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マンション管理士・管理業務主任者

平成22年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ1(問1より問25まで)

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謝辞:問題文の提供に当たっては、永井様、阿部様、小塩様、古沢様の協力を頂いております。

{出題者注} *答は、各問題とも1つだけです。2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。解答は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
        *問題中の法令等に関する部分は、平成22年5月1日現在で施行されている規定に基づいて出題されています。

解説者からのコメント:あやふやな出題、適切でない出題もあって、解答ができないのもあります。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問1

【問 1】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1 号に規定するものをいう。以下同じ。)の建物及び敷地の共有持分の割合に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第 69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 専有部分が共有されている場合に、各共有者の持分の割合は、相等しいものと推定される。

○ 正しい。 まず、区分所有法では、条文で「マンション」という用語が使用されていないことに注意してください。そこで、マンション管理士・管理業務主任者試験では、「マンション」という用語を使用する際には、定義として「マンション管理適正化法」第2条1号イ を使用することになります。
 「マンション管理適正化法」第2条1号イ は、
 「(定義) 
 第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
   一  
マンション 次に掲げるものをいう。
     イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設
     ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設」 です。
   イの要件としては、@2人以上の区分所有者 がいて、 A人の居住用の専有部分が1つでもあればいい となっています。

  そして、マンションでの建物の部分は、個人が所有できる 「@専有部分(平たくいうと「室」です)」と、区分所有者全員が共有している「A共用部分」に分かれます。
 区分所有法では、A共用部分については、マンションという1つの建物内に複数の人々が暮らすという特殊性から、民法の共有の規定とは異なった規定が設けられています。
 そこで、設問の「専有部分が共有されている場合」には、区分所有法の規定はありませんから、民法へ戻ります。民法第250条
 「(共有持分の割合の推定)
  
第二百五十条  各共有者の持分は、相等しいものと推定する。」とあり、
 正しい。  (この辺りの出題は、もう常識とも言えます。しかし、「ただし、分譲契約、共有者間に別段の定めはないものとする。」ぐらいのコメントは、欲しい設問です。 平成20年 マンション管理士試験 「問1」 など) 




2 共用部分の各共有者の持分の割合は、その有する専有部分の床面積の割合によるが、規約で別段の定めをすることを妨げない。

○ 正しい。 専有部分と異なり、共用部分の各共有者の持分の割合については、区分所有法の規定があります。
  区分所有法第14条
 「(共用部分の持分の割合)
  第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
   2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
   3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
   4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」とあり、
 原則は、1項により、 「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合によります」が、4項で「規約で別段の定めをすることを妨げない」が規定されています。



3 一部共用部分の各共有者の持分の割合は、その有する専有部分の床面積の割合によるが、規約で別段の定めをすることを妨げない。

○ 正しい。 一部共用部分とは、区分所有法第3条
 「(区分所有者の団体)
  第三条  区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。」とあり、
  「一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分」です。区分所有法の勉強を始めた当初は分かり難い箇所ですが、1棟の建物で、下が店舗部分、上が住居部分をイメージしてください。そこで、明らかに、店舗部分だけに使用される入口や廊下、また居住部分の人だけに専用のエレベーターや廊下が、各々一部共用部分となります。
 そこで、設問の「一部共用部分の各共有者の持分の割合」については、選択肢2で引用しました区分所有法第14条2項
 「 2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。」とあり、
 これも、第14条4項で「規約で別段の定め」ができます。



4 敷地の各共有者の持分の割合は、その有する敷地上の建物の専有部分の床面積の割合によるが、規約で別段の定めをすることを妨げない。

X 誤っている。 区分所有法では、建物の共用部分については、区分所有法で様々な規定がありますが、土地(敷地)の持分までは規定していません。設問の様な「敷地上の建物の専有部分の床面積の割合によるが、規約で別段の定めをすることを妨げない」の規定はありません。敷地の各共有者の持分の割合は、分譲時に決められ、決めていなければ、選択肢1のように、民法第250条により、「相等しい」と推定されます。

答え:4 (ここら、建物の共用部分と敷地の出題は、区分所有法の基本です。似たような出題は、毎年あります。 平成22年 マンション管理士試験 「問1」 や、「問2」 にもありますから、そちらも参考にしてください。管理業務主任者試験の出だしは、易しい? なお、区分所有法の詳細な解説は、私の別途 「超解説 区分所有法」 を参考にしてください。)

問2

【問 2】 マンションの管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。 以下同じ。)であるB(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいもの はどれか。

1 A及びBの債務が共に弁済期にある場合には、Aは、Bが委託業務に係る債務の履行の提供前であっても、委託業務費の支払債務の履行を拒むことができない。

X 誤っている。 契約については、平成19年 管理業務主任者試験 「問1」 を参照。 また、同時履行の抗弁権は、 平成22年 マンション管理士試験 「問12」 の賃貸借 は注意のこと。

  図を書きましょう。 A=管理組合、 B=業者 です。このような契約は、契約の当事者が互いに債務を負担するので、双務契約と呼ばれます。

   
 
   契約の効力として、公平の理念があります。それは、二つの契約(双務契約)は、原則として同時に履行されるべきだという考え方です。これは、同時履行の抗弁権と呼ばれています。そこで、民法第533条
 「(同時履行の抗弁)
  第五百三十三条  
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 」とあり、
 共に、弁済期にあれば、相手の債務の履行の提供がなければ、自己の債務の履行を拒めます



2 Bが、A及びB双方の責めに帰することができない事由によって委託業務に係る債務を履行することができなくなったときには、Bは、Aに対して、委託業務費の半分の支払いを請求することができる。

X 誤っている。 契約当事者、双方の責めに帰することができない事由で債務の履行ができない時は、民法第536条
 「(債務者の危険負担等)
  第五百三十六条  前二条に規定する場合を除き、当事者
双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない
   2  債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。 」とあり、
 1項により、業者Bは反対給付(委託業務費)を受けることができません。これは、全額を含みますから、業者Bは半分の支払いも請求できません。



3 Bが、Aの責めに帰すべき事由によって委託業務に係る債務を履行することができなくなったときには、Bは、Aに対して、委託業務費の支払いを請求することができる。

○ 正しい。 管理組合Aの責めに帰すべき事由(つまり、業者Bには、責めに帰すべき事由がない)で、管理組合Aが債務の履行(委託業務費の支払い)が出来なくなった場合には、選択肢2で引用しました、民法第536条2項
 「 2  債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。 」とあり、
 委託業務費の支払については、業者Bは、管理組合Aに対して、委託業務費の支払いを請求することができます。


4 Aが、Bに対して、管理委託契約の解除の意思表示をした場合でも、Aは、その意思表示を撤回することができる。

X 誤っている。 契約は当然解除できますが、民法第540条
 「(解除権の行使)
  第五百四十条  契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
   2  前項の意思表示は、
撤回することができない。」とあり、
 2項により、一度契約を解除すると、その撤回を認めていません。これは、任意な撤回を認めると、相手方が不利になるためです。

答え:3  (それほど、難しくはない出題?)

問3

【問 3】 民法で定める代理人と区分所有法で定める管理者又は理事を比較した場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。                 

1 民法上の代理人の行った権限内の代理行為の効力は、本人に対して生じ、管理者の行った職務の範囲内の行為の効力は、区分所有者に対して生ずる。

○ 正しい。 「問3」の全体の解説として、区分所有法での、管理者はその職務について区分所有者を代理していますが、管理組合法人では、理事は代表であり、区分所有者を代理しているのは、管理組合法人であることを知っていると楽です。平成20年 管理業務主任者試験 「問36」 など。
  まず、民法の代理人の権限は、民法第99条
 「(代理行為の要件及び効果)
  第九十九条  
代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる
   2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。」とあり、
 代理行為の効力は、本人に対して生じますから、選択肢1の前半は正しい。
 では、区分所有法での管理者の代理についての規定は、区分所有法第26条
 「 (権限)
  第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
   2  
管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
   3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
   4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
   5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。」とあり、
 2項により、管理者は区分所有者を代理しています。そこで、民法が規定していますように、代理の結果は本人(区分所有者)に対して効果を生じますから、正しい。 民法でも区分所有法でも正しい。


2 権限の定めのない民法上の代理人は、保存行為をする権限を有しないが、管理者は、保存行為をする権限を有する。

X 誤っている。 権限を定めていない代理人とは、代理権は明らかに持っていますが、その権限の範囲が決められていない場合です。その場合に、代理人ができる範囲は、まず、民法第103条
 「(権限の定めのない代理人の権限)
  第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
    
一  保存行為
    二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」とあり、
 1号により、保存行為(修理や現状維持)はできますから、誤っています。
 次に、区分所有法での管理者の権限は、この設問では曖昧です。
 というのは、区分所有法では、専有部分と共用部分があり、管理者が保存行為が出来るのは、選択肢1で引用しました区分所有法第26条1項
 「管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において
「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」とあり、管理者の保存行為が、共用部分等に限定されていて、設問のように単に保存行為を有する権限となると、専有部分について疑問がありますが、ここは、固いことを言わずに、管理者には、保存行為ができる、と言わせたいのでしょう。
 でも、設問の前半の民法の権限の定めのない代理人においては、誤りです。
 なお、共用部分の保存行為は、管理人だけでなく各共有者もできますから、注意してください。
 (区分所有法第18条1項:(共用部分の管理)
  第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。
ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 )


3 管理組合法人においては、理事が民法でいう代理人に該当し、管理組合法人が民法でいう本人に該当する。

X 誤っている。 よく出題される、管理組合法人の理事管理者の違いです。
  ここは、単純に、区分所有法第47条6項
 「6  
管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。 」とあり、
 区分所有者を代理しているのは、管理組合法人です。理事ではありません。
 なお、理事は、区分所有法第49条
 「(理事)
  第四十九条  管理組合法人には、理事を置かなければならない。
   2  理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
   
3  理事は、管理組合法人を代表する
   4  理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
   5  前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
   6  理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
   7  理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
   8  第二十五条の規定は、理事に準用する。 」とあり、
  3項により、管理組合法人を
代表しています。(代理と代表の違いは、別途勉強してください。)


4 民法上の代理人が損害保険契約をするためには本人から代理権を授与される必要があるが、管理者は、権限内の行為として自己の判断により共用部分につき損害保険契約をすることができる。

X 誤っている。 まず、民法で代理人が損害保険契約をするためには、選択肢2で引用しました、民法第103条
 「(権限の定めのない代理人の権限)
  
第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する
    一  保存行為
    二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」の
 権限の定めのない代理権の範囲には入っていませんから、本人から代理権を授与される必要があります。そこで、前半は正しい。
 では、区分所有法での管理者の権限は、これも、選択肢1で引用しました区分所有法第26条2項
 「2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。」とあり、
 損害保険契約に基づく保険金額の返還金の請求及び受領は、管理者の権限として、単独可能ですが、共用部分に損害保険契約をする行為については、区分所有法第18条
 「(共用部分の管理)
  第十八条  
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
   2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
   3  前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。
   
4  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。 」とあり、
 4項により、保存行為でなく、管理に関する事項とみなされていますから、自己の判断では出来ません。集会の決議が必要です。


答え:1 (ここも、過去問題をやっていれば、解答は早い。代理は、今までは、区分所有法からだけの出題であったが、民法を絡めた出題だ。))

問4

【問 4】 甲マンション(以下本問において「甲」という。)の管理組合A(以下本問において「A」という。)と株式会社B(以下本問において「B」とい う。)との間におけるアからエの各事項のうち、民法の規定によれば、Aの管理者であり、かつ、Bの代表取締役であるC(以下本問において「C」という。) が、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができるものはいくつあるか。

