★★       条 文 の 解 説        ★★

建物の区分所有等に関する法律

(この解説においては、略称:区分所有法 と言う)

第1章 建物の区分所有 第5節 規約及び集会

第三十条 規約事項
第三十一条 規約の設定、変更及び廃止
第三十二条 公正証書による規約の設定
第三十三条 規約の保管及び閲覧
第三十四条 集会の招集
第三十五条 招集の通知
第三十六条 招集手続の省略
第三十七条 決議事項の制限
第三十八条 議決権
第三十九条 議事
第四十条 議決権行使者の指定
第四十一条 議長
第四十二条 議事録
第四十三条 事務の報告
第四十四条 占有者の意見陳述権
第四十五条 書面又は電磁的方法による決議
第四十六条 規約及び集会の決議の効力
議事録の例 

X-c.第40条(議決権行使者の指定)から 第46条(規約及び集会の決議の効力)まで

マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、区分所有法を条文ごとに解説しました。 

試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。

条文を勉強することが、合格への道です。

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第一章 建物の区分所有
第五節 規約及び集会
 
(議決権行使者の指定)
第四十条
1項  専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。
   
過去出題 マンション管理士 H25年、H22年、H20年、H15年、H14年、H13年
管理業務主任者 H24年、H21年、H18年、H16年、H13年

一人を定めなければならない...共有なら議決権行使者として一人をきめておくこと。区分所有法では専有部分の共有でも議決権は1つしかない。また、一人が複数の専有部分を持っていても、区分所有者の数は 1 である。

★趣旨

 第40条は建物の専有部分の共有者にその中から議決権行使者 一人を選定することを求める規定です。

 区分所有者とは、区分所有権を有する者であり、建物の専有部分の共有者も持分は所有権に基づいていますから当然に各自が区分所有者です。(区分所有法第第2条参照)
従って、専有部分が共有関係にあれば各共有者が独立して区分所有法で規定される区分所有者としての各種義務を負担することになりますが、「議決権」という権利行使の場合には専有部分を1単位として扱い、そのなかで共有者間の意思の統一を強制し、共有者の内一人が議決権を代表して行使することにより、マンションに住む他の人の専有部分との間での取扱いを平等にするのがこの規定の趣旨です。

 この結果、集会における区分所有者の数は複数の共有者がいても全員で”1つ”とカウントされることになります。

★議決権の公平さが無くなる場合もある
 
問題は、100uの専有部分を二人で1/2 (50u)づつ共有している場合と、同じマンションの 40uの専有部分を1人が単独所有している場合を比較すると、共用部分の持分は、100uの共有者1人の方が50uとなり単独所有者の40uより実質的に大きいにもかかわらず、この場合の50uの共有者は各々の意見を集会で反映することができないことになりますから、状況によっては合理的な規定とはいえないようにも思われます。
 しかし、このような場合は規約により、議決権行使者は一人でも、議決権の数は 2 にするなどの、救済策はあります。

<参照>区分所有法第38条1項
各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。

 ただ、共有関係ではこのような持分1/2づつの場合に限らず、5人の共有なら1/5づつなどと、いくらでも小さな持分に分けることも可能であり、通常、共有者間においてはある程度親密な関係にあることからその1つの専有部分での意思の統一を期待することもあながち不当とはいえないでしょう。

★議決権の行使者
 建物の専有部分の共有者間によって選任された議決権を行使すべき者一名は議決権行使者といわれますが、誰を議決権行使者とするかは共有者間の協議で定められ、その共有者の持分が他の共有者の持分よりも小さくても議決権行使者になれます。協議がまとまらない場合には、
民法第252条の規定によりその持分の過半数で選任されることになります。

<参考>民法 第252条:(共有物の管理)
第二百五十二条  共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

 共有者の中で区分所有者の団体(管理組合)に届け出た議決権行使者のみが集会の招集通知を受け(区分所有法第35条2項)、他の共有者も区分所有者として集会に出席して発言は出来ますが、各共有者間の意見が統一されていない状況は許されません。
 現実には共有者の誰か一人が共有者を代表して意見を述べ、議決権を行使すべきです。
議決権を行使する権利は一つしかありません。
そこで、選任されたら速やかに管理組合にその旨届出をする必要があります。

★集会でも、共有者には注意が必要
 現実には、集会に共有関係の夫婦が二人で出席することはよくあります。この場合、部屋番号の確認と、誰が議決権を行使するのかの確認をし、賛成・反対の数を数える際には、二人の手が上がっていても、1つに数えることが必要となります。

<参照>区分所有法第35条(招集の通知) 2項、3項:

2項  専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。

3項  第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。

★議決権の不統一行使は認められない − 一人の区分所有者はばらばらの議決権を行使できない −
 また、議決権の不統一行使については専有部分はその単一の意思を形成するのが法の建て前である以上、専有部分の単位を細分するような議決権の不統一行使はそもそも認められません。
 複数の専有部分が同一の共有者たちによって区分所有されている場合には、議決権自体は形式的には各々の専有部分毎に行使ができますが、区分所有者数と併用する区分所有法の原則的議事方法の場合には一名の区分所有者を更に分割できませんのでこの場合も不統一行使はできません。

 区分所有者数の要件を外す標準管理規約の場合にはこのような制約がありませんが、一人の意思は一個ですから集会での議決権の不統一行使は不合理なものとして否定すべきと思われます。
 ただし、信託等実質上複数の意思の存在が肯定できる場合には不統一行使も認められるべきです

  ★ 建物の専有部分が共有の時は、区分所有者として扱われる数は1となる。また議決権を行使する人を1人選ぶこと。

{例}全部が同じ面積の部屋で構成されているマンションなら、
      ◎ 1人で室を2つ持っていれば、議決権(原則:専有床面積比)は2倍になる。
             区分所有者の数=1
             議決権の数=2

      ◎ 3人で、1室を共有していたら、
             区分所有者の数=1
             議決権の数=1

      ◎ 3人で、3室を共有していたら、
             区分所有者の数=1
             議決権の数=3

             

    ★夫婦で共有の場合、その持分は夫:2/3、妻:1/3 でも、持分の少ない妻を議決権行使者にしてもいい。

★だれが、区分所有者か不明のとき
 区分所有者は、原則として区分所有者の団体(管理組合)に届けのあった者が区分所有者と看做されていますが、これは自己申告によるため、登記簿による確認までは、管理組合は行っていません。
 たとえ虚偽の申告があっても、管理組合は関与せず、申告に従った処理をしています。
 届出のないときは、区分所有者の室あてに、集会の招集通知などを発すれば、管理組合の責任は果たしています。(区分所有法第35条4項)


★共有で次のステップを目指す人へ 

− 議決権者を決めていない時は、どうなる? −

  *区分所有法第40条は、「専有部分が共有なら議決権者を決めなさい」って言いますが、現実のマンションでは、登記簿では夫婦共有がかなりありますが、議決権行使者の届を出している人はほとんどいません。
  それでは、その共有者たちを、集会(総会)でどう扱うかの疑問が出るでしょう。

  ◎議決権者と決められていないのに、集会に出て、発言し決議に参加した
   この場合は、他の共有者から異議がなければ、共有者間での協議が整ったとみなすことによって、この権議決のない人の発言を許し、その人の決議を有効にしていいでしょう。

★では、次に
  *議決権者の届け出があるのに、その人は集会に出席せず、委任状も持たない別の共有者が集会に出席し、発言し決議を行った
   本来なら、集会の受付時に、本人確認をすれば議決権がないことが分かるのですが、夫婦での共有なら、受付を問題なく通過してしまうこともあります。
   この場合も、共有者間での協議が整い、委任状はないものの、議決権行使者の代理人とみなして、その議決権のない人の発言を許し、その人の決議を有効と扱っていいでしょう。


{設問-1}あるマンションの管理組合の規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、次の記述は有効か。

*専有部分が数人の共有に属する場合、議決権の行使については、その有する共有持分の割合によるものとし、各々これを行使することができる。

答え:有効ではない。区分所有法第40条に「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」としており、設問の「議決権の行使については、その有する共有持分の割合によるものとし、各々これを行使することができる」は認められない。


{設問-2} 平成20年 マンション管理士試験 「問7」

〔問 7〕  議決権の行使に関する次の記述のうち、区分所有法、民法及び民事執行法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。


1 専有部分が数人の共有に属しその中に未成年がいる場合、当該未成年者を議決権を行使すべき者と定めることができない。

X 誤っている。 よく、他の資格試験でも出題される「未成年者の行為能力」です。
  まず、区分所有法では、専有部分が数人の共有関係にある場合には、同法第40条 (議決権行使者の指定)
  「第四十条  専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」により、共有者の中から、誰か一人を議決権行使者として定めることが求められています。
  次に、議決権行使者の資格として、未成年者がなれるかの問題です。これについては、区分所有法では規定がありませんから、民法に戻ることになります。
  共有者間で、議決権行使者を定める行為は、代理行為に該当すると考えられます。すると、民法第102条 (代理人の行為能力)
  「第百二条  代理人は、行為能力者であることを要しない。 」により、未成年者であっても議決権行使者と定めることも可能です。


2 専有部分が民事執行法の規定により差し押さえられて強制執行が開始された場合、当該専有部分の所有者は議決権を行使することができる。

○ 正しい。 区分所有法で定める議決権は、同法第38条 (議決権)
  「第三十八条  各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。」により、区分所有者であれば議決権をもっています。例え、差し押さえを受けても、専有部分の所有者(=区分所有者)としての地位に変動はありませんから、当該専有部分の所有者は議決権を行使することができます。


3 各区分所有者の議決権の割合を、住戸一戸につき各一個の議決権とすることについて、集会において区分所有者及び議決権の各過半数で決議することができる。

X 誤っている。議決権の割合は、選択肢2で引用した区分所有法第38条により、原則として、持っている専有部分の床面積の割合(同第14条)となりますが、規約で別段の定めも可能です。(第38条参照)
  設問の、既存の規約で議決権について別段の定めがなく、新しい議決権の割合を集会で決めようとすることは、区分所有法第38条の原則から外れ、新しく規約の設定が必要な行為に該当します。規約の設定は、区分所有法第31条 (規約の設定、変更及び廃止)
  「第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
   2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。 」の1項の規定により、
 「区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議」が必要となります。区分所有者及び議決権の各過半数で決議することはできません。


4 専有部分が持分割合の異なる2人の共有に属している場合、持分割合の大きい者を議決権を行使すべき者と定めなければならない。

X 誤っている。よくでる問題。  選択肢1で述べたように、区分所有法第40条により、専有部分が数人の共有関係にある場合には、だれか一人を議決権行使者として定めることが要求されていますが、その一人については持分の大小についての規定は区分所有法にはありませんから、持分割合の大きい者を議決権を行使すべき者と定めなくてもかまいません。持分の小さい者でも、議決権行使者とすることもできます。

答え:2

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(議長)

