必要である。

X 適切でない。 ここは、マンション標準管理規約(団地型)の規定です。
  団地総会での議決事項は、マンション標準管理規約(団地型)50条(議決事項)
 「第50条 次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
   一 収支決算及び事業報告
   二 収支予算及び事業計画
   三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
   四 規約(第72条 第一号の場合を除く。)及び使用細則等の制定、変更又は廃止
   五 長期修繕計画の作成又は変更
   
六 第28条 第1項又は第29条 第1項に定める特別の管理の実施(第72条 第三号及び第四号の場合を除く。)並びにそれに充てるための資金の借入れ及び団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し
   七 第28条 第2項又は第29条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し
   八 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法
   九 第21条 第2項に定める管理の実施
   十 区分所有法第69条 第1項の場合の建替えの承認
   十一 区分所有法第70条 第1項の場合の一括建替え
   十二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
   十三 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
   十四 その他管理組合の業務に関する重要事項」とあり、
 6号により、団地管理組合で計画的な修繕工事を実施するため、各棟修繕積立金を取り崩すには、団地総会での普通決議が必要です。(参照:マンション標準管理規約(団地型)49条)。
 それでは、この他に、棟別総会の決議を必要とするかをみてみましょう。
 棟別総会の決議事項は、マンション標準管理規約(団地型)72条(議決事項)
 「第72条 次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない。
   一 区分所有法で団地関係に準用されていない規定に定める事項に係る規約の制定、変更又は廃止
   二 区分所有法第57条第2項、第58条第1項、第59条第1項又は第60条 第1項の訴えの提起及びこれらの訴えを提起すべき者の選任
   三 建物の一部が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧
   四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査の実施及びその経費に充当する場合の各棟修繕積立金の取崩し
   五 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
   六 区分所有法第69条 第7項の建物の建替えを団地内の他の建物の建替えと一括して建替え承認決議に付すこと」とあり、
 「各棟修繕積立金を取り崩す」事項は入っていませんから、団地総会での普通決議だけで可能です。各棟の総会での決議は不要です。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:2 (2つ。適切なものは、ア と ウ。 ここは、かなりの難問でした。)

高層住宅管理業協会の発表:3 (多分、適切は、ア、イ、ウ) (一体、どこを適切としているのか、高層住宅管理業協会に問合せをしようとしても、「根拠の問合せには、応じない」という高層住宅管理業協会態度は問題がありすぎです。根拠の分かる方は、http://tk4982.at.webry.info/ まで連絡ください。)
追記:2010年11月1日:本当に、ここの「ウ」を適切とするなら、この設問は不適切です。
    現実に、この部分の不明確さを国土交通省も「標準管理規約」の見直し検討会(第4回:平成22年10月22日開催:資料3)でも取り上げていますが、規約の66条と67条3項を改訂せず、コメントで逃げています。
  私は、誤解を招く規定はコメントで逃げるのではなく、誤解を与えない規定にしなければいけないと思います。

問35

【問 35】 次に掲げる者のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約の定めによれば、理事会として総会への出席を拒否できる者として最も可能性が高いものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 「マンション内の店舗での営業制限について」が議題になっている総会に、あらかじめ理事長への通知なく出席しようとしている店舗の賃借人

拒否の可能性は低い。 設問の、「可能性が高い」とは、曖昧なことばですが。この設問については、平成21年マンション管理士試験 「問25」 も参照。また、似たようなのは、平成22年 マンション管理士試験 「問28」 平成22年 管理業務主任者試験 「問30」 。
  根拠は、区分所有法第44条1項(占有者の意見陳述権)
 「第四十四条  区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。 」とあります。
 これを受け、マンション標準管理規約45条(出席資格)
 「第45条 組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる。
  2 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、
総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない。と規定しています。
 「マンション内の店舗での営業制限」が議題ならば、正当な店舗の賃借人は利害関係を有していますから、総会へ出席して意見を述べることはできます。ここは、争いがないと思います。その場合、「あらかじめ理事長にその旨を通知しなければいけない」という規約がどこまで占有者(賃借人)を拘束出来るかという争いですが、確かに規約は占有者も拘束していますが(区分所有法第46条2項参照)それは、使用方法についてだけと解されています。よって、通知なく出席しようとしている店舗の賃借人の出席を拒否できる可能性は低いと判断します。(このように、標準管理規約の規定は、内容に問題があると、出題者もいっています。国土交通省の役人は、標準管理規約67条も含めて、標準管理規約を早急に改正すべきです。)

2 「修繕積立金の値上げについて」が議題になっている総会に、その議題に反対している組合員と共に出席しようとしている近隣に住む当該組合員の友人である代理人弁護士

拒否の可能性は高い。 この文章も分かりにくい。形容詞が多すぎる。総会に出席できるのは、そのマンションの組合員(区分所有者)または、その代理人です。原則として代理人が総会に出席することが出来るのは、本人が出席しない場合を想定していますから、本人である組合員が出席するなら、他の代理人は不要なわけで、共に出席しようとする代理人が弁護士であっても出席は拒否できます。
 また、ここは、マンション標準管理規約46条5項
 「5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員と同居する者若しくはその組合員の住戸を借り受けた者、又は他の組合員若しくはその組合員と同居する者でなければならない。」に「近隣に住む当該組合員の友人」は該当しないことも云わせたいのか?
 議題はまったく関係ない。

3 「ペット飼育の制限について」が議題になっている総会に、盲導犬を連れて会場に入ろうとしている目の不自由な組合員

ほとんど拒否できない。 ここは、簡単。盲導犬は、身体障害者補助犬法によって、国等が管理する施設や公共交通機関、また不特定かつ多数の者が利用する施設などでは、身体障害者が身体障害者補助犬を同伴することを拒めないし、住宅を管理する者も、身体障害者補助犬を使用することを拒まないよう努めなければなりません。(身体障害者補助犬法第7条~第11条参照)。ここも、議題のペットとは関係がない。

4 「室内での楽器演奏時間の制限について」が議題になっている総会に、委任状持参で出席しようとしているピアノを教えている組合員と同居する配偶者

拒否できない。 設問が分かりにくい。出席しようとするのは、組合員かそれとも配偶者なのか迷う文章だ。組合員の委任状をもっていれば、代理人として有効であり、組合員と同居していれば、議題に関係なくマンション標準管理規約46条5項
 「5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、
その組合員と同居する者若しくはその組合員の住戸を借り受けた者、又は他の組合員若しくはその組合員と同居する者でなければならない。」とあり、出席できます。ここも、議題とは関係がありません。(注:この、標準管理規約46条5項は、、平成23年の改正で、削除された。)

答え:2 (出題としては、面白いけど、文章が良くない。)

高層住宅管理業協会の発表:

問36

【問 36】 管理組合の次の行為のうち、マンション標準管理規約の定めに違反しないものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 収支決算の結果、管理費に余剰が生じたので、翌年度の修繕積立金に充当した。