ア Cが、BとAとの間で、甲の補修工事につき請負契約を締結すること。

事前の許諾が必要である。 平成23年 管理業務主任者試験 「問1」 。
 ここも、図を書いてみること。 A=甲マンションの管理組合、 B=請負会社、 C=管理者(区分所有者の代理人)であり請負会社の代表取締役

    

  ここの出題の意図は、民法で通常、代理人が、両当事者の利益を損なう恐れがあるために、規定としてある民法第108条
 「(自己契約及び双方代理)
  第百八条  同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。」に該当するか、どうかをきいています。これは、また利益相反事項に該当するか、どうかでもあります。また、ただし書きも重要です。
 設問の請負工事は、管理組合の管理者であるCが、自己の会社のためにする行為であるため、契約の締結に当たっては、同第108条に該当し、同条ただし書きによって、管理組合の事前の許諾が必要です。



イ Cが管理者となる前にAとBとの間で有効に成立した管理委託契約に基づいて、Bに委託業務費の支払いをすること。

事前の許諾は不要である。 管理者となる前であれば、もう契約は成立していますから、民法第108条のただし書き「債務の履行に該当」して、事前の許諾は不要です。


ウ 甲の電気設備の設置工事につきAとBとの間で請負契約を締結した際に、Cが、AのBに対する同契約に基づく請負代金債務について保証人となること。

事前の許諾は不要である。 CがA管理組合の保証人になることは、管理者の立場ではなく、C個人の立場であると解されますから、これは、特に、管理組合に不利益ではないため、管理組合の事前の許諾は不要です。


エ Cが、BとAとの間で、Bの製造した高性能の防犯カメラを市価の半額でAに販売し、無償で甲への設置工事を行う契約を締結すること。

事前の許諾が必要である。 前半の「Bの製造した高性能の防犯カメラを市価の半額でAに販売」が、例え「半額」であっても、利益相反行為に該当しますから、事前の許諾が必要となります。なお、後半の「無償で甲への設置工事を行う」が、販売を伴わない場合には、管理組合だけの利益ですから、事前の許諾は不要です。


1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:2 (事前の許諾が不要なのは、イとウ。)  (利益相反の設問の意図が、分からなかった人が多かったようだ。 もう、平成22年の管理業務主任者試験では、いくつあるか、の個数問題がでている。)

問5

【問 5】 マンションにおいて、その建物又は敷地上の工作物若しくは樹木についての設置・保存又は栽植の瑕疵(かし)により、他人に損害が発生した場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  建物の設置又は保存の瑕庇により他人に損害が発生した場合には、その瑕疵は共用部分の設置又は保存の瑕疵とみなされるので、瑕疵の所在部分を問わず、当該マンションの管理組合が損害賠償責任を負う。

X 誤っている。 似たような出題が、平成22年 マンション管理士試験 「問17」 にもあるので、こちらも参照のこと。また、平成23年 マンション管理士試験 「問14」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問6」 など。
  まず、マンションでの、建物の設置又は保存の瑕庇により他人に損害が発生した場合となると、区分所有法第9条
 「(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)
  第九条  建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、
その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。」の規定です。
 設問は、「みなす」とあり、ここが、第9条の「推定する」において間違いです。
 「推定する」により、一応それがあるものとして効果が生じますが、異なる反証が成立すれば、効果はなくなります。それで、請求を受けた管理組合は、どこか特定の専有部分が原因だと反証できれば、区分所有者全員(管理組合)の責任から、その専有部分の所有者の責任とすることができ、損害賠償は該当の専有部分の区分所有者となることがあります。
 なお、この区分所有法第9条は、民法第717条
 「(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
  第七百十七条  土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、
その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
   2  前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
   3  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」の規定の特則規定として存在します。
 マンションでは、その建物は、区分所有者個人が所有している「専有部分(室)」と区分所有者全員の共有関係にある「共用部分(外壁・躯体・廊下・玄関など)」で構成され、瑕疵の発生が建物の専有部分が原因ならその区分所有者の責任として追求できますが、多くの場合、水漏れなど、原因が専有部分にあるのか、共用部分か分からないことがあります。そこで、一応共用部分が原因として区分所有者全員の責任としています。これが、区分所有法第9条の「推定する」の意味です。
 ここが、戸建などでの、民法第717条の瑕疵担保責任と大きく異なっている点です。
 マンションでは、基本的に、建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定し、共用部分の占有者また区分所有者全員が責任を負います。なお、損害を受けた他人には、そのマンション内での被害者も区分所有者全体との関係では含めます。



2 敷地上の樹木の栽植の瑕疵により他人に損害が発生した場合に、樹木は土地の工作物ではないので、樹木の栽植を行った者が損害賠償責任を負い、樹木の占有者は責任を負わない。

X 誤っている。 確かに、土地の工作物とは、建物や堤防などを指し、敷地上の樹木の栽植は「土地の工作物」ではありませんが、選択肢1で引用しました、民法第717条
 「第七百十七条  土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
   
2  前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
   3  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」の
 2項により、敷地上の樹木の栽植の瑕疵により他人に損害が発生した場合にも、1項
 「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」により、
 樹木の占有者が損害賠償責任を負います。なお、この場合、樹木の栽植を行った者に責任があれば、その者に、占有者は求償できます(3項)。



3 建物の専有部分を賃借人が占有している場合に、その専有部分の瑕疵により他人に損害が発生したときには、その賃借人が損害賠償責任を負い、区分所有者である賃貸人が責任を負うことはない。

X 誤っている。 賃借人は、選択肢1で引用しました民法第717条での占有者ですから、1項の規定「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」により、賃借人が必要な注意をしたのにもかかわらず、他人に損害を発生させれば、賃貸人である区分所有者が損害賠償責任を負うこともあります。


4 区分所有者が自ら居住している建物の設置又は保存の瑕疵により他人に損害が発生した場合において、損害の原因について当該区分所有者以外の者にその責任を負う者があるときでも、当該区分所有者は責任を免れるわけではない。

○ 正しい? 
設問が実に「当該」が多くて分かり難いが、マンションでは、共用部分が原因で損害を発生させた時には、まず、自ら居住している占有者である区分所有者に責任があり、その区分所有者が、必要な注意を払ったので、自分の責任でないと証明をすると、今度は、共用部分であるために、共用部分を共有している所有である区分所有者全員(管理組合)の責任となります。選択肢2で引用した民法第717条1項参照。マンションの団体の一員としては責任を負います。それを、言っているようです。なお、損害の原因についてその責任を負う者に対しては、別途、求償できます。(民法第717条3項)


答え:4 (選択肢1から3までは誤っているのは、すぐに分かるが、選択肢4の文章が分かり難い! 団体の概念(区分所有法第3条)までを、絡めた出題意図があるのか?)
高層住宅管理業協会の正解:4

問6

【問 6】 マンションの管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者B(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約 (以下本問において「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


ア 本件契約がAの管理者であるCの錯誤に基づいて締結された場合には、Aは、Cに重大な過失があるときでも、同契約の無効を主張することができる。

X 誤っている。 平成23年 管理業務主任者試験 「問1」 。
  まず、管理者Cの錯誤での行為を見てみましょう。
  錯誤は、民法第95条
 「(錯誤)
  第九十五条  
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。 」とあり、
 ただし書きで、表意者である管理者Cは、錯誤で重大な過失があれば、無効を主張できなくなっています。
 次に、管理者Cは、管理組合Aとの関係において、代理の関係にあります。
 これは、区分所有法第26条
 「(権限)
  第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
   
2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。 」とあり、
 管理委託契約の締結行為を細かく追及すると、問題があるのですが、ここは、管理委託契約の締結が集会の決議なり、規約なりで、管理者の職務となったとして、今度は、民法第101条
 「(代理行為の瑕疵)
  第百一条  意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、
その事実の有無は、代理人について決するものとする
   2  特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。」とあります。
 1項の「意思の不存在」には、錯誤や心理留保、虚偽表示が該当していますから、代理人において、無効が主張できない場合には、 区分所有者の団体である管理組合Aも無効を主張できません。



イ かつてAの管理者であったが、現在は管理者でないCが、自ら管理者と称して本件契約を締結した場合に、BがCを管理者であると信じ、かつ無過失であったときには、Bは、同契約が有効であることを主張することができる。

○ 正しい。 かって代理権を持っていたが、今は持っていない者の行為は、民法第112条
 「(代理権消滅後の表見代理)
  第百十二条  代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。 」とあり、
 第三者である業者Bに過失がなければ、業者Bは契約が有効であると主張できます。



ウ 本件契約がAとBとの通謀虚偽表示に当たる場合であっても、当事者間においては同契約の効力は妨げられない。

X 誤っている。 相手方と通じて虚偽表示(通謀虚偽表示)をすると、民法第94条
 「(虚偽表示)
  第九十四条  相手方と通じてした虚偽の意思表示は、
無効とする。
   2  前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。 」とあり、
 最初から無効ですから、当事者間においても、なんら効力を持ちません。



エ 本件契約がAの管理者であるCによって締結された場合に、Cが制限行為能力者であっても、同契約の効力は妨げられない。

○ 正しい。 あちらこちらの資格試験でよく出題される箇所です。
   管理者Cは、選択肢1で述べたように、区分所有者(管理組合)の代理人です。すると、代理人の行為能力は民法第102条
 「(代理人の行為能力)
  第百二条  
代理人は、行為能力者であることを要しない。 」とあり、
 制限行為能力者であっても構いませんから、この契約は有効です。これは、代理人のおこなった法律行為は、代理人にした本人の責任ということです。(しかし、現実としては、制限行為能力者を管理人にするとは、あり得ない事ですが。)



1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:2 (正しいのは、イとエ の2つ。)  (また、個数問題か。この出題方法は、正解となるのが、1/4ではなくなるので、認めていい出題方法かな?)