第四十一条

1項  集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。

過去出題 マンション管理士 H25年、H22年、H14年、
管理業務主任者 H22年、H16年、H14年、

★集会の議長の必要性

 第41条は集会の議長就任者に関する規定です。

 集会(総会)は区分所有者全員により構成され、招集通知に定められた日時・場所において「あらかじめ通知された議題」につき審議する会議体ですが、会議進行において必要な議長および書記(議事録作成)のうち議長を誰が務めるかを定めたものです。

 集会の議事は議長の開会宣言で開始され、閉会宣言で終了し、その間で討議・議決された事項が欠席者を含めた区分所有者全員を拘束することとなるのですから、議長は会議において重要な役割を果たします。
そのため、議長就任者または議長の決定方法は集会開催以前に決定されていることが望ましく、法律で予め定められるのが通常です。

★議長就任者の決定方法

 第41条では議長は、
   @第一に規約の規定で定まり(標準管理規約に準拠して理事長とする例が多い)、
   A第二に規約に定めのない場合にはその集会の開始前に議決により定め(この議事進行のため仮議長が必要でしょう)、
   B第三に管理者が招集した場合には管理者、
   C少数区分所有者が招集した場合には、その招集者が、その集会で別人をあえて議長に選任した場合を除き議長に就任する
 ものとしています。

第一と第二の場合は会議体の自治権の尊重ですが、第三の場合は議長選任に関する自治権不行使の場合の補充規定ということになります。

★議長の権限
 議長は、集会を主宰して集会の始めの開会と終わりの閉会を宣言し、その間では議題を会議に上程して議事を整理する権限と責務を有します。
この議事整理権には誰に発言を許し、誰の発言を制止または禁止するかも含みますし、会議を混乱させるような場合にはその人を退場させることも含まれるでしょう。

★議長の中立性@ −理事長が議長でいいのか−
 議事の進行と整理においては、発言内容が議事内容と関連性があるか、重複していないかなど、発言者の立場と周りの諸般の事情を考慮して議長は権限を行使する必要がありますが、その前提としてなにより中立性が要請されるため議案の提案者・説明者が議長となることはあまり好ましいとはいえません。

 その訳は、通常、議案は理事会で作成されていますから、理事長は多くの場合、議案の説明などをする当事者となります。その当事者が集会を取り仕切る議長となったのでは発言の整理や議事内容の中立的な統制が果たせなくなるからです。
 従って、管理者その他業務報告や予算決算を提案する立場の者を議長とする第41条の規定や「理事長を総会の議長とする」標準管理規約の規定は、他に議長を選任できない場合の救済規定と見るべきでしょう。

 そこで、実務としては、まず会議の最初に議長を選任(中立の者に執行部が予め議長就任の事前承諾を得る、次期理事長候補または前理事長が議長となる等)して会議を実施することが望ましいと思われますし、規約で議長を定める場合にも上記のような中立的な立場の人間を議長とする旨規定するのが望ましいものと思われます。しかし、現実としては、面倒さもあり理事長が議長になっています。

★標準管理規約(単棟型)では、無条件に総会の議長は「理事長」としています。

<参照>標準管理規約(単棟型) 42条 (総会)
第42条 管理組合の総会は、総組合員で組織する。
2 総会は、通常総会及び臨時総会とし、区分所有法に定める集会とする。
3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2ケ月以内に招集しなければならない。
4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。

5 総会の議長は、理事長が務める。

★議長の中立性A −議長は議決権を持つか−
 議長の中立性の要請から議長は一般に議決権を行使できないという意見も多く見られます。

 この場合に、議長の区分所有者としての区分所有者数と議決権は参加定数には加算し、投票数では棄権扱いの場合には事実上否決扱いすることになりますから、議決する場合の定数からも除外されることになるのでしょう。
ただ、このような取扱いは区分所有法にも民法にも規定がなく、日本の議会制の慣習から生まれた取扱いのように思われます。

 確かに、通常の議会の場合には、1人一票で議長も所詮一票しか持ちませんから議長票が除外されたとしても全体に影響は殆んどなく、しかも議員は通常全体の利益のために行動するものとされていますから、議長の投票を禁止して議事手続き適正を追求することは結果として全体の利益に適う方法といえるでしょう。

 しかし、区分所有者の団体(管理組合)の集会における区分所有者は、行政での議員が議会で代議員としての公的な権限を行使するのと異なり、所有者として自己の所有権を行使するのですから、それを制限することは議長の中立性の要請を根拠としても妥当とはいえないでしょう。
 集会も会議体ですからその運営方法等は行政の議会制の各種慣習に準拠すべきでしょうが、会議体の性格・目的に応じて準拠できる慣習も異なると思われます。

 実際、少人数の管理組合、例えば組合員3人の場合には議長の議決権行使を認めない場合には特別決議の要件が常に満たされず特別決議が不能となったり、議決権が1人に偏っているようなケースでは、その者の参加無しには普通決議でさえ常に否決されてしまうというような不当な結果となってしまいます。
従って、マンションでの集会の場合には議長も当然議決権を当初から行使できるものと思われます。

 そこで採決は、議長にも議決権を与えて決議し、賛否同数の場合は、否決となります。

★議長の解任
 ただ、この場合も含め議長の議事運営が偏向して極端に不当な議決がされた場合には、違法な決議で無効というべきでしょう。
このようなおそれのある場合、議長選任も委任的性質を有しますから選任行為と同様の手続きで解任もできると思われます。
従って、規約での選任の場合には規約の変更で、集会での選任の場合は集会の議決で議長を更迭することができます。

  ★ 議長:普通は管理者(理事長)がなるが、管理者がいないとき(第34条5項)、また管理者が集会をしないとき(第34条3項)などは、招集した区分所有者の一人がなる。

   ★議長にも、議決権はある(今までは、無いように解説されていたが、変更された。ただし、賛否同数での、議長の裁決権はない。)(参照;マンション標準管理規約第47条のコメント@>

<参考>:マンション標準管理規約第47条のコメント@>
第47条関係コメント
@ 第2項は、議長を含む出席組合員(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数で決議し、過半数の賛成を得られなかった議事は否決とすることを意味するものである。

   ★また、別段の決議(例えば、その集会で管理者以外の人を議長に決めれば、)があれば、その人でもいい。


{設問}区分所有法の規定によれば、次の記述は有効か。

*管理者以外の者を集会の議長とすること。

答え:有効である。 区分所有法第41条によれば、集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる、とされ管理者以外の者を集会の議長とすることができる。

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(議事録)

第四十二条

1項  集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。

過去出題 マンション管理士 H23年、H14年、
管理業務主任者 H24年、H22年、H20年、H15年、H13年

作成しなければならない...集会(総会)があれば、臨時でも通常でも、議長による議事録の作成は不可欠である。議事録の作成者は議長であり、管理者ではない。(現実には、議長=管理者であっても、条文は”議長”に注意。)

*書面又は電磁的記録...パソコン使用などによる電磁的記録は、規約と同じように、前もって集会の決議や規約で認められて無くても許されている。

★議事録が必要なわけ

 第42条は集会(総会)の議事録に関する規定です。

 何度も述べていますように、集会(総会)は、区分所有者の団体(管理組合)の最高の意思決定機関として適法に議決された内容は、欠席者や反対者も含めた全ての区分所有者を拘束し、その効力は将来の区分所有者たる特定承継人(買った人)や占有者(賃貸人など)にも及びますから、後々の争いを防止するため、集会は適法に開催されたのか、集会で何が議決されたのか等を議事録として記録に残すことは大変に重要なことです。

 このように集会(総会)の議事録は、後日のため、会議の適法性および議決事項を証明するための証拠方法(証拠書類)であり、その重要性から法律上での制度として作成が担保されている必要があるため会議の主催者である議長に作成義務が課されています。

 なお、IT化による平成14年の改正法により本1項に今までの書面での作成のほかにパソコン使用などでの電磁的記録が追加され、規約関係(区分所有法第30条)・議決権行使関係(区分所有法第39条)に続いて議事録も、電磁的方法での記録が認められました。

<参照>建物の区分所有等に関する法律施行規則 第1条 (電磁的記録)

第一条  建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「法」という。)第三十条第五項 に規定する法務省令で定める電磁的記録は、磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。

 集会(総会)の議事録を書面で作成するか電磁的記録で作成するかは、作成義務者兼作成権限者である議長に一次的な判断権があります。
勿論、規約や総会決議でどちらかにする旨決まっている場合には議長はそれに従う義務があることは当然です。
しかし、そうでない場合には、議事録作成時に決めてもいいのですが、集会の開始時に「議事録に署名・押印する2名」の指名の時点でどちらにするかを明らかにすることが望ましいと思われます。

 ただし、本1項が規定するのは議長がその責任において書面または電磁的記録で議事録を作成することであり、このことは必ずしも現実に議長が自らの手で書いたり、自らパソコンやワープロ打ちをすることを意味してはいませんから、実際の書面に書いたりパソコンでの入力などの作業を書記担当の理事その他の者にやらせることができます。

★現実には、議事録の作成は、管理会社が行っている。
  区分所有法では、議長(多くは理事長)が集会(総会)の議事録を作成することになっていて、理事の中で書記的な人が議事の速記をして、後で理事会がまとめていると思うでしょうが、現実には、議事録(本当は案ですが)の作成は、総会に出席した管理会社に任せられています。

  そこで、集会(総会)で管理会社にとって不利な討議内容は、削除されないまでも、ニュアンスを変えた文章となっていますから、注意が必要ですよ。

 ★ 議事録は議長(管理者・理事・招集した人など)がつくる。これは、責任者ということで、実際の作業は他の人がやっていい。

    相当の期間内に作成すること(具体的にはいつまでかは、判断に任せる)。 

★罰則がある

 この集会(総会)の議事録を作らなかったり、必要なことを記載(記録)しなかったり、ウソを記載(記録)すると、(第42条1項から4項)に対しては、罰則:第71条3号が第42条に対して独自にある。
    これも20万円以下の過料

<参照>第71条3号:
 第四十二条第一項から第四項まで(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、議事録を作成せず、又は議事録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。


{設問-1}次の記述は正しいか。

* 議長は、規約又は集会の決議によらなくても、集会の議事について電磁的記録により議事録を作成することができる。

○ 正しい。 集会で何があったかを記録することは、重要なことですから、議長は議事録を作成することが義務付けられています。それが、区分所有法第42条1項。
 「(議事録)
  第四十二条  集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。 」です。
 この議事録は、規約又は集会の決議によらなくても、IT化の波により、電磁的記録(パソコン利用)が、当然に認められるようになっています。

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第四十二条

2項  議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。

過去出題 マンション管理士 H22年、
管理業務主任者 H22年、

★議事録の記載内容は、@経過の要領と Aその結果

 2項は集会(総会)の議事録の記載事項を定めた規定です。

★「議事の経過の要領」とは、会議の適法要件の簡潔な記録であり、「その結果」とは決議内容を指すものと思われます。

 集会(総会)の議事録は会議の適法性と議決事項を証明するための書類ですから、具体的な特定の書式の指定はないものの、

まず、@適法要件証明のための事項として何時・どこで・誰が・何を・どのように、という議事の経過として会議の日時・場所、集会定数と出席区分所有者数および議決権数、会議の経過、議事次第と議決要件の確認を、