X 違反する。 設問で「違反」を使うとは。今までの出題では、「適切でない」を使用しているのに比べてかなり高圧的な出題ではある。ここは、選択肢4の「支弁」など用語が過去と異なる。出題担当者が代わったのか。
  マンションの会計区分として、大きく分けると、①管理費 と ②修繕積立金 があります。会計を健全に行うには、別々に経理を行い収支を明らかにすることが望まれます。そこで、マンション標準管理規約61条(管理費等の過不足)
 「第61条 
収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する
  2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。」とあり、1項では管理費が余っても、翌年の管理費に充当することになっています。

2 理事会決議により、修繕積立金の運用のため、国債を購入した。

X 違反する。 多くの事項は基本的に、総会で決します。修繕積立金の運用は、マンション標準管理規約48条(議決事項)
 「第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
  一 収支決算及び事業報告
  二 収支予算及び事業計画
  三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
  四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
  五 長期修繕計画の作成又は変更
  六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
  七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
  
八 修繕積立金の保管及び運用方法
  九 第21条 第2項に定める管理の実施
  十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
  十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
  十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
  十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
  十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
  十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」とあり、8号に該当しています。
 理事会の決議では、修繕積立金の運用は出来なくしています。このような規定があっても、マンションの修繕積立金を、理事長が使い込む事件は、かなり発生しています。マンション管理に興味のない組合員が多いのが問題です。

3 理事会決議により、修繕積立金を預金していたA銀行の口座から預金を引出し、B銀行に口座を開設して預け替えた。

X 違反する。 口座を変更することは、修繕積立金の保管方法の変更ですから、選択肢2で引用した、マンション標準管理規約48条8号(議決事項)
「八 
修繕積立金の保管及び運用方法」に該当し、理事会決議ではできません。総会の決議が必要です。理事会だけで勝手に銀行を変えてはいけません。

4 総会の普通決議により、役員に対する必要経費と報酬の額を決定し、管理費から支弁した。

○ 違反しない。 何度も云っていますが、マンションの役員のなり手がいなくて困っています。そこで、役員報酬を払うのも一考です。これは、選択肢1で引用したマンション標準管理規約48条13号
 「十三 役員の選任及び解任並びに
役員活動費の額及び支払方法」で認められています。総会の普通決議で可能です。そして、管理組合の運営に要する費用(マンション標準管理規約27条(管理費)参照)として、管理費から支弁(古臭い言い方!=支払い)します。

答え:4 (早まって 1 としないように。)

問37

【問 37】 決議事項に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 ペットの飼育に関する使用細則の変更は、理事会の決議で行うことができない。

○ 適切である。 理事会だけでできることと、総会の決議を必要とする出題は、多い。 平成20年管理業務主任者試験 「問37」 平成18年管理業務主任者試験 「問29」 もある。
   ペットの飼育に関することだけでなく、使用細則は規約と共に重要な事項です。そこで、ここは、前問「問36」でも引用した、マンション標準管理規約48条(議決事項)
 「第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
  一 収支決算及び事業報告
  二 収支予算及び事業計画
  三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
 
 四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
  五 長期修繕計画の作成又は変更
  六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
  七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
  八 修繕積立金の保管及び運用方法
  九 第21条 第2項に定める管理の実施
  十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
  十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
  十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
  十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
  十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
  十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」の4号に該当し、総会の決議事項です。理事会の決議だけでは行えません。

2 専有部分の修繕を行おうとする区分所有者からの申請に対する承認又は不承認は、理事会の決議を経て、理事長が行うことができる。

○ 適切である。 専有部分の修繕についての申請に対する「承認又は不承認」は理事会に任されています。
   マンション標準管理規約17条(専有部分の修繕等)
 「第17条 区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条 に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
  2 前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。
  3 
理事長は、第1項の規定による申請について、承認しようとするとき、又は不承認としようとするときは、理事会(第51条 に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議を経なければならない
  4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
  5 理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。」とあり、理事会の決議でできます。

3 長期修繕計画の作成又は変更は、理事会の決議で行うことができない。

○ 適切である。 長期修繕計画の作成又は変更は重要な事項です。これも、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約48条5号
 「五 
長期修繕計画の作成又は変更」に該当し、理事会の決議で行うことができません。総会の決議が必要な事項です。

4 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧工事は、理事会の決議で行うことができる。

X 適切でない。 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧工事も、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約48条11号
 「十一 
建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧」に該当し、理事会の決議で行うことができません。総会の決議が必要な事項です。

答え:4 (ここは、易しい。 でも、前問と同じ条文からの出題とは、能がない。)

問38

【問 38】 理事会への理事の出席や議事の取扱いに関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、適切なものはいくつあるか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


ア 理事会を開催せずに、理事全員が決議事項につき賛成の署名をすれば、理事会の決議があったことにすること。

X 適切でない。 また、個数問題だ。ここの出題は、単純に「マンション標準管理規約の定め」だけを考えること。区分所有法での書面決議とは関係がない。似たような出題が、平成21年マンション管理士試験 「問31」 でもあった。
  マンション標準管理規約では、理事会の会議と議事として、同53条1項(理事会の会議及び議事)
 「第53条 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。」とだけあります。設問のような規定はありません

  注:下の選択肢イとも関係しますが、マンション標準管理規約をつくった人は、理事会は、必ず理事本人が出席し(一部、配偶者等の代理出席を認めることもありますが)、本人が理事会で討議を行うことが、管理組合と理事との信頼関係を保つ基本と考えているようです。(これは、民法の複代理人の選任も参照のこと:民法第104条)

イ 議決権行使書面が提出されれば、これをもって理事会に出席したものとみなし、決議事項につき決議すること。

X 適切でない。  このような規定も、マンション標準管理規約にはありません。

ウ 理事会開催日の1週間前に会議の日時と場所を通知するが、会議の目的は当日示すものとすること。

X 適切でない。 参考:平成25年 マンション管理士 試験 「問25」 選択肢3 。
  理事会の開催と招集については、マンション標準管理規約52条3項 
 「3 理事会の招集手続については、第43条 (建替え決議を会議の目的とする場合の第1項及び第4項から第7項までを除く。)の規定を準用する。ただし、理事会において別段の定めをすることができる。」とあり、
 準用されています同43条(招集手続)
 「第43条 
総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない
  2 前項の通知は、管理組合に対し組合員が届出をしたあて先に発するものとする。ただし、その届出のない組合員に対しては、対象物件内の専有部分の所在地あてに発するものとする。
  3 第1項の通知は、対象物件内に居住する組合員及び前項の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。
  4 第1項の通知をする場合において、会議の目的が第47条 第3項第一号、第二号若しくは第四号に掲げる事項の決議又は建替え決議であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。
  5 会議の目的が建替え決議であるときは、前項に定める議案の要領のほか、次の事項を通知しなければならない。
    一 建替えを必要とする理由
    二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持及び回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
    三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容四建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
 6 建替え決議を目的とする総会を招集する場合、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について組合員に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
 7 第45条 第2項の場合には、第1項の通知を発した後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならない。
 8 第1項(会議の目的が建替え決議であるときを除く。)にかかわらず、
緊急を要する場合には、理事長は、理事会の承認を得て、5日間を下回らない範囲において、第1項の期間を短縮することができる。」とあります。
 理事会で別段の定めもないため、同43条1項によると、理事会を開く時でも、会議開催日の少なくても2週間前に、会議の日時、場所そして目的を示して通知することになっています。緊急を要する時は、5日前でも可能ですが、その時でも、
会議の目的を示すことは必要です。(現実には、月の定例理事会の通知では、日時だけで、会議の目的を省略していることが多いと思いますが、ここはチャント議題を記載しましょう。)

