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平成22年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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謝辞:問題文の提供に当たっては、永井様、阿部様、小塩様、古沢様の協力を頂いております。

{出題者注} *答は、各問題とも1つだけです。2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。解答は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
        *問題中の法令等に関する部分は、平成22年5月1日現在で施行されている規定に基づいて出題されています。

解説者からのコメント:あやふやな出題、適切でない出題もあって、解答ができないのもあります。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

【問 26】 1階がピロティ形式となっている5階建鉄筋コンクリート造マンションの耐震補強方法として、最も適切なものはどれか。

1 1階ピロティ部分の柱に炭素繊維シートを巻きつける。

○ 適切である。 耐震は、過去問もたくさんある。平成21年 マンション管理士試験 「問41」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問40」 、平成17年 マンション管理士試験 「41」 、 など。
  1階がピロティ形式とは、1階部分が駐車場や駐輪場などに使用される構造で柱などしかない、空間のある造りです。この構造は、壁がないため地震に対して、弱いため、補強策として柱に炭素繊維シートを巻くことは適切です。

      


2 2階から4階の外壁部分に鉄骨製のブレースを取り付ける。

X 適切でない。 外壁部分に鉄骨製のブレース(ななめ材)を取り付けることは、構造物の変形や強度を補いますが、1階がピロティ形式になっているなら、1階部分の補強が肝心です。上層階を補強してもあまり適切ではありません。



3 1階のピロティ部分に軽量コンクリートブロックを積み上げる。

X 適切でない。 ピロティ部分に軽量コンクリートブロックを積み上げただけでは、補強になりません。柱や梁と一体化しなければ、補強になりません。そこで、1階に耐力壁を設けるか、選択肢1のように柱に炭素繊維シートを巻きつけるなどが必要です。


4 5階の構造体部分に制振ダンパーを設置する。

X 適切でない。 制振ダンパーや積層ゴムでできたアイソレータを使用して、地震力を弱めることができますが、5階などの上層階に制振ダンパーを設置しても、効果がありません。制振ダンパーやアイソレータは構造物の下層に設置します。



答え:1 (ここは、超 易しい。過去問題をやってきた人には、サービス問題でした。)

問27

【問 27】 マンションにおける法定点検の対象となる建物・設備とその点検を行うことができる資格者の組合わせとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
  

*面倒な出題です。サット読んでも、ビンと来ないでしょう。本番の試験では、回答は後回しにします。平成18年 管理業務主任者試験 「問18」 など 近いのは出ています。
1 適切である。 建築基準法第12条第1項に規定する特殊建築物定期調査を実施する場合の「建築物の外部」の調査は、特殊建築物等定期調査と呼ばれ、特殊建築物等調査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。


2 適切でない。 建築基準法第12条第3項に規定する特殊建築物の建築設備定期検査を実施する場合の「非常用の照明装置」の検査は、建築設備定期検査の中の給水設備や換気設備などと同じ対象項目で建築設備検査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。電気工事士は、できません。なお、電気工事士は、一般用電気工作物および自家用電気工作物の工事に関する専門的な知識を有するものに都道府県知事により与えられる資格で、一定の電気工事に必要な資格です。第一種電気工事士と第二種電気工事士があり、工事内容により従事できる範囲が決められています。

3 適切である。 建築基準法第12条第3項に規定する特殊建築物の建築設備定期検査を実施する場合の「昇降機(エレベーター)」の検査は、昇降機定期検査で、これは、昇降機検査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。

4 適切である。 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の3の3に規定する消防用設備等の点検を実施する場合の「スプリンクラー設備」の点検は、消防設備点検とよばれ、消防設備士(甲種、乙種)又は消防設備点検資格者(1種、2種)ができます。

答え:2 (ここは、難問。 過去問題をやっていると、何となく、直感で、建築基準法で選択肢2 の電気工事士が、ちょっと違うとは思うけど。) 

問28

【問 28】 排水管の洗浄方法の一般的名称に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 高圧洗浄法とは、ホース先端のノズルから噴射する高速噴流により管内付着物等を除去する方法である。

○ 適切である。 とうとう排水管の洗浄方法とは、出題が新しい。
  排水管は、油がついたり、髪の毛や廃棄物などで、汚れたり詰まったりしますから、定期的に洗浄し、付着物・堆積物・閉塞物を取り除きます。それらの方法です。私も高圧洗浄は見た事がありますが、他の洗浄方法までは知りません。回答は一般法人 全国管洗浄協会のホームページからの転用です。
  高圧洗浄法(高圧水法)とは、高圧洗浄機または高圧洗浄車からホースで導水しホースの先端に取り付けられたノズルから噴射する高速噴流により管内付着・堆積物等を除去する方法です。噴射孔の角度により、前方噴射、後方噴射、横噴射の各タイプおよびそれらの組み合わせが採用されています。注意点としてノズルの外れ防止、ホースの接続確認、歩行者足元注意、ホースの老朽化による高圧水噴射などの事故・トラブルがあります。



2 スネークワイヤー法とは、スクリュー形、ブラシ形等のヘッドを先端に取り付けたワイヤーを管内に挿入し、回転や押し引きによって付着物等を除去する方法である。

○ 適切である。 スネークワイヤー法はスクリュー形、ブラシ形等のヘッドが先端に取り付けられたワイヤーを排水管内に回転させながら挿入し、押し引きを繰り返しながら、管内停滞・付着物等を除去する方法です。トーラー法とも呼ばれています。ワイヤーは、配管の曲がりに対応できるように、フレキシブル(柔軟性のある)な螺旋構造となっています。これがスネーク(蛇)ワイヤーという呼称の所以です。高圧洗浄に比べると洗浄効果は劣ります。


3 ロッド法とは、長い棒をつなぎ合わせたものを手動で管内に挿入して閉塞物等を除去する方法である。

○ 適切である。  ロッド(さお)法は1.0~1.8m程度のロッド(長い棒)を繋ぎ合せて、手動で排水管内に挿入する方法です。この方法は敷地排水管や雨水敷地排水管に適用され、排水桝から挿入して作業します。ロッドの最大繋ぎ長さは30m程度です。


4 ウォーターラム法とは、閉塞した管内に洗浄剤を投入し、続いて温水を送り込み、閉塞物等を溶解することにより除去する方法である。

X 適切でない。 ウォーターラム法とは、圧縮空気の衝撃を利用した方法です。閉塞した排水管内に水を送り込み、空気ポンプを用いて圧搾空気を管内に一気に放出し、その衝撃波により閉塞物を破壊・離脱させて除去します。その空気圧力は0.2~0.32Mpa(メガパスカル)程度で使用され最大空気圧力は1.0Mpa程度です。
  これでは、分かり難い? (エアーガン=空気銃 と考えた方が分かる?)
 設問のような「続いて温水を送り込み、閉塞物等を溶解することにより除去」するのではなく、圧縮空気により水の中に波動を起こし、管内の詰りを吹き飛ばします。つまり、空圧で排水管を洗浄します。この波動の衝撃は、曲がりや縦管においても損なわれる事がないため、詰りがトラップの一番端の方にある場合や、きつい曲がりが多い箇所の清掃に有効です。しかし、年数を経た古い設備では、配管が脆くなっている場合が多く、衝撃波により、配管が外れたり、破損することがあります。高圧洗浄機やワイヤー、ロッド類が使用できない場所の清掃に使用できます。
 追記:ウォーターラムの英語でのスペルを追及していたが、全然分からなかった。ラは、カタカナにすると L か R か分からないので苦労します。 多分 ”WATER RAM = 水でつっつく” だと思います。 そこで、出題者は、水を中心にした設問を紛れ込ましたのでしょう。



答え:4 (排水管の洗浄方法としては、選択肢1から3までは、まあ正しいと推測できたが、選択肢4の ウォーターラム法は、まったく知らなかった。「マンション管理の知識」にはあるのかも?
 追記:2011年1月7日:早速、本屋さんで「マンション管理の知識 平成22年版」を立ち読みしましたが、該当の箇所はありませんでした。部厚い、¥10,000-もする「マンションの修理・維持」の本には、設問と同じような説明がありました。)

問29

【問 29】 管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。

○ 正しい。 管理組合法人の理事については、区分所有法第49条
 「(理事)
  第四十九条  管理組合法人には、理事を置かなければならない。
    2  理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
    3  理事は、管理組合法人を代表する。
    
4  理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
    5  前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
    6  理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
    7  理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
    8  第二十五条の規定は、理事に準用する。 」とあり、
 4項により、理事が数人あるときは、各自が管理組合法人を代表します。(なお、代理と代表の違いは、まとめておいてください。)



2 監事は、理事の業務執行に不正があると認めるときは、集会を招集し理事解任の議案を提出しなければならない。

X 誤っている。 監事については、区分所有法第50条
  「(監事)
  第五十条  管理組合法人には、監事を置かなければならない。
    2  監事は、理事又は管理組合法人の使用人と兼ねてはならない。
    3  監事の職務は、次のとおりとする。
     一  管理組合法人の財産の状況を監査すること。
     二  理事の業務の執行の状況を監査すること。
     
三  財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすること。
     
四  前号の報告をするため必要があるときは、集会を招集すること。
    4  第二十五条、第四十九条第六項及び第七項並びに前条の規定は、監事に準用する。 」とあり、
 準用されています、第25条
 「(選任及び解任)
  第二十五条  区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
    2  管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。」とあり、
 また、第49条6項及び7項
 「  6  理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
   7  理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。」です。
 また、前条は区分所有法第49条の4
 「(仮理事)
  第四十九条の四  理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
   2  仮理事の選任に関する事件は、管理組合法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 」です。
 そこで、設問の場合、監事は、「理事の業務執行に不正があると認めるとき」は第50条3項3号及び同4号により、「集会を招集」し「報告」まではしますが、「理事解任の議案を提出」までは求められていません。
 理事解任をするかどうかは、区分所有者の集会での判断です。



3 区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

○ 正しい。 区分所有者名簿については、区分所有法第48条の2
 「(財産目録及び区分所有者名簿)
  第四十八条の二  管理組合法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
    
2  管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。」とあり、
 第2項により、 管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければなりません。



4 管理組合法人と理事の利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。

○ 正しい。 管理組合法人と理事の利益が相反する場合に、理事に代表権を認めると管理組合法人の利益が損なわれる恐れがあるため、他の法律でも予防措置がとられているように、区分所有法第51条があります。
 「(監事の代表権)
  
第五十一条  管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
  利益相反行為については、平成22年 管理業務主任者試験 「問4」 も参考に。


答え:2 (選択肢2は少し悩むが、他の選択肢からの消去法でできる?)