次に、A議決内容の証明のための事項として、何をどうしたという決議内容、賛・否の別を記載することが必要です。

 議事の経過をどの程度詳しく記載するかも原則として自由ですが、議事録の目的は録音されたテープ起こしのように一字一句で、誰が何を話したかを細かく知ることにあるのではなく、会議での議題は何か、討議の内容はどうだったのか、そして最後に何が決定されたのか、また、その会議は適法だったのかを明らかにするためのものですから、決定事項を明確にするのに関係のない事項は記載する必要がなく、逆にあまり詳細な記載は会議の適法性と決議内容の理解の妨げともなりかねませんので記載しないほうが望ましいといえます。

 そこで、2項でも「要領(必要な要点を明確且つ簡潔に記載したもの)及びその結果」を記載するものとしています。

 ★ 議事録の内容:

      議事の経過とは、開会、議題、議案、討議の内容、表決などをさします。

     「要領の記載」ですので、その内容を逐一記載する必要はなく、経過を要約して記載すればかまいません。

 また、決議の成否の根拠を示すため、区分所有者(組合員)総数およびその議決権総数、出席区分所有者数およびその議決件数、各議案毎の賛成区分所有者数およびその議決件数を記載してください。なお、普通決議では、賛成多数という表現もあります。


*** 総会 議事録の例(概要) ***

  ○○○管理組合第xxx期通常総会議事録

  1.日時 : 平成XX年 5月30日 午前10時より同12時まで

  2.場所 : xx区 区民センター 301号室

  3.区分所有者(組合員)総数および議決権総数
           区分所有者総数   xxx名
           議決権総数      yyy個

  4.出席区分所有者数および議決権数
          出席区分所有者数  aaa 名
          議決権総数       bbb個
        
 (委任状および決議投票書を含む。これらも出席扱いにできる)

  5.開会宣言

  6.議事

    ア.議長選出
      (多くの場合、理事長がなる)

    イ.総会成立(不成立)の報告
      (管理規約に基づき、定足を満たしていること)

    ウ.決議事項
      (議題=会議の目的たる事項)       

       A.議案の案内/説明

         (議案提案者からの説明)
         第1号議案  ○○年度(本年度)の事業報告及び収支決算報告承認の件
         第2号議案  ○○年度(次年度)の事業計画案及び収支予算案承認の件
         第3号議案  役員選任の件
         第4号議案  xxxの件
         

       B.質疑受付(内容を記載)

         (質問があれば、その概要と回答)
         これについてxxxxx があり、理事長(又はyyy)が以下のように回答した。

       C.採決、可決(否決)

         (質疑が終われば、採決する。
          原則は、一議案ごとの採決)
         他には、質疑がなく、採決を行い、第1号議案は、賛成多数(満場一致)で採決された。

     (ウを議案分だけ繰り返す。)

  7.閉会宣言

   以上の議案をもって総会の議事が終了したので、議長は○○時○○分閉会を宣しました。

   以上の、○○○管理組合第xxx期通常総会の議事の経過ならびに結果が正確であることを証するため、議事録を作成し、議長及び出席した区分所有者2名はこれに署名押印いたします。

                  平成○○年○○月○○日
   住所
    名称   ○○○管理組合

    議長                 氏名自署     印

    出席した区分所有者
      ○○号室区分所有者     氏名自署     印
      ○○号室区分所有者     氏名自署     印

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第四十二条

3項   前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。

過去出題 マンション管理士 H23年、H21年、H14年、
管理業務主任者 H22年、

署名押印しなければならない...自筆で記名し、印を押すこと。

議事録は後日のための証拠書類ですから、その信用性が担保されている必要があることは勿論です。

 このため、まず議事録作成責任者の議長がその責任の明確化および内容の真実性を担保する趣旨で議事録に署名押印を行うものとしています。
ただし、議事録の作成者が自ら真実性を保障してもその信頼性はあまり高くはありませんから真実性担保に客観性を持たせるために実際に集会に参加した他の区分所有者の証人2名も議事録に署名押印するものとしています。

 この議事録に署名押印する2名は集会の最初か最後に指名されその旨議事録にも記載されますが、2名という数は区分所有法が議事録の証明力を担保するために必要と認めた数値ですから、これを減少することは証明力が減退するため認められませんが、2名以上の署名押印がある議事録であっても有効と考えられます。

 また、3項は、「出席した区分所有者」となっていますが、ここには、区分所有者の代理人も含むと考えていいでしょう。

 なお、3項の規定で議事録に署名押印しなければならないのは、議長であり、管理者ではありませんから、注意してください。ただし、議事録を保管するのは、管理者ですよ。(第42条5項)

 ただし、集会当日の出席者が1名だった場合にはその旨付記してその一名の署名押印で足りますし、2名以上の証人の署名押印があっても2名の署名押印がある限り区分所有法上は適法となります。

★署名と記名の違い

 他人の手やプリンター、ゴム印その他の方法で氏名を記載する記名(自署以外の方法で本人名を記すもの)と異なり、署名ですから氏名を本人が自署(手書き)することとなります。

 このように、一般に法律では署名と記名とは用語が異なり、署名(捺印不要)の効力と記名捺印の効力が同等と評価されていますが、署名の他に押印も要求するほどの理由は考えにくいところですから、ここでの署名は通常の場合の例示であり署名はゴム印での記名であっても有効としてもいいと思います。

 押印の印鑑は本人の同一性を担保できるものなら何でもよく実印に限らず認印で十分です。
ただし、記載内容に登記事項があり議事録が登記の原因証書となる場合には登記申請上実印が必要なのが通常です。

 ★ 議事録作成後、議長は議事録に署名(氏名を自分で書くこと)・押印(印を押すこと)した上、出席した区分所有者2名の署名および押印が必要です。
    理由は、議事の経過の要領および結果が正確に記載されることの確保にあります。

        署名・押印 ------- 議長 + 出席した区分所有者2名

       *議事録の署名押印の例

以上の、通常総会の議事の経過ならびに結果が正確であることを証するため、議事録を作成し、

   議長及び出席した区分所有者2名はこれに署名押印します。

                  平成○○年○○月○○日
   住所
    名称   ○○○管理組合

    議長                 氏名自署     印

    出席した区分所有者
      ○○号室区分所有者     氏名自署     印
      ○○号室区分所有者     氏名自署     印

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第四十二条

4項  第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名押印に代わる措置を執らなければならない。

過去出題 マンション管理士 H15年、
管理業務主任者 H23年、H15年、

署名押印に代わる措置をとる...議事録が書面なら署名押印できるが、議事録が電磁的記録(磁気ディスクとかCDとかUSBメモリーとかに記録されているとき)になっていると署名押印ができないため、電子署名方式となる。IT化による規定。

★平成14年の改正法で議事録は書面でも電磁的記録でも作成してよいことになりました。
 しかし、新しく加わった電磁的記録は容易に書き換えができますので、その内容の真実性を担保するための書面の署名押印に代わる証明手続きが特に問題となりますが、法務省令にて定めることとなっています。

 なお、この場合、認定事業者からの認定を受ける必要はありません。

<参照>建物の区分所有等に関する法律施行規則 第4条
(署名押印に代わる措置)
第四条  法第四十二条第四項 に規定する法務省令で定める措置は、電子署名及び認証業務に関する法律 (平成十二年法律第百二号)第二条第一項 の電子署名とする。

 電子署名及び認証業務に関する法律:(定義)
    第二条  この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
     一  当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
     二  当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること

   2  この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。

   3  この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。

    ★ 議事録が磁気ディスク、フロッピー・ディスク、磁気テープ、ICカード、ICメモリー、CD、DVDなどに入っているときは、電子署名のやり方がある。

★電子署名の技術
  本人であることを証明し、また他の人からのコンピューターによる改変をさせないために、暗号の技術が開発されています。

   現実問題としては、コンピューター・システムでの議事録は改変の有無の確認が簡単にはできないため、また電子署名方式も面倒で採用は、まだない。
   紙(書面)で打ち出して、議長と出席した区分所有者2名が署名押印している。


{設問-1}次の記述は正しいか。

* 電磁的記録により集会の議事録を作成しようとする場合、集会を招集する者は、区分所有者全員の承諾を得なければならない。

答え:正しくない。区分所有法第42条1項によれば、議事録は集会を招集したもの(議長)が書面または電磁的記録により作成すればよく、区分所有者の承諾は不要である。
なお、作成した集会の議事録には、議長のほかに、区分所有者2名の署名押印が必要である。


{設問-2}次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤りはどれか。なお、本問において、「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいい、「電磁的方法」とは、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、法務省令で定めるものをいう。

1 集会の議事録は、書面のほか電磁的記録により作成することができる。

答え:正しい。(区分所有法第 42 条第1項)
集会の議事録は、書面のほか電磁的記録により作成することができる。
「集会の議事については、議長は書面又は電磁的記録により議事録を作成しなければならない。」

2 集会で決議すべき場合において、区分所有者及び議決権の各過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。

答え:誤り。(区分所有法第 45 条第 1 項)
「この法律又は規約により 集会において決議すべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。」とあり、決議を電磁的方法にするには全員の承諾がいる。(区分所有者全員が、パソコンを持っているわけでもなく、それらが全部NETに繋がっているわけではないので。)

3 議決権は、書面又は代理人によって行使するほか、規約又は集会の決議により、電磁的方法によって行使することができる。

答え:正しい。(区分所有法第 39 条第2項、 第 3 項)
   「2項 議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。
   3項 区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による議決権の行使に代えて電磁的方法(中略)によって議決権を行使することができる。」とあり、正しい。

4 規約は、書面のほか電磁的記録により作成することができる。

答え:正しい。 (区分所有法第 30 条第 5 項)
「規約は、書面又は電磁的記録(中略)により、これを作成しなければならない。」とあり、正しい。

正解: 2

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第四十二条

5項  第三十三条の規定は、議事録について準用する。

過去出題 マンション管理士 H25年、
管理業務主任者 H22年、H17年、

<参照> 区分所有法 第33条の規定 (規約の保管及び閲覧)

第33条1項:規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。


2項 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

3項  規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

★議事録の保管・閲覧 −規約と同じ−

 集会(総会)の内容を記載した議事録は、会議の適法性と議決事項を証明するための書類として、その目的を達成するために保管し且つ利害関係者の閲覧に供されますから、規約の保管および閲覧に関する第33条の規定が議事録にも適用(準用)されます

  具体的な準用内容は、
  1.議事録は、管理者が保管しなければなりません。
    ただし、管理者がいないときは、建物を使用している区分所有者またはその代理人で規約または集会の決議で定める者が保管しなければなりません。
  2.議事録の保管者となっている者は、利害関係人の請求があれば、正当な理由がなければ、議事録の閲覧を拒めません。
  3.議事録の保管場所がどこかを建物内の見やすい場所に掲示してあることです。

