「きみが・・・イロウル?」



イロウルの姿を見たシンジが唖然としている。




「はい、そうです」



あっさりとそう答えたイロウルの姿は・・・何と言っていいのだろうか。





簡単に言えば、レイとアスカとマナとマユミとミサトとリツコとマヤをごっちゃにした感じであった。





さすがにそこまで混じると、瞳の色は謎の色になっており、髪の色も何と言っていいかわからない。



実になんとも言い難い姿である。





「あなたの知っている人の姿を参考にしたんですが・・・駄目ですか?」



「いや・・・駄目というか何と言うか・・・」



さすがのシンジも困惑を隠せない。






「・・・せめて一人にしてくれない?」



「そうですか?わかりました」



そう言うと、イロウルは姿を変える。











「う〜ん・・・リツコさんと一緒じゃ落ち着かないよ」


赤木リツコの姿を取ったイロウルを見ながらシンジはうめく。



「私が一番よく知っている人なんですが・・・コレでも駄目ですか?」


マギの中にいたイロウルにして見れば、一番よく知っているのはリツコであろう。


次点でマヤである。






「じゃあどうしましょう・・・」


生真面目な性格なイロウルが真剣に悩み始める。



「ねえ?好きな姿に変えられるなら僕のリクエストに答えてくれない?」


悩み始めたイロウルを見て、シンジは一つの提案をした。



「いいですよ」


あっさりと答えたイロウルであったが、これが後の悲劇に伝わるのである。




「え〜とねぇ〜・・・大和撫子になってよ」


「大和撫子?」


あまりに突飛な申し出にイロウルが聞き返した。



「そう」


シンジが大きく頷く。



「ほら、僕の周りの女性陣って我侭か自分勝手な人が多かったでしょ」


シンジの脳裏を誰がよぎっているのかはもちろん秘密である。



「確かにマギから見る限りそうでしたね」


イロウルがシンジに同情するようにしている。




「だからおしとやかで慎み深い娘がいいかな〜って」


「御気楽に見えて苦労したんですね」


イロウルにもそう見えていたらしい。



「まあね。御気楽に生きようって決めたのは一週間くらい前だし」


「それでマギからみた時と全然性格が変わっていたんですね」


イロウルが自然と納得顔になる。



「あっ、やっぱり変わってた?」


「もちろんです」


即答だった。






「でも大和撫子って性格面の話ではなかったですか?」


そんな情報もマギにあったらしい。



「いや、僕にはこだわりがあるんだよ」


シンジが自信満々に言った。




大和撫子にこだわりがあるシンジ・・・



コメントは控えよう。





「大和撫子はね〜・・・・」



シンジの大和撫子談義が始まった。



























「・・・わかった?」



「・・・随分こだわりがあるんですね・・・」


イロウルが疲れきった表情をしている。





シンジの大和撫子談義は1時間半にも及んだ。



初めこそ、大和撫子は黒髪で長髪、ストレートでなければならない。



などという外見から始まったのだが、そのうち




大和撫子は優しく、気が利き、みんなから人望が無ければならないとか



大和撫子は控えめではあるが、芯は強くなくてはならないとか



大和撫子は武道として薙刀を習わなければならないとか



大和撫子は家事が得意で、特に煮物が上手くなければならないとか




と内面に移り、




ややタカビーなライバルが居なければならないとか



門限は厳しくなければならないとか




など本人に関係の無いことにまで話が及んだ。




その中には胸はそれなりで、余り大きくてはいけないといった微妙な問題まであった。



余談ではあるが、外見の話ではわざわざ絵まで書いてイロウルに見せている。


しかも、その絵はかなり上手かった。


才能の浪費のような気がしないでもない。






ちなみにこの大和撫子談義は作者の趣味ではない。







断じて違う!!







