ECUの自己診断

ECUには、主にセンサー類の故障等を積極的に検出するための自己診断機能があります。 完全にセンサー類が死なないと検出できなかったりもしますが、 知っていても損はない機能です。

運転席のブレーキペダルの上あたりに1Pinの黒色コネクタのオス/メス、 及び2Pinの緑色コネクタのオス/メスが接続されず切り離された状態で ぶら下がっていると思います。 これらのコネクタの接続する組み合わせでECUの機能が働き出します。 (初めて見るとただ単に外れているコネクタに見えるので、 繋ぎたくなってしまいますが...)

右上の緑色、黒色のオス/メスコネクタが該当するコネクタです。
また黄色のコネクタは、セレクトモニタ用になります。


1.リードメモリ

ECUに記憶されたエラーコードを表示する機能で、 メーターパネル内Check Engineランプの点灯であらわされます。 手順は以下のように、黒色コネクタを接続して実施します。
  1. イグニッションスイッチOFFの状態を確認し、1Pinの黒色コネクタを接続する。
  2. イグニッションスイッチONの状態にして、チェックエンジンランプを確認する。 定期的に短周期で点滅している場合は、正常。 短/長周期混在で点滅している場合には、トラブルコードを表示しています。
  3. イグニッションスイッチをOFFにして、接続したコネクタを分離する。


2.Dチェック(テストモード)

こちらは順序にしたがって積極的に故障診断を行います。 手順は以下のように、緑色コネクタを接続して実施します。
  1. イグニッションスイッチOFFの状態を確認し、2Pinの緑色コネクタを接続する。
  2. イグニッションスイッチONの状態にして、チェックエンジンランプの点灯を確認する。
  3. 右側リアシート後下付近からフューエルポンプ作動音が断続的に聞こえるのを確認する。
  4. ラジエターファンが音が断続的に聞こえるのを確認する。
  5. 右前のストラットとエアクリーナボックスの間にある過給圧制御用デューティソレノイド バルブの作動音がカチカチ周期的に聞こえるのを確認する。
  6. アクセルペダルをゆっくりと一杯まで踏み込んだ後にゆっくりと戻す。
  7. エンジンを始動する。
  8. 10Km/h以上で走行し車速信号を発生させる。
  9. 2000〜3000rpm以上のエンジン回転数で1分間以上待機する。(O2センサーの活性化)
  10. CheckEngineランプの点灯状態を確認する。 定期的に短周期で点滅している場合は、正常。 短/長周期混在で点滅している場合には、それはトラブルコードを表示している。

3.クリアメモリ

ECUに記憶されたトラブルコードを消去します。 手順は以下のように、緑色コネクタを接続して実施します。
バッテリを外して、ブレーキランプ等を点灯させて しばらく待っても代用になりますが、以下の方法が確実です。
  1. イグニッションスイッチOFFの状態を確認し、1Pinの黒色コネクタ および、2Pin緑色コネクタを接続する。
  2. Dチェックを実施する。 点滅している場合は、クリアメモリ完了。 短/長周期混在で点滅している場合には、それはトラブルコードを表示しています。
  3. イグニッションスイッチをOFFにして、接続したコネクタを分離する。



トラブルコード表
コード 診断項目 検出内容
11 クランク角センサ オープン、ショート
12 スタータSW オープン、ショート
13 カムセンサ オープン、ショート
14 インジェクタ#1 オープン、ショート
15 インジェクタ#2 オープン、ショート
16 インジェクタ#3 オープン、ショート
17 インジェクタ#4 オープン、ショート
21 水温センサ オープン、ショート
22 ノックセンサ オープン、ショート
23 エアフローセンサ オープン、ショート
24 エアコントロールバルブ オープン、ショート
31 スロットル開度センサ オープン、ショート
32 O2センサ オープン、ショート
33 車速センサ オープン、ショート
42 アイドルSW オープン、ショート
43 アクセルSW オープン、ショート (リードメモリでは検出不能)
44 過給圧制御 過給圧制御系の異常
45 圧力センサ切替えソレノイド オープン、ショート
51 ニュートラルSW オープン、ショート (リードメモリでは検出不能)


リードメモリでは、メーターパネル内の[CheckEngine]ランプの 点灯状況で上表のトラブルコードを確認できます。 CheckEngineランプの点灯が長い場合は10を、短い場合は1をあらわします。 複数トラブルコードが記憶されている場合には、間隔をあけて続けて 表示され、全てを表示するとまた繰り返すようになっています。 また、正常な場合には長めの一定周期で点滅を繰り前します。 (トラブルコードに割りあてると"10"相当です。)

(例: 2006.02.16実際の点滅パターンに近くなるように修正)
正常

トラブルコード 12

トラブルコード 23


自己診断 判定・クリア条件(2006.02.16追記)