 区分所有法上は決議に参加した区分所有者も議事録の内容確認には閲覧という手段しかありませんが、一般には議事録の写しを区分所有者に戸別配布する例もあり、議決内容の周知徹底ということから望ましい方法といえます。

   ★規約と同じように、議事録も管理者(理事)が(自分が議長でなくて作成していない分も)保管の義務がある。

    以下の「規約」は「議事録」と読み替えること。

    ★規約は管理者が保管する。管理者が保管しないと20万円以下の過料

<参照>第71条1号:
 次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、
二十万円以下の過料に処する

  一  第三十三条第一項本文(第四十二条第五項及び第四十五条第四項(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)並びに第六十六条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)又は第四十七条第十二項(第六十六条において準用する場合を含む。)において読み替えて適用される第三十三条第一項本文の規定に違反して、規約、議事録又は第四十五条第四項(第六十六条において準用する場合を含む。)の書面若しくは電磁的記録の保管をしなかったとき。

  ★注意:管理者(理事)がいないときは、保管している区分所有者や決議で定められたものに対しては、保管義務違反に対する過料はない。

    第33条1項の準用が本文となっていることに注意:但し書きで規約を保管する者は罰則に入らない)。

      ★過料(あやまちりょう ともいう)...刑法上の罰ではない。科料(とがりょう ともいう)は刑法上の罰。

       刑法上の刑の種類...重いほうから @死刑 A懲役(無期、有期。監獄で作業) B禁錮(無期、有期。監獄で拘置)

                               C罰金(1万円以上) D拘留(拘留場に30日未満拘置) E科料(千円以上〜1万円未満) 

<参照>第33条2項  
前項の規定により規約
(注:議事録も含む。以下同じを保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

 ★利害関係人とは...区分所有者は当然ながら、賃借人等の専有部分の占有者、売買等によって区分所有権を取得しようとする者、専有部分を賃借しようとする者、管理組合に対し債権を有し、または管理組合と取引しようとする者、区分所有権または敷地利用権の上に抵当権を有し、または抵当権の設定を受けようとする者、区分所有者から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者等法律上の利害関係のある者など広い。

    なお、法理上の利害関係のない、親族関係にあるだけの者は、利害関係人の範囲に入りません。

{利害関係人の例}
 マンションの占有者は、総会の決議事項について利害関係を有する場合は、総会議事録の閲覧請求をすることはできる。

 ★正当な理由で閲覧を拒絶できる例:
     * 夜間等不適当な時間に閲覧請求がなされた場合
     *不必要に何回も閲覧請求をする、
     *いやがらせの閲覧請求が明らかな場合、 など。
     いつでも、だれにでも無条件に閲覧を許すものではないことに注意。相手が、利害関係人でも正当な事由があれば、拒める。

   ◎規約(議事録も)の閲覧を正当な理由が無くて拒むと20万円以下の過料

<参照>第71条2号:
  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。第三十三条第二項(
第四十二条第五項及び第四十五条第四項(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)並びに第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がないのに、前号に規定する書類又は電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を拒んだとき。

  ★注意:ここ(規約・議事録の閲覧)には、管理者(理事)がいなくて規約を保管しているものも入り、正当な理由がなくて閲覧を拒むと ¥20万以下の過料となる。

<参照> 第33条3項
 規約
(注:議事録も含む)の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

 ★保管場所の掲示には皆(管理者・議長、いないときの保管者)、罰則なし。

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(事務の報告)

第四十三条

1項   管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

過去出題 マンション管理士 H23年、H21年、H16年、
管理業務主任者 H25年、H23年、H22年、H16年、H13年

事務報告をしなければならない...規約では免除・軽減できない。管理者の責務。必ず集会を開いて行うこと。書面を送付しただけの報告は、認められない。

 第43条は管理者の事務報告義務に関する規定です。

 管理者は委任者(区分所有者の団体=管理組合)に対する受任者の立場にありますから、その受任業務を誠実に実行する義務があり(区分所有法第28条、民法第644条)、その内容には適時委任者に業務執行の状況を報告する義務も当然含まれます(民法第645条)。

<参照>区分所有法第28条(委任の規定の準用)
第二十八条  この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う

<参照>民法 第645条:(受任者による報告)
第六百四十五条  受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

 第43条は受任者のような管理者の義務の存在を前提に、その具体的内容として事務報告の場を集会とし、報告の周期を毎年一回一定の時期と定めたものです。
 これは、憲法第91条で定める、内閣の財政状況の報告義務に似た規定です。

<参照>憲法第91条
第九十一条  内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

★報告内容
 第43条に定める報告義務の内容は管理者の事務に関するものですから管理者の業務全般がこれにあたります。

 具体的には管理組合の運営および建物管理の両面における当年度の業務計画に沿って実行した業務の成果や結果、地震や台風などの突発事項等の業務計画外事項、および当年度予算の実行報告、収支決算、次年度業務計画、また次年度予算等の報告がこれに該当するでしょう。

★他の報告義務
 なお、報告義務に関しては他に第26条5項で規約の定めにより、裁判で原告または被告となったときの区分所有者への報告義務が定められておりますが、管理者の報告義務はこれらに尽きるものではなく事件、事故、共用部分の工事、危険箇所の発見その他による使用制限や注意事項等管理組合の運営または共用部分等の保存管理上、区分所有者に伝達すべき事項については当然に適宜報告すべき義務があります。

 更に、その内容が集会決議が必要な場合には臨時集会の招集義務も認められるでしょう。

 従って、第43条の「毎年一回一定の時期」にというのも、少なくとも毎年一回一定の時期に報告し、且つ必要があれば適宜報告しなければならない、という趣旨を当然に含意したものであり、必要に応じた臨時の報告義務もあり、年1回報告すれば義務を全部履行したというわけではありません。

<参照> 区分所有法第34条2項:
  管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。

    ★管理者(理事)は前の第34条2項とこの第43条により、最低年1回定期的に集会を開いて、事務報告をしないといけない。

★本第43条は、管理者に毎年1回一定の時期にその事務に関する報告義務を課したものであり、しかも、その報告は、集会(総会)においてなすべきことが明記されました。
  区分所有法の集会中心主義の一環として、区分所有者が出席している集会で管理者が報告することにより、管理者の行った事務内容について区分所有者が質問することができるため、管理者の事務執行に対する監督をより十分に行えることになります。

★さらに民法の委任により、区分所有者の請求により、いつでも事務処理状況を報告する義務がありますが、この報告は、これを求めて招集される臨時総会等でなされれば足りると解されています。

<参照> 民法 第645条:
  受任者(管理者(理事))は委任者(区分所有者)の請求あるときは何時にても委任事務処理の状況を報告し又委任終了の後は遅滞なくその顛末を報告することを要す。 

★ただし、管理者(理事長)は、個々の区分所有者の要求に対しては、直接的に事務報告の義務を負わないと解されています。

{判例}
  区分所有者個々の要求に対して、管理者(理事長)は事務報告の義務が、あるのか が争われた事件で、「事務報告は、集会において行えば足りるのであって、個々の区分所有者の要求に直接的かつその都度、応じる義務はない」とされています。(東京地裁;平成4年5月22日 判決)

★本条により、集会を開かないで、報告書面を送付することにより事務報告をするという方法で済ませることはできない反面、集会欠席者に対する事務の報告は必要でないことになります。
   もっとも実務上は、集会欠席者に対しても書面で報告をするのが適切です。

★報告は、区分所有者の全員に対してしなければなりませんが、一定の形式はなく、事務処理の状況を明らかにするものであれば足ります。
  しかしながら、管理者の事務に関する報告には、その年度の収支決算報告(会計報告)もその一部として含まれますので、それ相応のものが必要となりましょう。
   <参照>第47条13項の会計関係

★また虚偽の報告をすると20万円以下の過料の罰則があります

<参照>第71条4号:
  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、
二十万円以下の過料に処する
 第四十三条(第四十七条第十二項(第六十六条において準用する場合を含む。)において読み替えて適用される場合及び第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

★なお、実務においては、最低年一回は開催されます、集会(総会)の場で、管理者(理事長)として、1年間の業務報告とか活動報告としてなされます。
 管理者が報告をする集会(総会)の開催時期について、標準管理規約(単棟型)では、区分所有法では定めのない「
新会計年度開始以後2ケ月以内に招集」を入れています。

<参照>標準管理規約(単棟型) 42条 (総会)
第42条 管理組合の総会は、総組合員で組織する。
2 総会は、通常総会及び臨時総会とし、区分所有法に定める集会とする。

3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2ケ月以内に招集しなければならない。

4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。
5 総会の議長は、理事長が務める。


{設問-1}管理者に関する次の記述は正しいか。

*管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、区分所有者に対し、その事務に関する一定の事項を記載し、記名押印した書面を交付して、報告をしなければならない。

答え:間違いである。区分所有法第43条に「管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」と規定している。しかし、設問にある
「区分所有者に対し、その事務に関する一定の事項を記載し、記名押印した書面を交付」する必要は無い

*管理者は、毎年1回一定の時期に行うべき管理者の事務に関する報告を、集会においてではなく、電磁的方法により行うことができる。

答え:間違いである。 マンションの管理は基本的には、区分所有者達が行うものです。管理者を選任したら、その事務執行内容を、監督しなければなりません。そこで、区分所有法第43条。
 「(事務の報告)
  第四十三条  管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。 」とあり、
管理者に、必ず、集会で、区分所有者に向き合って、報告させるようにしています。書面や電磁的方法ではできなくしています。(しかし、現実の集会=総会 は、質問もなく形骸化していますが。)

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(占有者の意見陳述権)

第四十四条

1項  区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

過去出題 マンション管理士 H25年、H19年、H14年、H13年
管理業務主任者 H25年、H23年、H17年、

占有者とは...自分の利益のために専有部分を支配しているもの。賃借人など。(同居人は入らない)

利害関係があれば、出席して意見を述べることができる...正当な賃借人は利害関係のあるときだけ、意見を言える。当然、議決権はない。留守宅に無断で入り込んで住んでいるといった不当な占拠者は、無権原占有者に当たり、この意見陳述権はない。

★占有者にも意見陳述権を与える

 第44条は、区分所有者でない占有者への集会への出席権と意見陳述権に関する規定です。

 占有者は区分所有者ではありませんから、当然には集会への出席権はなく、議決権も認められません。
しかし、占有者は区分所有者と同様にマンションの管理運営に関して影響を受ける立場にあり、更に第6条3項や後述の第46条により建物や敷地の使用に関して区分所有者が負う義務と同一の義務を負わされていますから、その利益も保護される必要がありますので、占有者に関係する集会の議題についての意見陳述権とその前提としての集会への出席権を認めたものが本第44条です。

<参考>区分所有法 第6条:(区分所有者の権利義務等)

第六条  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
2  区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。

3  第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する

 区分所有法 第46条:(規約及び集会の決議の効力)