問7

【問 7】 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する者をいう。以下同じ。)が、マンションの管理組合の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却の依頼を受け、その媒介等の業務のために、マンション管理業者に確認を求めてきた場合の当該管理組合に代わって行うマンション管理業者の対応に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント(平成21年10月 2日国総動指第30号。国土交通省建設流通政策審議官通知。以下「マンション標準管理委託契約書」という。)の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


 (注)マンション標準管理委託契約書(以下「委託契約書」という。)も「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」の財産の分別管理方法など一部が改正されたことを受け、これとの整合性をとって、見直されていますので、改正箇所に注意してください。コメントも変更箇所がかなりあります。(平成22年5月1日施行です。)

1 当該組合員が滞納している管理費及び修繕積立等の額について開示を求めてきたときは、個人情報保護の観点から開示はせず、管理組合に直接確認するよう求めるべきである。

X 適切でない。 設問のような場合、基本的には、売主や管理組合に直接確認を求めるべきですが、便宜を図って、委託契約書に明記されているので、管理業者が、できます。その根拠は、委託契約書14条
 「(管理規約の提供等)
  第14条 乙(管理業者)は、宅地建物取引業者が、甲(管理組合)の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受け、その媒介等の業務のために管理規約の提供及び次の各号に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供し、及び各号に掲げる事項を書面をもって開示するものとする。
    
一 当該組合員の負担に係る管理費及び修繕積立金等の月額並びに滞納があるときはその金額
    二 甲の修繕積立金積立総額並びに管理費及び修繕積立金等に滞納があるときはその金額
    三 本マンション(専有部分を除く。)の修繕の実施状況
    四 本マンションの石綿使用調査結果の記録の有無とその内容
    五 本マンションの耐震診断の記録の有無とその内容(当該マンションが昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手した場合を除く。)
   2 前項の場合において、乙は、当該組合員が管理費及び修繕積立金等を滞納しているときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、その清算に関する必要な措置を求めることができるものとする。」とあり、
 1号により、管理組合に確認を求めなくても管理業者が行えます。



2 マンション管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として管理委託契約書に定める範囲となるため、一般的にマンション内の事件、事故等の情報は、売主又は管理組合に確認するよう求めるべきである。

○ 適切である。 一般的にも、当然の話ですが、委託契約書14条関係のコメント、
 「@ 本条は、宅地建物取引業者が、媒介等の業務のために、宅地建物取引業法施行規則第16条の2等に定める事項について、マンション管理業者に当該事項の確認を求めてきた場合の対応を定めたものである。
 本来宅地建物取引業者への管理規約等の提供・開示は管理組合又は売主たる組合員が行うべきものであるため、これらの事務をマンション管理業者が行う場合には、管理規約等においてその根拠が明確に規定されていることが望ましい。
 また、マンション管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として管理委託契約書に定める範囲となる。
一般的にマンション内の事件、事故等の情報は、売主又は管理組合に確認するよう求めるべきである。」とあります。


3 本マンションの管理規約の提供を求めてきたときは、管理組合に代わって、当該管理規約の写しを提供する。

○ 適切である。 これは、選択肢1で引用しました、委託契約書14条の本文
 「第14条 乙(管理業者)は、宅地建物取引業者が、甲(管理組合)の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受け、その媒介等の業務のために管理規約の提供及び次の各号に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し
、管理規約の写しを提供し、及び各号に掲げる事項を書面をもって開示するものとする。(以下略)」とあります。


4 本マンション(専有部分を除く。)の修繕の実施状況について開示を求めてきたときは、管理組合に代わって、書面をもって開示する。

○ 適切である。 これも、選択肢1で引用しました、委託契約書14条3項
 「三 本マンション(専有部分を除く。)の修繕の実施状況」とあります。



答え:1 (ここは、易しい。)

問8

【問 8】 管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者B(以下本問において「B」という。)との間で締結した管理委託契約にお ける管理費等の出納業務に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も適切なものはどれか。

1 Aの組合員の管理費等の滞納状況については、Aの運営上重要であることから、2月ごとに1回、Aに報告する。

X 適切でない。 管理費等の滞納状況を把握して、督促するのも、マンション管理では大切です。そこで、委託契約書の別表第1 事務管理業務、 1 基幹事務 、(2)出納、 A管理費等滞納者に対する督促 
    
一 毎月、甲の組合員の管理費等の滞納状況を、甲に報告する。
    二 甲の組合員が管理費等を滞納したときは、最初の支払期限から起算して○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。
    三 二の方法により督促しても甲の組合員がなお滞納管理費等を支払わないときは、乙はその業務を終了する。」とあり、
 管理業者は毎月、管理組合に報告します。2ヶ月に一回ではありません。


2 保証契約を締結してAの収納口座とAの保管口座を設ける場合は、保証契約の内容として、保証契約の額及び範囲、保証契約の期間、更新に関する事項、解除に関する事項、免責に関する事項、保証額の支払に関する事項をそれぞれ管理委託契約書に記載する。

○ 適切である。 ここが、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」の財産の分別管理方法など一部が改正されたことを受け、これとの整合性をとって、見直された部分です。
 保証契約を締結してAの収納口座とAの保管口座を設ける場合の保証契約の内容は、委託契約書別表第1 事務管理業務、 1 基幹事務 、(2)出納  出納(保証契約を締結して甲の収納口座と甲の保管口座を設ける場合)
 四 乙(管理業者)は、以下の保証契約を締結する。
    イ 保証する第三者の名称  ○○○○
    ロ 保証契約の名称      ○○○○
    
ハ 保証契約の内容
      a 保証契約の額及び範囲    ○○○○
      b 保証契約の期間         ○○○○
      c 更新に関する事項        ○○○○
      d 解除に関する事項        ○○○○
      e 免責に関する事項        ○○○○
      f 保証額の支払に関する事項  ○○○○」
とあります。
 適切です。



3 Bが管理費等の収納事務を集金代行会社に再委託する場合は、管理委託契約書に当該再委託先である集金代行会社の名称を記載しなければならないが、その所在地については記載する必要がない。

X 適切でない。 ここは、委託契約書の別表第1  1(2)関係 のコメント
 「C 乙が管理費等の収納事務を集金代行会社に再委託する場合は、1(2)@二及び三を以下のとおり記載するものとする。
    ○ 二 組合員別管理費等負担額一覧表に基づき、毎月次号に定める預金口座収納日の○営業日前までに、預金口座振替請求金額通知書を、次の集金代行会社(以下「集金代行会社」という。)に提出する。
     
再委託先の名称    ○○○○
     再委託先の所在地  ○○○○」
とあり、
 再委託先の名称と住所を共に記載しなければなりません。(当然でしょう。)



4 保証契約を締結する必要がないときにAの収納口座とAの保管口座を設ける場合において、保管口座については当該口座に係る通帳、印鑑等の保管者を管理委託契約書に明記することにしているが、収納口座についてはその必要はない。

X 適切でない。 ここは、委託契約書の別表第1 事務管理業務 1 基幹事務 (2) 出納(保証契約を締結する必要がないときに甲の収納口座と甲の保管口座を設ける場合)
  B 通帳等の保管等
  一 収納口座及び保管口座に係る通帳、印鑑等の保管者は以下のとおりとする。
    イ 収納口座
      通帳…乙(又は甲)
      印鑑…甲
      その他(    )
     ロ 保管口座
      通帳…乙(又は甲)
      印鑑…甲
      その他(   )」とあり、
 収納口座、保管口座とも、通帳、印鑑等の保管者を委託契約書に記載します。



答え:2 (新規:委託契約書からの出題です。) (ここも、解答は簡単にできるでしょうが、PDFから該当の根拠の文書を取りだすのに、時間がかかる! また、ここの滞納と個人情報保護については、平成22年 管理業務主任者試験 「問45」 選択肢4 も参照。)

問9

【問 9】 マンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整の業務に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、不適切なものはいくつあるか。

ア 長期修繕計画案の作成及び見直しは、長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン、長期修繕計画作成ガイドラインコメント(平成20年6月国土交通省公表)を参考にして作成することが望ましい。

○ 適切である。 設問の「望ましい」といったような文章は、法律の条文ではなく、大抵、コメントからの出題です。
  委託契約書 別表第1  1(3)の本文
 「(3) 本マンション(専有部分を除く。以下同じ。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整関係
  そして、コメント
  
@ 長期修繕計画案の作成及び見直しは、長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン、長期修繕計画作成ガイドラインコメント(平成20 年6月国土交通省公表)を参考にして作成することが望ましい。
  A 長期修繕計画案の作成業務(長期修繕計画案の作成のための建物等劣化診断業務を含む。)以外にも、必要な年度に特別に行われ、業務内容の独立性が高いという業務の性格から、以下の業務をマンション管理業者に委託するときは、本契約とは別個の契約にすることが望ましい。
    一 修繕工事の前提としての建物等劣化診断業務
    二 大規模修繕工事実施設計及び工事監理業務
    三 マンション建替え支援業務」とあります。
 @により、適切です。



イ 管理事務を受託しているマンション管理業者は、管理事務を実施する上で当該マンションの劣化等の状況を把握することができることから、長期修繕計画案の作成業務及び建物・設備の劣化状況などを把握するための調査・診断を実施し、その結果に基づき行う当該計画の見直し業務は、管理委託契約に含めて実施することが望ましい。

X 適切でない。 ここ「長期修繕計画案の作成業務及び建物・設備の劣化状況などを把握するための調査・診断を実施し、その結果に基づき行う当該計画の見直し業務」は、似たような内容が、以前の委託契約書には、管理会社の業務内容として、入れられていたのですが、費用がかかる業務であるため管理業者からの反対が強くて、変更された箇所です。そして、別個の契約とすることになりました。
 それは、委託契約書 別表第1  1(3)
    一 乙は、甲の長期修繕計画の見直しのため、管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用等に、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって甲に助言する。
    
二 長期修繕計画案の作成業務及び建物・設備の劣化状況などを把握するための調査・診断を実施し、その結果に基づき行う当該計画の見直し業務を実施する場合は、本契約とは別個の契約とする。
    三 乙は、甲が本マンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を外注により乙以外の業者に行わせる場合の見積書の受理、発注補助、実施の確認を行う。」です。
 2号により、この場合は、別契約です。委託契約に含めて実施しません。



ウ マンション管理業者は、管理組合の長期修繕計画の見直しのため、管理業務を実施する上で把握した当該マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用等に、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって管理組合に助言する。

○ 適切である。 これは、選択肢イで引用しました、委託契約書 別表第1  1(3)
   「 一 乙は、甲の長期修繕計画の見直しのため、管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用等に、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって甲に助言する。」に該当します。



エ 大規模修繕工事実施計画及び工事監理業務をマンション管理業者に委託するときは、管理委託契約とは別個の契約とすることが望ましい。

○ 適切である。 これも、コメントです。 選択肢アで引用しました、委託契約書 別表第1  1(3)
 「A 長期修繕計画案の作成業務(長期修繕計画案の作成のための建物等劣化診断業務を含む。)以外にも、必要な年度に特別に行われ、業務内容の独立性が高いという業務の性格から、以下の業務をマンション管理業者に委託するときは、本契約とは別個の契約にすることが望ましい。
    一 修繕工事の前提としての建物等劣化診断業務
    
二 大規模修繕工事実施設計及び工事監理業務
    三 マンション建替え支援業務」とあります。
 Aにより、適切です。



1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ 

答え:1 (不適切なのは、イ だけ。)  (ここも、詳細は知らなくても、委託契約書の変更を知っていれば、解答は早い? また、”いくつ”の個数問題でした。)

問10

【問 10】 マンションの管理費の滞納に対する対策及びその法的手続に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定によれば、誤っているもののみの組合せはどれか。

ア 滞納額が、60万円以下の場合は、通常の民事訴訟でなく、少額訴訟制度(民事訴訟法の「少額訴訟に関する特則」)によらなければならない。

X 誤っている。 滞納についても、過去から出題の範囲は変わりない。平成21年 管理業務主任者試験 「問10」 など。平成22年 マンション管理士試験 「問7」も 。
  少額訴訟制度は、民事訴訟法第368条以下に設けられた制度です。この目的は、少額(訴額が60万円以下)の争いは、簡単に解決しようとするものです。そして概要は、簡易裁判所で、相手方(被告)が異議を申し立てないと一回の審理で終了し、確定判決として、強制執行ができます。手数料も訴額の約1%と低額です。
 しかし、滞納額が、60万円以下といっても、必ずしも、少額訴訟制度によることを強制される規定ではありません。例えば、明らかに滞納者が異議を申しだてることが分かっていれば、「通常の訴訟」を起こすことになります。



イ 管理費の滞納者が死亡した場合、当該マンションに居住しているか否かにかかわらず、その相続人が管理費債務を承継する。

○ 正しい。 管理費の滞納者が死亡した場合には、その相続人は、包括承継人として、被相続人の財産と権利義務を相続(承継)します。民法第896条
 「(相続の一般的効力)
  第八百九十六条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 」
 そこで、マンションの管理費を滞納している人が死亡すると、そのマンションに住んでいようと、いまいと、その相続人は、滞納者の管理費を支払う義務があります。
 なお、区分所有法では、マンションを売買などで、手に入れた人(特定承継人)も前の区分所有者の滞納管理費等があれば、支払う義務があります。(区分所有法第8条参照)