問30

【問 30】 次に掲げる者のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約の定めによれば、総会への出席を拒否される者として最も可能性が高いものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。標準管理規約46条は該当している。


1 「マンション管理業者との管理委託契約の締結について」が議題になっている総会において、管理費等の収納方法変更の説明を理事会から求められたマンション管理業者の従業員

出席を拒否される可能性は低い。 似たような問題は、平成21年 管理業務主任者試験 「問35」 や、平成21年 マンション管理士試験 「問25」 など。 また、平成22年 マンション管理士試験 「問28」。最近の出題者は、この傾向の出題がお好き?
  原則として総会(集会)へ出席が認められているのは、組合員(区分所有者)は当然ですが、代理人も議決権行使者として区分所有法第39条2項
  「(議事)
  第三十九条
   2  議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。」により、総会への出席が可能です。
 また、賃借人などの占有者も総会の会議の目的に利害関係を有している場合には、同法第44条1項
 「 (占有者の意見陳述権)
  第四十四条  区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」あり、出席できることがあります。
 これを受け、標準管理規約45条
、 「(出席資格)
   第45条 
組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる
    2 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない。」とあり、
 問題なのは、標準管理規約が総会へ出席できる代理人を限定していることです。
 それは、標準管理規約46条5項
 「(議決権)
  第46条
   5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員と同居する者若しくはその組合員の住戸を借り受けた者、又は他の組合員若しくはその組合員と同居する者でなければならない。」です。
(注:この46条5項は、平成23年の標準管理規約の改正で削除されたので注意のこと。)
 上の規約をまとめますと、組合員以外で総会に出席できるのは、
  ア.理事会が必要と認めた者
 そして、代理出席ができるのは、
  ①その組合員と同居する者(親族など同居人)
  ②その組合員の住戸を借り受けた者(賃借人=占有者)
  ③他の組合員
  ④他の組合員と同居する者 となります。
 これを踏まえ、設問は、「マンション管理業者の従業員」ですから、通常であれば、総会には出席できませんが、理事会から「管理費等の収納方法変更の説明」を求められていますので、標準管理規約45条の「組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる。」により、出席を拒否される可能性は低いでしょう。



2 「管理費等の値上げについて」が議題になっている総会において、これに反対する組合員から代理人として出席を依頼され、委任状を受け取った賃借人

出席を拒否されない。 この賃借人は、選択肢1で説明しましたように、代理人でなお、標準管理規約46条5項で認められた、「その組合員の住戸を借り受けた者」ですから、議題に関係なく反対していようといまいと、完全に総会に出席できます。


3 「ペット飼育の制限について」が議題になっている総会において、室内犬を飼育している組合員から代理人として出席を依頼され、委任状を受け取ったその組合員と同居していない親族

出席を拒否される。 よく読むこと。出席しようとしているのは、委任状を持たず、なお、そのマンションに住んでいない人です。この人は、議題にも関係なく、総会への出席を拒否されます。


4 「占有者に対する引渡し請求訴訟の提起について」が議題になっている総会に、出席しようとしている共同の利益に反する行為を繰り返している当該占有者である賃借人

出席を拒否される可能性は低い。 「占有者に対する引渡し請求訴訟の提起について」が議題になっている総会の場合には、区分所有法第60条
 「(占有者に対する引渡し請求)
   第六十条  第五十七条第四項に規定する場合において、第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。
   2  第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、
第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する
   3  第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。」とあり、
 ここで、準用されています、 第58条条3項の規定とは、
 「
3  第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。 」です。
 ここは、区分所有者が読み替えられて、「当該占有者である賃借人」に弁明の機会を与える必要」がありますから、この弁明は通常、総会で与えるべきですから、総会へ出席できます。

 

答え:3  (設問内容をよく読むと、混乱しない。) 

問31

【問 31】 あるマンションにおける次の管理規約の定めのうち、区分所有法の規定によれば、無効とされるものはどれか。

1 総会の議事録は、その会議の状況を録音したテープの保存をもって、書面による作成に代えることができる。

X 無効である。 総会(集会)の議事録は、区分所有法第42条
 「(議事録)
  第四十二条  
集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない
    2  議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
    3  前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。
    4  第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名押印に代わる措置を執らなければならない。
    5  第三十三条の規定は、議事録について準用する。」とあり、
 1項により、①書面、 又は ②電磁的記録 で作成することになっていて、 「会議の状況を録音したテープの保存」は、認められていませんから、無効です。



2 管理規約改正時の管理規約原本は、これを決議した時の役員全員が署名押印したものとする。

X 無効である。 この設問は、管理規約原本の扱い方について区分所有法に直接の規定がないため、意図が不明で、解説が長くなります。
  本来、管理規約は、区分所有者全員の同意を必要とする契約ですから、区分所有者全員の記名・押印が必要です。そこで、分譲時においては、別途に規約案に同意した旨の区分所有者全員の書面を持って、当初の管理規約原本としています。
 そして、規約の改正は、区分所有法第31条
 「(規約の設定、変更及び廃止)
  第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
    2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。」とあり、
 区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつて可能です。
 そこで、当然、総会(集会)が開催され、会議の目的たる事項と議案の要領も議事録に記載された上で、その議事録には、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印します(第42条2項)。
 しかし、設問の「管理規約改正時の管理規約原本は、これを決議した時の役員全員が署名押印したもの」だけでは、その規約原本が総会の決議が正しく反映されたものかどうかが不明ですし、役員全員といっても、その人数も1名か10名か不明です。人数が多いからといっても、正しいことの証明にはなりませんが。そこで、改正された規約原本であることを証明するためには、規約の改正があった時の議事録と管理規約が改正されたというを証明する書面も必要です。「これを決議した時の役員全員が署名押印」では、無効と判断します。(出題者は、議事録の議長+出席者の2名以上の署名・押印で、認めようとする意図か?)
 参考:平成21年 管理業務主任者試験 「問34」 選択肢ウ では、単に、標準管理規約だけでの「特別決議が必要」なので、適切としましたが、、本設問内容で、区分所有法だけで考えると、そこには、証明できる物が必要でしょう。また、平成22年 マンション管理士試験 「問27」 選択肢4 も参考に。


3 区分所有者の6分の1以上で議決権の6分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、総会の招集を請求することができる。

○ 有効である。 ここは、よく出題される箇所。平成18年 管理業務主任者試験 「問32」 選択肢3 など。
   総会の招集は、原則、管理者が招集しますが、管理者が招集しない時には、区分所有法第34条
 「(集会の招集)
  第三十四条  集会は、管理者が招集する。
    2  管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。
   
 3  区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
    4  前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
    5  管理者がないときは、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。 」とあり、
 3項により、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができ、この定数は規約で減じることができますから、6分の1以上でも有効です。なお、逆の解釈として規約でこの定数を引き上げることはできません。



4 特別決議事項に関する議決権割合は専有部分の床面積割合によるものとし、普通決議事項に関する議決権割合は1住戸1議決権とする。

○ 有効である。 議決権は、区分所有法第38条
  「(議決権)
  第三十八条  各区分所有者の議決権は、
規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。 」とあります。
  そして、区分所有法第14条は、
  「(共用部分の持分の割合)
  第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
   2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
   3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
   4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 」です。
 これらにより、議決権の割合は原則:第14条で規定する「専有部分の床面積の割合」ですが、第38条の規定では、規約で議決権を定めることを許していますから、理論的には、特別決議事項での議決権割合と普通決議事項での議決権割合を、設問のように別々にすることも可能です。しかし、こんな現実的でなく、総会で議決権の計算にも手間のかかる規定を設けているマンションを私は知りません。なお、専有部分の床面積割合が極端に差がある住戸がある場合に、議決権割合を全部1住戸1議決権とすると、無効になりますので、注意してください。



答え:1 及び 2 (選択肢2 の出題の方法で高層住宅管理業協会がミスをしたようだ。)
高層住宅管理業協会の正解:1

問32

【問 32】 共用部分に係る次の工事のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、総会の普通決議でできるものはいくつあるか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


ア 玄関扉一斉交換工事

○ 普通決議で可能。 標準管理規約での判断であることに注意。このあたりの出題は、多い。平成20年 管理業務主任者試験 「問32」 、平成20年 マンション管理士試験 「問26」平成21年 管理業務主任者試験 「問34」など。
 また、例年指摘していますが、この判断の基準が、標準管理規約のコメントであることは、出題として、適切でない。
  それは、それとして、受験生は、正解をしなければなりませんから、総会での決議で必要なのは、標準管理規約47条
 「(総会の会議及び議事)
  第47条 総会の会議は、前条 第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。
    
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
    3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、
前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する
      一 規約の制定、変更又は廃止
      
二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)
      三 区分所有法第58条 第1項、第59条 第1項又は第60条 第1項の訴えの提起
      四 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
      五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項(以下略)」とあり、
 共用部分の変更は、3項2号により、「その形状又は効用の著しい変更を伴うもの」なら、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上(特別多数決議=特別決議とも)が必要ですが、それ以外なら、出席組合員の議決権の過半数(普通決議)で可能です。しかし、この区分けは、難しいため、同47条のコメントがあります。
 「第47条 関係
  ⑤このような規定の下で、各工事に必要な総会の決議に関しては、例えば次のように考えられる。ただし、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断によることとなる。
   ア)バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレベーターを新たに設置する工事は特別多数決議により実施可能と考えられる。
   イ)耐震改修工事に関し、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻き付けて補修する工事や、構造躯体に壁や筋かいなどの耐震部材を設置する工事で基本的構造部分への加工が小さいものは普通決議により実施可能と考えられる。
   ウ)防犯化工事に関し、オートロック設備を設置する際、配線を、空き管路内に通したり、建物の外周に敷設したりするなど共用部分の加工の程度が小さい場合の工事や、
防犯カメラ、防犯灯の設置工事は普通決議により、実施可能と考えられる。
   エ)IT化工事に関し、光ファイバー・ケーブルの敷設工事を実施する場合、その工事が既存のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合や、新たに光ファイバー・ケーブルを通すために、外壁、耐力壁等に工事を加え、その形状を変更するような場合でも、建物の躯体部分に相当程度の加工を要するものではなく、外観を見苦しくない状態に復元するのであれば、普通決議により実施可能と考えられる。
   オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、
エレベーター設備の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる。
   カ)その他、
集会室駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議により、窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は普通決議により、実施可能と考えられる。」です。
 設問の「玄関扉一斉交換工事」は、カ)によりますと、普通決議により、実施可能と考えられます。



