三四郎  その3


夏目漱石


その翌日はちょうど日曜なので、学校では野々宮君に会うわけにゆかない。しかしきのう自分を捜していたことが気がかりになる。さいわいまだ新宅を訪問したことがないから、こっちから行って用事を聞いてきようという気になった。
 思い立ったのは朝であったが、新聞を読んでぐずぐずしているうちに昼になる。昼飯ひるを食べたから、出かけようとすると、久しぶりに熊本出の友人が来る。ようやくそれを帰したのはかれこれ四時過ぎである。ちとおそくなったが、予定のとおり出た。



底本:「三四郎」角川文庫クラシックス、角川書店
   1951(昭和26)年10月20日初版発行
   1997(平成9)年6月10日127刷
入力:古村充
校正:かとうかおり
2000年7月1日公開
2004年2月28日修正
青空文庫作成ファイル:
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朗読  籾山久雄


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三四郎 その3

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