GC8前期型もだいぶ走っている数が少なくなってきましたが、残っている 車両でもEngineCheckが点灯することも少なくないと思います。ECUの故障 診断で全てが判る訳ではないですが、その判断基準を知っていればトラブ ルシュートの助けになると思うので代表的な判断条件を抜粋して記載して おきます。 なおこれらは、GC8A47D(typeRA)の"W6"およびGC8C47D改(RA-STi Ver.1)の "SB"のECUでの内容です。特にGC8のDtype以降との互換性は無いと思います。 また下記以外にももっと様々な判断をしているようですが、書ききれない/調 べきれないので、まったく完全なものではないので取り扱いは注意願います。
コード11: クランク角センサ
・Error判定条件 クランク角センサの入力がないのに、カム角センサの入力カウントが 24回以上あった場合 ・Errorクリア条件 クランク角センサの入力があった際に、カム角センサの入力が24回以内 の場合
コード12: スタートSW
・Error判定条件1 スタートSW-OFFの状態が、車速0km/h、2500rpm以下、2秒以上継続 ・Errorクリア条件1 2500rpm以下でスタートSW-ONを検出したとき ・Error判定条件2 スタートSW-ONの状態が、500rpm以上で5秒以上継続 ・Errorクリア条件2 500rpm以上でスタートSW-OFFを検出したとき
コード13: カム角センサ
・Error判定条件 カム角センサの入力がないのにクランク角センサの入力カウントが36回以上入った場合 ・Errorクリア条件 カム角センサの入力があった時
コード14〜17: フューエルインジェクタ(#1〜#4)
・Error判定条件 #1〜#4のインジェクタに対してマイコン出力と、実際のFIへの出力(FETorAMP) を比較して相違が出た場合 ・Errorクリア条件 マイコン出力と、FI出力が一致した時
コード21: 水温センサ
・Error判定条件1 センサ出力が 0.10V以下、もしくは4.85V以上の場合 ・Errorクリア条件1 センサ出力が0.10V以上、4.85V以下になった時 ・Error判定条件2 エンジン始動後の水温上昇が一定以下(5℃/180秒?)の場合 ・Errorクリア条件2 エンジン始動後の水温上昇が一定以上の時
コード22: ノックセンサ
・Error判定条件 SUB CPUからのエラー信号を受け取ったら(たぶん) ・Errorクリア条件 SUB-CPUがエラーをクリアしたら(たぶん)
コード23: エアフロ センサ
・Error判定条件 冷却水温が適温で、エンジン回転が4500rpm以下の時にセンサ出力が 0.3V以下、もしくは5V以上の場合 ・Errorクリア条件 4500rpmの時に センサ電圧が0.3V以上、5V以下の時
コード24: ISCバルブ
こいつは制御がかなり込み入っていて、現時点でも解析できてません。 ただ一般的な話として、目標回転に持っていけなかったり、 ISC制御のマイコン出力と実際の駆動(FET/AMP)出力に違いが無いか チェックしているようです。
コード31:スロットルセンサ
・Error判定条件 センサ出力が 0.10V以下、もしくは4.90V以上の場合 ・Errorクリア条件 センサ出力が0.10V以上、4.90V以下になった時
コード32: O2センサ
・Error判定条件 フィードバック制御がかからず、オープン制御のまま20秒以上経過した場合 (空燃費フィードバックが効かない状態) ・Errorクリア条件 クローズループに移行した時
コード33: 速度センサ
・Error判定条件 アイドルSW OFFで、エンジン回転2500rpm以上で負荷がかかっている状態が 30sec以上継続しているにもかかわらず、車速信号0km/hの場合 ・Errorクリア条件 4km/h以上を検出した時
コード42: アイドルSW
・Error判定条件1 アイドルスイッチがOFFのままで、一定の走行パターンを検出した場合 ・Error判定条件2 アイドルスイッチがONのまま、スロットルセンサ出力 4.38V以下を 1.5秒以上継続した場合 ・Errorクリア条件 Error判定後にアイドルSW、ON/OFFを両方とも検出した時
コード43: アクセルSW
・Error判定条件 イグニッションON後、 アクセルSWのON→OFF、もしくはOFF→ONが無い場合 ・Errorクリア条件 アクセルSWのON→OFF、もしくはOFF→ONが検出された時 イグニッションキーをONにしてから1度クリアすると、 その後Error判定は行わない模様。
コード44: 過給圧制御
・Error判定条件 過給圧制御ソレノイドのマイコン出力と、実際の駆動(FET/AMP) 出力の相違がある場合 ・Errorクリア条件 マイコン出力と実際の駆動が一致した時
コード45: 圧力センサ、絶対圧/大気圧切り替えソレノイド
・Error判定条件1 大気圧で前回と、最新でセンサ出力差が0.6V以上の場合 ・Errorクリア条件1 センサ出力差が0.6V以下を検出した時 ・Error判定条件2 大気圧検出時 センサ出力が0.2V以下もしくは3V以上の場合 ・Errorクリア条件2 大気圧のセンサ出力が0.2V〜3Vの間を検出した時 ・Error判定条件3 絶対圧検出時 センサ出力が0.2V以下もしくは4.9V以上の場合 ・Errorクリア条件3 絶対圧のセンサ出力が0.2〜4.9Vの間を検出した時 ・Error判定条件4 アイドルスイッチONで、絶対圧が2.5V以上の場合 ・Errorクリア条件4 絶対圧が2.5V以下を検出した時
コード51: ニュートラルSW
・Error判定条件 イグニッションON後、 ニュートラルSWのON→OFF、もしくはOFF→ONが無い場合 ・Errorクリア条件 ニュートラルSWのON→OFF、もしくはOFF→ONが検出された時

フェールセーフ機能(2006.02.16追記)

これは代表的なものだけ記載します。 基本的にはセンサーの値などを固定で決め打ちして、オープンループ 制御を行います。
水温センサ
70℃固定で制御を行い、センサから一旦70℃以上を検出した後niは、 30℃固定で制御を行う。
エアフロメーター
エンジン回転とスロットル開度で、8x8マップを参照して吸入空気量 を推測して制御を行う。
ISCバルブ
エンジン回転数や、車速に応じて燃料カット制御を行う模様。
圧力センサ、大気圧・絶対圧切り替えソレノイド、過給圧制御
エンジン負荷が一定以上のとき、燃料カットを行う。
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