ウ 管理費を滞納している区分所有者が、民事再生手続開始の決定(民事再生法(平成11年法律第225号)の「再生手続開始の決定」)を受けた場合でも、管理費の消滅時効は中断しない。

○ 正しい。 破産や民事再生と消滅時効の中断は、民法第152条
 「(破産手続参加等)
  第百五十二条  破産手続参加、
再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じない。」とあります。
  一方、民事再生法の「再生手続開始の決定」とは、同法第33条
 「(再生手続開始の決定)
  第三十三条  裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。
   2  前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。」とあり、
 「再生手続開始の決定」は、まだ 「再生手続参加」の段階には至っていません。
 同法第94条
 「(届出)
  第九十四条  再生手続に参加しようとする再生債権者は、第三十四条第一項の規定により定められた再生債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、各債権について、その内容及び原因、約定劣後再生債権であるときはその旨、議決権の額その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。
   2  別除権者は、前項に規定する事項のほか、別除権の目的である財産及び別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額を届け出なければならない。」とあります。
 「再生手続開始の決定」のあと、債権者は債権の届け出を出して参加となりますから、単に、「再生手続開始の決定」だけでは、管理費の消滅時効は中断しません。なお、この参加の後、再生計画の認可・決定が確定(民事再生法第176条参照)となります。また、民法第152条1項により、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じませんから注意してください。


エ 管理費の滞納者が行方不明になった場合、公示送達により訴状を送達することにより訴訟を係属させることができる。

○ 正しい。 ここも、よく出題される箇所です。
  訴訟は、手続として当事者の相手方や利害関係人に関係の書類を交付(送達)しなければならないのが原則(民事訴訟法第98条〜)で、住所や居所へ書類を送りますが、どうしても、当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合 には、裁判所の前の掲示場所に張り出して、掲示後2週間が経過すると、送達として効果を生じる制度があります。それは、「公示送達」と呼ばれます。
 民事訴訟法第110条
 「(公示送達の要件)
  第百十条  次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
    
一  当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
    二  第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
    三  外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
    四  第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
   2  前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
   3  同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。」
 この公示送達により、 管理費の滞納者が行方不明になった場合でも、訴訟を係属させることができます。



オ 管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告を行った場合、6箇月以内に再び催告を行えば、時効中断の効力は失われない。

X 誤っている。 催告と消滅時効もよく出る問題。
  「催告」とよばれる債務者に履行を請求する行為、例えば、管理費の滞納者に対して内容証明郵便をだすことは、何度繰り返しても、それだけでは、時効の中断事由にはなりません。それは、民法第153条
 「(催告)
  第百五十三条  
催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」の規定があるからです。
 一度、催告して、さらに6ヶ月以内に、「裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分」をしなければ、時効の中断事由にならないためです。



1 ア・オ
2 ア・エ
3 イ・オ
4 ウ・エ

答え:1 (誤っているのは、アとオ) (ここは、他の正誤が不明でも、ア と オ の誤りは分かる?)

問11

【問 11】 管理費の滞納者に対する管理組合の制裁措置に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 管理費を1年分以上滞納した者について滞納金額を発表すること及び納入の意思があれば公表を控えることを通知したうえで、その通知後2月が経過した時点で該当者の氏名をマンション内の掲示板に掲示した。

○ 適切である? この「問11」は、過去の判例をもとにした出題ですが、全体で実に曖昧な出題です。滞納者に対しては、相手側の言い分もありますから、裁判になると、各々の事情が考慮されますから、一概に、適切とか不適切とか言いきることができないからです。それを、前提として、考えてください。また、最近は、「個人情報の保護に関する法律」とも絡んできます。 平成22年 管理業務主任者試験 「問45」 などともあわせて考えてください。
 ここ選択肢1に近いトラブルは、東京地裁:平成11年12月24日判決を元にしているようです。実際の裁判は、別荘地での管理費の滞納で、氏名を別荘地の立て看板にしたものですが、判決では、一応妥当となっています。しかし、設問の、マンションの掲示板に滞納者の氏名の公表では、マンションの居住者以外の人々も見る機会があり、これは、単純に適切とは、言えません。



2 区分所有者全員の氏名が記載さた管理費支払状況に関する資料を管理組合の定時総会において配布する旨を当該総会の1月前に予告したうえで、総会において滞納者の氏名が分かる結果となる資料を配布した。

○ 適切である? ここは、選択肢1での公表を組合員に限定しているため、出題者としては、適切であると、したいのでしょうが、これでも、まだ、裁判で争いがでるでしょう。


3 3月分以上の滞納者については、玄関の鍵を交換し居室内に立ち入ることができない旨を規約に定め、3月分以上の滞納者に2度にわたる督促のうえ、滞納者の同意なく鍵を交換した。

X 適切でない。 まず、マンションでは、玄関のカギは、共用部分ではない事を確認しておいてください。そして、この出題は、賃貸アパートでの滞納者に対して大家や管理業者がした上記のような鍵を交換した行為が、多く裁判になっていますが、全部が不法行為や行きすぎた自力救済として、この鍵交換を認めていません。(平成22年7月30日:東京地裁、平成22年4月13日:東京地裁など。) 設問の場合も、これは、不適切です。


4 管理規約の定めや総会における決議がないにもかかわらず、滞納者に対し、年5パーセントの遅延損害金を付加して請求した。

○ 適切である。 標準管理規約(単棟型)67条4項に定める訴訟での「弁護士費用」の請求は、以前から問題のある規定として、私が取り上げているところですが、設問の場合の「年5パーセントの遅延損害金を付加して請求」は、損害賠償の範囲として、管理規約や総会の決議がなくても、可能です。
  根拠は、民法第415条によると債務者がその債務の本旨に従った履行をしなかったときは、債権者はその損害の賠償を請求することができますから、管理組合は、規約に定め がなくとも、遅延損害金を請求することができます。その場合の利率は、管理規約にその旨の定めがあるときは、その利率によることになり、管理規約に定めがな いときは、法定利率(民法第404条)により、年5分(5%)となります。



答え:3 (最も、不適切ということで。でも、まだまだ確定がされていない箇所からの出題は良くない。)

問12

【問 12】 区分所有者が納入する修繕積立金の取崩しに関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型) (平成16年1月23日国総動第232号・国住マ第37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。以下「マンション標準管理規約」という。)の定めによれば、最も適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 修繕積立金は、周期的かつ計画的に行われる大規模な修繕等の将来の支出に備えるために積み立てられるが、管理費の滞納により通常の管理のための資金が不足する場合は、理事会の決議により修繕積立金を管理費に流用することができる。

X 適切でない。 まず、マンションの経費は、@日常の管理で必要となる清掃や補修に充てられる「管理費」と、A建物の劣化や損耗で将来必ず必要となる屋上の防水・壁の補修等に充当する「修繕積立金」に大きく分けられます。この「管理費」と「修繕積立金」は会計上も明確に分けて管理します。
 そこで、設問の前半「修繕積立金は、周期的かつ計画的に行われる大規模な修繕等の将来の支出に備えるために積み立てられる」は適切です。
 しかし、後半の「管理費の滞納により通常の管理のための資金が不足する場合」には、修繕積立金から、流用すると、予定していた修繕計画などが実施できなくなく恐れもあるため、認められていません。
 それで、標準管理規約28条
 「(修繕積立金)
  第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
     一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
     二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
     三 敷地及び共用部分等の変更
     四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
     五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
   2 前項にかかわらず、区分所有法第62条 第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下本項において「円滑化法」という。)第9条 のマンション建替組合(以下「建替組合」という。)の設立の認可又は円滑化法第45条 のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
   3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。
   4 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。」と規定しています。
 また、管理組合の金銭を理事会の決議だけで流用することも、当然ですが、できません。管理費が不足する場合は、管理費の値上げとして、総会にはかることになります。
 それは、標準管理規約48条
 「(議決事項)
  第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
     一 収支決算及び事業報告
     二 収支予算及び事業計画
     
三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
     四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
     五 長期修繕計画の作成又は変更
     六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
     七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
     八 修繕積立金の保管及び運用方法
     九 第21条 第2項に定める管理の実施
     十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
     十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
     十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
     十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
     十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」の、
 3号に該当するからです。なお、この管理費の額の変更は、普通決議です。



2 長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財政状態に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでも取り崩すことができる。

○ 適切である。 ここは、標準管理規約32条関係のコメント
 「C長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。
 ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。」あり、
 適切です。



3 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合は、特に区分経理する必要はない。

X 適切でない。 「修繕積立金」は、本来なら、マンションを購入したあとに「管理費」とともに、毎月積み立てていくのですが、それだと、マンション購入者の毎月の納入金額が大きくなり、購入を躊躇します。そこで、頭のいい分譲会社が、マンションの分譲時に、分譲代金などとまとめて、前もって「修繕積立金」のかなりの額を「修繕積立基金」という名目で払ってもらい、そのかわり、見た目には、毎月の納入額が少なくなっているやり方です。(マンション購入時での何千万円の支払いに、この「修繕積立基金」の金額は隠れています。)
  そこで、設問となります。ここは、標準管理規約28条関係のコメント
 「A分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。」から、
 修繕積立基金も修繕積立金として、経理上も管理費と区分して処理します。



4 共用設備の保守、維持に要する経費は、修繕積立金を取り崩して充当することができる。

X 適切でない。 分かっているとは思いますが、一応、管理費から充当される経費を確認しておきましょう。
  標準管理規約27条
 「(管理費)
  第27条 管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
     一 管理員人件費
     二 公租公課
     
三 共用設備の保守維持費及び運転費
     四 備品費、通信費その他の事務費
     五 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
     六 経常的な補修費
     七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
     八 委託業務費
     九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
     十 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
     十一 管理組合の運営に要する費用
     十二 その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用」です。
 3号の規定を見るまでもなく、共用設備の保守、維持に要する経費は、完全に管理費で充当すべきものですから、修繕積立金を取り崩して充当してはいけません。

答え:2 (ここは、もう、過去問題から、管理費と修繕積立金の区別ができていれば、易しい。)

問13

【問 13】 修繕積立金等が金銭である場合における財産の分別管理の方法に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものはどれか。なお、保管口座及び収納・保管口座は管理組合を名義人とする。

1 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納・保管口座に預入し、当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法。

○ 違反しない。 まず、マンション管理適正化法第76条
 「(財産の分別管理)
  第七十六条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、整然と管理する方法として
国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。 」の国土交通省令で定める「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」第87条2項関係が平成22年5月1日施行で、大幅に改正されたことが、今年(平成22年)のマンション管理士・管理業務主任者試験での大きな特徴です。そして、通常の年の出題範囲なら、その年の4月1日施行ですが、平成22年では、平成22年5月1日施行となった事です。
 そこで、この改正点が、出題されている訳です。
 それでは、分別管理方式として認められているのは、同施行規則第87条2項
 「2  法第七十六条 に規定する国土交通省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める方法とする。
   一  修繕積立金等が金銭である場合 次のいずれかの方法
     イ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法
     ロ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金(金銭に限る。以下この条において同じ。)を保管口座に預入し、当該保管口座において預貯金として管理するとともに、マンションの区分所有者等から徴収された前項に規定する財産(金銭に限る。以下この条において同じ。)を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された前項に規定する財産から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法
     
ハ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納・保管口座に預入し、当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法」であり、
 設問は、1号ハ に該当します。