エ 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決するものとすること。

○ 適切である。 選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約53条1項(理事会の会議及び議事)
 「第53条 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。」に該当しています。なお、監事は役員ですが、理事ではありませんから、出席人数に入れてはいけません。

1 一つ
2 二つ
3 二つ
4 四つ

答え:1 (適切は エ 1つだけ。 イ も適切とした人は多いようだ。しかし、標準管理規約に従うと現実の理事会が適正に開かれるのは非常に厳しいと感じてください。)

高層住宅管理業協会の発表:1

問39

【問 39】 次の文章は、マンションの管理費及び特別修繕費(以下「管理費等」という。)の消滅時効に関する最高裁判所の判決に基づくものであるが、文中の(ア)から(エ)に入る用語の組合せとして、最も適切なものはどれか。

 本件管理費等の債権は、(ア)に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は(イ)によって確定し、月ごとに所定の方法で支払われるものである。このような本件の管理費等の債権は、(ウ)としての性格を有するものというべきである。その具体的な額が共用部分等の管理に要する費用の増減に伴い、(イ)により増減することがあるとしても、そのことは上記の結論を左右するものではない。そうすると、本件管理費等については、その支払期限からすでに(エ)を経過したものについては、消滅時効が完成していることになる。

*ここは、管理費等の消滅時効が10年か、5年かでもめて、最高裁の判決で、5年となったことを知っていると、楽。平成18年管理業務主任者試験 「問39」 がある。また、平成22年 マンション管理士試験 「問7」選択肢2 もある。
 正当派の解説ではないのですが、判決文を明確に覚えているなんて人はいませんから、判決文に左右されず、結論からいくと、(エ)には、5年が入るから、1 か 4 になる。
 そこで、(ア)をみると、管理費は、「売買契約の内容」ではなく「管理規約の規定」で決まるのは、ほぼわかる。
 1 を正解としてみると、(イ)の「総会の決議」は、「理事会決議」より収まりがいい。
 (ウ)の「基本権たる定期金債権から派生する支分権」 か 「共用部分の負担に関する債権」かは、知らなくてもいいくらいの問題。

 と云っても、基本権(基本債権)と支分権(支分債権)とは、例えば、消費貸借契約で、毎月末に利息を払う約束をした場合に、毎月払う利息を支分権といい、利息を請求できる基礎となるものを基本権といいます。支分権(支分債権)は基本債権から生みだされますが、一度発生すると、基本債権とは別な存在となり、その移転や・消滅は、基本債権と別の扱いを受けます。

 この判決は、平成16年4月23日にあったものです。
 基本は、民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)
 「第百六十九条  年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

  なお、管理費等には、管理費と修繕積立金(特別修繕費と最高裁はいっています)が該当しますが、修繕積立金までを5年での消滅時効にかかるとする考え方には疑問があります。

答え:1 (ここは、易しい。)

問40

【問 40】 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2集第3号に規定する者をいう。)が自ら売主として、買主Aに対しマシションの一室の分譲を行うに当たり、宅地建物取引主任者Bをして宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明をさせた場合に関する次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。

1 区分所有法第2条第3項に規定する専有部分の用途について、管理規約で「楽器演奏禁止」の制限があったが、Bは、そのことに関してAに説明を行わなかった。

X 違反する。 宅地建物取引業法からも、管理業務主任者試験では、1問は出る。多くは、重要事項の説明に関してです。ここは、平成19年管理業務主任者試験 「問40」 や 平成16年管理業務主任者試験 「問41」 あたりが近い。宅地建物取引主任者試験を目指している人には易しい?でも、初めて、マンション管理士・管理業務主任者試験だけを受ける人用に詳細に説明します。

  宅地建物取引業者(不動産屋)がマンションを売ったり、賃貸物件を仲介する場合には、相手方が素人であると、国土交通省の役人が判断して、その契約の前に、宅地建物取引のエキスパートである国家資格を有する宅地建物取引主任者が素人である相手方に、親切にまた分かりやすく、契約の対象物件の説明をしなさいと云っています。それが、
  宅地建物取引業法第35条1項(重要事項の説明等)
 「第三十五条  宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、
その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない
   一  当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
   二  都市計画法 、建築基準法 その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
   三  当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項
   四  飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
   五  当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
   
六  当該建物が建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第四項に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
   七  代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
   八  契約の解除に関する事項
   九  損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
   十  第四十一条第一項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条又は第四十一条の二の規定による措置の概要
   十一  支払金又は預り金(宅地建物取引業者の相手方等からその取引の対象となる宅地又は建物に関し受領する代金、交換差金、借賃その他の金銭(第四十一条第一項又は第四十一条の二第一項の規定により保全の措置が講ぜられている手付金等を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を受領しようとする場合において、第六十四条の三第二項の規定による保証の措置その他国土交通省令・内閣府令で定める保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
   十二  代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
   十三  当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
   十四  その他宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める命令で定める事項
    イ 事業を営む場合以外の場合において宅地又は建物を買い、又は借りようとする個人である宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に資する事項を定める場合 国土交通省令・内閣府令
    ロ イに規定する事項以外の事項を定める場合 国土交通省令」とあり、
  その宅地建物取引業法施行規則第16条の2 (法第三十五条第一項第六号 の国土交通省令で定める事項)
 「第十六条の二  法第三十五条第一項第六号 の国土交通省令で定める事項は、建物の貸借の契約以外の契約にあつては次に掲げるもの、建物の貸借の契約にあつては第三号及び第八号に掲げるものとする。
   一  当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容
   二  建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下この条、第十六条の四の三、第十六条の四の六及び第十九条の二の五において「区分所有法」という。)第二条第四項 に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。次号において同じ。)があるときは、その内容
   
三  区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容
   四  当該一棟の建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約(これに類するものを含む。次号及び第六号において同じ。)の定め(その案を含む。次号及び第六号において同じ。)があるときは、その内容
   五  当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用、通常の管理費用その他の当該建物の所有者が負担しなければならない費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがあるときは、その内容
   六  当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額
   七  当該建物の所有者が負担しなければならない通常の管理費用の額
   八  当該一棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
   九  当該一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容」とあり、
 専有部分の用途に関して、利用の制限があれば、説明が必要です。管理規約で「楽器演奏禁止」の制限は3号に該当するため、違反します。

2 区分所有法第2条第4項に規定する共用部分に関する規約はまだ案の段階であったが、Bは、Aに対し、案の段階である旨を伝えた上で、その内容について説明を行った。

○ 違反しない。 選択肢1で引用しました、宅地建物取引業法施行規則第16条の2 2号
 「 二  建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下この条、第十六条の四の三、第十六条の四の六及び第十九条の二の五において「区分所有法」という。)第二条第四項 に規定する
共用部分に関する規約の定め(その案を含む。次号において同じ。)があるときは、その内容」とあり、多くの場合、新規マンションの分譲では、規約は、まだ案の段階ですが、説明は必要です。

3 Bは、説明に先立ち、宅地建物取引主任者証をAに提示したことから、重要事項を記載した書面の交付に当たり、当該書面における記名押印を省略した。

X 違反する。 宅地建物取引業法第35条4項および5項
 「4  
取引主任者は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、取引主任者証を提示しなければならない
  5  
第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、取引主任者は、当該書面に記名押印しなければならない。」とあり、通常、取引主任者は重要事項の説明時には、顔写真付きの「取引主任者証」を机の上において説明します。また、重要事項説明書に記名・押印も必須です。省略できません。

4 Bは、売買契約の成立に先立ち、重要事項の一部を抜粋した書面をAに示して説明を行ったほか、当該契約の成立後に、その他の重要事項を記載した書面をAに交付した。

X 違反する。 宅地建物取引業法第35条では「重要事項を記載した書面=重要事項説明書」から一部を抜粋して説明できるの規定はありませんし、重要事項説明は同35条
 「第三十五条  宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、
その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。 」とあり、重要事項説明は契約の前に行います。

答え:2 (ここも過去問題をやっていると易しい?)