イ 不要となった高置水槽の撤去工事

○ 普通決議で可能。 これは、選択肢1で引用しました、コメント カ)に該当し、普通決議により、実施可能と考えられます。


ウ 機械式駐車場を平置き駐車場にする工事

X 普通決議で不可能。 機械式駐車場を平置き駐車場にすることは、かなり大規模な工事となりますから、選択肢1で引用しました、コメント カ)では、特別多数決議を必要としています。普通決議では、できません。


工 防犯カメラの設置工事

○ 普通決議で可能。 これは、選択肢1で引用しました、コメント ウ)で、普通決議により、実施可能と考えられます。


オ マンション中庭の緑地を削って集会室を設置する工事

X 普通決議で不可能。 これは、選択肢1で引用しました、コメント カ)の例示にありますように、大規模な変更と工事が必要ですから、特別多数決議を必要としています。普通決議では、できません。


力 エレベーター設備更新工事

○ 普通決議で可能。
 これは、選択肢1で引用しました、コメント オ)の例示にありますように、普通決議で実施可能と考えられます。

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え:4 (普通決議でできるものは、ア、イ、エ、カ の4つ) (個数問題です。)

問33

【問 33】 給水管本管と枝管(専有部分であるものを含む。)を一体的に取り替える工事に関する次の記述のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約の定めによれば、最も適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 当該工事を行うには、総会の特別決議が必要である。

X 適切でない。 このあたりも、よく出る問題。 平成21年 管理業務主任者試験 「問29」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問25」 など。
  まず、前提として、給水管や排水管などは、共用部分とされる「本管部分」と専有部分に入っている「枝管部分」が連続しているため区分けすることが難しいので、標準管理規約21条
 「(敷地及び共用部分等の管理)
  第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
   
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」とあり、
 2項で、専有部分でも、管理組合が共用部分と一体で管理できるとしています。そこで、総会の決議で特別決議事項か、普通決議事項かの判断となります。
 ここは、前「問32」 の選択肢1の標準管理規約47条のコメント
 「オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター設備の更新工事
普通決議で実施可能と考えられる。」によると、特別決議は不要で、普通決議で可能です。


2 当該工事を総会で決議した場合には、管理組合は、当然に組合員の居室に立入ることができる。

X 適切でない。 通常の戸建では、町内会での多数決があっても勝手にその家に立ち入りは出来ませんが、マンションという建物の構造上、修理や漏水の原因追及で、どうしても居住者の室に入らなければならないことがあるので、標準管理規約23条
 「必要箇所への立入り)
  第23条 前2条 により管理を行う者は、
管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる
   
2 前項により立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない
   3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
   4 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。」と規定し、
 1項により、専有部分(室)に立入りを請求できますが、これは総会の決議があれば「当然に組合員の居室に立入るこができること」を認めたものではありません。
 2項にありますように、組合員は「正当な理由」があれば、「居室に立入ること」を拒否できます。



3 当該工事を総会で決議した場合も、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各組合員が実費に応じて負担すべきである。

○ 適切である。 ここは、実態としては、総会で費用負担を専有部分も含めて管理組合で負担としたのなら、その決議を尊重すべきと思うのですが、標準管理規約のコメント21条関係
 「⑤配管の清掃等に要する費用については、第27条 第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」といっています。


4 室内リフォーム等で既に枝管を取り替えた組合員には、特別の影響が及ぶので、当該工事について当該組合員の承諾が必要である。

X 適切でない。 総会での決議にあたっては、標準管理規約47条7項
 「7 第3項第二号(注:2号:敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)) において、敷地及び共用部分等の変更が、専有部分又は専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分を所有する組合員又はその専用使用部分の専用使用を認められている組合員の承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。」があります。
 そこで、「枝管の更新」が「特別の影響を及ぼすべきとき」かどうかの判断です。
 確かに、既に同じ工事をしてしまった組合員にとっては、二重の負担となりますが、管理組合全体で必要な工事であることを考えると、一部の組合員としては受忍すべき程度で、「特別の影響を及ぼすべきとき」には該当しないと考えます。しかし、決議において、既に枝管を取り替えた組合員に対しては、枝管部分の工事をしないなどの措置も決議すべきでしょう。

答え:3 (ここは、易しい。)

問34

【問 34】 マンション標準管理規約に即した管理規約を定めているあるマンションの総会の決議に関する委任又は委任状の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 氏名欄に署名はあるが、押印がなかったので、有効な委任状として取り扱わなかった。

X 適切でない。 委任についても、過去問題は多い。 また、現実にその扱いについても、議長一任などでトラブルが多く発生しています。平成20年 管理業務主任者試験 「問30」 、平成21年 マンション管理士試験 「問25」 、平成19年 マンション管理士試験 「問25」 など。
  委任状の有効性の問題です。正式な委任状であれば、押印も必要とされますが、最近ではサインのみで済ませることも多いことを考えれば、特に総会を軽く見る訳ではありませんが、署名だけでも有効としていいでしょう。



2 委任状の提出がなかったが、組合員からの電話で理事長に委任する旨の連絡をもらったので、理事長の賛否に従い、賛成票として数えた。

X 適切でない。 電話では、記録が残らないため、将来「言った」「言わない」と問題がありますから、これは、有効な委任として数えることは、無理です。本人の意思表示であることを明らかにできる書類なり何らかの記録が必要です。


3 欠席通知と理事長に委任する旨の委任状をあらかじめ提出していた組合員が出席したので、理事長の賛否ではなく、出席時の当該組合員員の賛否に従った。

○ 適切である。 本人が出席したのであれば、委任状に寄らずに、本人の意思による賛否に従うのは、適切です。


4 委任状に「出席者の多数意見に従います」と記載されていたので、出席者の賛否を問い、賛成多数であったので、賛成票として数えた。 

○ 適切である? ここの判断は、かなり難しい設問です。 多くのマンションや自治会の総会でも「出席者の多数意見に従います」は、今まで多くの場合、有効であるとして扱われて、「出席者の賛否を問い」多数に入れてきましたが、これは、意思表示が明確でないから、出席者の数にはいれますが、賛否では、棄権として扱うべきではないかという意見もあります。


答え:3 (選択肢4 も候補に上がりますが、最も適切で 3 )
参考:この委任状の曖昧さが、問題になり、平成22年10月22日「第4回 マンション標準管理規約の見直しに関する検討会」で検討されています。
それでも、社団法人 高層住宅管理業協会は、出題した。ここは、出題機関として、適切でない。

問35

【問 35】 あるマンションにおける次の管理規約の改正内容と、改正に際し、その承諾を得なければならない特別の影響を受ける区分所有者の組合わせのうち、適切なものはいくつあるか。

  


ア 承諾は不要。 似たような出題は、平成17年 管理業務主任者試験 「問29」 、平成15年 管理業務主任者試験 「問34」 、平成14年 管理業務主任者試験 「問41」など。
  規約を改正するに当たっては、区分所有法第31条
  「(規約の設定、変更及び廃止)
  第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
   2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。 」とあり、
 1項により、「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければなりません。
  そこで、「特別の影響を及ぼすべきとき」の判断をどこに置くかが、裁判で争われて来ています。
 「特別の影響」とは、「規約規定や変更の必要性・合理性と、そのために少数者が被る不利益とを比較衡量し、受忍限度を超えているか否か」で判断されます(平成10年10月30日 最高裁二小判決)
  そして、その影響が全ての区分所有者に均等に及ぶときは、個々の承諾は要らないと解されますから、野良猫に餌を与えている区分所有者の承諾は不要です。なお、参考までに、動物の飼育を制限・禁止する規約の制定は有効であるとする判例があります。(東京高裁:平成6年8月4日)
 なお、猫の餌付けの裁判は、平成22年5月13日:東京地裁立川支部での将棋の加藤名人の判決もあります。


イ 承諾が必要。 管理費などの負担割合について法人たる区分所有者と個人たる区分所有者とで差を設けることができるとした規約の定めで法人の負担を個人の負担の1.7倍と した集会の決議は区分所有法の趣旨と民法第90条(公序良俗違反)に反し無効であるとしたものがあります(東京地裁:平成2年7月24日)。

ウ 承諾が必要。 「すべての駐車場について、区分所有者の公平な利用を確保するため、特定の区分所有者の駐車場を専用使用する権利を廃止する旨を定める場合は、区分所有者の専用使用権に特別の影響を及ぼすため、その区分所有者の承諾がないままの消滅決議は無効である。」との判決があります。(最高裁:平成10年11年20日)

エ 承諾は不要。 夜間のピアノ演奏は、区分所有者の共同の利益に反する行為(第66条第1項)であるため、これを制限する旨の規約の改正にあたり、ピアノ演奏を行う区分所有者の承諾は不要と解されます。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ


答え:2 (承諾の必要なのは、イ と ウ )

問36

【問 36】 次に掲げる事項のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、理事会の決議のみで行うことができないものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 専有部分の修繕等に関する承認又は不承認

○ 理事会の決議のみで可。 基本的に、マンションでは多くのことは総会にかけることになっていますが、日常の管理業務を執行するために、理事会の決議で可能な業務が決められています。
 その内の1つは、標準管理規約54条
 「(議決事項)
  第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
     一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
     二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
     三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
     四 その他の総会提出議案
     
五 第17条に定める承認又は不承認
     六 第67条に定める勧告又は指示等
     七 総会から付託された事項」ですが、
 そして、同17条は、
 「(専有部分の修繕等)
  第17条 区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条 に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
   2 前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。
   3 理事長は、第1項の規定による申請について、承認しようとするとき、又は不承認としようとするときは、理事会(第51条 に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議を経なければならない。
   4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
   5 理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。」とあり、 
 専有部分の修繕等に関する承認又は不承認は、理事会の決議だけで、可能です。



2 規約違反者に対し当該規約違反行為の差止めを求める訴訟の提起に関する承認又は不承認

X 理事会の決議のみで不可。 「規約違反者に対し当該規約違反行為の差止めを求める訴訟の提起」は、以前から問題にしている箇所です。平成21年 管理業務主任者試験 「問34」 選択肢イ など。(また、平成16年マンション管理士試験 「問4」も。)
 というのは、標準管理規約67条3項
 「3 区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる。
    
一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること
    二 敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること」の1号の規定が、
 区分所有法第57条
 「(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
   
2  前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
   3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
   4  前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」の
 2項と抵触しているためです。
 規約で定める内容には、区分所有法第6条で規定する「共同の利益に反する行為」も含まれることが多く、標準管理規約67条3項によると、その訴訟措置などが、理事会の判断でできることになりますが、区分所有法57条2項では、訴訟の提起は、「集会(総会)」の決議によれとなっています。区分所有法では、理事会が判断してはいけないのです。出題者としては、「訴訟の提起に関する承認又は不承認」ということで、これは、集会にかける事前の行為だから、理事会の決議をし、その後、集会にかけるので、可能としたいのでしょうが、そもそも、「訴訟その他法的措置を追行」の判断までを、理事会に委ねていませんから、ここは、理事会の決議のみでは不可です。