2 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法。

○ 違反しない。 選択肢1で引用しました、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条2項1号イ
 「
イ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法」に該当します。


3 マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭をマンション管理業者を名義人とする収納口座に預入し、当該収納口座において預貯金として管理する方法。

X 違反する。 マンション管理業者が「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条2項1号」で認められているのは、選択肢1にある、イからハ までの3方法です。これら3方式は、最終的に、管理組合名義の保管口座または、収納・保管口座での預貯金で管理する方式です。保証契約をしても、修繕積立金等金銭をマンション管理業者を名義人とする収納口座に預入し、当該収納口座において預貯金として管理は、認められません。これでは、業者の財産と管理組合の財産の分別管理ができません


4 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金を保管口座に預入し、当該口座において預貯金として管理するとともに、マンションの区分所有者等か ら徴収された管理費を収納□座に預入し、毎月、その月分として徴収された管理費から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納 口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法。

○ 違反しない。 ここは、選択肢1で引用しました、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条2項1号ロ
 「
ロ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金(金銭に限る。以下この条において同じ。)を保管口座に預入し、当該保管口座において預貯金として管理するとともに、マンションの区分所有者等から徴収された前項に規定する財産(金銭に限る。以下この条において同じ。)を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された前項に規定する財産から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法」に該当します。


答え:3 (この改正点は、私もホームページで何度も指摘した箇所で、平成22年の受験生は、落とせない箇所です。でも、ここは、マンション管理適正化法関係として、問46から問50で出題されるものでは?
 ここ「問13」で出題されると、マンション管理士試験の合格者も、5点免除にならない。 
 ここは、平成22年 管理業務主任者試験 「問48」 や、平成22年 マンション管理士試験 「問50」 も参考に。)

問14

【問 14】 管理組合の活動における以下の取引に関して、平成22年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。



*毎年の説明で、過去問題をやってきている人には、分かり切ったことでしょうが、初めての受験生もいますので、

 ★マンションの会計処理で
発生主義ということの重要性は、

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

 この辺りが、企業の会計処理を知っている人には、なかなか理解できない箇所です。(そこで、出題者は、差をつける意味で、出題するのですが。)


*そこで、出題は、普通預金から ¥450,000− を支払っているから、貸方の普通預金 ¥450,000− は選択肢1から4まで、同一で問題はありません。
 各選択肢を見てみると、相手勘定科目として借方に何が適切かをもとめているのかがわかります。
 では、取引の内容をみてみましょう。キーワードは”発生主義”です。
  @雑排水管清掃費は、2月に支払予定だったのが、3月に支払ったのであれば、2月には未払金として処理されたもの → そこで、相手勘定は、未払金
  A水道光熱費は、3月分を当月支払につき → 相手勘定は、そのままの、水道光熱費
  Bボイラー修繕費は、4月分を、今月支払であれば、前払金として処理するから、 → 相手勘定は、前払金

  よって、正解は、


  
答え:1 (ここは、易しい。)  (会計も毎年、2問は出されますから、私の「超解説 区分所有法」に会計処理として説明していますので、利用ください。

問15

【問 15】 管理組合の活動における以下の取引に関して、平成22年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

発生主義の重要性については、前問「問14」を、充分に参考のこと。

*仕訳は3月度で、高架水槽撤去工事費も給水管更新工事費も、共に支払が、5月であるなら、未払金となり、負債の増加で、合計 ¥2,500,000− を未払金として貸方に記入します。
  すると相手勘定の借方の科目をどうするかです。
  @高架水槽は固定資産ですから、これの撤去となると、 → 固定資産除却損 は妥当でしょう。
  A給水管を更新するのは、資産科目の → 建物附属設備 と見るのも妥当でしょう。

 そこで、勘定科目を、単純に建物附属設備としないで、分けて、

答え:4 (会計の出題が、素直です。どこまで、細かな勘定科目を設定するかによっては、疑問がありますが。)


*ここ、「問15」 について、次のような、書き込みがありましたので、ご紹介します。

◎その1:会計の問題、問15ですが、消去法で行くと「正しい」とされた4が正解に思えるのですが、ここで使われる勘定科目「固定資産除却損」について疑問があります。

 「固定資産除却損」の説明を読むと「固定資産除却損とは、バランスシートに計上されている不要になった固定資産を廃棄処分した際に用いる勘定科目で、固定資産除却損は、不要になった時点での固定資産の帳簿価額を損失として計上する会計処理であり、固定資産除却損は、損益計算書上においては、特別損失の区分に表示することになります。」
 「また、固定資産除却損が計上されても、現金の流出は生じませんので、キャッシュフローには影響ありません。」

 「売却の際に発生した手数料や印紙代などの諸費用は、除却損に含めて処理できます。」

 工事会社から届く「高架水槽撤去工事費」は、上記のいずれにも該当せず、「固定資産除却損」の勘定科目は不適切であると思うのですが。

 しかし、一般的な管理組合の会計において、給水管や高架水槽を「建物附属設備」等の「資産」科目を使って計上、管理するものなのでしょうか?
 企業会計と異なり、資産を厳密管理して納税額を算定するような会計は、不必要に思えるのですが。。。
 「固定資産除却損」は、先の引用で示しましたとおり、お金の支払を伴う勘定科目ではなく、固定資産の廃棄に伴い、帳簿上に残ってしまった、その『固定資産を帳簿上ゼロにするための損失勘定』です。

 つまり、高架水槽の撤去工事により、実物の無くなった高架水槽の帳簿上残高を消すための勘定科目なので、その撤去費用に「固定資産除却損」の勘定科目を使うことは間違いで、簿記検定だと「×」とされます。
  通常だと、「雑損失」あたりの勘定科目になろうかと思います。

◎その2:私の住むマンションでは、管理組合法人を設立したばかりで、上記の方の言うとおり営利を伴わないマンションでも財産目録に高架水槽なんぞを固定資産として、計上するのかという疑問がわいてきました。
 また、営利を伴うマンションであっても管理組合には、共用部分に結構な固定資産があって、収益事業と関連づけて償却費を計上できるのか難しいところですね。

*解説者:香川より: 他の読者は、どう思われますか?
 感想や、ご意見を、http://tk4982.at.webry.info/ までおよせください。

問16

【問 16】 管理組合の税務に関する次の記述のうち、税法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア マンション敷地内の駐車場を当該マンションの管理組合の組合員に使用させることから生じる駐車場収入については、消費税の課税対象とはならず、課税売上高を構成しない。

○ 正しい。  ここらも、全部過去問題から。平成21年 管理業務主任者試験 「問16」 、や 平成18年 管理業務主任者試験 「問16」 、平成17年 管理業務主任者試験 「問16」 など。 
  まず、区分所有法の規定(同法第47条以下参照)により、管理組合が
法人化されていればいいが、法人化されていない管理組合は、一般に法律上「人格のない社団」として扱われることを理解して下さい。
 そして、消費税は、事業として対価を得て行われる取引に課税されますが、マンション敷地内の駐車場を当該管理組合の組合員が使用して使用料を払っていても、消費税は課税されないと解されています(通達)。しかし、組合員以外の第三者に使用させることによる駐車場収入は、消費税の課税対象となりますから注意してください。


イ 管理組合は、地方税のうち、都道府県民税及び市町村民税について条例等で免除又は減免される場合を除き、法人格の有無にかかわらず、均等割の税率により課税される。

○ 正しい。 地方税法においても、法人格のない管理組合も法人とみなされる、地方税法第12条(人格のない社団等に対する本章の規定の適用)
  「第十二条  法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定があるもの(以下本章において「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、本章中法人に関する規定をこれに適用する。」
  そして、均等割とは、地方税法第23条(道府県民税に関する用語の意義)
  「第二十三条  道府県民税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   
一  均等割 均等の額によつて課する道府県民税をいう
   二  所得割 所得によつて課する道府県民税をいう。
   三  法人税割 法人税額又は個別帰属法人税額を課税標準として課する道府県民税をいう。
   三の二  利子割 支払を受けるべき利子等の額によつて課する道府県民税をいう。
   三の三  配当割 支払を受けるべき特定配当等の額によつて課する道府県民税をいう。
   三の四  株式等譲渡所得割 特定株式等譲渡所得金額によつて課する道府県民税をいう。
   ・・・・以下略」です。
  そして、地方税法第24条1項(道府県民税の納税義務者等)
  「第二十四条  道府県民税は、第一号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、
第三号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額に よつて、第二号及び第四号に掲げる者に対しては均等割額によつて、第四号の二に掲げる者に対しては法人税割額によつて、第五号に掲げる者に対しては利子割 額によつて、第六号に掲げる者に対しては配当割額によつて、第七号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額によつて課する。
   一  道府県内に住所を有する個人
   二  道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者
   
三  道府県内に事務所又は事業所を有する法人
   四  道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(「寮等」という。以下道府県民税について同じ。)を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないもの
    ・・・・以下略」
 の3号 により、均等割は課税されます。



ウ 消費税法上、管理組合の基準年度における組合員以外からの駐車場収入が980万円、臨時収入である備品の譲渡による売上高45万円があった場合、合計1,025万円の課税売上高となるので、当年度は納税義務者となり消費税を納入する必要がある。

○ 正しい。 選択肢1で述べたように、組合員からの駐車場使用料については、通達で、消費税の課税対象とはなりませんが、組合員以外からの駐車場収入となると、課税対象となります。
  そして、消費税については、法人税法と同様に、法人化されてない管理組合は、「人格のない社団」とされ、法人とみなされる。
 消費税法第3条(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
 「第三条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。」
 そして、区分所有法第47条14項
  「14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。」
 により、通常の公益法人などと同じ扱いになります。
 また、消費税法第9条1項
 「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。」により、
 課税 売上額が、合計で、1,025万円ならば、免除となる規定の1、000万円以下ではなくなり、当年度の納税対象者となり、消費税を納めることになります。なお、課税期間とは、当年で、基準期間とは、前々年をさします。



エ 管理組合が支払う共用部分に係る火災保険料等の損害保険料は、課税取引となるので、消費税が課税される。

X 誤っている。 国税庁の消費税のガイドラインで、主な非課税取引として、
 「(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等 
  預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、
保険料、保険料に類する共済掛金など」が挙げられています。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:3 (正しいのは、ア、イ、ウ の3つ) (ここは、過去問題から、易しい。)

問17

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)第1条に規定されている同法の目的に関する次の記述の(ア)から(ウ)に入る用語の組合わせとして、正しいものはどれか。

この法律は、建築物の(ア)、構造、設備及び用途に関する(イ)基準を定めて、国民の(ウ)、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。


*組み合わせ問題か。
  建築基準法の第1条なんて、多くの受験生はまず、読み飛ばす条文です。ここは、建築基準法の第1条のどこかを、キーワードとして覚えているかどうか、が正解・不正解の分かれ道でしょう。 
 建築基準法第1条
 「(目的)
  第一条  この法律は、建築物の
(ア)敷地、構造、設備及び用途に関する(イ)最低の基準を定めて、国民の(ウ)生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。 」です。
 (私は、「最低の基準」の箇所を知っていました。)


答え:4 (建築基準法からも毎年、出題があるので、「超解説 建築基準法」として解説しています。利用ください。)

問18

【問 18】 コンクリートの特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 温度上昇に伴う膨張の程度が鋼材とほぼ等しいため、鋼材との相性がよい。