あくまでシンジの趣味である。








「まあね」


イロウルの言葉をどう勘違いしたのか、シンジは偉そうに胸を張った。




「とにかくその大和撫子ならいいんですね?」


「出来るの!?」


シンジがおそらく人生最高であろう笑顔を浮かべる。




「はい。内面は無理ですが、外面ぐらいなら可能です」


そう言うとイロウルは精神集中を始める。




しかしわざわざシンジの言うことを聞くあたり、実に人のいい使徒である。









「これでどうですか?」



姿を変え終わったイロウルはシンジに聞いた。




「バッチリだよ!!」


シンジは喜びで一杯だ。






長くストレートの黒髪が風に靡き、


その瞳は日本人であることを誇っているかのような綺麗な黒色をしている。


顔立ちは整っているが、鼻筋が高いなどではない、純日本的な雰囲気を漂わせている。


身体つきはグラマーと呼ぶほどではないが、出ているところはしっかりと出ていた。








まさにシンジの思い描いていた通りの大和撫子であった。



なんども繰り返すようであるが、決して作者の趣味ではない




シンジの趣味である。




「ありがとうございます」


よくわからないが、シンジが褒めているようなのでイロウルは取り合えず礼を言っておく。




「う〜ん、これで背景に散りかけの桜があればベストなんだけどな〜」


シンジはかなりのこだわり派であった。



「?」


さすがにそこまでついて行けないのか、イロウルは不思議そうに首を傾げるだけであった。





(ああ!!夢にまで見た大和撫子が〜〜!!)



そんな表情もシンジの心を直撃していた。



性格が変わりすぎのような気もするが、気にしてはいけない。







「それじゃあ今後の課題は内面だね」


イロウル観賞に満足したシンジは当然の如く言った。



「・・・え?」


「だって大和撫子には内面が備わっていなくちゃ」


かなりのこだわりである。



「で、でも・・・」


「大丈夫!頑張ればきみでも大和撫子になれるよ!」


イロウルが懸命に止めようとするが、シンジの暴走は止まらない。



しかし、使徒でも大和撫子と言えるのだろうか?




「この一週間だらだら過ごしてきたけど、これで生きる目標が出来たよ!」


シンジは大きくガッツポーズをし、気合入りまくりである。



一応だらだら過ごしているという自覚はあったようだ。





「・・・わかりました」


シンジがそこまでやる気になっていると、人のいい使徒であるイロウルは断り切れなかった。




(なんで私が大和撫子を目指さないといけないの・・・)



が、心では泣いているようだ。




「よ〜し!じゃあ『光源氏計画(改)』を頑張ろう!」


何時の間にか計画の名前まで決まっていた。



「オ〜」


イロウルがいかにも力の入っていない声で答える。




「あ〜ダメダメ!そこは『わかりました』とか『はい』って答えないと!」


いきなり駄目だしである。



既に計画は始まっていたらしい。




「・・・はい」


イロウルはほとんど半無きになりながら、そう答えるしかなかった。






こうしてシンジの計画『光源氏計画(改)』が始動した。


それは同時にイロウルの受難の始まりをも意味するのである。





















一方別次元。



二人の謎の人物が寝転がっていた。



「・・・こんなはずじゃ・・・」


「まいったね。まさか・・・」






「「力を使いすぎて次元が渡れないなんて・・・」」





どうやら力を使いすぎて倒れこんでいたようだ。






「あなたのせいよ・・・」


「言い掛かりはよしてくれないか?きみのせいじゃないか・・・」




倒れこんだまま二人は相手を責め合っていた。




どうやら、二人で戦った時に力を使い過ぎたようだ。





「・・・力が貯まるまで時間がかかるわ」


「と言っても僕達には他に何も出来ないさ」


そう言うと二人は黙りこくった。









「その間イロウルは碇君と二人きり・・・」



二人のうちの一人がふと漏らす。



「それは許せないね〜・・・」




そう言うと二人はゆらりと立ち上がった。




傍から見るとゾンビのようで怖い。






「碇君、今行くわ」


「待っていてくれたまえ、シンジ君」




二人は再び次元を超えるために力を使い始めた。








それは無駄に力を使い、彼らの目標の実現がどんどん遅くなるのだが、冷静さを失っている彼らには
そんなことは考えられないうようだ。






二人が誰か、いまだ謎のまま続きます。



















<次回予告>


修行を始めるイロウル!


シンジは心で笑い、顔で喜びながら指導を行う。


上手く行かないため募らせる謎の二人。




そんな四人を嘲笑うかのように世界は動く!


彼らは世界の波を乗り越えられるのか!








次回!


「第五話 シンジの想い・・・そして」



太正桜に浪漫の嵐!




「イロウル・・・きみに話があるんだ」











次回予告は真っ赤な嘘です(笑)


















〜〜〜〜〜〜後書き〜〜〜〜〜〜〜〜〜


というわけで、剣さんのリクエスト「シンジ君+αの戦い?」をお送りいたしました。


今回はシンジ君がいい趣味していたので大和撫子の話が書けました(笑)


満足満足☆



でも最近こればっかり書いているな〜(汗)




>外見の話ではわざわざ絵まで書いてイロウルに見せている


これは、誰か挿絵を書いて送ってくれないかな〜という願望の現われです(笑)




それでは次回お会いいたしましょう!






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