3 使用細則の制定又は変更

X 理事会の決議のみで不可。 
使用細則の制定又は変更は、選択肢1で引用しました、標準管理規約54条2号
 「(議決事項)
  第54条 二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する
」とあり、
 「案」は、理事会で決議出来ますが、「案」を超えた「使用細則の制定又は変更」は、
 標準管理規約48条
 「(議決事項)
  第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
    一 収支決算及び事業報告
    二 収支予算及び事業計画
    三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
    
四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
    五 長期修繕計画の作成又は変更
    六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
    七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
    八 修繕積立金の保管及び運用方法
    九 第21条 第2項に定める管理の実施
    十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
    十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
    十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
    十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
    十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
    十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」とあり、
 4号により、総会の決議事項です。



4 専門委員会の設置

○ 理事会の決議のみで可。 専門委員会の設置は、標準管理規約55条
 「(専門委員会の設置)
  第55条 
理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。
   2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。」とあり、
 理事会の決議で設置できます。



答え:2 及び 3 (選択肢2 は、何度も指摘していますが、標準管理規約66条と同67条の文章がおかしいので、「問34」の委任の件と同様に、国土交通省でも検討が開始された箇所です。平成22年12月24日:http://www.mlit.go.jp/report/press/house06_hh_000057.html )
高層住宅管理業協会の正解:3

問37

【問 37】 管理者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 規約又は集会の決議によっても、マンション管理業者が管理者になることはできない。

X 誤っている。 管理者の資格は、区分所有法第25条
 「(選任及び解任)
  第二十五条  区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
   2  管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。 」とあるだけです。
 管理者の資格の制限はありませんから、規約又は集会の決議によって、マンション管理業者が管理者になることは、可能です。



2 管理者は、共用部分についての損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領について、区分所有者を代理する。

○ 正しい。 管理者の権限は、区分所有法第26条
 「(権限)
  第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
   
2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする
   3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
   4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
   5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。 」とあり、
 2項に該当しています。どうして、共用部分についての損害保険契約や損害賠償金が規定されているのかは、私の「超解説 区分所有法」の該当の箇所を参照してください。



3 管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないが、各区分所有者に対する当該事務に関する報告を記した文書の配布をもって、これに代えることができる。

X 誤っている。 管理者は、区分所有法第43条
 「(事務の報告)
  第四十三条  管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。 」とあり、
 集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければなりませんから、前半は正しい。しかし、後半の「各区分所有者に対する当該事務に関する報告を記した文書の配布をもって、これに代えることができる」の規定は、区分所有法にはありませんから、間違いです。管理者は、必ず集会で事務報告をしなければなりません。





4 管理者は、必ず集会における議長となる。

X 誤っている。 集会の議長は、区分所有法第41条
 「(議長)
  第四十一条  集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。」とあり、
 「規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合」又は「集会を招集した区分所有者の一人」も議長になります。



答え:2 (ここは、易しい。)

問38

【問 38】 集会の議事録に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 議事録を電磁的記録により作成する場合でも、規約にその旨の定めを要しない。

○ 正しい。 集会の議事録の作成方法は、区分所有法第42条
 「(議事録)
  第四十二条  
集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
   2  議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
   3  前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。
   4  第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名押印に代わる措置を執らなければならない。
   5  第三十三条の規定は、議事録について準用する。」とあり、
  世の中のIT化の波により、1項で、当然に「書面又は電磁的記録」が認められていますから、規約でのその旨の定めがなくても、電磁的記録により作成できます。


2 議長が議事録を作成しないときは、20万円以下の過料に処せられる。

○ 正しい。 議事録の作成は、選択肢1で引用しました区分所有法第42条1項
 「 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。」により、議長が作成することになっています。そして、議長が議事録を作成しないと、罰則があります。それが、同法第71条
 「第七十一条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、
二十万円以下の過料に処する。 (途中略)
  三  第四十二条第一項から第四項まで(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、
議事録を作成せず、又は議事録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。(以下略) 」とあり、
 3号により、20万円以下の過料に処せられます。(科料と過料の違いは、まとめておいてください。)



3 議事録は、建物内の見やすい場所に掲示しておかなければならない。

X 誤っている。 議事録の保管と閲覧は、選択肢1で引用しました区分所有法第42条5項
 「 5  第三十三条の規定は、議事録について準用する。」とあり、
 同法第33条の規約の保管及び閲覧の規定が準用されています。
 「(規約の保管及び閲覧)
  第三十三条  規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
   2  前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。
   
3  規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。」とあり、
 3項では、「議事録の保管場所を建物内の見やすい場所に掲示」しろと定めていますが、議事録そのものを、 「建物内の見やすい場所に掲示」ではありません。


4 議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者2名がこれに署名押印しなければならない。

○ 正しい。 ここは、選択肢1で引用しました区分所有法第42条3項
 「3  前項の場合において、
議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。」とあり、
 正しい。なお、議事録が電磁的記録で作成されているときは、同条4項があります。



答え:3 (ここは、選択肢2 の 過料 ¥20万円以下で迷う人もいたようだ。)

問39

【問 39】 マンションの建物内の倉庫部分や車庫部分の内部に排気管や雑排水マンホール等の共用設備がある場合であっても、当該建物部分が建物の専有部分となるための基準に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例によれば、不適切なものはどれか。

1 当該建物部分の権利者の当該部分の使用によって共用設備の保存及び他の区分所有者らによる利用に影響を及ぼすことがないこと。

○ 適切である。 マンションでは、専有部分(各区分所有者のもの)と共用部分(区分所有者の共有部分)とでは、その扱いに違いがあるため、管理事務室や車庫・倉庫など、どこのなにをもって、専有部分とするのか共用部分とするのかの区分での争いが、裁判でも数多くありますが、まだまだ不明確です。
 設問の判決は、昭和56年6月18日の最高裁判決です。判決文の該当の部分の抜粋です。
 「しかしながら、一棟の建物のうち構造上他の部分と区分され、それ自体として独立の建物としての用途に供することができるような外形を有する建物部分であるが、そのうちの一部に他の区分所有者らの共用に供される設備が設置され、このような共用設備の設置場所としての意味ないし機能を一部帯有しているようなものであつても、
(3)右の共用設備が当該建物部分の小部分を占めるにとどまり、その余の部分をもつて独立の建物の場合と実質的に異なるところのない態様の排他的使用に供することができ、かつ、(4)他の区分所有者らによる右共用設備の利用、管理によつて右の排他的使用に格別の制限ないし障害を生ずることがなく、反面、(1)かかる使用によつて共用設備の保存及び他の区分所有者らによる利用に影響を及ぼすこともない場合には、なお建物の区分所有等に関する法律にいう建物の専有部分として区分所有権の目的となりうるものと解するのが相当である。」として、共用設備があっても、車庫を専有部分としました。
 ここで、設問は、「(1)かかる使用によつて共用設備の保存及び他の区分所有者らによる利用に影響を及ぼすこともない場合」 に該当しています。



2 当該建物部分について、専有部分である旨の登記がなされ、かつ、規約において専有部分である旨の定めがあること。

X 不適切である。 判決文では設問には、触れていませんし、「専有部分である旨の登記がなされ、かつ、規約において専有部分である旨の定め」があれば、明確に専有部分ですから、もともと争いにはなりません。


3 共用設備の当該建物部分に占める割合が小部分にとどまり、それ以外の部分をもって当該建物部分の権利者が独立の建物の場合と実質的に異なるところのない態様の排他的使用に供することができること。

○ 適切である。
 選択肢1で引用しました、「(3)右の共用設備が当該建物部分の小部分を占めるにとどまり、その余の部分をもつて独立の建物の場合と実質的に異なるところのない態様の排他的使用に供することができ」 とあります。


4 他の区分所有者らによる共用設備の利用及び管理によって、当該建物部分の権利者の排他的使用に格別の制限ないし障害を生ずることがないこと。

○ 適切である。 選択肢1で引用しました、「(4)他の区分所有者らによる右共用設備の利用、管理によつて右の排他的使用に格別の制限ないし障害を生ずることがなく」 に該当しています。


答え:2 (判例を知らなくても、なんとなく、2 が裁判とは関係ないと分かる? なお、一部の判決文は、判例検索システム、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=02 で調べられます。判決文の全文も確認しておいてください。)

問40

【問 40】 宅地建物取引業者Aが自ら売主として建物を売却する場合において、宅地建物取引業法第35条の規定により行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、同条の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aは、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。

○ 正しい。 宅地建物取引業法からの出題も、管理業務主任者試験では、毎年1問はでます。 平成21年 管理業務主任者試験 「問40」 など。
  宅地建物取引主任者試験から流れてきた人(特に、平成22年の宅地建物取引主任者試験の「問35」でも出ている)なら簡単でしょうが、ここは、マンション管理士・管理業務主任者試験だけを受ける人もいますので、再度説明します。
  宅地建物取引業者(不動産屋)がマンションを売ったり、賃貸物件を仲介する場合には、相手方が素人であると、国土交通省の役人が判断して、その契約の前に、宅地建物取引のエキスパートである国家資格を有する宅地建物取引主任者が素人である相手方に、親切にまた分かりやすく、契約の対象物件の説明をしなさいと云っています。それが、
  宅地建物取引業法第35条1項(重要事項の説明等)
 「(重要事項の説明等)
  第三十五条  宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
    一  当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
    二  都市計画法 、建築基準法 その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
    三  当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項
    四  飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
    五  当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
    六  当該建物が建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第四項 に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
    七  代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
    八  契約の解除に関する事項
    九  損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
    十  第四十一条第一項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条又は第四十一条の二の規定による措置の概要
    十一  支払金又は預り金(宅地建物取引業者の相手方等からその取引の対象となる宅地又は建物に関し受領する代金、交換差金、借賃その他の金銭(第四十一条第一項又は第四十一条の二第一項の規定により保全の措置が講ぜられている手付金等を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を受領しようとする場合において、第六十四条の三第二項の規定による保証の措置その他国土交通省令・内閣府令で定める保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
    十二  代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
    