○ 適切である。 一般的なコンクリートの特徴として、圧縮に強い、耐火性・耐久性に優れて点がありますが、欠点としては、引張りに弱い、乾燥収縮で亀裂が生じやすいことが上げられます。一方、鉄筋などの鋼材は、コンクリートより、引張りに強いが、圧縮に強い性質があります。また、コンクリートと鋼材は、設問のように、温度上昇に伴う膨張の程度が鋼材とほぼ等しいので、鋼材との相性がいいため、建築の構造として互いの特徴を生かした鉄筋コンクリート構造があります。また、コンクリートの耐水性により鉄筋を保護して錆どめの効果もあります。


2 乾燥収縮が小さく、ひび割れが生じにくい。

X 適切でない。 コンクリートの短所として、選択肢1で述べた、引張りに弱い点と、乾燥収縮が大きくて、ひび割れ(亀裂)が生じやすい事です。


3 耐火性に優れており、引張強度が大きい。

X 適切でない。 選択肢1で述べたように、耐火性には、優れていますが、引張強度は小さい(弱い。)


4 自由な成形が可能であるが、圧縮強度は小さい。

X 適切でない。 ここは、自由な成形(型に入れて多くの形状を作れます)は可能で、圧縮強度は大きい(強い)です。


答え:1 (この辺りは、コンクリートの基本です。)

問19

【問 19】 建築士法(昭和25年法律第202号)の規定により、構造設計一級建築士が構造設計を行うか、又は構造設計一級建築士に構造関係規定に適合するかどうかの確認を求めなければならない建築物に関する次の記述の(ア)から(ウ)の中に入る数値の組合わせとして、正しいものはどれか。

建築士法第3条第1項の規定により一級建築士でなければ設計等を行うことができない建築物のうち、高さが(ア)mを超える建築物はすべて該当し、高さが (ア)m以下の建築物であっても、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造にあっては高さが(イ)mを超えるものであって2以上の階数を有し、又は延べ面積が200uを超えるもの及び鉄骨造にあっては地階を除く階数が(ウ)以上であるものは該当する。

*なんて出題だ! こんなの知らない!
  まったく、マンション管理士・管理業務主任者の資格試験において、構造設計一級建築士の、こんな範囲からの出題は、あまりにも不適切。
 それは、それとして、解説をしましょう。なお、本番の試験では、こんな面倒な、しかも組み合わせですから、ここは、回答をパスして、後から戻ってから、検討をする方がいいでしょう。
  まず、構造設計一級建築士とは、平成20年11月28日に施行された新建築士法で創設された制度です。
 この原因は、例の姉歯元一級建築士の建築物の構造計算書偽装事件などで失われた建築物の安全性と建築士制度に対する国民の信頼を回復するために、平成18年に建築基準法と建築士法がそれぞれ改正されました。このうち、専門家が構造計算書をチェックする制度の導入など、建築確認手続を厳格化する措置などが盛り込まれた改正建築基準法は、平成19年6月20日から施行されています。また、建築士の資質・能力の向上などを目的とする改正建築士法の方は、余裕期間を置くために、平成20年11月28日から施行されました。
 その内容としては、一定規模以上の建築物の構造設計については、構造設計一級建築士が自ら設計を行うか若しくは構造設計一級建築士に構造関係規定への適合性の確認を受けることが義務付けられました。この構造関係規定への適合性の確認がなされずに建築基準法に定める建築確認申請が行われた場合には、その建築確認申請書は受理されないこととなっています。
 また、構造設計一級建築士の資格を取得するには、原則として、一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事した後、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了することとされています。(またまた、国土交通省関係の天下り先が確保されたということです。)

 具体的に、構造設計一級建築士の関与が義務づけられる建築物は、高度な構造計算が義務づけられる建築物(建築士法第3条第1項に定める建築物のうち建築基準法第20条第1号、同第2号に該当する建築物)が対象となります。
 それでは、建築士法第3条
 「(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)
  第三条  左の各号に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章中同様とする。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。
     一  学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーデイトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が五百平方メートルをこえるもの
     二  木造の建築物又は建築物の部分で、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるもの
     三  鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロツク造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が三百平方メートル、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルをこえるもの
    四  延べ面積が千平方メートルをこえ、且つ、階数が二以上の建築物
   2  建築物を増築し、改築し、又は建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をする場合においては、当該増築、改築、修繕又は模様替に係る部分を新築するものとみなして前項の規定を適用する。」とあります。

 そして、建築基準法第20条
 「(構造耐力)
  第二十条  建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。
     
一  高さが六十メートルを超える建築物 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合において、その構造方法は、荷重及び外力によつて建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算によつて安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。
     
二  高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号に掲げる建築物(高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるものに限る。)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が四以上である鉄骨造の建築物、高さが二十メートルを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物その他これらの建築物に準ずるものとして政令で定める建築物に限る。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
       イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。この場合において、その構造方法は、地震力によつて建築物の地上部分の各階に生ずる水平方向の変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの又は国土交通大臣の認定を受けたプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有すること。
       ロ 前号に定める基準に適合すること。
     三  高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号又は第三号に掲げる建築物その他その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造とした建築物で高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるもの(前号に掲げる建築物を除く。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
       イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。この場合において、その構造方法は、構造耐力上主要な部分ごとに応力度が許容応力度を超えないことを確かめることその他の政令で定める基準に従つた構造計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの又は国土交通大臣の認定を受けたプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有すること。
       ロ 前二号に定める基準のいずれかに適合すること。
     四  前三号に掲げる建築物以外の建築物 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
       イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。
       ロ 前三号に定める基準のいずれかに適合すること。」とあり、
 引用されている建築基準法第6条1項2号、3号は
 「(建築物の建築等に関する申請及び確認)
  第六条
    二  木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
    
三  木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの 」です。
 また、建築士法第20条の2 
 「(構造設計に関する特例)
  第二十条の二  
構造設計一級建築士は、第三条第一項に規定する建築物のうち建築基準法第二十条第一号 又は第二号 に掲げる建築物に該当するものの構造設計を行つた場合においては、前条第一項の規定によるほか、その構造設計図書に構造設計一級建築士である旨の表示をしなければならない。構造設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
   2  構造設計一級建築士以外の一級建築士は、前項の建築物の構造設計を行つた場合においては、国土交通省令で定めるところにより、構造設計一級建築士に当該構造設計に係る建築物が建築基準法第二十条 (第一号又は第二号に係る部分に限る。)の規定及びこれに基づく命令の規定(以下「構造関係規定」という。)に適合するかどうかの確認を求めなければならない。構造設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
   3  構造設計一級建築士は、前項の規定により確認を求められた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを確認したとき又は適合することを確認できないときは、当該構造設計図書にその旨を記載するとともに、構造設計一級建築士である旨の表示をして記名及び押印をしなければならない。
   4  構造設計一級建築士は、第二項の規定により確認を求めた一級建築士から請求があつたときは、構造設計一級建築士証を提示しなければならない。 」とあります。
 そこで、設問の場合
  (ア)60(m)・・・・・・建築基準法第20条第1号
  (イ)20(m)・・・・・・建築基準法第20条第2号
  (ウ)4(階)・・・・・・・建築基準法第20条第2号
 となります



答え:3 (なんて、出題だ! 解説に無茶クチャ時間がかかったぞー。(ア)の50mか60mかで、60mをどこかで知っていると、正解に近くなるが。)

問20

【問 20】 飲料用水槽の耐震及び地震対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 耐震クラスは、一般にS、A、Bに分けられるが、マンションでは、最も性能の低いクラスSが標準として採用されている。

X 適切でない? まったく、新しい出題だ。 国土交通省の告示や、業者のホームページなど随分と根拠を探したが、まったく該当しない。「マンション管理の知識」の最新版に出ているのか?
  多分、耐震クラスの S、A、B の分け方は、正しいのでしょう。しかし、最も性能の低いクラスSは過ちだと思います。”S”なら普通”Special”の略で、上のクラスでは?

 追加:その後も勉強はしています。 やっぱり、耐震クラスSは、3つのクラスの中で最も性能が高く、上層階や塔屋で 2.0G、耐震クラスAは、同じく 1.5G 、そして、耐震クラスBは、3つのクラス中で一番性能が低く、同じく、1.0G で、通常のマンションの受水槽では、耐震クラスA 1.5G 以上(AまたはS)の性能が求められるそうです。


2 一般的な耐震設計法(局部震度法)で使用される標準設計震度は、地震力が直接作用する1階及び地階で最も大きいものとなっている。

X 適切でない。 地震は、地下の階や1階よりも、上層階の方が、影響が大きいので、ここは、不適切。耐震設計法(局部震度法)で使用される標準設計震度は、1階及び地階で最も小さく、上層部・屋上・塔屋で最も大きい。


3 平成7年の阪神・淡路大震災後に行われた水槽の耐震設計基準見直しにより、スロッシング(水槽に周期的な振動が加わった際に生じる水面が大きくうねる現象)対策を施すこととなった。

○ 適切である。 確かに、阪神・淡路大震災でマンションの屋上に置かれた給水槽が壊れて、問題になり、そこでスロッシング対策として水槽の耐震設計基準見直しがあったのは事実です。


4 受水槽の出口給水口端に緊急遮断弁を設けることはできるが、直接水を採取できる弁(水栓)を設けることは適切でない。

X 適切でない。 災害時に、受水槽の出口給水口端に緊急遮断弁を設けると、貯水が保たれるでしょう。また、災害時に管が壊れるのを想定して、受水槽から直接水を採取できる弁(水栓)を設けるのも良い考え方です。


答え:3 (なんとなく、正解は 3 と分かるが、出題の根拠が不明だ。建築設備耐震設計・施工指針2005 年版”(財)日本建築センターがあるようだ。)

問21

【問 21】 住戸への電気引込み及び住戸ごとに設置される住宅用分電盤に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 一般住宅への配線方式には、単相2線式と単相3線式があるが、単相3線式の場合には中性線欠相保護機能付にすべきとされている。

○ 適切である。 中性線欠相保護機能付とは、ここまで、知っているか! 平成20年 マンション管理士試験 「問45」
  一般住宅への配線方式には、単相2線式と単相3線式があるまでは、通常知っています。この方式だと、単相交流電力が100Vと200Vに容易に取り出せます。しかし、100Vを取りだすとき、本来なら電圧がかからない、3本の配線の内の真中の中性線に断線や接続不良で電圧がかかり、100V仕様の電気機器が壊れることがあるそうです。この現象が、中性線欠相と呼ばれます。そこで、中性線欠相の時に自動的に回路を遮断する機能を備えた「中性線欠相保護付」漏電遮断器(ブレーカー)を幹線に設置することが望ましいとのことです。



2 住宅用分電盤内には、サービスブレーカー(アンベアブレーカーとも呼ばれている。)、漏電遮断器、安全ブレーカーが設置されているが、これらはすべて電力会社の所有物である。

X 適切でない。 まず、アンペアブレーカーと漏電遮断器、安全ブレーカーとの違いが分からないといけません。
 アンペアブレーカーは、電力会社が契約した家庭との間で取り決めた最大のアンペアを超えると(例えば、30Aでの契約なら30Aの使用を超えた時)自動的に電気を止める「契約用遮断器」とも、また「リミッター」とも呼ばれるものです。一方、漏電遮断器、安全ブレーカーは、漏電や電気回路の故障があったときに、感電防止や電気機器が壊れるのを防ぐものです。これは、一度、各家庭でも確認できますから、開けてみてください。
 そこで、漏電遮断器、安全ブレーカーは、利用者の負担ですが、アンペアブレーカーは電力会社の所有です。昔の分電盤には、アンベアブレーカーは無かったのに、いつの間にか、こんなのが、くっついていた。