問41

【問 41】 マンションの分譲業者である売主が買主に対して負う瑕疵担保責任と買主に対して行うアフターサービスに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 瑕疵担保責任は、売主に故意又は過失がない場合には生じない。

X 適切でない。 民法で定める瑕疵(かし)担保責任は下の「問42」も参考のこと。瑕疵担保責任と前問「40」の宅地建物取引業法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、そして、アフターサービスについても、毎年出題がある。
  そこで、瑕疵担保責任としてまとめましたので、これも、参考にしてください。
  平成20年管理業務主任者試験 「問41」 、 平成19年管理業務主任者試験 「問41」 など。
  民法で云う瑕疵担保責任とは、契約の当事者が給付した目的物またはその権利に欠陥(瑕疵)がある場合に負担する損害賠償その他の責任です。
  民法での売主の瑕疵担保責任は、同法第570条 (売主の瑕疵担保責任)
  「第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 」とあり、
 準用されている同法第566条 (地上権等がある場合等における売主の担保責任)
 「第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
  2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
  3  前二項の場合において、
契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 」とあります。
  隠れたる瑕疵とは...買主が取引上必要な普通の注意を払っても発見できないような物質的・法律的な欠陥(欠点)です。この瑕疵担保責任は、売主に故意又は過失がなくても負わなければならない「無過失責任」とされています。

2 不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」により、アフターサービスに関する特約をしても、売主は民法上の瑕疵担保責任を免れるものではない。

○ 適切である。 不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」については、平成19年管理業務主任者試験 「問41」 に詳細を載せていますから、参考にしてください。
   「アフターサービス」は、売買契約に基づき売主が自主的にサービスとして欠陥部分の補修を無償で行う任意の責任です。一方、民法上の瑕疵担保責任は法律の規定に基づく法定の責任で、「アフターサービス」とは別のものです。そこで、売主は、「アフターサービス」の特約をすればその実行責任と、民法上での「瑕疵担保責任」の両方を負います。

3 瑕疵担保責任の内容として、宅地建物取引業法により、買主からの瑕疵修補請求も認められている。

X 適切でない。 選択肢1で引用しました、民法第570条(準用第566条)では、売主の瑕疵担保責任の内容として、①損害賠償請求 、 ②目的を達せられない時は、契約の解除 ができると定めていますが、瑕疵の「修補請求」は入っていません
 また、宅地建物取引業法でも、買主の瑕疵修補請求を認める規定はありません。ただし、契約の特約として「瑕疵修補請求を認める」が入っていれば、それは買主にとって不利ではありませんからその特約は有効です。
(参考:宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任についての特約の制限)
 「第四十条  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第三項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
  2  前項の規定に反する特約は、無効とする。 」

4 アフターサービスの対象部位は、マンションの専有部分に限られ、共用部分は含まれないことが多い。

X 適切でない。 アフターサービスは任意のサービスですから、売主によってアフターサービスの対象部位は異なりますが、不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」では、アフターサービスの対象部位を、専有部分(室内)の床、畳、天井、洗面器具、厨房設備、浴室設備等のほか、共用部分である外壁、階段、エレベーター設備、給排水設備なども含めています。

答え:2 (ここは、易しい。)

問42

【問 42】 マンションの売主の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 売主が、瑕疵担保責任を負う期間は、マンションの引渡しの日から2年間である。

X 誤っている。 民法の瑕疵担保責任についての解説は、前問「問41」のまとめなども参考にしてください。ここの設問は、よくあるバターンですが民法だけをきいています。宅地建物取引業法は入っていません。
  民法で定める売主の瑕疵担保責任は、民法第570条(売主の瑕疵担保責任)
 「第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」とあり、
 準用される民法566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
 「第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
  2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
  3  前二項の場合において、
契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」とあり、民法第566条3項により、「買主が事実を知った時から一年以内」とありますから、契約締結時とか物件の引き渡し日から2年ではありません。瑕疵(欠陥)を見つけたときから、1年以内で行使できます。ただし、判例では、引き渡しから10年を経過すると時効となり、請求権がなくなるとしています。

2 民法上、瑕疵担保責任の内容として、瑕疵の修補請求は認められていないので、修補請求もできる旨の特約は無効である。

X 誤っている。 選択肢1で引用しましたように、民法第566条による瑕疵担保責任の内容は、①損害賠償の請求 と、②目的を達することが出来ない時には契約の解除 で修補請求は入っていませんが、契約で「修補請求もできる旨」を定めれば、それは有効です。契約は公序良俗等の縛りはありますが、原則自由に締結でき、当事者は守らなければなりません。

3 瑕疵担保に基づく損害賠償請求権は、目的物の引渡しの日から10年の経過により時効により消滅する。

○ 適切である。 ここは、平成18年管理業務主任者試験 「問42」 選択肢3 でも出た。
   選択肢1で説明をしてしまいましたが、最高裁:平成13年11月27日の判決で、瑕疵担保による損害賠償請求権は、
民法第167条1項の一般債権の時効の適用があり、目的物の引渡し時から10年の経過により消滅するとされました。
 参考:民法第167条(債権等の消滅時効)
 「第百六十七条  
債権は、十年間行使しないときは、消滅する
  2  債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。 」

4 瑕疵担保責任を負うべき「瑕疵」とは、客観的にみて契約の目的物が通常有すべき品質・性能を有しないことをいい、売主が特に保証した品質・性能を有しない場合には「瑕疵」に当たらない。

X 誤っている。 瑕疵担保責任での「瑕疵」の解釈ですが、一般には、客観的にみて契約の目的物が通常有すべき品質・性能を有しないことをいいますが、売主が、目的物につき見本その他の物によって特殊の品質・性能を有することを保証した時には、その特殊の標準によってこれを定めるという判例(大判:大正15年5月24日)があります。売主が特に保証した品質・性能を有しない場合も「瑕疵」に当たります。

答え:3 (瑕疵担保責任のまとめも参考のこと。) (平成21年は、住宅の品質確保の促進等に関する法律での瑕疵担保からは出題がなかった。音環境 「問23」 はありましたけど。)

問43

【問 43】 不動産登記法(平成16年法律第123号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 区分建物の所有権の保存登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も申請することができる。