十三  当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
    十四  その他宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める命令で定める事項
      イ 事業を営む場合以外の場合において宅地又は建物を買い、又は借りようとする個人である宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に資する事項を定める場合 国土交通省令・内閣府令
      ロ イに規定する事項以外の事項を定める場合 国土交通省令(以下略)」と列挙されています。
  土砂災害については、14号に該当し、その具体的な内容が、国土交通省令で定める事項として、宅地建物取引業施行規則第16条の4の3 
 「(法第三十五条第一項第十四号 の国土交通省令で定める事項)
  第十六条の四の三  法第三十五条第一項第十四号 の国土交通省令で定める事項は、宅地の売買又は交換の契約にあつては第一号及び第二号に掲げるもの、建物の売買又は交換の契約にあつては第一号から第五号までに掲げるもの、宅地の貸借の契約にあつては第一号、第二号及び第七号から第十二号までに掲げるもの、建物の貸借の契約にあつては第一号から第四号まで及び第六号から第十一号までに掲げるものとする。
    一  当該宅地又は建物が宅地造成等規制法 (昭和三十六年法律第百九十一号)第二十条第一項 により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨
    
二  当該宅地又は建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 (平成十二年法律第五十七号)第六条第一項 により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨
    
三  当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容
    
四  当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第四条第一項 に規定する基本方針のうち同条第二項第三号 の技術上の指針となるべき事項に基づいて次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容
     イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第七十七条の二十一第一項 に規定する指定確認検査機関
     ロ 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第一項 に規定する建築士
     ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成十一年法律第八十一号)第五条第一項 に規定する登録住宅性能評価機関
     ニ 地方公共団体
    五  当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第五条第一項 に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨
    六  台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況
    七  契約期間及び契約の更新に関する事項
    八  借地借家法 (平成三年法律第九十号)第二条第一号 に規定する借地権で同法第二十二条 の規定の適用を受けるものを設定しようとするとき、又は建物の賃貸借で同法第三十八条第一項 若しくは高齢者の居住の安定確保に関する法律 (平成十三年法律第二十六号)第五十六条 の規定の適用を受けるものをしようとするときは、その旨
    九  当該宅地又は建物の用途その他の利用に係る制限に関する事項(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるときにあつては、第十六条の二第三号に掲げる事項を除く。)
    十  敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項
    十一  当該宅地又は建物(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものを除く。)の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
    十二  契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容(以下略)」とあり、
 設問は、2号に該当しています。


2 Aは、当概建物が昭和56年5月31日以前に新築のエ事に着手したものであるときは、自らその耐震診断を実施した上で、その結果の内容を説明しなければならない。

X 誤っている。 耐震診断については、選択肢1で引用しました、宅地建物取引業施行規則第16条の4の3 1項4号
  「四  当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第四条第一項 に規定する基本方針のうち同条第二項第三号 の技術上の指針となるべき事項に基づいて次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容
     イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第七十七条の二十一第一項 に規定する指定確認検査機関
     ロ 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第一項 に規定する建築士
     ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成十一年法律第八十一号)第五条第一項 に規定する登録住宅性能評価機関
     ニ 地方公共団体」とあり、
 
自ら耐震診断を実施する規定はありません。(どうして、昭和56年以降かは、平成22年 マンション管理士試験 「問42」 も参照。)


3 Aは、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。

○ 正しい。 どうして、石綿(アスベスト)が規定されたかは、平成19年 マンション管理士試験 「問41」 や、平成18年 管理業務主任者試験 「問19」 に説明があります。
   石綿の調査については、選択肢1で引用しました、宅地建物取引業施行規則第16条の4の3 1項3号
 「三  当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」とあり、該当しています。



4 Aは、当該建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する責任保険契約を締結しているときは、その旨だけでなく、その概要についても説明しなければならない。

○ 正しい。 建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する責任保険契約は、平成17年の姉歯元1級建築士の耐震偽装事件の対応策として、宅地建物取引業法第35条1項13号に新しく追加されました。
 「十三  当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要」とあり、該当しています。



答え:2 (ここは、特に宅地建物取引主任者試験の受験生でなくても、何となく、選択肢2 は知っていたようだ。)

問41

【問 41】 新築分譲マンションの売主が買主に対して行うアフターサービスに関する次の記述のうち、不適切なもののみの組合せはどれか。

ア アフターサービスの内容について、売主が遵守しなかった場合は、消費者契約法(平成12年法律第61号)及び宅地建物取引業法に違反することになる。

X 適切でない。 アフターサービスについての出題も多い。また、次の「問42」の瑕疵担保責任とも絡めた出題もあるので、まとめ ました。
  詳細は、平成19年 管理業務主任者試験 「問41」 にあります。
  基本的に、アフターサービスは、不動産業界の営業政策としてのサービス契約であり、一応全体的なアフターサービス規準はありますが、サービスの内容も業者によって異なります。法律上の瑕疵担保責任とは別の存在です。そこで、売主がアフターサービスの内容を遵守しなくても、それは、契約違反となっても、消費者契約法や宅地建物取引業法の違反にはなりません。


イ アフターサービスは、地震や台風等の不可抗力による損壊の場合は、その対象としないことが多い。

○ 適切である。 普通、アフターサービスは、天変地異や不可抗力が原因の時までサービス対象にはしません。そこまでサービスをしたら、不動産会社が潰れます。
 アフターサービスでの記入例:
  本アフターサービス規準は、次の場合を適用除外とする。
   ① 天災地変(地震・火災・風・水・雪害)等、不可抗力による場合。
   ② 経年変化、使用材料の自然特性による場合。
   ③ 管理不十分、使用上の不注意による場合。
   ④ 増改築等により、形状変更が行われた場合。
   ⑤ 地域特性による場合。
   ⑥ 第三者の故意又は過失に起因する場合。
   ⑦ 建物等の通常の維持・保全に必要となる場合。



ウ アフターサービスの対象となる部位は、建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に限られず、専有部分内にある設備も含むことが多い。

○ 適切である。 よく出題されますから、一度、平均的なアフターサービス規準を見ておいてください。その内容として、基礎・防水・建具・内装・居室・台所・配管・配線・エレベーター設備・厨房設備・浴室設備などが列挙され、建物外部だけでなく、居室(専有部分)の設備も含みます。


エ アフターサービスの内容について、売主が決定するに当たっては、宅地建物取引業の免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事の認定を受けなければならない。

X 適切でない。 選択肢アでも述べましたが、アフターサービスはあくまでも不動産業者が自主的に欠陥部分の補修などをする物です。国や地方公共団体の介在はありません


オ アフターサービスの内容として、損害賠償の請求や売買契約の解除は定めないことが多い。

○ 適切である。 アフターサービスの内容として、損害賠償の請求や売買契約の解除は定めません。


カ アフターサービスの内容として、不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」のすべてに準拠している場合であっても、宅地建物取引業法第40条(暇疵担保責任についての特約の制限)の規定は適用される。

○ 適切である。 ここも、選択肢アで述べたように、アフターサービスはあくまでも不動産業者が自主的に欠陥部分の補修などをする物です。これは、民法や宅地建物取引業法など法律上の瑕疵担保責任とは、別の責任です。



1 ア・エ 
2 ウ・エ
3 ア・エ・カ
4 イ・オ・カ

答え:1 (不適切なのは、ア と エ。) (ここは、過去問題をやっていると、超 易しい。)

問42

【問 42】 宅地建物取引業者が、新築分譲マンションを宅地建物取引業者でない者に売却した場合における、売主の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
 
ア 「売主は、当該マンションを買主に引き渡した日から1年間瑕疵担保責任を負う」旨の特約をした場合、売主は買主に対し、引き渡した日から2年間責任を負うことになる。

X 誤っている。 瑕疵担保責任も過去から多く出題がありますので、まとめ があります。ここは、参考書でもよく説明がある箇所です。ここは、平成19年 管理業務主任者試験 「問42」 が近い。
  まず、売主の瑕疵担保責任とは、民法第570条
 「(売主の瑕疵担保責任)
  第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」とあり、準用されている、同法第566条は
 「(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
  第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
   2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
   3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」とあり、
 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、買主に、①契約の解除 と ②損害賠償 を認めています。 しかし、その請求は、買主がこれを知ってから(見つけた時から)1年以内にしなければなりません。引渡した時から10年以上過ぎていても、知った時から、1年以内です。ここで、注意しなければいけないのは、民法の売主の瑕疵担保責任には補修請求が入っていない事です。 
 そして、宅地建物取引業者が売主なら、業者の責任として、宅地建物取引業法第40条
 「(瑕疵担保責任についての特約の制限)
  第四十条  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第三項 に規定する期間について
その目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない
   2  前項の規定に反する特約は、無効とする。」とあり、
 1項で買主が「知ってから1年」を「引渡してから2年以上」とする特約だけを認めています。これは、民法での発見してから1年以内よりは、買主にとって不利ですが、業界の特殊性をみとめたものです。
 そこで、設問の「買主に引き渡した日から1年間」の特約は、宅地建物取引業法第40条1項で定める「2年以上となる特約」の違反となり、この特約は無効となります。この場合、民法に戻り、「瑕疵を見つけた時から、1年以内」は責任を追及できます。「引き渡した日から2年間責任を負う」ことにはなりません。



イ 買主が法人の場合、「買主は、損害賠償の請求に代えて瑕疵の修補の請求をしなければならない」旨の特約は有効である。

X 誤っている。 通常なら、契約での特約は有効なのですが、買主が法人でも、売主が宅地建物取引業者であれば、選択肢アで引用しました、宅地建物取引業法第40条は適用されますから、特約の内容が「買主に不利となる」かどうかです。
 「損害賠償の請求に代えて瑕疵の修補の請求をしなければならない」の文言で、損害賠償の請求は、元々民法第566条で認められた権利ですから、損害賠償の請求に代えて瑕疵の修補の請求をしなければならないは、「買主に不利」な特約と判断されますので、無効です。



ウ 売主と買主の間において、瑕疵担保責任の内容について何らの特約をしなかった場合、売主は宅地建物取引業法に違反することとなる。

X 誤っている。 選択肢アで引用しました宅地建物取引業法第40条は、特約をした時の例外を規定しているだけです。特に特約がなければ、宅地建物取引業法違反にはなりません。なにかあれば、民法の原則が適用になるだけです。


エ 売主は「当該マンションを買主に引き渡した日から10年間、瑕疵担保責任を負うが、その瑕疵について売主に何らの過失もなかった場合は、その責任を負わない」旨の特約は、買主が了承したとしても無効である。

○ 正しい。 前半の「買主に引き渡した日から10年間、瑕疵担保責任を負う」は、選択肢アで引用しました、宅地建物取引業法第40条の「引き渡した日から2年以上」で正しい。しかし、後半の「その瑕疵について売主に何らの過失もなかった場合は、その責任を負わない」については、売主の瑕疵担保責任は売主に故意・過失がなくてもその責任を負わせる無過失責任ですから、買主にとって不利な特約となり、無効です。


