新美南吉童話作品集より

落とした一銭銅貨

 すずめ一銭銅貨いっせんどうかをひろいました。
 すずめはうれしくてうれしくてたまりません。
 ほかのすずめをみると、
「ぼくおかねをもってるよ。」
といって、くわえていた一銭銅貨いっせんどうかすなの上においてみせてやりました。
 さて、日ぐれになりました。すこしくらくなってきました。
「や、遊びすぎちゃった。これはたいへんだ。」
すずめは、一銭銅貨いっせんどうかをくわえて、おおいそぎで水車すいしゃ小屋ごやの方へとんでいきました。このすずめは水車小屋ののきばにすんでいたのでありました。
 


底本:「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1」てのり文庫、大日本図書
   1988(昭和63)年7月8日第1刷発行
底本の親本:「校定 新美南吉全集」大日本図書
入力:めいこ
校正:もりみつじゅんじ
2002年12月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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朗読 音訳ボランティア 倉貫朋美


落とした一銭銅貨

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