第四十六条  規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。

2  占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う

◎占有者は、区分所有者ではないため議決権が認められてませんから、占有者が自分に関係する議題について集会で意見を表明してもそれが採用される保証はありません。

 占有者に意見陳述権を認めるだけでは、占有者の利益保護の手段としては十分とはいえませんが、集会で述べた占有者の意見に合理性があれば区分所有者もその占有者の意見に同調する可能性があり、同席しています区分所有者の賛同も期待できます。

 もともと、占有者は区分所有者と異なり建物の管理等に責任を負うものではなく、管理費・修繕積立金の支払い義務などもなく、直接にはそれらの負担にも応じない立場にあります。
 また占有者は、一般に建物に対する出費(賃料など)も区分所有者に比べて低額で、そのマンションが嫌なら他の建物を賃借して転居することも容易にできますから、集会での意見を述べる程度の保護があれば十分ともいえるでしょう。

◎ただし、占有者が店舗等の場合には、その出費額は権利金(保証金)の支払いや内部装飾費などで多額になる場合もありますので、会議の目的である事項の制約が占有者にとってかなり強度となる場合には制約の必要性や内容、回避可能性や代償措置等を相関的に判断して、状況によっては権利濫用や不法行為が成立する場合もありえますので、注意が必要です。

 このように、占有者の意見陳述権は占有者の権利擁護の手段ですから、保護に値する占有者に限って認めることは当然です。なお、この規定は、区分所有者の承諾を得て正当に占有する者、即ち、賃借人や承諾のある転借人に限られ、不法占拠者にはこの権利はありません。

利害関係を有する場合とは

 問題は占有者に利害関係のある議題とは何かです。

 第33条2項の規約閲覧の利害関係と同様に、この利害関係も建物の利用方法などの法律上の利害関係を意味し、事実上の利害関係は含みません。

 従って、当該議案が可決される場合にのみ、自己の権利を制限または義務を発生・増大することになる占有者に集会の出席権と意見陳述権が認められることになりますから、専有部分の使用方法の変更や、ペットの飼育の禁止・承認などが利害関係を有する場合に該当しますが、具体的には個々に判断されることになります。

  *管理費を増額する場合...管理費が値上げされれば、賃貸借契約上の賃料増額の1つの原因となりえますが、これは経済的な因果関係で、本来は賃貸人(大家)である区分所有者との協議が間に挟むためその影響も間接的という理由で、この場合には利害関係が認められません。

  *大規模な修繕・修理の決定...修繕・修理作業中に占有者に対して修繕・修理期間中の使用制限など事実上影響しますが、これも利害関係には当てはまらないと解されます。

◎他方、建物の使用に関し占有者は集会の決議に法的に拘束されますが、共用部分の使用については共用部分が入居者一般の利用に供されていることの反射的な利益と思われますから、第三者使用または専用使用権に基づく使用部分の制約でない限り利害関係は認められないでしょう。

★占有者:正当な賃借人。利害関係のあるときだけ、意見を言える。当然、議決権は区分所有者だけが有しているので、ない。

   いわゆる正当な権原によって占有している者で、たとえば区分所有者である貸主から賃貸借契約によって占有者となった賃借人等です。

   そしてかかる正当な権原を有する占有者だけがこの意見陳述権を持ちうるのです。

   したがって、留守宅に無断で入り込んで住んでいるといった不当な占拠者は、無権原占有者に当たり、この意見陳述権はもちえません。

{利害関係ありの例}
 既に動物を飼育している賃借人(占有者)は、動物飼育制限の議題につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

利害関係なしの例}
  マンションの占有者が、管理費等を含めた賃料を支払っている場合:
  総会の議題が管理費等の値上げであるときでも、総会に出席して意見を述べることはできない。

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第四十四条

2項  前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第三十五条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

過去出題 マンション管理士 H13年
管理業務主任者 未記入

遅滞なく...時間的に即行うことが要求されている。
          でも、正当な理由や合理的な理由があれば遅滞が許される。事情の許す限り最も速やかに行うこと。

見やすい場所に掲示...占有者に関係がある集会の時には、マンションの掲示板やエレベーター出入り口などに、集会の案内を掲示しないと、議事の進行方法に瑕疵があったとして問題となることがある。

★占有者に意見陳述権が認められるときの集会招集の掲示

 占有者に意見陳述権が認められるときは、占有者に集会参加の機会を提供する必要があります。

 その方法として、占有者にも区分所有者と同様に招集通知を送る方法も考えられますが、本第44条2項では建物内の見やすい場所への掲示をもって集会参加の機会提供としています。

◎建物内に現在住んでいる区分所有者に対する招集通知は、規約で定めることによる建物内の掲示と言う簡便な手段が認められていましたが(第35条4項参照)、占有者に対しても区分所有法自体が簡便な手段を採用しています。

 <参照> 区分所有法第35条4項:
建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。

 建物内の掲示だけでいいということは、占有者の利益擁護が充分かどうかでの点で問題ではありますが、上記のとおり占有者が利害関係を持つ議題の有無・程度は占有者ごとに様々のことが予想されるため全てについて区分所有者と同様の通知を強制するには招集権者の負担が重過ぎると判断された結果のように思われます。

★集会の瑕疵との関係
 この2項の規定に反して、つまり集会の目的たる事項に「利害関係がある占有者がいる」のに、建物内の見やすい場所に「掲示をしなかった場合」や第44条1項に規定する「会議の目的たる事項に利害関係がある占有者に集会での意見陳述権を与えない場合」には、集会手続きに瑕疵があることになり、それが占有者の権利に重大な影響があるときは占有者にその集会の決議の効力を主張できない(無効となる)ものと考えられます。

 しかし、利害関係を有する占有者に対して、集会開催の掲示を怠ったり、意見陳述の機会を与えなかったという瑕疵は、本来の区分所有者を拘束するものではありません。
その集会での決議は区分所有者においては有効ですから、この場合には、区分所有者から該当の占有者に間接的に決議の効果を及ぼすということになります。
占有者に損害が生ずる時は招集権者に不法行為による賠償義務が認められることがあることも当然です。


★占有者に対する通知の時期
 区分所有法では、占有者への通知は、「建物内の見やすい場所に掲示」しますが、これは、区分所有者に通知を発した後遅滞なくとあり、同時でもいいですが、区分所有者に通知を発する前でもかまいません。

★掲示する内容
  掲示する内容は、
  @集会の日時
  A場所
  B会議の目的たる事項(議題)
  です。
  通常は、区分所有者宛の集会の通知を出した上に、マンションの「掲示板」にも、掲示していますので、これで対応できます。


★集会を開催しない場合の利害関係を有する占有者の立場はどうなるか?
 区分所有法では、多くの事項は集会を開催し、その集会での決議は、区分所有者だけでなく、専有部分を占有する者にも及ぶため(第46条2項参照)、会議の目的たる事項がその占有者にも利害関係がある場合には、この第44条のように、占有者も会議に出席して意見を述べたり、またその前に集会の招集の情報を掲示により得ますが、次の第45条では、集会を開催しないでも書面や電磁的方法でも決議できると規定しています。

 そこで、集会を開催しない第45条での書面や電磁的方法での決議方法をとる場合に、この利害関係がある占有者に対する規定のないことが問題となります。

 実務としては、集会を開催しない第45条での書面や電磁的方法での決議方法をとる場合に会議の目的たる事項が、専有部分の占有者にも利害関係がある時には、「書面又は電磁的方法による決議」を呼びかけた者は、建物内の見やすい場所に「書面又は電磁的方法による決議」があることと「会議の目的たる事項」を掲示し、集会の開催日に代わる回答期限の数日前までに(日数については、具体的な規定はありませんが)、意見があれば、「書面又は電磁的方法による決議」を呼びかけた者宛に意見書を提出させることになるでしょう。
 利害関係を有する専有部分の占有者から意見書がくれば、意見書を受け取った「書面又は電磁的方法による決議」を呼びかけた者は、集会の開催日に代わる回答期限の日の前に、各区分所有者宛にその意見書を送付することになりますが、この回答期限日に対して、意見書の送付が遅れた時、決議の効力はどうなるのでしょうか。

 IT等進歩的な方法を取り入れるだけでなく、もっと実務からの疑問に答える規定が、区分所有法に求められます。


  ★占有者には、集会の案内は行かないので(第35条:招集の通知。これは区分所有者にしか行かない。)知らせるのは、掲示板だけ。


{設問} 平成19年 マンション管理士試験 「問8」 

〔問 8〕会議の目的たる事項について利害関係を有するとして、区分所有法第44条第1項の規定により、集会に出席して意見を述べることができる者に該当するものは、次のうちどれか。

1 管理費を増額する規約の変更に係わる集会の決議を行う場合における専有部分の賃借人

→X 誤 できない。 区分所有法第44条1項の占有者に限定している事に注意。
  区分所有法第44条1項は(占有者の意見陳述権)
 「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」である。
 ここでは、正当な占有者だけが、占有者に該当する。
  管理費の増額は区分所有者には当然に利害関係があり、賃貸借契約上の賃料増額の1つの原因となりえるが、これは経済的な因果関係で、本来は占有者(借主)と賃貸人である区分所有者(大家)との協議が間に挟むためその影響も間接的という理由で利害関係が認められない。そこで、専有部分の賃借人は占有者であっても、集会に出席し意見は述べられない。


2 駐車場の専用使用料を値上げする集会の決議を行う場合における駐車場の専用使用権者

→X 誤 できない。 選択肢1で述べたように、区分所有法第44条1項での、集会に出席して意見を述べることができる者は、専有部分を占有する者であり、駐車場の専用使用権者は専有部分の占有者ではない。外部の第三者がマンションの駐車場を借りていることもある。


3 ペットの飼育を禁止する規約を定める集会の決議を行う場合におけるペットを飼育している専有部分の賃借人

→○ 正  できる。 専有部分の賃借人は占有者に該当し、ペットの飼育が禁止されると直接影響を受けるので、利害関係を有している。


4 店舗の営業時間を制限する集会の決議を行う場合における営業者から専有部分である店舗について担保権の設定を受けている抵当権者

→X 誤  できない。 担保権の設定を受けている抵当権者は、目的物を占有しないので、専有部分の占有者に該当しない。

答え:3 

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(書面又は電磁的方法による決議)

第四十五条

1項  この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。

過去出題 マンション管理士 H23年、H18年、H17年、H16年、H15年、
管理業務主任者 H20年、H18年、H16年、H15年、H13年

区分所有者全員の承諾があるとき...全員の”承諾”があれば、実際に集会を開かなくても、書面やコンピューターを利用した電磁的方法で決議できる。

*法律上の用語としての「承諾」とは...1.申込みがあって契約を成立させる意思表示としての承諾 と
                          2.一定の事実の承認やある場合には「同意」と同じ意味で用いられる。
                          また、 「同意」とは...他人の行為に対する認めるという意思表示。