オ 買主は、瑕疵の事実を知った時から、1年以内に売主に契約の解除又は損害賠償の請求をしなければならない」旨の特約は無効である。

X 誤っている。 「瑕疵の事実を知った時から、1年以内に売主に契約の解除又は損害賠償の請求をしなければならない」旨の特約は、選択肢アで引用しました、民法第577条(準用第566条)を、明文化しただけですから、有効です。



1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:1 (正しいのは、エ だけ。)

問43

【問 43】 住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号。以下本問において「品確法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 品確法の規定する新築住宅の瑕疵担保責任の特例におけるその責任期間は、建築請負会社から売主に引き渡されたものである場合は売主に引き渡された時から1O年間であり、それ以外の場合は買主又は注文者に引き渡した時から10年間である。

○ 正しい。 品確法でも、新築住宅についての、瑕疵担保責任の特例があるために、よく出題される。平成19年 管理業務主任者試験 「問43」 など。 そこで、これも まとめ がありますので利用ください。
  品確法での責任期間は、第95条
 「(新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例)
  第九十五条  新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から
十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第一項 並びに同法第六百三十四条第一項 及び第二項 前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第一項 及び第二項 前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第一項 中「請負人」とあるのは「売主」とする。
   2  前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
   3  第一項の場合における民法第五百六十六条第三項 の規定の適用については、同項 中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十五条第一項」と、「又は」とあるのは「、瑕疵修補又は」とする。 」とあり、
 1項に該当しています。



2 新築住宅の売買契約において、品確法の規定する瑕庇担保責任の特例によれば、その責任内容として損害賠償や契約の解除のほかに修補の請求もできるとされている。

○ 正しい。 選択肢1で引用しました、品確法第95条3項
 「3  第一項の場合における民法第五百六十六条第三項 の規定の適用については、同項 中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十五条第一項」と、「又は」とあるのは「、瑕疵修補又は」とする。 」とあり、
 民法では認めていなかった「瑕疵修補」が認められています。
 なお、民法第566条3項の規定は、
 「3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」です。
 これを置き換えると、 「契約の解除又は損害賠償の請求」は、「
契約の解除、瑕疵修補又は損害賠償の請求」となります。


3 新築住宅の売買契約において、特約により構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分だけでなくその他の部分も含め、瑕疵担保責任の期間を引き渡した時から20年以内とすることができる。

○ 正しい。 特約で責任を負う期間が、第95条の10年を20年間以内とできます。それが、品確法第97条
 「(瑕疵担保責任の期間の伸長等の特例)
  第九十七条  住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、請負人が第九十四条第一項に規定する瑕疵その他の住宅の瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間又は売主が第九十五条第一項に規定する瑕疵その他の住宅の隠れた瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間は、注文者又は買主に引き渡した時から
二十年以内とすることができる。 」です。


4 品確法に定める住宅性能評価制度について、請負人又は売主が注文者又は買主と、これを適用しない旨の合意をしたとしても無効である。

X 誤っている。 品確法は、条文としては第95条等、構成上、後ろの方にある「瑕疵担保責任の特例」がよく出題されますが、住宅性能評価制度を設けるための法律として、その多くが構成されています。
 しかし、住宅性能表示制度は任意制度で、請負人や売主と注文者か買い主が希望した場合に限って適用されます。それは、品確法第6条
 「第六条  住宅の建設工事の請負人は、設計された住宅に係る住宅性能評価書(以下「設計住宅性能評価書」という。)若しくはその写しを請負契約書に添付し、又は注文者に対し設計住宅性能評価書若しくはその写しを交付した場合においては、当該設計住宅性能評価書又はその写しに表示された性能を有する住宅の建設工事を行うことを契約したものとみなす。
   2  新築住宅の建設工事の完了前に当該新築住宅の売買契約を締結した売主は、設計住宅性能評価書若しくはその写しを売買契約書に添付し、又は買主に対し設計住宅性能評価書若しくはその写しを交付した場合においては、当該設計住宅性能評価書又はその写しに表示された性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したものとみなす。
   3  新築住宅の建設工事の完了後に当該新築住宅の売買契約を締結した売主は、建設された住宅に係る住宅性能評価書(以下「建設住宅性能評価書」という。)若しくはその写しを売買契約書に添付し、又は買主に対し建設住宅性能評価書若しくはその写しを交付した場合においては、当該建設住宅性能評価書又はその写しに表示された性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したものとみなす。
   
4  前三項の規定は、請負人又は売主が、請負契約書又は売買契約書において反対の意思を表示しているときは、適用しない。」とあり、
 4項により、契約時に、 住宅性能評価制度を適用しないとすれば、これは、有効です。



答え:4 (ここは少し難しい?)

問44

【問 44】 区分所有者Aが貸主として、床面積70㎡のマンションの1室を借主Bの居住の用に供するため、Bと定期建物賃貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、借地借家法(平成3年法律第90号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 賃貸借契約の期間を1年未満とする場合でも、何らかの書面をもって契約をすれば足り、公正証書による必要はない。

○ 正しい。 借地借家法からも最近は出題がある。 平成21年 管理業務主任者試験 「問45」 、 平成19年 管理業務主任者試験 「問45」 など。 なお、出題の傾向は、私のホームーページ 「出題分野分析編」 も参考にして下さい。 
 定期建物賃貸借契約での書面についての出題は、もう、常識。借地借家法第38条
 「(定期建物賃貸借)
  第三十八条  
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
   2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
   3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
   4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
   5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
   6  前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
   7  第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。 」とあり、
 1項により、
「公正証書による等書面によって契約」とあり、書面であれば特に公正証書でなくてもかまいません。


2 賃貸借契約を締結するに当たって、AはあらかじめBに対し、当該賃貸借契約は契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

○ 正しい。 これは、選択肢1で引用しました、借地借家法第38条2項
 「2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。」に該当しています。



3 賃貸借契約の期間を5年と定めた場合、Bが入居してから1年後に転勤により、そのマンションの1室を使用することが困難となったときは、BはAに対し解約の申入れをすることができ、この場合解約申入れの日から1月の経過により賃貸借は終了する。

○ 正しい。 これは、選択肢1で引用しました、借地借家法第38条5項
 「5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が
二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。」とあり、床面積70㎡のマンションの1室なら、該当しています。


4 賃貸借契約の期間を2年と定めた場合、Aは期間満了の1年前から6月前までの間に契約が終了する旨をBに通知しなかったときは、期間満了により、改めて2年の期間の再契約が締結されたものとみなされる。

X 誤っている。 2年の再契約とみなされるわけではない。
 2015年 1月14日 適用条文訂正:賃貸借の契約期間を2年と定めると、選択肢1で引用しました、借地借家法第38条4項
 「4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、
その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。」 とあり、
 設問のように、賃貸人であるAが期間満了の1年前から6月前までの間に契約が終了する旨を借主Bに通知しなかったときは、その期間の終了を借主Bに対して
主張することができない(対抗することができない)というだけで、期間満了により、改めて2年の期間の再契約が締結されたものとみなされわけではありませんから、誤りです。(定期建物賃貸借の前提を考えていませんでした。ここは、福地様のご指摘で、訂正しました。福地様有難うございます。)

 
元の解説:賃貸借の契約期間を2年と定めると、借地借家法第26条
 「(建物賃貸借契約の更新等)
  第二十六条  建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。
ただし、その期間は、定めがないものとする
   2  前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
   3  建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。」とあり、
  1項により、A(貸主)は期間満了の1年前から6月前までの間に契約が終了する旨をB(借主)に通知しなかったときは、期間満了により、従前の契約と同じ条件での再契約となりますが、ただし書きにより、期間は、定めがないものとなり、2年間での再契約の締結ではありません。



答え:4 (ここは、易しい。 といいながら、選択肢4の出題を取り違えていた。2015年 1月14日 訂正しました。)

問45

【問 45】 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下本問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 個人情報取扱事業者であるマンション管理業者が、管理組合から委任を受けて、組合員名簿を作成する目的で組合員が特定される個人情報を取得した場合 は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し又は公表しなければならない。

○ 正しい。 個人情報の保護に関する法律からの出題は、 平成20年 管理業務主任者試験 「問44」 や、 平成17年 管理業務主任者試験 「問45」 。
  まず、個人情報の保護に関する法律は勉強していないでしょうから、個人情報や個人情報取扱事業者とは、何かを確認しましょう。
 個人情報の保護に関する法律第2条
 「(定義)
  第二条  この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
   2  この法律において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
    一  特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
    二  前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
   
3  この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
    一  国の機関
    二  地方公共団体
    三  独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
    四  地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
    五  その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
   4  この法律において「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。
   5  この法律において「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。
   6  この法律において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。」とあり、
 3項の 「個人情報取扱事業者」には、
5号の例外があります。
 それは、個人情報の保護に関する法律施行令第2条
 「(個人情報取扱事業者から除外される者)
  第二条  法第二条第三項第五号 の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(当該個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成に係る個人情報データベース等であって、次の各号のいずれかに該当するものを編集し、又は加工することなくその事業の用に供するときは、当該個人情報データベース等の全部又は一部を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数を除く。)の合計が
過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。
   一  個人情報として次に掲げるもののみが含まれるもの
     イ 氏名
     ロ 住所又は居所(地図上又は電子計算機の映像面上において住所又は居所の所在の場所を示す表示を含む。)
     ハ 電話番号
   二  不特定かつ多数の者に販売することを目的として発行され、かつ、不特定かつ多数の者により随時に購入することができるもの又はできたもの」ということです。

 そこで、設問の「個人情報取扱事業者であるマンション管理業者」となると、個人情報の保護に関する法律第18条1項
 「(取得に際しての利用目的の通知等)
  第十八条  個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。 (以下略)」とあり、
 正しい。



2 マンションの分譲業者は、法にいう個人情報取扱事業者ではないが、マンション管理業者は、個人情報取扱事業者に該当する。

X 誤っている。 法にいう個人情報取扱事業者とは、選択肢1で引用しましたように、
 「3  この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。(中略)」とあり、
 個人情報の保護に関する法律施行令第2条で、「過去、6ヶ月に、5,000人を超える個人データを取り扱う」と、マンションの分譲業者でも、マンション管理会社でも、また管理組合でも営利・非営利を問わず、法にいう個人情報取扱事業者に該当します



3 法が対象としている「個人情報」とは、個人の秘密及プライバシーに係わる情報のことであって、氏名はこれに含まれない。

X 誤っている。 「個人情報」とは、選択肢1で引用しました、個人情報の保護に関する法律第2条
  「この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。」とあり、
 氏名や生年月日などが入っています。



