「う〜ん・・・困ったな〜」



いきなりであるが、シンジは悩んでいた。




「まさか全ての生物が死滅しているだなんて・・・」






御気楽少年に少年へとクラスチェンジしてから一週間。






この一週間、シンジは実に楽しく過ごしていた。



食べ物はコンビニにいくらでもあった。


なにせこの時代、コンビニなんて町中に存在していた。


そこにある食べ物だけでシンジ一人なら何ヶ月でも生活できる量だ。






本屋に行けば漫画はいくらでもあった。



ゲーム屋に行けばゲームがいくらでもあった。



ビデオ屋に行けばビデオもいくらでも見れる。



電気は病院施設に自家発電機があったため、シンジ一人の生活には困らなかった。




しかも全部タダである。





掃除なんて必要ない。



そこが汚れたら生活拠点を他に移せばいいのだ。




洗濯も必要ない。



服なんてデパートにいくらでも飾ってある。



日替わりで着替えていても充分な量だ。






まさにやりたい放題であった。








何も考えず一日中漫画を読み、それに飽きればゲームをやる。



それに飽きてもビデオを見れば良い。



身体を動かしたいのであれば、その辺でいくら騒いでも誰にも怒られはしない。




だれかと話したいのであればシー○ンのような対話型ゲームもある。





自由気ままに過ごしていたのだ。






生存者の捜索などというめんどくさいことは、シンジの頭の中にはなかった。








しかし、そんなシンジにもようやく困った事態が起こったようだ。




全生物の死滅。




極めて重大な事実である。




サードインパクトの結果をようやく認識したのだ。







「全生物が死滅したんじゃ・・・」




御気楽少年になって以来かもしれない真剣な顔つきだ。







「納豆やヨーグルトが美味しくないんだよな〜」








・・・?









「納豆菌やビフィズス菌がないだなんて、食べた気がしないよ」





・・・どうやらそういうことらしい。




しかしシンジよ。



全生物の死滅という事実を前にして他に考えることはないのか。









「でもビフィズス菌はお腹の中にいるって言うからなんとかなるかな?」




まったくもってどうでもいい話である。






そんな具合で、御気楽少年シンジの生活は続いていた。

















(やっと力が戻ったわ・・・)


シンジのいる世界とは次元を別にする空間でそんな呟きが聞こえた。





(ふう、やっと力が戻ったよ・・・)


同じ空間の少し離れた場所で同じような呟きが漏れていた。








(待っていて碇君。今すぐ行くわ・・・)



(待っていてくれたまえ、シンジ君。僕が今すぐ行くからね・・・)




その二種類の呟きの主は同じような事を考えていた。





彼等は誰か。





それはいまのところ謎である。



















一方シンジは、一週間ぶりにネルフ本部へと来ていた。




理由は特に無い。





強いて言えば、散歩だろうか。





シンジの今の生活に理由など存在しないのだ。





行き当たりバッタリとも言う。








「ネルフ〜は広いな〜大きいな〜」



シンジはわけのわからない替え歌を口ずさみながらネルフ内部を歩いていた。




御気楽少年シンジに過去のトラウマなど存在しない。




実に便利な思考回路である。










「う〜ん、誰もいないブリッジって言うのも不思議な気分だね」




ブリッジにやって来たシンジはそこら中を歩きまわる。






「パターン青!使途です!」



とある席に座ったシンジは突然声を上げた。






「葛城さん!」




「先輩!」





次々と座席を変えながらシンジは様々な言葉を上げる。






「・・・う〜ん、青葉さんごっこも、日向さんごっこも、マヤさんごっこも面白くないな〜」




そんなことをしていたのか・・・







「みんな影が薄かったもんな〜」






それは禁句である。












その後もシンジはあれこれ弄りながらブリッジを動き回っていた。




(サードチルドレン・・・)




突如ブリッジに声が響く。






誰もいないはずのブリッジに突然響き渡った声にさすがのシンジも驚きを隠せな・・・




「いや〜誰もいないブリッジっていいな〜」




・・・気付いてもいなかった。






(碇シンジ・・・)






「あれ?だれか呼んだ?」





再び響いた声にようやくシンジが気付く。







そんなシンジの目の前に突如一人の人影が現れた。
















「あなた、死んだはずよ」



再び別次元。


お互いの存在に気が付いた二人が言葉を交わしていた。



「ふっ、こう見えても使徒だからね。あれぐらいじゃ活動は停止しても死にはしないさ」



「そう。じゃあ今度こそ殺してあげるわ」



「おっと、そうはいかないよ。僕はこれからシンジ君と仲良く暮らすんだからね」



「それは私の役目。やぱっりあなた邪魔よ」



「ふっ、きみも同じ事を考えていたようだね。でも、この役は譲れないよ」





シンジのいるのとは別次元で人間とは思えない戦いが繰り広げられたのは、その直ぐ後であった。



彼等の正体はいまだに秘密である。















<次回予告>


突如シンジの前に現れた人影。


それは一体誰なのか!


そして別次元で繰り広げられる戦い!


彼等の正体は誰なのか!



かなりバレバレの中話は続きます。







あれ?前回の予告と話が違うぞ(笑)










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