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若者《半分》

 昔、ある村に大変けちな夫婦がいた。家の中には余るほど食べ物はあったが、買いに来た人やものを貰いに来た人には、ものの半分だけを売ったり与えたりしていた。半分の南瓜、半分のマンゴー、半分の水、半分の豚、半分の家の柱等。
 妊娠して月日が経ち出産の日、妻は一匹の怪物を産んだ。その子は全身が半分だけで、頭、額、目、鼻、口は半分だけ、手足は一本だけだった。それを見た村中の人は皆その子を《半分》と呼んだ。《半分》は他の人々のように普通に生活をした。彼は足と頭で歩いた。若者《半分》の両親は自分の子が大きくなっても妻を娶れず子孫も残せないと思い、非常に悲しんだ。ある日、若者《半分》は両親になぜ自分が半分で他の人のようではないのか聞いてくるから天に行かせてくれと言った。子が懇願し続けるのを見て、若者《半分》の両親はしぶしぶ我が子を行かせた。
 ある川にたどり着くと、若者《半分》は一人の青年が自分の身体で川に橋を架けているのを見た。奇妙に思い、若者《半分》は尋ねた。
 「あなたは身体で橋を架けてるけど、誰があなたにそんな極めて苦しそうなことをさせているの?」
 《橋を架ける人》は答えた。
 「ああ、《半分》さん。僕もよく知らないんだ。あなたが天に昇って聞いてきて下さい。僕がなぜこんなことをしなくてはならないかと。」
 若者《半分》はその願いを引き受け、進み続けた。ある村につき、彼は水と食用に鶏を売ってくれと言った。家の主人は身体に羽が生えていた。《半分》は懇願し続けたが、自分の庭にたくさん鶏がいるにもかかわらず彼はそれを拒んだ。《半分》が天に訴えに行くのを知ると、彼は天に自分の訴えを伝えてくれと言った。それは彼の体中に羽が生えてくることについてだった。《半分》は引き受けた。
 違う村に行くと、《半分》は頭の上に実のたくさんなったミカンの木が生えている人に会った。彼の家の畑にもいっぱいミカンの木があり、実は鈴なりだったが、彼は首を横に振り、《半分》に落ちたミカンさえ取らせてくれなかった。《半分》は進み続けてある森の縁に来ると、身体の回りを榕樹に包まれた人に会った。榕樹に包まれた人は《半分》に訴えることを頼み、《半分》も了承した。
 目的地に着き、《半分》は天に訴えた。天は告げた。
 「それは私が各々に懲罰を下したのである。お前は両親が大変けちくさく、ものを売ったり与えたりするときも半分だけだったので、生まれるときそんな形になってしまったのだ。《橋を架ける人》は彼が非常にいたずら好きで、人々を混乱に陥れたり、橋を壊して皆が川を渡れなくしたりしたからである。鶏の羽があるのは、彼が元々裕福だったにもかかわらず非常に貪欲でけちだったからである。彼は何百何千もの鶏を持っていながらただの一羽も売ったり与えなかったからである。金持ちが頭に鈴なりのミカンの木を生やしているのも、自分の庭には熟れた実を付けている木がたくさんあるのに誰にも売ったり与えないからである。榕樹のやつは、彼がうまく歌う才能を持っているのに誰にもそれを教えようとしなかった罪で懲罰されたのである。一方、今、おまえの無実の訴えを聞き、わしはお前を普通の体にしてやる。」
 判決が下り、天は刀を取り《半分》を細かく切り、灰のように粉々にし、里芋の葉を使って包み、それから形を作った。天は彼に帰って懲罰を受けていた者たちに次のように告げるようにと言った。あらゆる人に対して良いことをして生活して初めて懲罰をまぬがれることができると。
 家に帰る途中、彼は榕樹の人、ミカンの木の人、鶏の羽の人、《橋を架ける人》に会った。彼は天が懲罰した理由をはっきりと説明し、彼等にあらゆる人に良いことをして暮らすように諭した。これより、榕樹の人はあらゆる人に歌を教えたのでもう榕樹に包まれて生活することはなくなった。ミカンの木の人はもう頭にミカンの木が生えていなかった。鶏の羽の人はもう身体から羽が生えてくることはなくなった。《橋を架ける人》はあらゆる人を渡らせて自分の体で橋を架けることはなくなった。
 家に帰ると、《半分》は両親に会い、天であった一部始終を話した。天に言われたことを思い出し、《半分》は父母にあらゆる人に良いことをして暮らすように諭した。両親はこれより売ったり、与えたりするときに以前のように半分の量にするのはやめた。
 自分の母があまり美しくないのを見て、彼は天のまねをして刀を取って母を切り刻み細かく砕き、里芋の葉に包み、それからつまんで非常に美しい女性の形にした。これより、彼は父母と本当に幸せに暮らした。

ニンソン県マノイ社タイフオク村 タポフ・ティ・ドアン
三八歳

 

 
 
レー・カック・クオン、ファン・ヴァン・ヨップ、グェン・ヴァン・フエ、ファン・スアン・ヴィエン編
1990「ラグライ昔話」ハノイ 社会科学出版社

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