4 個人情報取扱事業者であるマンション管理業者が、管理費の滞納者のリストを当該管理組合の管理者に提供することは、法に違反する。

X 誤っている。 しかし、この設問を解説するのは難しい。
  マンション管理業者が、管理費の滞納者を把握するのは、管理組合との間で締結した管理委託契約業務履行のためであり、業務上での適正な行為によるものです。
 (参考:標準管理委託契約書:契約内容の別表:
  ② 管理費等滞納者に対する督促:一 毎月、甲の組合員の管理費等の滞納状況を、甲に報告する。)
  管理費の滞納者のリストを、委託先である管理組合の管理者に提供することは、滞納者本人の同意を必要とすることでもなく、個人情報の保護に関する法律に違反しません。ただし、無断で第三者に提供することは、法に違反します。法的に言うと、「利用目的内での個人データの提供に該当するため」になるかな?(法第23条4項1号あたり)。
 「4  次に掲げる場合において、当該個人データの提供を受ける者は、前三項の規定の適用については、第三者に該当しないものとする。
   一  個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合 」。
  詳細は、平成22年 管理業務主任者試験 「問8」 。また、滞納は、平成22年 管理業務主任者試験 「問11」 も参考に。

  なお、個人情報の保護に関する法律の目的は、第1条
 「(目的)
  第一条  この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」です。



答え:1  (選択肢4 など、本当に、試験問題全部を解説するのは、難しい作業だ!) (2011年1月5日:どうやら、「問29」から「問45」までの、解説が終わったので、また、「問23」に戻って、解説を続けます。)

問46

【問 46】 マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。


  *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分 です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題は やっておくと楽です。

1 マンションの区分所有者等は、マンションの居住形態が戸建てのものとは異なり、相隣関係等に配慮を要する住まい方であることを十分に認識し、その上で、マンションの快適かつ適正な利用と資産価値の維持を図るため、管理組合の一員として、進んで、集会その他の管理組合の管理運営に参加するとともに、定め られた管理規約、集会の決議等を遵守する必要がある。

○ 適切である。 まずは、「マンションの管理の適正化に関する指針」からの出題。
   なんで、「指針」からの出題と、初めての受験生は、疑問に思う事でしょうが、毎年1問は、この「指針」からの出題があるので、全文を手に入れて読んでおきましょう。 ここに近いのは、平成14年 マンション管理士試験 「問48」 にある。
   内容は、常識的なものですから、区分所有者や占有者、管理組合、マンション管理業者などが何を意味するかを理解できれば、OKです。
   そこで、該当の箇所
 「三 マンションの管理の適正化の推進のためにマンションの区分所有者等が留意すべき基本的事項等
  マンションを購入しようとする者は、マンションの管理の重要性を十分認識し、売買契約だけでなく、管理規約、使用細則、管理委託契約、長期修繕計画等管理に関する事項に十分に留意する必要がある。
  また、
マンションの区分所有者等は、マンションの居住形態が戸建てのものとは異なり、相隣関係等に配慮を要する住まい方であることを十分に認識し、その上で、マンションの快適かつ適正な利用と資産価値の維持を図るため、管理組合の一員として、進んで、集会その他の管理組合の管理運営に参加するとともに、定められた管理規約、集会の決議等を遵守する必要がある。そのためにも、マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関する法律等に関する理解を深める必要がある。
  専有部分の賃借人等の占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、マンションの区分所有者等が管理規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うことに十分に留意することが重要である。」とありますから、適切です。 



2 専有部分の賃借人等の占有者は、建物又はその敷地もしくは附属施設の使用方法つき、マンションの区分所有者等が管理規約又は集会の決議に基づいて負う 義務と同一の義務を負うものではないが、マンションに居住する一員として、管理組合の管理運営に協力するように努める必要がある。

X 適切でない。 ここは、選択肢1で引用しました、下の方の文。
  「
専有部分の賃借人等の占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、マンションの区分所有者等が管理規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うことに十分に留意することが重要である。」とあります。
  区分所有法(第6条や第46条など)でも専有部分の賃借人等の占有者は、区分所有者と同じように、管理規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負います。適切ではありません。



3 管理委託契約先を選定する場合には、管理組合の管理者等は、事前に必要な資料を収集しマンションの区分所有者等にその情報を公開するとともに、マンション管理業者の行う説明会を活用し、適正な選定がなされるように努める必要がある。

○ 適切である。 ここは、
  「四 マンションの管理の適正化の推進のための管理委託に関する基本的事項
    管理組合は、マンションの管理の主体は管理組合自身であることを認識したうえで、管理事務の全部又は一部を第三者に委託しようとする場合は、その委託内容を十分に検討し、書面をもって管理委託契約を締結することが重要である。
   なお、
管理委託契約先を選定する場合には、管理組合の管理者等は、事前に必要な資料を収集し、マンションの区分所有者等にその情報を公開するとともに、マンション管理業者の行う説明会を活用し、適正な選定がなされるように努める必要がある
  また、管理委託契約先が選定されたときは、管理組合の管理者等は、当該契約内容を周知するとともに、マンション管理業者の行う管理事務の報告等を活用し、管理事務の適正化が図られるよう努める必要がある。
   万一、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、管理組合は、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。」とありますから、適切です。



4 万一、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、管理組合は、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。

○ 適切である。 選択肢3で引用しました、下の方の文、
  「 
万一、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、管理組合は、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。」とありますから、適切です。


答え:2  (ここは、易しい。)

問47

【問 47】 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(平成13年国土交通省令第110号。以下「マンション管理適正化法施行規則」とい う。)第87条第5項で規定する管理組合の会計の収入及び支出の状況に関する書面(以下本問において「5項書面」という。)に関する次の記述のうち、マン ション管理適正化法及び民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)によれば、適切なものはいくつあるか。

ア 5項書面とは、一般会計、修繕積立金会計等委託者たる管理組合の会計区分ごとの収支状況及び収納状況が確認できる書面をいう。

○ 適切である。 ここからが、通常、マンション管理士・管理業務主任者試験では、出題の法令は、その年の4月1日施行分から出題されるのを、平成22年では「5月1日」施行と変更したのに該当する箇所です。 というのは、「マンション管理適正化法施行規則」の第87条を中心にした「財産の分別管理」に大幅な改正があり、この施行が平成22年5月1日からだったのです。
  それでは、マンション管理適正化法施行規則第87条5項
 「5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。」とあり、
 この改正に対して平成21年9月9日付けで出された、国土交通省総合政策局不動産課長発:国総動第47号
 「(4)規則第87条第5項関係
  
5項書面とは、一般会計、修繕積立金会計等委託者たる管理組合の会計区分ごとの収支状況及び収納状況が確認できる書面をいう
  なお、マンション管理業者が管理者等に選任された場合において、マンション管理業者以外の管理者等が存在するときは、当該者に対して5項書面を交付することが望ましいこと。」とあり、
 適切です。(しかし、こんな通達からの出題は、適切でありません。)



イ 管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれている場合は、マンション管理業者は、毎月、5項書面を作成し、翌月末日までに、当該5項書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。

○ 適切である。 これは選択肢1で引用しましたマンション管理適正化法施行規則第87条5項
 「 5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。(以下略)」とあり、
 該当しています。



ウ 管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていない場合は、マンション管理業者は、5項書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から2月を経過する日までの間、5項書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。

○ 適切である。 ここも、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法施行規則第87条5項の後半、
 「この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。」とあり、
 該当しています。



エ 5項書面の交付は、書面での交付に代えて、電子メールによる送信等電子情報処理組織を使用する方法によって行うこともできるが、その場合は、あらかじめ、当該方法により交付を行うことについて交付の相手方の承諾を得なければならない。

○ 適切である。 まず、「電磁的記録による交付等」について、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」第6条
 「(電磁的記録による交付等)
  第六条 民間事業者等は、交付等のうち当該交付等に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(当該交付等に係る書面又はその原本、謄本、抄本若しくは写しが法令の規定により保存をしなければならないとされているものであって、主務省令で定めるものに限る。)については、当該他の法令の規定にかかわらず、
政令で定めるところにより、当該交付等の相手方の承諾を得て、書面の交付等に代えて電磁的方法であって主務省令で定めるものにより当該書面に係る電磁的記録に記録されている事項の交付等を行うことができる。
  2 前項の規定により行われた交付等については、当該交付等を書面により行わなければならないとした交付等に関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該交付等に関する法令の規定を適用する。」とあり、
  交付の方法は、主務省令として「国土交通省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」の
 別表第四に
 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則:第八十七条第五項」とあり、
 適切です。


1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え4 (適切なのは、ア・イ・ウ・エ の4つ。全部。) ( しかし、国土交通省総合政策局不動産課長発:国総動第47号や、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」とか、「国土交通省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」なんて、調べるのに、時間がかかるッー。) 

問48

【問 48】 財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、誤っているものはどれか。

1 マンション管理適正化法第76条の規定により、財産の分別管理の対象になる財産とは、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金及び管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭又は有価証券である。

○ 正しい。 まず、マンション管理適正化法第76条は、
 「(財産の分別管理)
  第七十六条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。 」とあり、
 この国土交通省令で定める財産とは、同施行規則87条1項
 「(財産の分別管理)
  第八十七条  法第七十六条 の国土交通省令で定める財産は、
管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭又は有価証券とする。」とあり、
 正しい。



2 マンション管理適正化法施行規則第87条第2項第1号ロに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、マンション管理業者は、マン ションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭の合計額以上の額につき有効な保証契約を必ず締結していなければならない。

X 誤っている。 マンション管理適正化法施行規則第87条第2項第1号ロに定める方法は、 
 「ロ マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金(金銭に限る。以下この条において同じ。)を保管口座に預入し、当該保管口座において預貯金として管理するとともに、マンションの区分所有者等から徴収された前項に規定する財産(金銭に限る。以下この条において同じ。)を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された前項に規定する財産から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法」で、
 この方法で、マンション管理業者が管理するなら、同施行規則第87条3項
 「3  マンション管理業者は、前項第一号イ又はロに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、マンションの区分所有者等から徴収される一月分の修繕積立金等金銭又は第一項に規定する財産の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。
ただし、次のいずれにも該当する場合は、この限りでない
    一  修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産がマンションの区分所有者等からマンション管理業者が受託契約を締結した管理組合若しくはその管理者等(以下この条において「管理組合等」という。)を名義人とする収納口座に直接預入される場合又はマンション管理業者若しくはマンション管理業者から委託を受けた者がマンションの区分所有者等から修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産を徴収しない場合
    二  マンション管理業者が、管理組合等を名義人とする収納口座に係る当該管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理しない場合」とあり、
  ただし書きの1号と2号の両方に該当する場合には、保証契約の締結は不要です。
「必ず」ではありません