3 最近のマンションの住戸への電気引込みでは、100Vと200Vを同時に供給できる単相2線式が主流となってきている。

X 適切ではない。 これは、選択肢1で説明しましたように、単相3線式で、100Vと200Vの供給ができますので、この単相3線式が主流となっています。


4 住宅用分電盤設置工事は、第1種電気工事士又は第2種電気工事士が行わなければならないが、安全ブレーカーの増設や変更は第1種電気工事士又は第2種電気工事士でなくても行うことができる。

X 適切でない?  電気工事の欠陥による災害の発生を防止するために、電気工事士法によって一定範囲の電気工作物について電気工事の作業に従事する者の資格が定められております。電気工事士の資格には、免状の種類により第一種電気工事士と第二種電気工事士があり第一種電気工事士にあっては一般用電気工作物及び自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満の需要設備に限る)の、第二種電気工事士にあっては一般用電気工作物の作業に従事することができます。
 そこで、住宅用分電盤設置工事も、安全ブレーカーの増設や変更も一般用電気工作物に該当するようで、共に第1種電気工事士又は第2種電気工事士でなければ、出来ないようです。(そこまで、細かくは、分からない。)



答え: 1 (まったく、設問が実に細かくて、解説も泣かされます。中性線欠相保護機能 や 住宅用分電盤設置工事ができる資格とは! なお、電気については、平成22年 管理業務主任者試験 「問25」 も参考に。))

問22

【問 22】 共同住宅で一定の要件を満たすものについて、消防用設備等の特例を認める「特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令」(平成17年総務省令第40号)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 特定共同住宅等には、レストラン及びコンビニエンスストアが入っている複合用途の共同住宅も含まれる。

X 適切でない? これまた、新しい分野からの出題だ。
  設問を検討するには、「特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(以下「省令」という)」での定義が必要です。それは、
  同省令第2条
 「(用語の意義)
   第二条  この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
    一  
特定共同住宅等 令別表第一(五)項ロに掲げる防火対象物及び同表(十六)項イに掲げる防火対象物(同表(五)項ロ並びに(六)項ロ及びハに掲げる防火対象物(同表(六)項ロ及びハに掲げる防火対象物にあっては、有料老人ホーム、福祉ホーム、老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第六項 に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設又は障害者自立支援法 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十項 若しくは第十六項 に規定する共同生活介護若しくは共同生活援助を行う施設に限る。以下同じ。)の用途以外の用途に供される部分が存せず、かつ、同表(六)項ロ及びハに掲げる防火対象物の用途に供する各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分で独立して住居その他の用途に供されることができるものをいう。以下同じ。)の床面積がいずれも百平方メートル以下であるものに限る。)であって、火災の発生又は延焼のおそれが少ないものとして、その位置、構造及び設備について消防庁長官が定める基準に適合するものをいう。(以下略)」とあり、
 それでは、 引用されています、消防施行令の 令別表第一(五)項ロ 別表第一は、良く出ますから、このさい全表を載せます。

別表第一 (第一条の二―第三条、第四条の二―第四条の三、第六条、第九条―第十四条、第十九条、第二十一条―第二十九条の三、第三十一条、第三十四条、第三十四条の二、第三十四条の四―第三十六条関係)
防火対象物
(一)

イ 劇場、映画館、演芸場又は観覧場

ロ 公会堂又は集会場

(二)

イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの

ロ 遊技場又はダンスホール

ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第五項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(ニ並びに(一)項イ、(四)項、(五)項イ及び(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの

ニ カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの

(三)

イ 待合、料理店その他これらに類するもの

ロ 飲食店

(四) 百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
(五)

イ 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの

ロ 寄宿舎、下宿又は共同住宅

(六)

イ 病院、診療所又は助産所

ロ 老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム(主として要介護状態にある者を入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、救護施設、乳児院、知的障害児施設、盲ろうあ児施設(通所施設を除く。)、肢体不自由児施設(通所施設を除く。)、重症心身障害児施設、障害者支援施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものに限る。)、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第四項若しくは第六項に規定する老人短期入所事業若しくは認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設又は障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五条第八項若しくは第十項に規定する短期入所若しくは共同生活介護を行う施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものに限る。ハにおいて「短期入所等施設」という。)

ハ 老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(主として要介護状態にある者を入居させるものを除く。)、更生施設、助産施設、保育所、児童養護施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設(通所施設に限る。)、肢体不自由児施設(通所施設に限る。)、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、身体障害者福祉センター、障害者支援施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものを除く。)、地域活動支援センター、福祉ホーム、老人福祉法第五条の二第三項若しくは第五項に規定する老人デイサービス事業若しくは小規模多機能型居宅介護事業を行う施設又は障害者自立支援法第五条第六項から第八項まで、第十項若しくは第十三項から第十六項までに規定する生活介護、児童デイサービス、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援若しくは共同生活援助を行う施設(短期入所等施設を除く。)

ニ 幼稚園又は特別支援学校

(七) 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの
(八) 図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(九)

イ 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの

ロ イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場

(十) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る。)
(十一) 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(十二)

イ 工場又は作業場

ロ 映画スタジオ又はテレビスタジオ

(十三)

イ 自動車車庫又は駐車場

ロ 飛行機又は回転翼航空機の格納庫

(十四) 倉庫
(十五) 前各項に該当しない事業場
(十六)

イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの

ロ イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物

(十六の二) 地下街
(十六の三) 建築物の地階((十六の二)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)
(十七) 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品として認定された建造物
(十八) 延長五十メートル以上のアーケード
(十九) 市町村長の指定する山林
(二十) 総務省令で定める舟車
備考
一 二以上の用途に供される防火対象物で第一条の二第二項後段の規定の適用により複合用途防火対象物以外の防火対象物となるものの主たる用途が(一)項から(十五)までの各項に掲げる防火対象物の用途であるときは、当該防火対象物は、当該各項に掲げる防火対象物とする。
二 (一)項から(十六)項までに掲げる用途に供される建築物が(十六の二)項に掲げる防火対象物内に存するときは、これらの建築物は、同項に掲げる防火対象物の部分とみなす。
三  (一)項から(十六)項までに掲げる用途に供される建築物又はその部分が(十六の三)項に掲げる防火対象物の部分に該当するものであるときは、これらの 建築物又はその部分は、同項に掲げる防火対象物の部分であるほか、(一)項から(十六)項に掲げる防火対象物又はその部分でもあるものとみなす。
四  (一)項から(十六)項までに掲げる用途に供される建築物その他の工作物又はその部分が(十七)項に掲げる防火対象物に該当するものであるときは、これ らの建築物その他の工作物又はその部分は、同項に掲げる防火対象物であるほか、(一)項から(十六)項までに掲げる防火対象物又はその部分でもあるものと みなす。
 
 とあり、単純に共同住宅だけなら、令別表第一(五)項ロ に該当しています。 
 そこで、設問の複合用途の場合ですが、すると、令
別表第一(一六)項イ になりますが、ここは、劇場・キャバレー・レストラン・デパート・ホテル等が雑居しているビルが対象となります。(レストランは、(三)項に該当し、コンビニエンスストアは、(四)項に該当します。)
 
別表第一(一六)項ロ は、共同住宅・倉庫・事務所等が雑居しているビルが対象です。
 そこで、設問の場合の、共同住宅とレストランやコンビニエンスストアが入っているビルは、特定共同住宅等には該当しません。


2 特定共同住宅等の種類の構造類型としては、「二方向避難型特定共同住宅等」、「開放型特定共同性宅等」、「二方向避難・開放型特定共同住宅等」及び「その他の特定共同住宅等」の4つがある。

○ 適切である。 特定共同住宅等の種類の構造類型については、省令第2条
  「
八  二方向避難型特定共同住宅等 特定共同住宅等における火災時に、すべての住戸、共用室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を利用して安全に避難できるようにするため、避難階又は地上に通ずる二以上の異なった避難経路を確保している特定共同住宅等として消防庁長官が定める構造を有するものをいう。
   
九  開放型特定共同住宅等 すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入口が開放型廊下又は開放型階段に面していることにより、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を有効に排出することができる特定共同住宅等として消防庁長官が定める構造を有するものをいう。
   
十  二方向避難・開放型特定共同住宅等 特定共同住宅等における火災時に、すべての住戸、共用室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を利用して安全に避難できるようにするため、避難階又は地上に通ずる二以上の異なった避難経路を確保し、かつ、その主たる出入口が開放型廊下又は開放型階段に面していることにより、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を有効に排出することができる特定共同住宅等として消防庁長官が定める構造を有するものをいう。
 
  十一  その他の特定共同住宅等 前三号に掲げるもの以外の特定共同住宅等をいう。」とあり、
 8号から11号に該当しています。なお、条文中の「二方向避難経路」や「解放型廊下」などもちゃんと理解しておいてください。


3 特定共同住宅等の種類は構造類型による区分のみで、階数による区分はない。

X 適切でない。 省令第3条
 「(必要とされる初期拡大抑制性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)
  第三条  特定共同住宅等(福祉施設等を除く。)において、火災の拡大を初期に抑制する性能(以下「初期拡大抑制性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる必要とされる初期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供する設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いられる消防用設備等の区分に応じ、同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等とする。
特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等
構造類型 階数
二方向避難型特定共同住宅等 地階を除く階数が五以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が十以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が十一以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備(十一階以上の階に設置するものに限る。)
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が五以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が十以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が十一以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
二方向避難・開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が十以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が十一以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
その他の特定共同住宅等 地階を除く階数が十以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が十一以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備(十一階以上の階に設置するものに限る。)
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備

 (以下略)」とあり、
 特定共同住宅等の種類には、
構造類型階数があります。


4 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第29条の4第1項の規定により「通常用いられる消防設備等」に代えて用いることができることとされている「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」には、住宅用消火器及び消火器具は含まれない。

X 適切でない。 消防法施行令第29条の4第1項
 「 (必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)
  第二十九条の四  法第十七条第一項 の関係者は、この節の第二款から前款までの規定により設置し、及び維持しなければならない同項 に規定する消防用設備等(以下この条において「通常用いられる消防用設備等」という。)に代えて、総務省令で定めるところにより消防長又は消防署長が、その防火安全性能(火災の拡大を初期に抑制する性能、火災時に安全に避難することを支援する性能又は消防隊による活動を支援する性能をいう。以下この条において同じ。)が当該通常用いられる消防用設備等の防火安全性能と同等以上であると認める消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設(以下この条、第三十四条第七号及び第三十六条の二において「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」という。)を用いることができる。 」とあり、
 選択肢3で引用していますように、「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」に、「住宅用消火器及び消火器具」が含まれています。



答え:2 
(まったく、解説に時間がかかる! ここは、根拠を調べるのに、テーブルを作ったりで、5時間もかかった! 前の「問19」から始まり、新しい分野からの出題で解説に時間を取られている。)
2010年12月31日:設備関係は根拠を探すのが大変で、解説に時間がかかるので、パスして、「問29」からを先に解説します。

問23

【問 23】 マンションの給水方式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 高置水槽方式の給水圧力は、変動が少なく安定している。

○ 適切である。 給水設備も、過去から良く出る。平成21年 マンション管理士試験 「問43」 、平成19年 マンション管理士試験 「問45」 など。
  まず、給水の方式は、大きく分けると、以下の3つになります。
   (1)配水管からの水圧で給水する直圧直結給水方式
   (2)増圧ポンプにより給水する増圧直結給水方式
   (3)受水タンクに貯めて給水する受水タンク方式