区分所有法第5節 「規約及び集会」 に規定される第30条から第46条もかなり終わりに近づいてきました。
第45条は書面決議等に関する規定です。

★原則、決議は「集会」によること
  区分所有法においては、共有物である共用部分(廊下・階段室・エントランスなど)の管理・変更や使用方法、そして区分所有者の団体即ち管理組合の運営に関する事項等は全て、集会を開いて区分所有者同士が顔を合わせて討議し、区分所有者全員が組織する議決機関の多数による議決で決定される建て前を取っています。

 この区分所有者のみんなが集まる「集会」を重要視するのは、区分所有法創設以前の所有者として有する個人の意思の尊重と団体の自治という2つを折衷した考え方の表れですが、団体の構成員全員が納得して承諾すれば所有者自治・団体自治の目的は達成されますから何もわざわざ集会を開催し全員が顔を合わせる必要はないという考え方もあります。

 改正前の区分所有法では、合意内容の明確化と、そのあかしを永続させるため合意は書面によることが必要である点が特則(旧1項)となっていましたが、平成14年の改正法ではIT普及の一環として、電磁的方式が追加され、そのため、旧法の1項は2項に繰り下がり(従って、意味内容は旧法のままです。)新たに、この1項および3項、5項が新設されました。

★集会を開催しないでも決議ができる
 区分所有法第45条新1項では、従来と異なり、集会自体を開催せず、集会での討議を省略して、いきなりの書面またはパソコンなどを利用した電磁的方法による議決権行使書のみによる決議を認めています。

 ただし、集会を開催しないで集会での決議と同じ決議ができるというこの方法では、理事会などの書面での提案に対して、「賛成」「反対」といえるだけで、討論などを経た意見形成ができないという重大な欠点があるため、要件として、書面または電磁的方法による決議をすること自体に
「区分所有者全員の承諾が必要」としています。
 この集会を開催しないでも決議ができる方法は、集会の開催場所が確保されないとか、迅速な対応が必要な場合や遠隔地に区分所有者が散在する投資型マンションなどでは今後の利用が一応期待されるでしょう。

 集会の開催に代わるものとして、区分所有者の書面や電磁的方法による議決権行使書のみにより決議をすることについては、区分所有者全員の承諾が必要ですが、その後の決議においては、過半数や3/4以上など区分所有法や規約に定められた決議要件をみたせば、集会と同様に、全員一致でなくても決議は成立します。

★「承諾」を必要とするわけ
  ここでの事前の承諾を必要としたのは、集会を省き、討議をしないと不利になることもありますが、それでもいいですと区分所有者全員が認めますということです。
「書面又は電磁的方法による決議」を呼びかけた者に対して、いいですよと承諾することです。

 ところで、この集会を開催しないで決議をする方法をとるには「全員の承諾が必要」ですから、区分所有者及び議決権の各3/4以上の特別多数決議で制定される規約でこのことを定めても無効というべきでしょうが、新築・分譲時に全員の合意書で設定される原始規約であれば、規約に「書面又は電磁的方法による決議をすることができる」と規定することによりこの方法を全ての決議方法として集会を開催しないやり方として採用できそうにも思われます。

 しかし、本1項では「決議をすべき場合において」として、特定の議案を前提にする趣旨を示しており、総会決議事項全般を対象としている2項の「決議すべきものとされた事項」という表現と規定方法を区別しておりますから、事前の包括的な承諾は予定されていないものと考えられます。

 従って、決議が必要な事項が発生したら、その都度、「書面又は電磁的方法による決議」による方法で決を採るか否かを区分所有者全員に図り、区分所有者全員の承諾が得られたら、書面またはコンピューターなどを利用した電磁的方法による決議を行うことになります。
 つまり、この集会を招集する者(たとえば管理者)が、集会を開催しないで、書面により決議をしていいですか、または電磁的方法で決議をしていいですか、さらに書面または電磁的方法で決議をしていいですかとその方法を提示して、区分所有者全員の承諾を得ることになります。
 区分所有者の内一人でも「顔を突き合わせて、議論しよう」ということになれば、この方法は認められなくなります。

この法律または規約により集会において決議をすべき場合とは
 集会で決議が必要とされる場合です。
 ここには、共用部分の重大変更(第17条1項)、規約の設定・変更・廃止(第31条1項)や、建替え決議(第62条1項)であっても、集会を開かずに、この方法によって行うことができますので、注意してください。

  具体的には「法律での集会において決議をすべき場合」とは、以下の項目です。
  1.共用部分の重大変更(第17条1項)
  2.共用部分の管理(第18条1項本文)
  3.規約の設定・変更・廃止(第31条1項)
  4.管理組合法人の成立(第47条1項)
  5.管理組合法人の事務の執行(第52条1項)
  6.管理組合法人の解散(第55条1項3号、2項)
  7.共同の利益に反する行為の停止等の請求(第57条2項、3項)
  8.使用禁止の請求(第58条1項、2項)
  9.区分所有権の競売の請求(第59条1項、2項)
 10.占有者に対する引渡し請求(第60条1項、2項)
 11.建物の一部が滅失した場合の復旧(第61条3項、5項)
 12.建替え決議(第62条1項)
 13.団地内の建物の建替え承認決議(第69条)
 14.団地内の建物の一括建替え決議(第70条)


 そして、「規約により集会で決議すべき場合」となっていても、区分所有者全員の承諾があれば、集会を開かずに、書面または電磁的方法による決議ができます。

★効力・集会手続きの準用

 第45条1項の書面又は電磁的方法によってなされた決議は、実際に集会を開いて討議がないだけでそれ以外は通常の集会での決議と変わりがありません。
従って、この場合の当該決議の可否は、その議案が普通決議事項か特別決議事項かで異なるだけで新2項(旧1項と同趣旨の項)のように必ずしも全員の合意が必要というわけではありません。

 このことからしても、1項の集会の開催に代わる「書面又は電磁的方法による決議」は議案の事前通知や議決権の割合等全て集会と同様に扱われるべきものです。
そこで5項で、集会の規定が準用されることとなっています。

 一方、2項の「区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす」の場合は全員の合意が集会手続きの全てを不要にしますから5項での集会の規定を準用する余地はありません。従って、5項は1項のただし書きでもよい規定です。

 そして、準用の対象となる集会の規定は第34条から第42条までありますが、実際に集まるわけではないことから、招集の場所が書面又は電磁的記録の送付先に変更になったり、集会での審議がないので議長が不要となる
開催日を回答期限日にする等所要の読み替えを行いつつ上記数箇条を適用することになります。

◎なお、1項の「書面又は電磁的方法による決議」は、上記のとおり実際に集会して討議がないだけでそれ以外は通常の集会と変わりがありませんから、その議決の効力も集会の決議と同一であることは当然です。
 従って、3項の「この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する」の規定は単にこのことを確認するあまり意味のない規定といえますが、手続き全体としては複雑でも議決方法としては簡易な方法といえますから念のために規定されたものでしょう。

 ただ、1項で規定する「区分所有者全員の承諾」の要求は相当高いハードルであり、また、区分所有者全員がパソコンを操作し、インターネットを利用できる環境にない現状では、人数の少ない管理組合でないと「区分所有者全員の承諾」を得ることは事実上実現は不可能でしょうから、この方法が実際に使われるようになるのはもっとIT社会が進展し、この規制を緩和する必要が生じるかも知れない次期改正での話となるのではないでしょうか。

★承諾をとる方法は、制限がない
  第45条1項で定める、「承諾」については、建物の区分所有等に関する法律施行規則(法務省令)5条の規定があります。
  ここでは、電磁的方法の種類・内容を示すことが規定されていますが、その承諾をとる手段・方法については、特に制限もありませんから、あらかじめ書面で通知してもかまいませんし、FAX送信でも、また電磁的方法が可能な区分所有者に対しては、電子メールなどで通知することも可能です。
 ただし、承諾の回答は書面か電磁的方法でもらう必要があります。

<参照>建物の区分所有等に関する法律施行規則 第5条 (電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾)

第五条
 集会を招集する者は、法第四十五条第一項の規定により電磁的方法による決議をしようとするときは、あらかじめ、区分所有者に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない

2 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。
  一 第三条第一項各号に規定する電磁的方法のうち、送信者が使用するもの
  二 ファイルへの記録の方式

3 第一項の規定による承諾を得た集会を招集する者は、区分所有者の全部又は一部から書面又は電磁的方法により電磁的方法による決議を拒む旨の申出があったときは、法第四十五条第一項に規定する決議を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該申出をしたすべての区分所有者が再び第一項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。

<参照>建物の区分所有等に関する法律施行規則 第3条 (電磁的方法)

第三条  法第三十九条第三項 に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。
   一  送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの

   二  第一条に規定するファイルに情報を記録したものを交付する方法

2  前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。

    (注)ファイルの記録の方式:添付ファイルなら、それが マイクロソフト社のWORD、EXEL か PDF とか。また、バージョンもよく変更されるので
       それも示さないといけない。   
 

★決議の対象 −制限はないが−
 決議の対象は、区分所有法や規約で集会決議事項とされたものですが、この書面・電磁的方法での決議は、集会の決議に代わるものに過ぎませんから、集会の開催に代わるのではなく管理者の集会招集義務(第34条1項)、事務報告義務(第43条)、関係者の弁明機会(第58条3項、第59条3項、第60条2項)を免除するものではありません。

★承諾をする区分所有者全員とは −共有の場合 −
 区分所有者にとって、この書面・電磁的方法での決議は集会の決議に代わるものであることから、建物の専有部分が共有の場合には原則として決められた議決権行使者=1人がそれに該当します(第40条)。
 従って、議決権行使者を決めていない場合、共有者全員が同一の決議でないとき(ある共有者は賛成、また別の共有者は反対のとき)は、出された書面またはコンピュター利用の電磁的記録での決議は無効扱いとなります。

★書面等の数
 書面決議における区分所有者全員の書面は、全員の意思が明らかになれば足りますので、必ずしも1枚の用紙でそれを証明する必要はなく、各自が別紙で意思を表示しても全員の承諾が明らかになればよいものです。
 この点は、電磁的方法即ち電子メールやFaxでは各自が各々送付することになりましたから、いっそう明確になりました。

★承諾書面等の欠陥の場合
 なお、書面決議等の効力は全員の承諾がその根拠となりますから、一部の者が承諾しない場合にはその効力が認められません。
しかし、書面決議の効力は書面等の存在というより全員の承諾の存在にありますから、たとえ一部の区分所有者の承諾書が欠落していても全員の承諾があったものとしてその承諾に基づいて行動した者や承諾したと見られる者はその欠陥を主張することは原則としてできません。

   ★賃貸化が進んでいて、区分所有者がそのマンションにいないところ(リゾートマンション、賃貸専用マンションなど)では、実際の集会を開かないで書面や電子メールで決議ができる方法をとることもできる。

    各議題は当然に、賛成・反対が書面や電子メール(電磁的方法)であるので、それぞれの事項の成立要件による。

    {例}普通決議なら、区分所有者および議決権の各過半数の賛成が必要。

<参考>標準管理規約50条:(書面又は電磁的方法による決議)
第50条 規約により総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。
ただし、電磁的方法による決議に係る組合員の承諾については、あらかじめ、組合員に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。

