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いかさま賭博

 昔、賭博を職業とする二人の男がいた。二人は親友だった。日中、いかさまができないときは、二人は誘いあってコウモリを探しに行った。夜になると四ドンとり出し、表面をこうもりにこすりつけた。すると、そうするとそのこすりつけたところは暗がりでも非常にはっきりと明見えるのであった。
 それで二人のうちの一人が賭博の胴元になり、もう一人は賭博をしたり、しないでごろごろしてているふりをしていた。
 二人は四ドン持ってくるとランプの下で仲間に見せた。仲間は金を手に取って見たが、それはどこもおかしくない。皿にお金を入れて賭けると、胴元は茶わんを振りゴザの中心に伏せる。そして茶わんを一度強く押し付けほんのわずか持ち上げる。横になっていた一人はそれをちらっと見る。茶わんの中は真っ暗だが、以前のコウモリをこすりつけた金は皆かがやいていたのでいとも簡単に数を知ることができた。そして暗号で胴元に知らせ、胴元は奇数か偶数のどちらであるかをわかるという仕組みである。
 二人は交代してはこんなふうにいかさまを続け、何度もそれを繰り返しては勝利を収め、毎日のように賭事におぼれ、愚かにも、何もためらわなかった。
 まもなく、二人とも病気にかかった。一人は手が痛くなり、もう一人は目が痛くなり、薬、医者を探し求めてはたくさん金を費やしたが治らなかった。
 二人の妻は心配し恐れた。ある日、彼らは誘いあって占ってもらいにいった。占い師はすぐに卦を投げると、それから次のように言った。
 「二人とも病は異なるが同じ魔物がとりついているせいである。」
 二人の妻は言った。
 「先生、なんでしょう?」
 占い師は言った。
 「魔物だよ!」
 尋ねた。
 「どんな?」
 「とても珍しい魔物だ。暗がりを飛んで自分でこうこうと照らし出すものだ。」
 尋ねた。
 「供物と礼拝で治りますか?」
 占い師は答えた。
 「いいや」
 二人の妻は心を痛め嫌気がさした。というのもというのも自分の夫は以前いかさま賭博をし、多くの人を陥れてきたからである。
 家に戻り、二人の妻は占いに行った結果を自分の夫に伝えた。
 どちらもそれを聞き、心で思った。
 『いかさま賭博で得た財産は不当なものだ。本来なら決して自分が享受できないものだ。だから災禍も普通より多いのだ。しかし罪は自分が犯したのだ。甘んじて受けねばなるまい。祈願してもまず無駄だろう。』
 それから二人の病は日増しに重くなり、一人は手が不自由に、もう一人は目が見えなくなり、多くの財産を失い、最後には破産してしまった。

ベトナム昔話 第6集nha xuat ban Van Hoa Dan Toc 1992 Ha Noi


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