  高置水槽(タンク)方式は、水道本管から建物の屋上など高い場所にある水槽(タンク)に水を送り、そのタンクに水を貯めて、あとは重力で、各戸へ給水します。
 この方式のメリットは、給水圧力の変動が殆どなく、また、断水があっても、貯めた水が無くなるまで、利用できますが、デメリットとしては、水槽の設置スペースが必要なのと、水槽の清掃も必要なことです。



2 受水槽方式の場合は、敷地内配管は水道法(昭和32年法律第177号)による給水装置の適用を受けない。

X 適切でない? 受水槽方式であっても、受水槽までの配管は、市町村など水道事業者の管理で、水道法による給水装置の適用を受け、水道事業者が定める技術的な基準が、適用されるようです。この受水槽の水から先は、マンションの管理組合の責任で管理します。
 参考:水道法第3条9号
 「用語の定義)
 第三条  この法律において「水道」とは、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。ただし、臨時に施設されたものを除く。
  9  この法律において「給水装置」とは、需要者に水を供給するために水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。」
 (ここは、のりべー さんのご協力を得ています。)



3 受水槽方式の一つであるポンプ直送方式では、一般に小流量時用の圧力タンクを設けている。

○ 適切である。 ここは、平成22年 マンション管理士試験 「問43」 も参考に。
   一度、水道本管から受水槽に貯めた水を、各住戸に送る方式として、@ポンプ直送方式とA圧力タンク方式があります。
 @ポンプ直送方式は、受水槽の水に加圧ポンプで圧力をかけて各戸へ給水する方式です。
 A圧力タンク方式は、圧力タンクに給水して、その圧力タンク内の空気を圧縮・加圧して、各戸へ送ります。
 この両方式では、共に高置水槽が不要です。
  また、ポンプ直送方式には、ポンプの吐水口側に取り付けた給水管内の圧力や流量を感知してポンプの運転台数を制御する「定速ポンプ方式」と、ポンプの吐水口側の圧力を感知してポンプの回転数の制御をする「変速ポンプ方式」があります。最近のマンションでは「変速ポンプ方式」が採用されているようです。
 ポンプ直送方式では、ポンプは小量の水が流れる時でも稼働して、この少ししか水が流れていない状態(締切運転というようです)が続くとポンプが焼ける危険性があります。
 この状態を避けるために、小量の水しか必要としない時には、ポンプは停止させ、圧力タンク(小型ですが)も設けこちらを使用することもあります。



4 直結増圧方式は、受水槽・高置水槽が不要なため、スペースの有効利用や水道本管の圧力の利用によるエネルギー低減などのメリットも多いが、断水すると水の供給が得られなくなる。

○ 適切である。 直結増圧方式は、本管の水を増圧ポンプによって直接各戸へ給水する方式です。選択肢1で述べた、高置水槽(タンク)方式と比べると、受水槽、圧力タンク、高置水槽が不要のため、それらの設置場所が不要ですが、水を水道管だけに頼っていて、貯水がありませんから、断水すると水の供給が得られなくなります。

答え:2 (選択肢2 とは分かるが、根拠の水道法関係のどこにあるのかが、調べきれない。 分かる人は、ブログ:http://tk4982.at.webry.info/ へ連絡ください。)
 2011年1月5日:昨年末に、設備関係は時間がかかるので、「問23」からは飛ばして、「問29」から先を解説しましたが、そちらが終わったので、また、ここから解説を続けます。

問24

【問 24】 給水・給湯用配管材料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 亜鉛めっき鋼管は、給水管として多用されてきたが、現在では給水用にはほとんど用いられていない。

○ 適切である。 水道用亜鉛めっき鋼管は、耐食性と耐火性から給水管として採用されていましたが、錆がでやすく、赤水の問題などから、1960年代後半以降は、下の水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管や水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管が採用されています。


2 硬質塩化ビニルライニング鋼管は、鋼管の内部に硬質塩化ビニル管が押入されたもので、塩化ビニルの耐食性と鋼管の剛性との長所を併せ持っている。

○ 適切である。 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、錆の発生を防ぐために、鋼管の内面に合成樹脂(硬質塩化ビニル)をライニングしたもので、鋼管の強さと、合成樹脂の耐食性を併せもっています。当初は、この硬質塩化ビニルライニング鋼管でも、継手部分での錆が発生していましたが、今は継手にも錆びない素材が使われています。



3 耐熱性硬質塩化ビニル管は、耐食性に優れ、接着接合で施工が容易であるが、直射日光、衝撃、凍結には弱い。

○ 適切である。 耐熱性硬質塩化ビニル管は非金属ですので、腐食に強く加工が容易ですが、外圧、衝撃に弱いため、主として、専有部分で使用されます。


4 水道用ポリブテン管、水道用架橋ポリエチレン管は、いずれも高温では強度が急激に低下するため、給湯用配管には用いることはできない。

X 適切でない。 水道用ポリブテン管、水道用架橋ポリエチレン管は、耐熱、耐寒、耐食性に優れています。そこで、給水湯配管、主にヘッダー集中配管に使用されます。なお、架橋ポリエチレン管とは、熱可塑性プラスチックとしての鎖状構造ポリエチレンの分子どうしのところどころを結合させ、立体の網目構造にした超高分子量ポリエチレンをいう。従って、架橋反応が終了した時点で、ポリエチレンはあたかも熱硬化性樹脂のような立体網目構造となり、耐熱性、クリープ性能とも向上する、のです。 平成22年 マンション管理士試験 「問43」 選択肢2 も参考に。




答え:4  (かなり真剣に、水道管を勉強しましたよ。でも、この設問や前問は、平成22年のマンション管理士試験とも、かなり重なっていました。)

問25

【問 25】 マンションの電力設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1  マンションの共用部分への電灯と電力(動力)の引込み電力の合計が50kW未満の場合は、原則として低圧受電の一般用電気工作物となる。

○ 適切である。 ここは、平成18年 マンション管理士試験 「問44」 選択肢4 。
  電力会社から建物への電源供給には、各戸契約と共用部分の契約電力の総量により、
    @低圧引き込み......受電電圧(100V,200V)、総量が50kW未満(電力会社の借室不要)
    A高圧引き込み......受電電圧(6,000V級)、総量が50kW以上2,000kW未満(電力会社の借室必要)
    B特別高圧引き込み...受電電圧(20,000V以上)総量2,000kW以上(電力会社の借室必要+特別高圧用変電室) の
   3種類があり、 各住戸と共用部分の契約電力の総量が50kW未満の時は、通常低圧受電ですから一般用電気工作物となります。
  なお、電気事業法により、電気工作物は、
  (A)事業用電気工作物 と  (B)一般用電気工作物 に分けられ、
  (A)事業用電気工作物 は 各種規制が厳しく、さらに 
    (イ)電気事業用電気工作物 と、
    (ロ)自家用電気工作物 に分けられます。
  (B)一般用電気工作物 には、受電電圧600V以下での一般住宅や小規模な事業所が該当します。危険度が低いので規制は緩くなっています。
 なお、定義として、電気事業法第38条
 「第三十八条  この法律において
「一般用電気工作物」とは、次に掲げる電気工作物をいう。ただし、小出力発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。)に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であつて、経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。
     一  他の者から経済産業省令で定める電圧以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する小出力発電設備を含む。)であつて、その受電のための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
     二  構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する電気を使用するための電気工作物を含む。)であつて、その発電に係る電気を前号の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
     三  前二号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
   2  前項において「小出力発電設備」とは、経済産業省令で定める電圧以下の電気の発電用の電気工作物であつて、経済産業省令で定めるものをいうものとする。
   3  この法律において
「事業用電気工作物」とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
   4  この法律において
「自家用電気工作物」とは、電気事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。


2 電気事業の用に供する事業用電気工作物は、工事等の諸届出、技術基準の適合など厳しく規制されるが、自家用電気工作物にはそのような規制はない。

X 適切でない。 事業用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物で、
  (イ)電気事業用電気工作物 (電気事業用電気事業者の発電所、変電 所、送電線路、配電線路など)  と 
  (ロ)自家用電気工作物 (一般用及び電気事業用以外の電気工作物。600Vを超えて受電) の総称です。(選択肢1で引用した、電気事業法第38条参照)。ともに、事業用電気工作物として、技術基準の維持や工事計画の届出などの規制を受けます。
  電気事業法第39条
 「(事業用電気工作物の維持)
  第三十九条  事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を経済産業省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
   2  前項の経済産業省令は、次に掲げるところによらなければならない。
     一  事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
     二  事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
     三  事業用電気工作物の損壊により一般電気事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
     四  事業用電気工作物が一般電気事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般電気事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。」とあります。



3 出力25kWの太陽電池発電設備は、一般用電気工作物となる。

X 適切でない。 太陽電池発電設備では、出力20kW未満でないと、規制の緩い一般用電気工作物として取り扱われません。電気事業法第38条での「一般用電気工作物」の政令で定めるものとして、電気事業法施行規則第48条
 「(一般用電気工作物の範囲)
  第四十八条  法第三十八条第一項 の経済産業省令で定める場所は、次のとおりとする。
     一  火薬類取締法 (昭和二十五年法律第百四十九号)第二条第一項 に規定する火薬類(煙火を除く。)を製造する事業場
     二  鉱山保安法施行規則 (平成十六年経済産業省令第九十六号)が適用される鉱山のうち、同令第一条第二項第八号 に規定する石炭坑
   2  法第三十八条第一項第一号 の経済産業省令で定める電圧は、六百ボルトとする。
   3  法第三十八条第二項 の経済産業省令で定める電圧は、六百ボルトとする。
   4  法第三十八条第二項 の経済産業省令で定める発電用の電気工作物は、次のとおりとする。ただし、次の各号に定める設備であって、同一の構内に設置する次の各号に定める他の設備と電気的に接続され、それらの設備の出力の合計が二十キロワット以上となるものを除く。
     
一  太陽電池発電設備であって出力二十キロワット未満のもの
     二  風力発電設備であって出力二十キロワット未満のもの
     三  水力発電設備であって出力十キロワット未満のもの(ダムを伴うものを除く。)
     四  内燃力を原動力とする火力発電設備であって出力十キロワット未満のもの
     五  燃料電池発電設備(固体高分子型又は固体酸化物型のものであって、燃料・改質系統設備の最高使用圧力が〇・一メガパスカル(液体燃料を通ずる部分にあっては、一・〇メガパスカル)未満のものに限る。)であって出力十キロワット未満のもの」とあり、
 4項1号に該当します。



4 高圧受電で借室方式又は借棟方式を採用している場合には、受電容量に制限が設けられている。

X 適切でない。 そのマンションの電力総量が50kW以上になると、高圧受電となり、借室方式又は借棟方式を採用しますが、受電容量(トランス容量)には制限がないようです。なお、借室内部や借棟の維持管理は電力会社が全て実施しますので、マンションの人は勝手に入れませんから注意してください。

答え:1 (電気事業法まで調べたので、ここも時間がかかった! 選択肢1 が適切は、過去問題から分かるが、選択肢3 の出力 25kWの太陽電池発電設備は、一般用電気工作物か、は知らない。
 20kWと25kWの違いまで、管理業務主任者に求めるのは、適切でない! なお、電気については、 平成22年 管理業務主任者試験 「問21」 も参考に。)

ここまで、問25


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最終更新日:
2012年 6月22日:「問6」、「問12」に平成23年の標準管理規約の改正入れた。
2011年 4月17日:「問23」 選択肢3に追記。
2011年 2月18日:再再検討
2011年 1月30日:再検証で。
2011年 1月10日
2011年 1月 6日
開始:2010年12月 1日

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