2. 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。
   一 第44条第4項各号に定める電磁的方法のうち、送信者が使用するもの
   二 ファイルへの記録の方式

3. 規約により総会において決議すべきものとされた事項については、組合員の全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす

4. 規約により総会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、総会の決議と同一の効力を有する。

5. 前条第5項及び第6項の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第1項及び第3項の電磁的方法が行われた場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。

6. 総会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

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第四十五条

2項   この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。

過去出題 マンション管理士 H17年、H15年、
管理業務主任者 H24年、H18年、

★区分所有者全員が、書面や電子メールで、議題の内容として合意した事項は、普通決議でも特別決議でも、集会の決議と同じ効力を持つ。

★ここ第45条2項も集会を開催しなくても、団体としての意思決定ができることを定めています。

「区分所有者全員の”書面”による合意」は旧法(第1項)でもあった規定ですが、IT化により、平成14年の改正で、「”電磁的方法”による合意」も加えられ、2項に移りました。

 区分所有者の数が少ない場合などで、全員が異議のないことが明らかであれば、特に集会を開かなくても、書面やコンピューターを利用した電磁的方法で区分所有者全員が合意すれば、集会での決議とみなし同じ決議の効果を与えました。

 区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項は、区分所有者全員の書面による合意があった時に成立し、また、電磁的方法が区分所有者全員によって承諾されていれば、区分所有者全員の電磁的方法による合意があった時に成立します。

★この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項
  これは、1項と同じです。

★合意をとる手続きや方法は特に定めていない。
  2項も、特に合意をとるまでの方法を書面にしなさいとか、電子的方法でやりなさいとかは定めてはいませんから、個別訪問して合意を得てもかまいません。
  最終的に区分所有者全員が書面または電磁的方法で、法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項について合意をすれば、次の3項により、集会の決議と同一の効力を有することになります。

★分譲会社が作った原始規約も有効
  最近は、マンション分譲会社が、マンションの分譲時に「管理規約」を作成して、分譲契約締結時に、各区分所有者から規約についての同意書も別途貰っています。

 この方式は、区分所有法第31条で定める「規約の設定は区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議」がありませんが、本第45条2項の規定により、区分所有者全員の書面があるため、この原始規約は有効です。

★分譲会社の作った管理規約は問題が多い
  たびたび指摘していますが、分譲会社が規約を作成していますので、駐車場の優先使用権が分譲会社にあるとか、未分譲がある時は、その専有部分の管理費負担を完売まで免除するとか、分譲会社に有利な項目があります。

 マンション購入時には、これからなる区分所有者としての心構えもないため、管理規約の重要性も認識せず、また、何十ページにわたる管理規約を読まずに、規約に同意しているのが実情です。

 販売契約の締結時には、分譲会社とは別の組織:マンション管理士:が専業として管理規約を説明すべきです。


{設問-1}次の記述は正しいか。

*電磁的記録方法により決議をしようとする場合、決議事項には一定の制限を設けられており、共用部分の管理に要する費用の引上げの決議は、することができない。

答え:誤り。区分所有法第45条2項によれば、電磁的記録方法により決議をしょうとする場合、決議事項には制限がない。


{設問-2} あるマンションの管理組合の規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、以下の記述は有効か。

* 規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者総数の5分の4以上の書面による合意があったときは、集会の決議があったものとみなす。

答え:有効ではない。 区分所有法第45条2項によれば、集会を開かずに、書面、または電磁的方法による決議が集会の決議になるには、「書面または電磁的方法による決議をするには、区分所有者全員の合意」を必要としている。
設問の「区分所有者総数の5分の4以上の書面による合意」では足りない。

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第四十五条

3項  この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 H18年、

★第45条1項の「書面又は電磁的方法による決議」は、実際に集会を開いて、顔を合わせた討議がないだけでそれ以外は通常の集会と変わりがありませんから、その議決の効力も集会の決議と同一であることは当然です。
 従って、本第45条3項の規定は単にこのことを確認するあまり意味のない規定といえますが、手続き全体としては複雑でも議決方法としては簡易な方法といえますから念のために規定されたものでしょう。

  ★各々の決議事項は、書面や電子メールでも、集会の決議と同じ効力を持つ。当然、区分所有者だけでなく、その特定承継人に対してもその効力を生ずる。(第46条参照)

★参考:書面投票と書面決議の違い

 書面投票とは、集会(総会)に出席できない場合、あらかじめ通知を受けた議案について、総会開催日前に賛否を記載した書面(議決権行使書ともいう)を総会の招集者に提出して、議決権を行使することをいいます。
また、規約又は集会の決議により書面に代えて電磁的方法による行使も可能です。書面投票はその提出自体が議決権の行使である点が、委任状による議決権の行使と異なります。

◎書面投票に類似した言葉として、書面決議がありますので、注意を要します。
 書面決議とは
、実際に集会(総会)を開催しないで総会の決議事項のすべてを決議しようとするもので、区分所有者全員の書面による合意をもって成立します(区分所有法第45条)。

書面決議等は集会(総会)の決議を代替する効果はありますが、区分所有法第34条2項の規定で義務づけられる管理者の毎年1回の集会(総会)が招集されたことになるわけではありません。

 また、管理者の事務報告(区分所有法第43条)も集会で行うことになっていますので、ここには該当しません。

 書面決議や電磁的決議は主として、臨時総会を省略する機能があると考えればいいと思います。

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第四十五条

4項  第三十三条の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 平成23年、

<参照> 区分所有法第33条: (規約の保管及び閲覧)
規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

★書面・電磁的決議での同意書面や電磁的記録の保管・閲覧義務者 −原則:管理者−

 第45条に規定されています書面決議等は集会の決議に代わるもので、書面決議のための書面、全員が合意した書面、書面決議書、電磁的決議や電磁的合意の記録などは集会の議事録に代わるものですから、その保管や閲覧に関して規約の保管・閲覧の第33条の規定が準用され、管理者等が、これら関係の記録の保管および閲覧の義務を負うとしたのが本第45条4項です。

★規約・議事録の保管・閲覧と同じように、書面や電磁的記録も管理者(理事)等が保管し、利害関係人の閲覧に供し、その保管場所を掲示する必要がある。

       保管・閲覧の義務違反は、20万円以下の過料

★規約は管理者(理事)が保管する。管理者(理事)が保管しないと20万円以下の過料

<参照>第71条1号: 
  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、
二十万円以下の過料に処する。

第71条 一  第三十三条第一項本文(第四十二条第五項及び第四十五条第四項(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)並びに第六十六条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)又は第四十七条第十二項(第六十六条において準用する場合を含む。)において読み替えて適用される第三十三条第一項本文の規定に違反して、規約、議事録又は第四十五条第四項(第六十六条において準用する場合を含む。)の書面若しくは電磁的記録の保管をしなかったとき。

  ★注意:管理者(理事)がいないときは、保管している区分所有者や決議で定められたものに対しては過料ない。

   第33条1項の準用が本文なので、但し書きの管理者(理事)がいないときは、保管している区分所有者や決議で定められたものに対しては過料ない。

     ★過料...刑法上の罰ではない。科料は刑法上の罰。

        刑法上の刑の種類...重い順から @死刑 A懲役(無期、有期。監獄で作業) B禁錮(無期、有期。監獄で拘置)

                                                         C罰金(1万円以上) D拘留(拘留場に30日未満拘置) E科料(千円以上〜1万円未満)

<参照>第33条2 項
   前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

 ★利害関係人:区分所有者、賃借人等の専有部分の占有者、売買等によって区分所有権を取得しようとする者、専有部分を賃借しようと する者、管理組合に対し債権を有し、または管理組合と取引しようとする者、区分所有権または敷地利用権の上に抵当権を有し、または抵当権の設定を受けようとする者、区分所有者から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者等法律上の利害関係のある者など広い。

           なお、法理上の利害関係のない、親族関係にあるだけの者は、利害関係人の範囲に入りません。

 ★正当な理由:夜間等不適当な時間に閲覧請求がなされた場合など。

◎規約の閲覧を正当な理由が無くて拒むと20万円以下の過料

<参照>第71条2号:
  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。第三十三条第二項(第四十二条第五項及び第四十五条第四項(これらの規定を第六十六条において準用する場合を含む。)並びに第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がないのに、前号に規定する書類又は電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を拒んだとき。

     ★注意:ここには、管理者(理事)がいなくて規約を保管しているものも入り、正当な理由がなくて閲覧を拒む¥20万以下の過料となる。

<参照>規則:(電磁的記録に記録された情報の内容を表示する方法)
 規則第二条  法第三十三条第二項 に規定する法務省令で定める方法は、当該電磁的記録に記録された情報の内容を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法とする。

<参考>区分所有法第33条3項
規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

     ★保管場所の掲示には、規約・議事録・電磁的記録とも管理者(理事)、管理者がいないときの区分所有者とも罰則なし。


{設問-1}次の記述は正しいか。

* 管理者は、規約、集会議事録、集会決議に代わる区分所有者全員の合意書面を保管 しなければならない。

○ 正しい。 出題関係の書類の保管は、まず、規約の保管については、区分所有法第33条
 「(規約の保管及び閲覧)
  第三十三条  規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
   2  前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。
   3  規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。」とあり、
1項により、管理者がいれば、管理者が保管します。
次の集会議事録の保管は、区分所有法第42条
 「(議事録)
  第四十二条  集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
   2  議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
   3  前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。
   4  第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名押印に代わる措置を執らなければならない。
   5  第三十三条の規定は、議事録について準用する。」とあり、
5項で準用されています第33条は、前に説明しました第33条1項に、「規約は、管理者が保管しなければならない」とありますから、集会の議事録も管理者が保管します。
最後の集会決議に代わる区分所有者全員の合意書面は、区分所有法第45条
 「(書面又は電磁的方法による決議)
  第四十五条  この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
   2  この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
   3  この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
   4  第三十三条の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。
   5  集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。 」とあり、
ここでも、4項により、第33条が準用されていますから、第33条1項に、「規約は、管理者が保管しなければならない」とありますから、管理者が保管します。

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第四十五条

5項  集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 未記入

★効力・集会手続きの準用

 区分所有者全員の承諾が得られた、第45条1項の「書面又は電磁的方法による決議」は、実際に集会を開いて、顔を合わせた討議がないだけでそれ以外は通常の集会と変わりがありません。

 従って、この場合なされた決議の可否は、各々の議案が普通決議事項か特別決議事項かで異なるだけで、2項のように必ずしも全員の合意が必要というわけではありません。
このことからしても、1項の「書面又は電磁的方法による決議」は議案の事前通知や議決権の割合等全て集会に準じて扱われるべきものです。

 そのため本第45条5項で、集会の規定が準用されることとなっています(2項の場合は全員の合意が集会手続きの全てを不要にしますから5項で準用する余地はありません。従って、5項は1項のただし書きでもよい規定です。)