○ 正しい。 管理業務主任者試験では、不動産登記法からも、時々出題がある。平成18年管理業務主任者試験 「問45」 が少し内容が違うが出題されている。参考:「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 「過去の出題分野の分析」
  所有権の保存登記とは、建物の新築などで所有権の登記の無い不動産(土地・建物)に対して初めてされる所有権の登記のことです。不動産登記法第74条(所有権の保存の登記)
 「第七十四条  所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
   一  表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
   二  所有権を有することが確定判決によって確認された者
   三  収用(土地収用法 (昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者
  2  
区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。」とあり、原則として登記記録の表題部に所有者として記録された者等が申請できますが(1項)、区分建物(マンション)においては、表題部所有者から所有権を取得した者も、登記を申請することができます(2項)。

2 登記記録の表題部には、表示に関する事項が記録され、土地建物いずれにおいても、当該不動産の評価額も記録される。

X 誤っている。 登記記録の表題部に記録されるのは、土地・建物共に不動産登記法第27条(表示に関する登記の登記事項)
 「第二十七条  
土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。
   一  登記原因及びその日付
   二  登記の年月日
   三  所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項 に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項 に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分
   四  前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの」とあり、
 さらに、
土地は、不動産登記法34条(土地の表示に関する登記の登記事項)
 「第三十四条  土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
   一  土地の所在する市、区、郡、町、村及び字
   二  地番
   三  地目
   四  地積
  2  前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 」とあり、
 また
建物は、不動産登記法第44条(建物の表示に関する登記の登記事項)
 「第四十四条  建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
   一  建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
   二  家屋番号
   三  建物の種類、構造及び床面積
   四  建物の名称があるときは、その名称
   五  附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
   六  建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨
   七  建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積
   八  建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称
   九  建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項 に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項 本文(同条第三項 において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
  2  前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。」とあり、
 
不動産の評価額は、土地・建物ともに、記録されません。(注:ただし、登記申請書には、課税標準は記載しますが。)

3 仮登記がなされた場合、その後に仮登記権利者以外の者に対する所有権移転の本登記をすることはできない。

X 誤っている。 仮登記とは、本登記をするのに必要な手続き上の要件または実体法上の要件が完備しない場合に、将来その要件が備わったときになすべき本登記の、登記簿上の順位を確保しておくために、あらかじめなされる予備的な登記のことです。仮登記には、対抗力はありません。この仮登記をしても、後から本登記のできる要件を具備した人が現れれば、その人に所有権移転の本登記がなされます

4 所有権に関するものであっても、所有権の仮登記、所有権の買戻権の登記は、登記記録の乙区欄に記録される。

X 誤っている。 不動産登記では、権利に関する登記として、所有権に関する登記(所有権の移転・仮登記・買戻し特約など)は、権利部の甲区に記録され、所有権以外の権利に関する登記(抵当権・賃借権・地上権など)は、権利部の乙区に記録されます(不動産登記規則4条4項参照)。所有権の仮登記、所有権の買戻権の登記は、登記記録の乙区欄ではなく、甲区欄に記録されます。
 参考:不動産登記規則4条4項
 「4  権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。」

答え:1 (ここは、選択肢1 を知っていれば、あとは知らなくてもできる。)

問44

【問 44】 各種の法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)によれば、高齢者、障害者等の円滑な利用を確保するための基準を満たす特定建築物の建築主は、所管行政庁の認定を受けることにより、建築物の容積率の特例の適用を受けることができる。

○ 正しい。 各種の法令からとは、一応、試験範囲が国土交通省で決められているから、出したという程度の扱い。こんな、出題まで、正解を出さなければいけないとは、解説者泣かせです。
   高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律は、平成6年に制定された、似たような法律(ハートビル法)から、改正され、平成18年に制定された「新バリアーフリー法」とも呼ばれる法律です。
 過去も、利用円滑化基準などでの出題はあります。ここは、平成16年マンション管理士試験 「問41」 選択肢2 で解説した部分です。 また、同法は、平成20年管理業務主任者試験 「問23」 もあります。

 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第19条(
認定特定建築物の容積率の特例
 「第十九条  建築基準法第五十二条第一項 、第二項、第七項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五(第二号イを除く。)、第六十八条の五の二(第二号イを除く。)、第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(同法第五十九条第一項 、第六十条の二第一項及び第六十八条の九第一項に規定するものについては、これらの規定に規定する建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。)の算定の基礎となる延べ面積には、同法第五十二条第三項 及び第六項 に定めるもののほか、第十七条第三項の認定を受けた計画(前条第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。第二十一条において同じ。)に係る特定建築物(以下「認定特定建築物」という。)の建築物特定施設の床面積のうち、移動等円滑化の措置をとることにより通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超えることとなる場合における
政令で定める床面積は、算入しないものとする。 」とります。
 そして、その政令は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(認定特定建築物の容積率の特例)
 「第二十四条  法第十九条 の政令で定める床面積は、
認定特定建築物の延べ面積の十分の一を限度として、当該認定特定建築物の建築物特定施設の床面積のうち、通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超えることとなるものとして国土交通大臣が定めるものとする。」とあり、
  認定特定建築物の延べ面積の十分の一を限度として、床面積は、算入しない特例があります。

2 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)によれば、都道府県、指定都市、中核市等は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。

○ 正しい。 こんな規定は知るわけないって世界です。動物の愛護及び管理に関する法律も 平成20年管理業務主任者試験 「問45」 選択肢4 でも、ありました。
  動物の愛護及び管理に関する法律第35条1項(犬及びねこの引取り)
 「第三十五条  都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、
犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。 」です。

3 自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和37年法律第145号)によれば、自動車の保有者が確保しなければならない当該自動車の保管場所は、自動車の使用の本拠の位置との間の距離が、1kmを超えないものでなければならない。

X 誤っている。 ここは、自動車を持っていて、駐車場を借りている人は、知っていたかも。自動車の保管場所の確保等に関する法律からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問45」 選択肢3 もある。また、自動車の保管場所と使用の本拠との距離、2kmを超えないは、平成13年マンション管理士試験 「問23」 でも出た。
  自動車の保管場所の確保等に関する法律第3条(保管場所の確保)
 「第三条  自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所(自動車の使用の本拠の位置との間の距離その他の事項について
政令で定める要件を備えるものに限る。第十一条第一項を除き、以下同じ。)を確保しなければならない。」とあり、
 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条(保管場所の要件)
 「第一条  自動車の保管場所の確保等に関する法律 (以下「法」という。)第三条 の政令で定める要件は、次の各号のすべてに該当することとする。
   一  
当該自動車の使用の本拠の位置との間の距離が、二キロメートル(法第十三条第二項 の運送事業用自動車である自動車にあつては、国土交通大臣が運送事業(同条第一項 の自動車運送事業又は第二種貨物利用運送事業をいう。)に関し土地の利用状況等を勘案して定める地域に当該自動車の使用の本拠の位置が在るときは、当該地域につき国土交通大臣が定める距離)を超えないものであること
   二  当該自動車が法令の規定により通行することができないこととされる道路以外の道路から当該自動車を支障なく出入させ、かつ、その全体を収容することができるものであること。
   三  当該自動車の保有者が当該自動車の保管場所として使用する権原を有するものであること。」とあり、
 2kmを超えないものです。1kmではありません。