3 マンション管理業者以外の者が管理者である管理組合から委託を受けたマンション管理業者は、マンション管理適正化法施行規則第87条第2項第1号イか らハまでに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。

○ 正しい。 これは、同施行規則第87条4項
 「4  マンション管理業者は、第二項第一号イからハまでに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。 」とあり、
 ただし書きは、「ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。」とありますが、設問では「マンション管理業者以外の者が管理者である管理組合」と管理者がいますので、ただし書きの適用はありません。正しい。



4 収納・保管口座とは、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。

○ 正しい。 同施行規則第87条6項
 「6  この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   一  収納口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭又は第一項に規定する財産を預入し、一時的に預貯金として管理するための口座をいう。
   二  保管口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金を預入し、又は修繕積立金等金銭若しくは第一項に規定する財産の残額(第二項第一号イ若しくはロに規定するものをいう。)を収納口座から移し換え、これらを預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。
   三
 収納・保管口座 マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。」とあり、
 3号により、正しい。


答え:2  (選択肢2の「必ず」は、引っかけ的で、良くない出題だ。) 

問49

【問 49】 管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下本問において同じ。)の報告に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反しないものはどれか。

1 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合の事業年度の終了後、遅滞なく、管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、当該管理組合の管理者である理事長に交付させたが、当該理事長から説明は後日にして欲しいとの要請を受け、当該理事長の了承を得て、後日、管理業務主任者ではない当該マンション管理業者の担当者に説明をさせた。

X 違反する。 管理事務の報告は、マンション管理適正化法第77条
 「(管理事務の報告)
  第七十七条  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
   2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
   3  管理業務主任者は、前二項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。 」とあり、
 これを受けた、マンション管理適正化法施行規則第88条
 「(管理事務の報告)
  第八十八条  マンション管理業者は、法第七十七条第一項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、
管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない
    一  報告の対象となる期間
    二  管理組合の会計の収入及び支出の状況
    三  前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項」とあり、
 説明は、あくまでも、管理業務主任者が行います。管理業務主任者ではない当該マンション管理業者の担当者の説明は、違反です。なお、「専任の」管理業務主任者である必要はありません。



2 マンション管理業者は、マンション管理適正化法施行規則第87条第5項で規定する月次の管理組合の会計の収入及び支出の状況に関する書面を、毎月、当該管理組合の管理者等に対して交付し、説明していたことから、当該管理組合の会計の収入及び支出の状況以外の管理受託契約の内容等について管理事務の報告を行った。

X 違反する。 まず、マンション管理適正化法施行規則第87条第5項
 「5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。」とあり、
 前半の行為は、良いでしょう。
 そこで、管理事務の報告は、同法施行規則第88条
 「(管理事務の報告)
  第八十八条  マンション管理業者は、法第七十七条第一項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
    一  報告の対象となる期間
    
二  管理組合の会計の収入及び支出の状況
    三  前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項」とあり、
 毎月、会計の収入及び支出の状況に関する書面を交付し、説明していても、管理事務の報告では、2号により、必ず「管理業務主任者」をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければなりません。ここは、違反です。
(設問が、曖昧だ。ここは、具体的に、「事業年度終了後の管理事務の報告」としないと、解答が面倒になる。)


3 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていなかったため、管理事務の報告を行う説明会を開催することとし当該説明会の開催日の10日前に、説明会の開催の日時及び場所を当該マンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示した。

○ 違反しない。 これは、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第77条2項
 「2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に
管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。 」の規定をうけ、
 同法施行規則第89条 
 「第八十九条  マンション管理業者は、法第七十七条第二項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度の終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について前条各号に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、法第七十七条第二項 に規定する説明会を開催し、管理業務主任者をして、これを当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に交付して説明をさせなければならない。
   2  前項の説明会は、できる限り説明会に参加する者の参集の便を考慮して開催の日時及び場所を定め、管理事務の委託を受けた管理組合ごとに開催するものとする。
   
3  マンション管理業者は、前項の説明会の開催日の一週間前までに説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。 」とあり、
 説明会の開催は、10日前とあり、違反しません。


4 管理事務に関する報告をする際、管理業務主任者は、管埋業務主任者証を携帯していたものの、説明の相手方である管理組合の管理者から管理業務主任者証の提示を求められなかったため、管理業務主任者証の提示を行わなかった。

X 違反する。 管理事務の報告に際しては、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第77条3項
 「
3  管理業務主任者は、前二項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。 」とあり、
 提示を求められていなくても、提示することになっています。 違反です。

答え:3  (細かいのは、覚えていなくても、選択肢3 は何となく分かる?)

問50

【問 50】 マンション管理業者に課せられている義務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理業を営もうとする者は、国士交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならないが、人の居住の用に供する独立部分が 6戸以上である建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない場合は、この限りでない。

X 誤っている。 まず、マンション管理業とは、マンション管理適正化法第2条7号及び8号
 「 七  マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。
    八  マンション管理業者 第四十四条の登録を受けてマンション管理業を営む者をいう。 」とあり、
 マンション管理業を営もうとする者は、マンション管理適正化法第44条
 「(登録) 
  第四十四条  
マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならない
    2  マンション管理業者の登録の有効期間は、五年とする。
    3  前項の有効期間の満了後引き続きマンション管理業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
    4  更新の登録の申請があった場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、従前の登録は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。
    5  前項の場合において、更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。 」とあります。
 必ず、登録が必要で、登録に際して、同法47条
 「(登録の拒否)
  第四十七条  国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
    一  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
    二  第八十三条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
    三  マンション管理業者で法人であるものが第八十三条の規定により登録を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にそのマンション管理業者の役員であった者でその取消しの日から二年を経過しないもの
    四  第八十二条の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
    五  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
    六  この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
    七  マンション管理業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
    八  法人でその役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者があるもの
    
九  事務所について第五十六条に規定する要件を欠く者
    十  マンション管理業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者」とあり、
 9号の第56条は、
  「(管理業務主任者の設置)
  第五十六条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数(注:管理組合数30組合に1人以上)の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならない。ただし、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第一条 に規定する建物の部分をいう。以下同じ。)が国土交通省令で定める数以上(
注:6)である第二条第一号イに掲げる建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない事務所については、この限りでない。
   2  前項の場合において、マンション管理業者(法人である場合においては、その役員)が管理業務主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなす。
   3  マンション管理業者は、第一項の規定に抵触する事務所を開設してはならず、既存の事務所が同項の規定に抵触するに至ったときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。 」です。
 面倒な設問ですが、
専任の管理業務主任者がいらないだけで、登録は必要です
 

2 マンション管理業者は、事務所ごとに置かれる成年者である専任の管理業務主任者の変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならないが、変更があった事頂が登録している専任の管理業務主任者の婚姻による氏名変更のみである場合には、変更の届出の必要はない。

X 誤っている。 婚姻による氏名の変更でも、専任の管理業務主任者の変更は、マンション管理適正化法第48条
 「(登録事項の変更の届出)
  第四十八条  マンション管理業者は、
第四十五条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない
   2  国土交通大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、当該届出に係る事項が前条第七号から第九号までのいずれかに該当する場合を除き、届出があった事項をマンション管理業者登録簿に登録しなければならない。
   3  第四十五条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。」とあり、同法第45条
 「(登録の申請)
  第四十五条  前条第一項又は第三項の規定により登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)は、国土交通大臣に次に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
    一  商号、名称又は氏名及び住所
    二  事務所(本店、支店その他の国土交通省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)の名称及び所在地並びに当該事務所が第五十六条第一項ただし書に規定する事務所であるかどうかの別
    三  法人である場合においては、その役員の氏名
    四  未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
    
五  第五十六条第一項の規定により第二号の事務所ごとに置かれる成年者である専任の管理業務主任者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の氏名
   2  前項の登録申請書には、登録申請者が第四十七条各号のいずれにも該当しない者であることを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。 」とあり、
 1項5号により、氏名の変更は、該当します。(ここで、民法で問題となっている、婚姻での夫婦別姓が採用されれば、女性が婚姻しても、お金のかかる変更の届出が不要になるわけです。)



3 法人であるマンション管理業者Aが、法人であるマンション管理業者Bとの合併により消滅し、Bが当該合併後も存続することとなった場合は、Bを代表する役員が、当該合併によりAが消滅した日から30日以内に、その旨を国上交通大臣に届け出なければならない。

X 誤っている。 廃業の届け出は、マンション管理適正化法第50条
 「(廃業等の届出)
  第五十条  マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当することとなった場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
    一  死亡した場合 その相続人
    
二  法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であった者
    三  破産手続開始の決定があった場合 その破産管財人
    四  法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 その清算人
    五  マンション管理業を廃止した場合 マンション管理業者であった個人又はマンション管理業者であった法人を代表する役員
   2  マンション管理業者が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、マンション管理業者の登録は、その効力を失う。」とあり、
 1項2号により、元の法人Aの代表役員に、届出の義務があります。Bを代表する役員ではありません。



4 マンション管理業者は、当該マンション管理業者の事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、登録番号、登録の有効期間、代表者氏名等を記載した標識を掲げなければならない。

○ 正しい。 標識は、マンション管理適正化法第71条
 「(標識の掲示)
  第七十一条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、
国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。 」とあり、
 内容は、同法施行規則第81条
 「(標識の掲示)
  第八十一条  法第七十一条 の規定によりマンション管理業者の掲げる標識の様式は、別記様式第二十六号によるものとする。 」とあり、
  
別記様式第二十六号には、登録番号、登録の有効期間、代表者氏名等が記載される。ここも、「登録の有効期間」の改正があった箇所です。

別記様式第二十六号
マ ン シ ョ ン 管 理 業 票
登録番号 国土交通大臣 (  )第      号
登録の有効期間   年  月  日から  年  月  日 まで
商号、名称又は氏名  
代表者氏名  
この事務所に置かれている専任の
管理業務主任者の氏名
 
主たる事務所の所在地
電話番号    (    )

答え:4 (ここも、別記様式第二十六号を造るのに、時間がかかった!)

ここまで、問50


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最終更新日:
2012年 6月22日:「問30」、「問32」、「問33」、「問34」、「問36」に平成23年の標準管理規約の改正入れた。
2011年 2月18日:再再検討
2011年 1月30日:再チェックを行う。
2011年 1月22日:高層住宅管理業協会の正解を入。
2011年 1月14日
2011年 1月12日
2011年 1月 8日
2011年 1月 6日
:解説の開始

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