 そして、準用の対象となる集会の規定は具体的には「第34条から第46条」までありますが、実際に集まるわけではないことから、開催日を回答期日とし、原則:回答期限の1週間前に議案を通知する、招集の場所が書面又は電磁的記録の送付先に変更になったり、集会での審議がないので議長が不要となる、等所要の読み替えを行いつつ上記数箇条を適用することになります。

★議長がいないなら誰が、議事録を作成するのか?
  このあたりの区分所有法の規定は、集会に関する規定を準用するとしているだけで、今後検討の余地がある箇所です。
  特に集会での議長に代わる者に関しては、運用面では、「書面又は電磁的方法による決議」を呼びかけた者(多くの場合管理者)が議長のような存在と想定されますが、この人を「区分所有法での集会における議長という」などの文章で、議事録に相当する記録を作成させることが必要ですし、その議事録に相当する記録への議長以外の区分所有者2名の署名・押印をどうやって得るのかなど、具体的な規定が必要と思われます。

★利害関係を有する占有者の意見陳述ができない?
  また、区分所有法第44条1項により、正当な占有者は、会議の目的に利害関係があるときには、集会に出席して意見を述べることができますが、書面または電磁的方法がとられると、集会が開催されませんから面倒な存在となります。

 区分所有法では、当然にこの占有者の意見陳述権が認められていますから、それへの対応が必要です。

 そこで、集会がない時に、まず、占有者の意見は誰に出すのかという問題です。
 第44条2項の掲示により、集会を招集する者は、議題などとともに、利害関係を有する占有者に対して集会へ出席の代わりに意見提出先を示さなければなりません。
この意見提出先は、多くは管理者又は議長のような存在の者となるでしょうが。
 そして、占有者から意見がきたら、それを受け取った者は、区分所有者全員へ利害関係を有する占有者からの意見書としての通知が必要です。しかし、時間的な遅れから、回答期日の後に通知したら、集会を開催しない決議の有効性など、争いの原因ともなります。

 このように、単に準用では、まだまだ区分所有法の規定は不十分です。

<参照> 区分所有法第44条:(占有者の意見陳述権)
第四十四条  区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

2  前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第三十五条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

 なお、第34条2項の管理者による年1回の集会の招集と第43条の管理者の事務報告は、この準用から除かれると解されます。
管理者は、必ず集会の場で、事務の報告をする義務があります。


{設問} 集会の決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 集会において決議をすべき場合において、区分所有者が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができない。

答え;正しい。 区分所有法第45条1項「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる」の規定により、区分所有者が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができない。全員の承諾が必要。

2 集会の決議事項について、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成があったときは、書面による決議があったものとみなされる。

答え;間違いである。 区分所有法第45条2項「この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす」の規定により、区分所有者全員の書面による合意が必要。

3 集会において決議をすべき場合において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の承諾があるときは、電磁的方法によってのみ決議をする旨の管理規約を定めることができる。

答え;間違いである。選択肢1のように、区分所有法第45条1項の規定により、区分所有者全員の承諾が必要。

4 集会の決議事項について、電磁的方法により決議をする場合は、区分所有者全員の賛成がなければ、集会の決議と同一の効力を有することはない。

答え;間違いである。区分所有法第45条3項「この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する」の規定により、決議要件は集会の決議と同一。

正解:1

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(規約及び集会の決議の効力)

第四十六条

1項   規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。

過去出題 マンション管理士 H25年、H24年、平成20年、
管理業務主任者 H24年、

特定承継人...売買や贈与で区分所有権を取得した人。また競売での買受人。

区分所有法第5節 「規約及び集会」 に規定される第30条から第46条の最後の条文です。

★特定承継人への効果の拡張
 第46条は、規約及び集会の決議の区分所有者の特定承継人(1項)および占有者(2項)への効力拡張に関する規定です。

 規約及び集会の決議は区分所有者およびその団体である管理組合の内規たる自治法ですから、例え反対であっても、多数決の原理により決定した規約と集会の決議には、区分所有者は全員が拘束されます。
しかし、内部的な取り決めは自治の主体である区分所有者以外には効力が及ばないのが
民法での原則です。

 この
民法の原則のまま規約を制定した時や、集会決議をしたその時の区分所有者だけにしかそれらの効力が及ばないとしたのでは、同一物をめぐるその後の管理や団体の管理運営の実行が不可能となる場合が発生することです。

 この点、民法では共有物の管理に関してその取り決め事項が特定承継人に拡張されることが規定されていますが(民法 第254条)、区分所有法でも同様に、規約の制定や決議の後で区分所有者の団体(管理組合)の構成員となり、組合運営や共用部分等の管理に参加するようになった者(区分所有者の特定承継人)に対し、既存の規約や集会決議の効力が及ぶと拡張したのがこの規定の趣旨です。

<参照>民法 第254条(共有物についての債権);
 共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。

 規約及び集会の決議は管理組合という団体の運営や共有物、即ち共用部分等の使用・管理に関する方針・方法の統一性や継続性を保証して区分所有者全体の利益を守るものですから、その性質は個人の意思による排斥を許さない強行規定的なものであり、従って、規約や集会決議は特定承継人が規約や集会決議の内容を予め知っているか否かを問わず適用されます。

 そのため、特定承継人および特定承継人となりうる者は利害関係人として、規約や集会議事録の閲覧権が認められています(第33条2項、第42条5項)。

★特定承継人...売買や贈与で区分所有権を取得した人。

  規約及び集会の決議は当然、規定していない「包括承継人(相続した人)に対して効力が及ぶ」が、ほかに特定承継人にも効力が及ぶとした。
 自分が買う前の決議だとか、決めたときの集会に参加していないので、規約に従わないとはいえない。

 なお、下の2項の占有者と特定承継人が異なっている点は、特定承継人は規約及び集会での全部の決議の効力を引き継ぎますが、占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法についての規約又は集会の決議だけです。

<参考>承継人の種類

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第四十六条

2項  占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。

過去出題 マンション管理士 H13年
管理業務主任者 H24年、H23年、H13年

占有者...賃借人なども、区分所有者と同じ義務を負う。ただし、使用方法についてだけ。管理費の支払などの義務は負わない。

★占有者への拡張
 前の第46条1項で規定された特定承継人と異なり、専有部分の占有者の場合には建物を使用していますが、区分所有者ではないため区分所有者で構成される団体(管理組合)の一員とはなりませんから管理組合が定めた規約や集会の決議に従うなど運営面の権利義務には基本的に係りがありません。

 しかしながら、占有者は建物の使用を許されていますから、廊下や階段などの共用部分の使用権限も有しており、そこで使用方法に対して何らかの制約が必要な点では、区分所有権を得た特定承継人の場合と同じです。

 いいかえると、占有者は区分所有者より賃貸借契約等により専有部分の使用権を取得し、その当然の範囲として自己の賃貸人(区分所有者)に対しその履行補助者としての地位で廊下や階段などの共用部分の使用権限も認められる関係にありますが、そこでの共用部分の使用権限の範囲・内容は原則として占有取得時に確定され、契約期間の途中では変更されることを予定しないものです(家主の契約違反となる)。

 従って、賃貸借契約の締結後でも、契約違反という事態を避けて、規約及び集会の決議により共用部分等の使用方法に変更を加えた場合にその効力を占有者にも及ぶと拡張して区分所有者全員の利益を図るものが本2項の趣旨ということになります。

 なお、エントランス・廊下・集会所・駐車場などその他入居者一般が使用できる共用部分の使用の変更は、この条項を待たずに当然に占有者も受忍すべきです。
従って、この条項が本来対象とするのは、占有している専有部分に付随する専用使用部分の変更など占有者に特段の影響のある事項に限られるでしょう。

 また、占有者に対する効力の拡張が認められる場合でも占有者に著しい不利益が生ずる場合には補償その他の代償措置が認められることがあるのは別問題です。
そして、規約や集会で占有者のみが守らなければならない使用方法を定めても、占有者はこれに拘束されることはありません。


 なお、本2項により、占有者も区分所有者と同じように、規約や集会で決められた義務を負うため、占有者が集会の決議に関係する場合には、利害関係人として、集会に出席して意見を述べる権利が与えられています。(区分所有法第44条1項参照)

 また、占有者は、1項の特定承継人と同様に規約や集会の議事録の閲覧も請求できます。(区分所有法第33条2項、同第42条5項参照)

★占有者...賃借人・使用借人にも義務が及ぶ。これは、建物・敷地・付属施設の使用方法についてだけで、元々区分所有者に特有な権利・義務は及ばない。

  ただし占有者の義務は、建物などの使用方法に限定されていますから、バルコニーや自転車置場などの使用を規制することはできますが、管理費や修繕積立金の支払いなど管理上の義務を強制することはできません。
   これは当然貸主である区分所有者の義務になります。


{設問}平成13年 マンション管理士試験 「問3」

〔問 3〕 Aが、管理組合に管理者Bが置かれているマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号のマンションをいう。以下同じ。)の1戸を、その区分所有者と賃貸借契約を締結して占有している場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  Bは、Aに対し、その居住場所に集会の通知をしなければならない。

→X  誤 Aは、区分所有者ではなく、賃借人で占有者である事に注意。この場合、建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)第44条第1項は、「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」と定め、同条第2項において、「前項に規定する場合には、集会を招集する者(管理者B)は、第35条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。」と定める。掲示が占有者への通知となる。したがって本肢は誤りである。


2 Aは、区分所有者ではないが、集会の決議に拘束されることがある。

→○  正 法第46条第2項は、「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と定める。したがって、占有者であるA(賃借人)も集会の決議に拘束されることがある。したがって本肢は正しく、問の正解肢となる。


3 Aは、議題に利害関係を有する場合には、自ら集会に出席し、意見を述べ、議決権を行使することができる。

→X  誤 占有者に議決権はない。法第44条第1項は、「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」と定める。けれども、占有者が、議決権を行使することを認める規定はない。議決権は、各区分所有者だけが持つ(法第38条参照)。したがって本肢は誤りである。

4 Aは、居室のバルコニーの使用方法につき、賃貸借契約に特段の定めがない限り、規約に定められた制限に拘束されることはない。

→X  誤 賃貸借契約と、マンションの規約は別の物である。法第46条第2項は、「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と定める。占有者である賃借人も、居室のバルコニーの使用方法について規約に定められた場合、この制限に拘束されることになる。したがって本肢は誤りである。

正解 2

ページ終わり

謝辞:Kzさんの了解により一部転用・編集をしています。

最終更新日:
2014年 2月23日:平成25年の出題年を入れた。
2013年 7月15日:第45条を大幅に追記した。
2013年 7月14日:ちょろちょろと追記。
2013年 3月24日:平成24年の出題年を入。
2012年 2月27日:平成23年の出題年など入。
2011年 7月 5日:第45条を大幅に追記
2011年 1月15日:平成22年の出題記入
2010年6月12日:ちょろちょろと
2010年5月8日:第45条をさらに追記
2010年1月23日:H21年の出題年を記入
2009年11月23日:第45条1項、2項が分かりにくいので追記。
2009年7月4日:第45条2項に追記。
2009年6月21日

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