4 消防法によれば、一定の防火対象物の管理権原者が選任する防火管理者は、防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある者で一定の資格を有したものでなければならない。

○ 正しい。 消防法での防火管理者については、出題が多いので、ここも知っていた人は多い? 消防法からの出題の詳細は、私の別ホームーページ 法律別過去問題 傾向と対策 を利用ください。
 消防法第8条1項
 「第八条  学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、
政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない。」とあり、
 そして、消防法施行令第3条本文(防火管理者の資格)
 「第三条  法第八条第一項 の
政令で定める資格を有する者は、次の各号に掲げる防火対象物の区分に応じ、当該各号に定める者で、当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるものとする。
 以下略」 とあり、正しい。

答え:3 (動物の愛護及び管理に関する法律か。管理業務主任者になるのも大変だ。)

問45

【問 45】 区分所有者が、自己所有の専有部分を賃貸しようとする場合に関する次の記述のうち、借地借家法(平成3年法律第90号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 株式会社その他の法人に賃貸する場合は、借地借家法の適用はない。

X 誤っている。 借地借家法からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問43」 などあるが、 ここの出題は、平成18年管理業務主任者試験 「問44」 が近い。また、平成22年 管理業務主任者試験 「問44」
 
  どことの混乱を狙っているのか設問の意図がまったく分かりませんが、株式会社その他の法人に賃貸する場合を借地借家法の適用から除外する規定はありません。

2 契約の更新がない定期建物賃貸借契約を締結する場合は、必ず公正証書によってしなければならない。

X 誤っている。 ここは、宅地建物取引主任者試験などではお馴染みの出題。
  借地借家法第38条1項(定期建物賃貸借)
 「第三十八条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、
公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。 」とあり、
 定期建物賃貸借契約をする場合には、必ず書面が必要ですが、それは公正証書等であれば構いません。必ず公正証書によってしなければならないものではありません。

3 賃貸人にとって居住の必要性が生じたときは、契約期間内であっても、解約申入れができるという特約は、たとえ予告期間を設けても無効である。

○ 正しい。 契約期間内での解約申入れは、借地借家法 第3章 借家 、第一節 建物賃貸借契約の更新等 の第27条(解約による建物賃貸借の終了)
 「第二十七条  建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
  2  前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。」とあり、
  借地借家法第30条(強行規定)
 「第三十条  
この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。」とあり、「賃貸人にとって居住の必要性が生じたときは、契約期間内であっても、解約申入れができるという特約」は、賃借人に不利と判断されますので、無効です。

4 契約期間を定めなかったときは、期間1年の賃貸借契約とみなされる。

X 誤っている。 契約期間を定めなかったときは、契約期間を定めなかったものとなります。推定の規定はありません。ただし、期間が1年未満とした時は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます。
 参考:(建物賃貸借の期間)
 「第二十九条  期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
  2  民法第六百四条 の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。 」
  民法第604条(賃貸借の存続期間)
 「第六百四条  賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。
  2  賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年を超えることができない。」

答え:3 

問46

【問 46】 マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)に関する次のアからエまでの記述のうち、適切なものはいくつあるか。


  毎年、「問46」から「問50」は、マンション管理士試験か管理業務主任者試験に合格した場合には免除される「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」及び本問の「マンションの管理の適正化に関する指針」から出題される。ここは、ほとんど過去にも、同じ問題がでているので、過去の年の「問46」から「問50」はやっておくと楽。


ア マンションが団地を構成する場合には、棟ごとに管理組合が組織されるため、各棟固有の事情を最優先に管理組合の運営をすることが重要であるが、必要に応じて、他棟との連携をとることが望ましい。

X 適切でない。 また、また個数問題。指針からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問46」 や、 平成16年マンション管理士 「問46」 もある。
  ここは、マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項  6 に近いのですが、「各棟固有の事情を最優先」などの記述はありません。
  参考:  マンションの管理の適正化に関する指針
 「6 その他配慮すべき事項
    マンションが団地を構成する場合には、
各棟固有の事情を踏まえながら、全棟の連携をとって、全体としての適切な管理がなされるように配慮することが重要である。
    また、複合用途型マンションにあっては、住宅部分と非住宅部分との利害の調整を図り、その管理、費用負担等について適切な配慮をすることが重要である。
 」

イ 管理組合がその機能を発揮するためには、その経済的基盤が確立されていることが重要である。このため、管理費及び特別修繕費等について必要な費用を徴収するとともに、これらの費目を明確に区分して経理を行い、適正に管理する必要がある。

○ 適切である。マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 4
 「4 管理組合の経理
    管理組合がその機能を発揮するためには、その経済的基盤が確立されていることが重要である。このため、管理費及び特別修繕費等について必要な費用を徴収するとともに、これらの費目を明確に区分して経理を行い、適正に管理する必要がある。
   また、管理組合の管理者等は、必要な帳票類を作成してこれを保管するとともに、マンションの区分所有者等の請求があった時は、これを速やかに開示することにより、経理の透明性を確保する必要がある。」とあります。

ウ 専有部分と共用部分の区分、専用使用部分と共用部分の管理及び駐車場の使用等に関してトラブルが生じることが多いことから、共用部分の範囲を明確にする一方で、トラブル解決のため管理費用の支出は柔軟に行うことが重要である。

X 適切でない。 設問に近いのは、 マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 3
 「3 共用部分の範囲及び管理費用の明確化
    管理組合は、マンションの快適な居住環境を確保するため、あらかじめ、共用部分の範囲及び管理費用を明確にし、トラブルの未然防止を図ることが重要である。
   特に、専有部分と共用部分の区分、専用使用部分と共用部分の管理及び駐車場の使用等に関してトラブルが生じることが多いことから、
適正な利用と公平な負担が確保されるよう、各部分の範囲及びこれに対するマンションの区分所有者等の負担を明確に定めておくことが望ましい。」とあり、「管理費用の支出は柔軟に行うことが重要である」とは、云っていません。

エ 集会は、管理組合の最高意思決定機関であるが、マンションの管理は、専門的な知識を必要とすることが多いため、マンション管理業者は、管理の主体者として、事前に必要な資料を整備するなど、常に管理組合をリードし、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。

X 適切でない。 誤解させるよくあるパターンの出題。
   これに近いのは、マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 1
 「1 管理組合の運営
    管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等、開かれた民主的なものとする必要がある。また、集会は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、
管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。」とあり、またマンションでの管理の主体は「管理組合」であり、マンション管理業者ではありません。

一つ
二つ
三つ
四つ

答え:1 (適正なのは、イ 1つだけ。)

高層住宅管理業協会の発表:1

問47

【問 47】 管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下本問において同じ。)に関する次のアからエまでの記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 管理業務主任者が、管理業務主任者証の有効期間が過ぎたにもかかわらず、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなかったときは、10万円以下の過料に処せられる。

○ 正しい。 またまた、個数問題だ。平成21年の管理業務主任者試験では、個数問題が多い。正確な知識がないと、正解にならない。
  マンション管理適正化法第60条4項
 「4  管理業務主任者は、前条第一項の登録が消除されたとき、又は
管理業務主任者証がその効力を失ったときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなければならない。 」とあり、
 そして、罰則はマンション管理適正化法第113条2号
 「第百十三条  
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する
   一  第五十条第一項の規定による届出を怠った者
   二  
第六十条第四項若しくは第五項、第七十二条第四項又は第七十七条第三項の規定に違反した者
   三  第七十一条の規定による標識を掲げない者」に該当します。

イ マンション管理業者が管理組合の管理者等に選任されていない場合であって、管理業務主任者が管理者等に対して管理事務の報告を行うに際し、当該管理者等からの請求がなかった場合には、管理業務主任者証の提示を行わなくても、マンション管理適正化法に違反しない。

X 誤っている。 マンション管理適正化法第77条(管理事務の報告)
 「第七十七条  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
  2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
  3  
管理業務主任者は、前二項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。 」とあり、3項により管理者等からの請求の有無に関わらず、管理業務主任者証を提示しなければなりません。

ウ 管理業務主任者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。

X 誤っている。 マンション管理適正化法第75条(帳簿の作成等)
 「第七十五条  
マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。」とあり、帳簿を作成し、これを保存するのは、当然ながらマンション管理業者です。管理業務主任者ではありません。

エ 管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約の締結に先立ち、マンション管理業者がマンションの区分所有者等及び管理組合の管理者等に交付する重要事項を記載した書面への押印は、管理業務主任者でない者が管理業務主任者に代わって行うことができる。

X 誤っている。 マンション管理適正化法第72条5項
 「5  マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定により交付すべき書面を作成するときは、
管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。」とあり、契約に先立って交付すべき書面(重要事項説明書)には管理業務主任者の記名・押印が必要です。このために、専門家である管理業務主任者が定められています。他の管理業務主任者でない者が管理業務主任者に代わって行うことはできません。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:3 (誤っているのは、3つ。 イ ウ エ)

高層住宅管理業協会の発表:3

問48

【問 48】 マンション管理業者が行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。

1 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、当該マンション管理業者が商号を変更したが、重要事項の説明会は開催しなかった。

○ 適切である。 ここは、マンション管理適正化法と国土交通省から出された通達「従前の管理委託契約と同一の条件」も知らないと解答できない。
   まず、重要事項の説明会の開催は、マンション管理適正化法第72条(重要事項の説明等)
 「第七十二条  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約(新たに建設されたマンションの当該建設工事の完了の日から国土交通省令で定める期間を経過する日までの間に契約期間が満了するものを除く。以下「管理受託契約」という。)を締結しようとするとき(次項に規定するときを除く。)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの(以下「重要事項」という。)について説明をさせなければならない。この場合において、マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。
  2  マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。」とあり、
 通常、管理委託契約の締結に先立ち、重要事項の説明会の開催が必要ですが、2項により 「従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするとき」には、重要事項説明会の開催が求められていません。
 そこで、
「従前の管理受託契約と同一の条件」とは何かが、国土交通省から平成13年7月31日:国総動第51号で出されその追加例示として、平成14年2月28日:国総動第309号があります。
 それによると、従前の管理受託契約と同一の条件とは、
  
①「マンション管理業者の商号又は名称、登録年月日及び登録番号」の変更
  ② 従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。以下同じ。)を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額しようとする場合
  ③ 従前の管理受託契約に比して管理事務の内容及び実施方法の範囲を拡大し、管理事務に要する費用の額を同一とし又は減額しようとする場合
  ④ 従前の管理受託契約に比して管理事務に要する費用の支払いの時期を後に変更(前払いを当月払い若しくは後払い、又は当月払いを後払い)しようとする場合
  ⑤ 従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮しようとする場合
  ⑥ 管理事務の対象となるマンションの所在地の名称が変更される場合
  です。
  設問の「マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、当該マンション管理業者が商号を変更」は、例示の①に該当しますから、重要事項の説明会は開催しなくても適切です。

2 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約に比して管理事務の内容及び実施方法の範囲を縮小し、それに伴い管理事務に要する費用の額を減額したが、重要事項の説明会は開催しなかった。

X 適切でない。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示②では、「② 従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。以下同じ。)を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額しようとする場合」ですが、設問は、「従前の管理受託契約に比して管理事務の内容及び実施方法の範囲を縮小」ですから、重要事項の説明会は開催は必要です。

3 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額したが、重要事項の説明会は開催しなかった。

○ 適切である。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示「② 従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。以下同じ。)を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額しようとする場合」に該当します。

4 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮したが、重要事項の説明会は開催しなかった。

○ 適切である。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示⑤「 ⑤ 従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮しようとする場合」に該当します。

答え:2 (国総動第51号や国総動第309号は、過去にも出題があったかと思い調べたが、ない? 管理業務主任者の講習会で聞いたのか、覚えていた。しかし、出題として適切でない個所から出ている。)
  度々、管理規約のコメントからの出題や、通達からの出題を不適切と指摘しているのは、省庁の解釈や通達は、法律ではありません。これらは、内部的な拘束をしても、外部の人を拘束する物ではないからです。それを、国家試験という、外部の人間が絡む事態で正解だとか、誤っていると求めるのは不適切なためです。)

問49

【問 49】 マンション管理業者に課せられている義務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定に違反するものはどれか。

1 マンション管理業者は、国土交通大臣に登録している事務所の所在地を変更したので、変更のあった日の21日後に、その旨を国土交通大臣に届け出た。

○ 違反しない。 登録している事務所の所在地を変更すると、マンション管理適正化法第48条1項(登録事項の変更の届出)
 「第四十八条  マンション管理業者は、第四十五条第一項各号に掲げる事項に
変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」とあります。
 また、マンション管理適正化法第45条1項(登録の申請)
 「第四十五条  前条第一項又は第三項の規定により登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)は、国土交通大臣に次に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
   一  商号、名称又は氏名及び住所
   二  事務所(本店、支店その他の国土交通省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)の名称及び所在地並びに当該事務所が第五十六条第一項ただし書に規定する事務所であるかどうかの別
   三  法人である場合においては、その役員の氏名
   四  未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
   五  第五十六条第一項の規定により第二号の事務所ごとに置かれる成年者である専任の管理業務主任者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の氏名」で、変更があってから30日以内なら、違反しません。

2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち、当該管理組合の会計の収入及び支出の調停に関する事務を、当該マンション管理業者とは別のマンション管理業者に再委託をした。

○ 違反しない。 これは、よく出題される。平成19年マンション管理士試験 「問48」 選択肢1 や 平成19年管理業務主任者試験 「問48」 選択肢2 なども。
   マンション管理適正化法第74条(再委託の制限)
 「第七十四条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち
基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない
 そいて、基幹事務とは、2条6号
 「六  管理事務 マンションの管理に関する事務であって、
基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。 」 とあり、基幹事務には、大きく分けると ①管理組合の会計の収入及び支出の調定 、 ②出納 、③維持又は修繕に関する企画又は実施の調整 があります。法律ではこの基幹事務の全てを一括して他人への再委託は禁止されていますが、一部の再委託は許されています。また、基幹事務の一部ずつ、そして全てを複数の者に分割して再委託も禁止です。

3 マンション管理業者は、裁判において証人尋問を受けた際、その業務に関して知り得た秘密について証言した。

○ 違反しない。 マンション管理適正化法第87条(使用人等の秘密保持義務)
 「第八十七条  マンション管理業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がなく、マンションの管理に関する事務を行ったことに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。マンション管理業者の使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする。 」とあり、秘密保持義務がありますが、「正当な理由」として、①裁判上の証言等法律上の義務がある時、 ②相手方の承諾のある時 が上げられます。裁判での証言は正当な理由があります。

4 マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときに、マンション管理適正化法第73条に定める事項を記載した書面を作成し、自らが当該管理組合の管理者等であったので、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に代わって管理者等として当該書面の交付を受けた。

X 違反する。 マンション管理適正化法第73条1項(契約の成立時の書面の交付)
 「第七十三条  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該
管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。」とあり、設問の場合には、マンションの区分所有者等全員に対し、遅滞なく、当該書面を交付しなければなりません。マンション管理業者は区分所有者等に代わって管理者等として当該書面の交付を受けてはいけません。

答え:4  

問50

【問 50】 財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反しないものはどれか。ただし、マンション管理業者は、当該管理組合の管理者等でないものとする。


 (注:マンション管理業者が管理組合の金銭を横領する事件により、大幅に改正された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条」が平成22年5月1日から施行となった。
 財産の分別管理業務主任者の方式は変更があった。ここは、もうやらない方がいいかも。


1 保証契約(マンション管理適正化法施行規則第53条第1項第11号に規定する保証契約をいう。以下本問において同じ。)を締結したマンション管理業者が、収納代行方式により管理組合の修繕積立金等金銭を管理するときに、修繕積立金等金銭をマンション管理業者を名義人とする口座に預入し、当該修繕積立金等を徴収してから1月以内に、このうち修繕積立金のみを、当該管理組合又はその管理者等(以下本問において「管理組合等」という。)を名義人とする口座に移し換えた。

X 違反する。 まず、マンション管理適正化法第76条(財産の分別管理)
 「第七十六条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。」 によって、マンション管理業者は、①原則方式、 ②収納代行方式、 ③支払一任方式 のどれかに沿って、業者の財産と管理組合の財産を分けて管理します。
 
収納代行方式は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条3項に規定されますが、概要は、管理業者名義の口座に、各区分所有者から振り込みがあり、そこから管理に要する費用を差し引いて、1ヶ月後に、管理組合名義の口座に、管理費の残金と修繕積立金を移します。この、②収納代行方式と③の支払一任方式の場合には、保証契約(現在:(社)高層住宅管理協会がやっています)が必要です。
 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条3項(財産の分別管理)
 「3  マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、当該マンション管理業者が、
収納代行方式(マンション管理業者が、管理組合から委託を受けてマンションの区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭を当該マンション管理業者を名義人とする口座に預入し、当該口座から払出した金銭により管理事務を行うこととする当該修繕積立金等金銭の管理方法をいう。)により修繕積立金等金銭を管理するときは、マンション管理業者がマンションの区分所有者等から当該修繕積立金等を徴収してから一月以内に、当該一月以内の期間に管理事務に要した費用を当該修繕積立金等金銭から控除した残額を、管理組合等を名義人とする口座に移し換えるときに限り、前項の規定は適用しない。」とあり、
 「修繕積立金のみ」ではなく、
残金の全てです。この場合、管理組合は、通帳か印鑑のいずれかを保管します。

2 管理組合に管理者等が置かれている場合において、マンション管理業者が保証契約を締結せずに、修繕積立金等金銭を、管理組合等を名義人とする口座において預貯金として管理し、その預貯金通帳と印鑑を同時に管理している。

X 違反する。 修繕積立金等が金銭で、各区分所有者からの振込み口座の名義が、管理組合なら、これは、原則方式と呼ばれます。その場合、保証契約を締結しなくてもいいですが、管理組合に管理者等が置かれている場合には、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条4項
 「4  マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を管理する場合において、当該修繕積立金等金銭を管理するための管理組合等を名義人とする
預貯金通帳と当該預貯金通帳に係る管理組合等の印鑑を同時に管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り、当該管理組合の預貯金通帳と当該預貯金通帳に係る印鑑を同時に保管する場合は、この限りでない。」とあり、
 預貯金通帳と印鑑は、同時に保管できません。

3 保証契約を締結したマンション管理業者が、支払一任代行方式により管理組合の修繕積立金等金銭を管理するときに、修繕積立金等金銭を管理組合等を名義人とする口座に預入し、当該修繕積立金等を徴収してから1月以内に、このうち修繕積立金のみを、当該管理組合等を名義人とする修繕積立金を管理するための別の口座に移し換えた。

○ 違反しない。 支払一任代行方式の概要は、各区分所有者からの振込み口座の名義は、管理組合です。そこから、諸費用を支払い、管理会社が1ヶ月以内に、修繕積立金を管理組合の積立金の口座に移しかえます。この場合には、収納代行方式と同様に保証契約が必要です。
 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条5項
 「5  マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、当該マンション管理業者が、
支払一任代行方式(管理組合等がマンションの区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭を管理組合等を名義人とする口座に預入し、マンション管理業者が管理組合から委託を受けて当該口座から払出した金銭により管理事務を行うこととする当該修繕積立金等金銭の管理方式をいう。)により当該修繕積立金等金銭を管理するときは、管理組合等がマンションの区分所有者等から当該修繕積立金等を徴収してから一月以内に、このうち修繕積立金を、当該管理組合等を名義人とする修繕積立金を管理するための別の口座に移し換えるときに限り、前項の規定は適用しない。」とあり、違反しません。この場合、管理組合は、通帳か印鑑のいずれかを保管します。

4 管理組合の修繕積立金等が有価証券であったため、マンション管理業者は、金融機関において、当該有価証券を他の管理組合の有価証券と同一の保管場所で管理している。

X 違反する? 有価証券(小切手、国債、商品券、積立型マンション保険証券など)の保管は、金融機関や証券会社であれば、保管場所として許されますが、その場合には、自社関係の有価証券と区別することは当然ながら、委託されている他の管理組合の有価証券と区別できる状態が求められています。この設問では、保管の方法が明確ではないのですが、他の管理組合の有価証券と同一の保管場所は適切でないのでしょう。
 参考:マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条6項
 「6  マンション管理業者は、受託有価証券を管理する場合にあっては、受託有価証券の預り証を保管してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。」

答え:3 

ここまで、問50


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最終更新日:
2012年 6月22日:正解肢をピンク・太字で統一。
「問26」、「問29」、「問31」、「問34」、「問35」、「問36」、「問37」、「問38」に平成23年7月の標準管理規約の改正入。
2011年 2月 5日:再確認済。
2011年 1月23日:「問34」 選択肢3 を改訂
2010年11月 1日:「問34」に見直し検討会の動きを追記。
2010年 3月20日:「問38」に追記。
2010年 3月17日:「問39」の支分権を補記
2010年 2月16日:再チェックで補足。
2010年 1月26日:「問34」の解説追記。
2010年 1月22日:高層住宅管理業協会の発表を受けて、「問33」 追記など。
2010年 1月14日

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